第8期北陸プロリーグ 第6節レポート
2025年11月12日
Aリーグレポート
去る2025年10月26日、第8期北陸プロリーグ第6節が行われました。
偶数節のレポートを担当します、北陸支部Aリーグ所属の如月靖之です。
全8節で行われる北陸プロリーグはいよいよ佳境に入ってきました。
今節もまずは結果から見ていただきましょう。
Aリーグ
| 順位 | 名前 | 合計 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 6節 | 7節 | 8節 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 里木 祐介 | 114.3 | 40.3 | 11.9 | 64.6 | 5.9 | ▲ 38.5 | 30.1 | 0.0 | 0.0 |
| 2 | 志多木 健 | 53.4 | 10.0 | 18.6 | 4.0 | ▲ 6.9 | ▲ 22.2 | 49.9 | 0.0 | 0.0 |
| 3 | 如月 靖之 | 49.3 | 52.1 | 5.3 | ▲ 39.8 | ▲ 17.0 | 86.3 | ▲ 37.6 | 0.0 | 0.0 |
| 4 | 獅坂 祐一 | 41.7 | 77.2 | ▲ 23.2 | 23.6 | ▲ 37.1 | ▲ 14.1 | 15.3 | 0.0 | 0.0 |
| 5 | 浦田 豊人 | 34.9 | ▲ 3.2 | ▲ 42.1 | ▲ 24.4 | 21.8 | 55.0 | 27.8 | 0.0 | 0.0 |
| 6 | 後藤 正博 | 31.0 | ▲ 37.6 | 61.1 | 33.8 | 23.3 | 5.1 | ▲ 54.7 | 0.0 | 0.0 |
| 7 | 岡田 拓也 | 17.3 | ▲ 17.5 | ▲ 73.5 | 35.8 | ▲ 12.3 | 18.8 | 66.0 | 0.0 | 0.0 |
| 8 | 木戸 僚之 | ▲ 0.0 | 58.3 | 4.1 | 13.9 | ▲ 1.0 | ▲ 50.0 | ▲ 25.3 | 0.0 | 0.0 |
| 9 | 月野 桜悠 | ▲ 6.5 | ▲ 93.3 | 50.8 | ▲ 33.0 | 2.1 | 19.0 | 47.9 | 0.0 | 0.0 |
| 10 | 藤本 鉄也 | ▲ 13.2 | 0.9 | 53.4 | ▲ 0.3 | 10.7 | ▲ 33.3 | ▲ 44.6 | 0.0 | 0.0 |
| 11 | 梅本 翔 | ▲ 143.8 | ▲ 47.5 | ▲ 58.5 | ▲ 39.5 | 43.5 | 14.4 | ▲ 56.2 | 0.0 | 0.0 |
| 12 | 安城 るい | ▲ 178.4 | ▲ 39.7 | ▲ 7.9 | ▲ 38.7 | ▲ 33.0 | ▲ 40.5 | ▲ 18.6 | 0.0 | 0.0 |
決勝進出ラインとなるグリーンゾーンでは、5節のマイナス分をほぼ取り返した里木が首位。
続いて、4節、5節のマイナス分を倍返しした志多木が2位に付けた。私、如月は大きくポイントをマイナスしたが、かろうじて3位に。
4位には、こちらも5節のマイナス分を帳消しにした獅坂が入っている。
一方で、5節までポイントを積み重ねていた後藤は、大きくポイントを失い、グリーンゾーンから陥落する結果となった。
Bリーグとの入れ替え戦ラインとなるオレンジゾーンにも動きがあった。
前節まで9位だった岡田が大きく加点してオレンジゾーンを脱出。一方で前節、今節とポイントを大きく減らした藤本がオレンジゾーン入りとなった。
Bリーグへの降級確定となるレッドゾーンは、梅本が4節、5節のポイントをほぼ失って、オレンジゾーンへの道が遠のく。今季不調の安城はポイントを更に減らすことになった。
今節は、現在絶好調の岡田に話を聞いた。
岡田は先日行われた王位戦北陸予選、WRC-R北陸予選を勝ち上がり、今節も大きくポイントを増やした。
●岡田
今節に臨むにあたって「前節までで▲48.7ポイントと、12人中9位。とにかく守備意識を強く持って臨み、そのうえで、押すべき手が入った時には、放銃を恐れずにしっかり押す事を意識した。」と話していた。
その意識がはっきりと出ていた一局があった。
二回戦・トップ目で迎えた南2局3本場・西家









ポン

ドラ
ここで親の梅本がツモ切りリーチを打った。
そこに他家から
が打たれるが、これまでの岡田であれば、
は鳴かずに安全牌として切っていっていたというが、ここで岡田は、ポンを選択する。
この時の思考は「自分の手は打点が3900あり、かつリャンメン待ち。親の梅本はツモ切りリーチで、待ちが悪いのでは無いかと推測した。」とのこと。






ポン

ポン

ドラ
その後、ドラを引いて「他家はオリている事からドラは持っていないだろう。梅本はポイント状況から大きな加点が必要であることから、ドラ単騎待ちの可能性が高い。」という思考で打
。
そして
を引き戻して以下の形で、梅本から
が出て、7700は8600のアガりとなった。






ポン

ポン

ドラ
この時の梅本の手だが、567の三色同順、嵌
待ちだったという。
ツモ切りリーチをかけた理由だが、ダマテンで7700あったのでリーチをかけなかった。他家が仕掛けだし、出アガり期待度が高くなった為、ツモ切りリーチに打って出た。ということだった。
読みは外れていたとはいえ、それにしたがって動くことで良い結果を生み出す事もある。これも麻雀の醍醐味ではないだろうか。
岡田に今節終了後、感想を聞いたところ、
「しっかり守って、躱すべきところは躱し、押すべきところは押し返すことができた事が良い結果につながった。ただ、明らかなミスや、他家に対する絞りやアシストといったところで反省点が多かったので、改善していきたい。」と話していた。
そして、もう一人。
前節まで、かろうじてAB入れ替え戦のオレンジゾーン、10位に付けるものの、降級確定となるレッドゾーンがすぐ後ろに迫っていた月野。
今節は+47.9pと、オレンジゾーン脱出はならなかったものの、順位を一つ上げ、Aリーグ残留となる8位の木戸とわずか6.5p差まで詰め寄った。
●月野
今節に臨んだ意気込みを聞いたところ「5節までで▲54.4pなので、まずは残り3節でオレンジゾーン脱出を目標に、勝負どころで簡単にはオリないと決めていました。」と語る。
そんな月野に勝負の女神はほほえみ、3回戦までで三連勝、+72.4pと大きく加点していた。
そんな中で迎えた最終4回戦。
東1局に親の藤本が3900オールをアガってから、終始藤本の一人浮きで局が進んでいた。
迎えた南1局2本場南家












ドラ
の平和ドラ1の手を4巡目に聴牌。ドラをまたぐ待ちなので、出アガリに期待しにくいと思いながらもリーチ。しかし、獅坂に追いかけられ、結果的には獅坂にドラをツモられる事となった。
その瞬間、月野はひどく後悔したと話している。
3回戦までに大きくポイントをプラスにしており、藤本の一人浮きを受け入れたうえで、どうマイナスを減らしていくかを考えるべきだった。リーチせずにダマで確実に加点していく判断の大切さを思い知らされたという。
「反省するポイントはあったものの、それでも+47.9pと、嬉しいプラスポイントで終えることが出来ました。このままあきらめずにポイントを上積みして、グリーンゾーンまで狙っていきたい。」と、残り2節への意気込みも語ってくれた。
以上、全8節中6節目が終了し、泣いても笑っても残り2節。熾烈なポイント争いが繰り広げられることは確実だ。
まだまだ大きな動きがありえる北陸プロリーグ。
第7節は11月30日に石川県で開催されます。
(文・如月靖之)
Bリーグレポート
みなさま、こんにちは!いつも北陸支部へのご声援ありがとうございます。
北陸プロリーグ第6節のレポートは、40期生の夏野千代が担当いたします。出来る限り読みやすい文章を心掛けて参りますので、何卒よろしくお願いいたします。
2025年10月26日、北陸プロリーグ第6節が行われた。
首位・松井が独走、もう一枠の昇級ゾーンと入れ替えゾーン争いは混戦という状態の中、さらに抜け出す者が現れるのか?下位からの逆襲はあるのか?そんな見どころのあった今節であった。
今回夏野がインタビューしたのは、+56.0と大きなプラスを叩き、13位から9位に大きくジャンプアップした岡村である。
9月の第5節では手痛いマイナスとなったものの、第6節だけで大きくポイントを戻し、反撃の狼煙を上げた。
以下本人からのコメント(敬称略)
「前節に大きくマイナスしてしまい、今節は大きなプラスをとらないと最低ラインのオレンジ(入れ替えライン)に到達することが厳しかったため、かなり攻めることを意識して臨んだ。
しかし前に出過ぎて大きく放銃しては意味がないため、自分の打点に見合った押し引きを心がけた。
また、4位の鈴木プロと5位の夏野プロとの同卓だったため、かなり勝負どころだと感じていた。50から60くらい詰めたいと思っていたところだったが、実現できたのでまずは素直に嬉しい。
ピックアップしたいのはこの局。
3回戦オーラス
東家 成田:39300
南家 夏野:27500
西家 岡村:29000
北家 鈴木:24200
3巡目頃から成田からの手出しの牌が濃くなってきており、今にもリーチが飛んできそうであった。成田から
がツモ切られると、それをポンしてこの聴牌をとった。












ドラ
聴牌してすぐの6巡目に、成田からのリーチが入る。
この親リーチに放銃すればラス落ちまである点数状況であったが、現物の
を鳴いて1000点をアガり、プラスリーチ棒で31000となって浮けたのが非常に大きかったと感じている。
全ての半荘で鈴木&夏野、最低でもどちらか1人とは差をつけたいと思っていたが、この局があって目標を達成することができた。
また、成田は点数的にもトータル的にも厳しそうだったこともあり、このトップ目の親からもガンガン前に出てくることを想定していた。
ここでオリて沈みの2着で終わるのも視野に入れていたが、
・まだ通っていない筋が多かったこと
・リャンメン待ちだったこと
上記の2点を考慮し、親リーチに無筋を二本押しきってアガり、浮きに回れたことに大きな価値があった。
同卓者全員の点数状況を把握し、相手が欲しい打点ややりたいことを見極め、冷静な判断で対応できたことが今回のプラスに繋がったと感じる。残り2節で4位以内を目指して、さらにプラスを積み重ねていきたい。」
私はこの日岡村と同卓していたが、後からこの日の心構えを聞いて納得した。攻撃力がとにかくものすごかったからである。
私がこの日の岡村の手で印象に残ったのは、一半荘目の東一局、成田から跳満を出アガリしたこちらである。












ドラ
ロン
(リーチ・タンヤオ・平和・三色同順・ドラ)
いきなりの高打点が炸裂し、攻めの姿勢を見せつけたこの局についても話を伺った。
「まずは鳴くという選択肢は自分の状況的に基本的になく、10巡目までは鳴かないと決めていた。もちろん枚数や周りの速度次第では副露を入れ聴牌、もしくはアガりを目指すことを考えていた。
カン七を引き入れてのリャンメン待ちになってもカン七待ちになっても、どちらの聴牌でもリーチすると決めていた。ここで大きく加点して勢いをつけたいと思っていたため、跳満スタートを決められてよかったと思う。」
この日の岡村は終始前に出続けており、かと言って放銃が目立ったわけでもなく、見事なバランス力で周囲を圧倒していたように思う。
話の中に弱気や迷いが一切感じられず、どの盤面もしっかりと記憶して話してくれたことがとても印象的だった。
最後に筆者・夏野の対局を振り返ると、四半荘目に反省すべき点がたくさん詰まっていたように感じた。四半荘目だけで△31.8と、大きくマイナスしてしまったのである。
東一局で鈴木とのめくり合いに負けて原点を割ってから、なんとか浮きに回ろうと焦って無理な加点を狙いすぎてしまった。
高くもなく安全度も低い鳴きをしてしまい、結果満貫に放銃という最悪なこともしてしまった。ドラのない混一色を狙ってオタ風をポンし、さらに聴牌でもないのに危険牌を打って8,000と言われた瞬間、浦田支部長の絶望した表情が頭をよぎった。これは普段、浦田支部長からご法度と言われている鳴きである。冷静に考えることができていたら、こんなことにはならなかったかもしれない。
研修や勉強で得た知識を存分に発揮できるよう、いかなる時も冷静な心で対局しなくてはと反省した。
41期が躍進を続ける中、残り2節で大逆転があるのか?このまま上位陣が走り続けるのか?
夏野はかつての首位を取り戻し、大旋風を巻き起こすことができるのか?
北陸支部Bリーグから目が離せない!
(文・夏野千代)
Bリーグ
| 順位 | 名前 | 合計 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 6節 | 7節 | 8節 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 松井 直大 | 205.6 | 28.5 | 13.0 | 48.7 | 53.8 | 74.4 | ▲ 12.8 | 0.0 | 0.0 |
| 2 | 瀧根 克登志 | 131.1 | ▲ 40.3 | 57.0 | ▲ 37.2 | 22.6 | 66.4 | 62.6 | 0.0 | 0.0 |
| 3 | 髙地 真生 | 114.5 | 46.7 | 15.6 | 6.1 | ▲ 0.7 | 30.0 | 16.8 | 0.0 | 0.0 |
| 4 | 中川 竜伍 | 54.5 | ▲ 0.8 | ▲ 37.9 | 11.8 | 52.8 | ▲ 0.5 | 29.1 | 0.0 | 0.0 |
| 5 | 鈴木 孝幸 | 36.9 | 28.0 | ▲ 33.1 | ▲ 6.6 | 34.5 | 35.4 | ▲ 21.3 | 0.0 | 0.0 |
| 6 | 夏野 千代 | 24.9 | 33.7 | 17.7 | 39.9 | ▲ 55.1 | 3.6 | ▲ 14.9 | 0.0 | 0.0 |
| 7 | 小林 和樹 | 4.9 | ▲ 16.3 | ▲ 31.7 | 23.1 | 46.3 | 14.3 | ▲ 30.8 | 0.0 | 0.0 |
| 8 | 南 和之 | ▲ 11.7 | ▲ 30.0 | 43.9 | 14.7 | 9.5 | ▲ 4.9 | ▲ 44.9 | 0.0 | 0.0 |
| 9 | 岡村 松太 | ▲ 16.0 | ▲ 37.9 | 69.1 | 8.9 | ▲ 24.3 | ▲ 87.8 | 56.0 | 0.0 | 0.0 |
| 10 | 百瀬 あい | ▲ 16.4 | 11.0 | 20.9 | ▲ 39.0 | ▲ 27.4 | 23.2 | ▲ 5.1 | 0.0 | 0.0 |
| 11 | 荒谷 誠 | ▲ 36.2 | ▲ 5.1 | ▲ 34.7 | 18.3 | ▲ 44.0 | ▲ 53.7 | 83.0 | 0.0 | 0.0 |
| 12 | 宮成 さく | ▲ 66.9 | ▲ 8.9 | ▲ 13.5 | 2.0 | 14.6 | ▲ 71.9 | 10.8 | 0.0 | 0.0 |
| 13 | 成田 理良 | ▲ 88.6 | ▲ 0.3 | ▲ 68.1 | ▲ 14.2 | 17.9 | ▲ 3.1 | ▲ 20.8 | 0.0 | 0.0 |
| 14 | 日水 亮輔 | ▲ 109.9 | 0.9 | 15.4 | ▲ 52.2 | ▲ 58.0 | 26.6 | ▲ 42.6 | 0.0 | 0.0 |
| 15 | 栄田 勇作 | ▲ 113.6 | ▲ 34.9 | ▲ 15.9 | 10.3 | ▲ 18.2 | 0.0 | ▲ 54.9 | 0.0 | 0.0 |
| 16 | 宮川 悟 | ▲ 172.1 | ▲ 7.3 | ▲ 18.7 | ▲ 36.6 | ▲ 45.3 | ▲ 53.0 | ▲ 11.2 | 0.0 | 0.0 |
カテゴリ:北陸プロリーグ レポート












