プロリーグ(鳳凰戦) レポート

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第34期鳳凰位決定戦 三日目観戦記 荒 正義

2018/02/06
執筆:荒 正義


今日から後半戦である。現在の総合得点はこれだ。

前原+68.6P 柴田+14.2P 瀬戸熊▲24.8P 内川▲58.0P
    
現在1位の前原と内川の差は126,6Pである。大変な差だが、今日1日のほかにもう1日あるのだ。内川はあきらめるわけにはいかない。今日大きく浮き、前原が沈んだらチャンスはあるのだ。
瀬戸熊はまず失点をなくし、浮くことを考える。その間に前原が沈めばすぐに射程距離に入る。クマ熊タイムが発動したら一気だ。ただ問題は、誰もがその発動をマークしている。そのためかここ3年、リーグ戦でも瀬戸熊の親は早く蹴られている。
柴田は、まず自分の得点を伸ばすことだけを考える。次に、前原の親をマークする。後は前原のでき次第だ。もう1日ある、と考えれば心に余裕が生まれる。
前原は自然体でいい。今まで通りだ。
ただ問題は、内川の点棒である。失点の大きい彼は、無理しても攻める公算が高い。そのとき、その牌が捕まると柴田、瀬戸熊に点棒が流れる可能性がある。
しかし、それは自分にもその点棒が来ることもある。だから、深く考えない。
成り行きを見て、対応すればいいのだ。

なお、この日の解説はA1リーグ昇級を果たした、紺野真太郎と吉田直が務めた。

 
100

 

9回戦。
東1局。ドラ九筒
10巡目、北家の内川から先制のリーチがかかる。

(内川の河)
一索 上向き九万 上向き二万 上向き一万 上向き七索 上向き六筒 上向き
東八筒 上向き東八索 左向き

(内川の手)
四万五万六万四索五索六索七索七索一筒三筒九筒九筒九筒  リーチ

なんと、ドラが暗刻で勝負手ではないか。
このとき、他の3者の手も整っていた。
親の前原はこうだ。

二万二万三万三万四万七万七万五索六索二筒三筒四筒中

南家の柴田はこう。

五万六万八万八万五索六索七索八索二筒三筒四筒四筒五筒

西家の瀬戸熊がこうだ。

一万一万一万一索六筒六筒七筒七筒西西  ポン二索 左向き二索 上向き二索 上向き

柴田にテンパイが入る。

五万六万七万八万八万五索六索七索二筒三筒四筒四筒五筒

現物だからヤミテンを選択。
内川が西をツモ切り。これにポンテンをかける瀬戸熊。

一万一万一万六筒六筒七筒七筒  ポン西西西  ポン二索 左向き二索 上向き二索 上向き

誰もリーチに、受ける気なしである。この鳴きで二筒を掴まされたのが、柴田だ。見てげんなり、ドラが暗刻で8,000の放銃。送りバントのような二筒である。鳴きがなければこの二筒は瀬戸熊のツモだった。

東2局。ドラ三索
前原が10巡目に絶好のカン四索を入れて、リーチを打つ。

二万三万四万六万七万三索四索五索八索八索四筒五筒六筒  リーチ

前原のアガリは目前かと思われたが、親の柴田も同巡にテンパイを入れ追いかけリーチだ。
そして、一発で三筒を引く。

一万二万三万七万八万九万七索八索九索一筒二筒南南  ツモ三筒

(さっきの二筒の送り込みは、なんだ!)と、言わんばかりだ。
チャンタで3,900オールだ。これが柴田の根性だ。

 
100

 

柴田は、神奈川県川崎市の出身。3人兄弟の末っ子である。上に姉と兄がいる。家庭は放任主義で、この世界に入るとき、反対はなかったという。

1本場は、前原から瀬戸熊への2,600は2,900の放銃。

東3局。ドラ三索
4巡目、発をポンして柴田が仕掛ける。

一索七索七索八索九索一筒東東南北  ポン発発発

この鳴きで二索を下げた。

一索二索七索七索八索九索東東南北  ポン発発発

まだ苦しい形だが、上家の前原の河がマンズの染め手に見える。
8巡目、前原から九索が出る。これも鳴いた。私は、この鳴きに違和感があった。

一索二索七索九索東東北  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン発発発

柴田は前原にプレッシャーをかけているのか、それとも前原ならなんでも切ってくると踏んだのか。いや、その両方を踏まえての仕掛けかもしれない。
12巡目、前原にテンパイが入る。

四万五万六万七万七万八万九万九万三索東東北北  ツモ北

三索はドラだから、打てば満貫は覚悟だ。しかし、叩き切る。前原の辞書に撤退文字はないのだ。チーだった。

七索九索東東  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン発発発

鳴く方も鳴く方だが、切る方も切る方だ。
度胸試しか、意地の張り合いか。
ドラを切る以上、前原もテンパイなのは明白。さらに、柴田は確実にテンパイである。この2人の争いを虎視眈々と狙っていたのが、親の瀬戸熊である。同巡、瀬戸熊もテンパイを入れた。

三万四万六万六万三索四索五索四筒五筒五筒六筒六筒七筒

タンピンドラ1で5,800の手だ。ヤミテン。
16巡目に六索ツモだ。ここは、現物の三万で一度撤退。すると、次のツモがドラの三索だった。

四万六万六万三索四索五索六索四筒五筒五筒六筒六筒七筒  ツモ三索

四万は前原の現物で、六万は中筋だが初物。しかし瀬戸熊は三色の形を尊び六万を切った。ドラマは、この後に起こった。内川に最終ツモで、テンパイが入る。

五万五万六万七万八万八万四索五索六索七索二筒三筒四筒  ツモ八索

ここで切ったのが五万だった。瀬戸熊の手が倒された。三色で12,000点のアガリ。

四万六万三索三索四索五索六索四筒五筒五筒六筒六筒七筒  ロン五万

この五万は、前原の本命の筋に見える。瀬戸熊の六万だって、前原には強い牌だ。瀬戸熊が切るからには、彼もテンパイと見て当然。内川は浮きだし、ツモがないのだ。ならば、火中の栗に手を出す必要はなかったはずだ。

 
100

 

内川は、長野県松本市の出身。3人兄弟で下には弟と妹がいる。
最終学歴は高卒。血液はO型。連盟に入ってからは、リーグ戦のためずっと松本から通っていたのだという。B2リーグに上がって、初めて上京。そして、36歳でA1に昇級。(なお、前原と瀬戸熊の略歴は、前に記したのでここでは省く)

1本場は柴田がピンフで瀬戸熊から1,000と300をアガる。

東4局。ドラ一筒
親の内川の手が軽い。9巡目のテンパイで即リーチだ。

中一万 上向き八筒 上向き五索 上向き発六筒 上向き
南五筒 上向き一索 左向き

この河で手配がこうだ。

二万三万四万九万九万二索三索四索五索六索七索二筒三筒  リーチ

しかし、残念ながら三色高めの四筒は4枚持たれ、出てくる可能性はない。あるのはドラの一筒が2枚。これをツモなら2,600オールだ。
11巡目、追いついた北家の瀬戸熊が追いかける。

(瀬戸熊の河)
二索 上向き五索 上向き中一筒 上向き二索 上向き一筒 上向き
東二索 上向き発西二万 左向き

この河で、手牌がこうだ。

四万五万五万六万六万七万八万九万北北北白白  リーチ

勝算は十分である。流れは五万で親満を打ち取った、瀬戸熊にあるのは一目瞭然。クマ熊タイムの発動である。
しかし、お互いにツモれない。流局間際、前原がチーテンの形式テンパイを入れる。そのとたんに瀬戸熊に流れたのが七万で、3,000・6,000!大きなアガリだ。

南1局は前原の親番。
前原は、この親で3本積んで、浮きに回る。
そして、前原のリーチだ。前原はリーチとタンヤオ。
これに染め手で勝負したのが内川。軍配は内川に上り、2,000・4,000。

四索四索五索六索九索九索九索  ポン白白白  加カン北北北北  ツモ七索

前原には、痛い親落ちだった。

南2局は親の柴田が、前原から5,800のアガリで浮きに回る。

南2局1本場。ドラ北
この時点で、4者の持ち点はこうだ。
前原19,500 
柴田31,100 
瀬戸熊46,900 
内川22,500

親は柴田である。トップ走者の前原をラスにし、瀬戸熊にとっては理想の展開である。この局も、内川が染め手で仕掛けた。
南発鳴いて、手の内はこうだ。

一筒三筒三筒五筒五筒七筒八筒  ポン発発発  ポン南南南

ここに前原が二筒を切る。
この二筒に合わせ、手にならない瀬戸熊も二筒を切る。当然、内川はチーテン。二筒は、瀬戸熊の援護射撃だった。内川はすぐに九筒をツモって2,000・3,900。

柴田はオヤッかぶりだ。

五筒五筒七筒八筒  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  ポン発発発  ポン南南南  ツモ九筒

これで、上位の柴田も沈めたことになる。前原はラスのままだから、瀬戸熊には理想の展開。これが『ゲーム回し』である。

 
100

 

南4局。ドラ白
(くそ、シャレたマネしやがって!)
今度は口から火を吐き、ゴジラが怒った。
5巡目に五筒を両面で、チーテンに取る。その手の内がこうだ。

三万四万五万九筒九筒白白白中中  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き

この九筒を引いて2,000・4,000。沈みだが2着に浮上。この土壇場で、この手が入るとは…なんというパワーだ!

トップは瀬戸熊の1人浮きで、総合得点はこうだ。

前原+63.3P 柴田+1.3P 瀬戸熊▲1.3P 内川▲63.3P
      
珍しく左右、同じ数字が並んだ。

10回戦
起親は柴田で、順に前原、瀬戸熊、内川。

東1局、ドラ七索
10巡目、ドラを暗刻にした瀬戸熊が会心のリーチを放つ。

(瀬戸熊の河)
北西中七万 上向き二万 上向き南
二索 上向き四索 上向き三万 上向き九筒 左向き

(瀬戸熊の手牌)
三万四万五万四索五索七索七索七索一筒二筒三筒七筒七筒  リーチ

前回はトップで受けは両面だし、入り目に力がある。
このリーチに真っ向勝負を挑んだのが、親の柴田だ。
このとき柴田の手はこうだ。

二万三万四索五索五索五筒六筒七筒東東白白白  ツモ五筒

この五筒をツモ切る。ロンの声がかかってもおかしくはない強打だ。
次に六索を引き、追いかけリーチだ。この五索も強打だ。脇の2人はオリに回る。
この引き合いは、柴田が勝って2,600オールだ。打つのとアガリでは天地の差の大一番だった。

1本場は、前原が落とした。
瀬戸熊から2,600と300のアガリ。

東2局。
今度は、柴田が前原の親を1,000点で蹴る。

東3局。
柴田と内川のリーチ合戦を、親の瀬戸熊が500オールのツモ。リーチ棒2本をせしめた。

東3局1本場。
4人テンパイで仲良く流局。

東3局2本場。
瀬戸熊の親が動かない。不気味だったが、前原が3,200と600で蹴る。打ったのは柴田だった。これで前原は浮きに回った。

東4局。
親の内川にリーチがかかるが、無視して突っ張る前原。ここも前原がアガリ1,000・2,000。トップに立つ。
ゴッゴッゴッ!…ゴジラの足音が聞こえる。

 
100

 

南1局。
ここは親の柴田が頑張って2,600オールのツモ。前原を交わした。
1本場。

前原の配牌がすごい。

二万八索一筒二筒三筒六筒東東東北中中中  ツモ三万  ドラ五万

実況の古橋から驚きの声が上がる。
もう1シャンテンである。できれば染め手で、決めたいところだ。
3巡目、南をポンした瀬戸熊こうだ。

四万五万九万九万一索二索三索西発発  ポン南南南

この鳴きがよく、次に発を引いてテンパイが入る。
そして2巡後、前原の手がこう。

二万三万一筒二筒三筒五筒六筒東東東中中中  ツモ二万

ここで三万を切ると、5,200は5,500の放銃。これは痛かった。

南2局。ドラ四筒
今度は配牌で、瀬戸熊が入れてくる。

四索七索八索八索九索九筒東東南白白発発  ツモ三万

3巡目の発はスルーしたら、5巡目に白が暗刻になった。

四索七索八索八索九索東東南白白白発発

しかし、柴田も5巡目でテンパイを入れる。

四万五万六万一索二索三索一筒二筒三筒四筒五筒八筒八筒

この時、瀬戸熊の手。

四索五索七索八索九索東東南白白白発発  ツモ三筒

さすがに、この三筒は止まらない。2,000の放銃。

南3局。
柴田がヤミテンのタンピンを、前原からアガリ。1人浮きで局を進める。

南4局。ドラ五万
親の内川が、ピンズに染めたが流局。

三筒三筒南南南白白  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ポン東東東

前原も押してテンパイを入れる。

1本場。ドラ一万
今度は、前原のWリーチが飛んで来た。どうもこの半荘…技を競うのではなく配牌勝負のようだ。

(前原の手)
二万三万四万七万八万九万二索四索九索九索九索七筒七筒  リーチ

ラス目の親の内川は、オリなしの構えで6巡目に追いかけリーチだ。

四万五万六万三索四索五索二筒二筒二筒三筒三筒六筒七筒  リーチ

しかし、勝ったのは前原で三索のツモだ。これで前原は浮きを確保。トップは柴田で瀬戸熊は3着。
10回戦終了時の総合計はこうだ。

前原+72.8P 柴田+21.7P 瀬戸熊▲11.3P 内川▲83.2P
    

11回戦。
親から順に内川、瀬戸熊、前原、柴田の並び。

東1局は柴田がピンフでかわす。打ったのは前原だ。
東2局は親の瀬戸熊が1,300オールのツモ。
1本場は流局。瀬戸熊、前原がテンパイ。
2本場は前原が1,000点で蹴る。打ったのは内川で1,000と600。

東3局。ドラ八索
前原の親番。ここは3人で力を合わせて親を蹴ると思ったが、違った。柴田が1人で頑張った。

一万二万三万八索四筒四筒四筒五筒六筒七筒  加カン発発発発  ツモ八索

ラス牌のドラの八索を引き当て1,600・3,200。
前原を沈めて浮きに回ったから、これは大きいアガリだ。

東4局。ドラ東
これまでの得点はこうだ。
内川24,000 
瀬戸熊33,800 
前原27,600 
柴田34,600

ここも親の柴田が頑張った。9巡目にリーチを入れる。

九筒 上向き西南九万 上向き五索 上向き二索 上向き
五索 上向き八万 上向き六万 左向き

そして手牌がこうだ。

二万三万四万八索九索二筒三筒四筒五筒六筒七筒東東  リーチ

七索は全山。これを一発で引き、3,900オール。

1本場。ドラ一索
今度は、追い込まれた前原が頑張った。

三筒四筒四筒四筒六筒七筒八筒  ポン一筒 左向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン白白白

この手を三筒で、柴田から打ち取った。5,200は5,500。
河からは見えたピンズの染め手だったが、柴田の手も勝負手だった。河に1枚出ているドラの一索待ちである。

一索五索五索七索七索二筒二筒五筒五筒九筒九筒中中

出れば9,600、これはしょうがない。

南1局。ドラ七筒
この局もぶつかりそうだ。最初にテンパイを入れたのは前原。

二万三万四万六万六索四筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒八筒  ツモ八筒

ここで六索を切る。
同巡、柴田の手。

三万四万五万三索四索五索六索七索二筒二筒三筒七筒七筒

そして前原がリーチ。

二万三万四万四筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒八筒八筒九筒  リーチ

続いて柴田の追いかけリーチだ。

三万四万五万三索四索五索六索七索八索二筒三筒七筒七筒  リーチ

内川も国士の1シャンテンで引けない。

一万九万九万一索一索九索一筒東南西北白中  ツモ四万

発九筒である。四万は無筋だが、ツモ切る。
しかし、前原が一発目で高めの四筒を引く。強い、流石である。
これで前原がトップに立つ。

前原38,200
柴田37,800
その差は微細である。

南2局。ドラ七索
9巡目、前原にテンパイが入る。しかし、今度はヤミテン。なぜだ―。

二万二万六万七万八万七索八索九索四筒五筒白白白

瀬戸熊の親を警戒したのか?
このヤミテンが功を奏し、すぐに瀬戸熊から六筒が出て2,600。
ゴジラは大胆かつ細心である。

南3局は前原の親番。ドラ三索
連続アガリで勢いがあるから、警戒警報発令である。
11巡目、柴田がリーチ。

五万六万七万七万八万九万七索九索五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ

続いて内川も追いかけリーチだ。

二索二索四索四索五索五索七索八索八索南南北北  リーチ

しかし流局。
南4局。ドラ七万
9巡目に親の柴田のリーチが入る。

(柴田の河)
三筒 上向き二索 上向き四万 上向き三万 上向き中一索 上向き
三万 上向き四筒 上向き西

どうせ出ないドラ待ちである。

六万六万七万八万八万九万九万一筒一筒南南北北

この時、前原の手はこうだ。

二万三万四万四万一索二索三索九索一筒二筒三筒六筒七筒

結果は流局で、前原もテンパイ。

1本場は、前原がヤミテン七対子を内川からアガリ幕。
トップは前原で、柴田が浮きの2着。
総合得点はこうだ。

前原+96,8P 柴田+34,5P 瀬戸熊▲23,0P 内川▲108,0P
   

12回戦。
起親は内川で順に瀬戸熊、柴田、前原。
東1局。
先制リーチしたのは、柴田だ。

四万五万六万七万八万四索五索六索四筒五筒六筒西西  ドラ二万

これが7巡目の仕上がりで、入り目が六筒六索
アガってくださいのツモである。すぐに九万を引いて2,000・3900。

東2局。ドラ八索
最初にテンパイを入れたのは柴田だ。

七万七万六索七索八索二筒二筒二筒五筒七筒中中中

これが12巡目の仕上がりで、ヤミテン。すると次巡、親の瀬戸熊からリーチが飛んで来た。

一万二万三万四万四万七索八索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ

突っ張る柴田。すると、今度は内川のリーチだ。

一索二索三索四索五索六索八索九索三筒三筒五筒六筒七筒  リーチ

前原が安全パイに窮し、七万を切ると柴田の手が開いた。

七万七万六索七索八索二筒二筒二筒五筒五筒中中中  ロン七万

軍配は、ヤミテンでうまく回った柴田に上がった。3,200と2本のリーチ棒。
いや、点棒より相手のアガリを阻止したことに価値がある。

東3局。ドラ八索
好い親番を引いた、柴田の配牌はどうだ。

一万一万二万三万三万四万五万七万四索八索八索二筒九筒白

ドラは2丁あって2メンツ完成して、絶好である。
しかし4巡目、白をポンしていた前原に誤ポンが出る。
前原の手はこうだ。

七万八万二索三索六索六索七索西西北  ポン白白白

ここで瀬戸熊の切った北に、声が出たのだ。西との錯覚か。
打牌前なので、アガリ放棄。4戦目に入って、前原に疲れが出たのか!
ゴジラも人間だったのである。

しかし、問題は柴田の手だ。親満が見える手だが誤ポンから、動揺したのか一向に手が進まない。この後、内川のリーチが入って流局。内川の1人テンパイだ。

東4局は前原の親番。ドラ九筒
12巡目に前原のリーチが入る。

五万五万二索三索四索一筒二筒三筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ

入り目は絶好の八筒である。なんという生命力だ。
16巡目、テンパイした内川から八筒が出る。

「ロン!」「ロン」。

声が被った。
残念ながら、瀬戸熊の頭ハネだったのである。

二万二万六索六索七索七索五筒五筒七筒七筒八筒白白  ロン八筒

これが潮の変わり目か。

南1局は内川の親番。
この時点で4人の持ち点はこうだ。

内川25,200 
瀬戸熊29,900 
柴田42,100 
前原22,800
    
ここは瀬戸熊が柴田から1,600のアガリ。

南2局。親は瀬戸熊。ドラ三索
柴田の配牌がすごい。

一万四万七万八万一索二索八索六筒南南南発発   ツモ三索

ダブル風の南が暗刻で、第一ツモがドラの三索である。
3巡目にテンパイが入る。

六万七万八万一索二索三索四筒六筒南南南発発

6巡目に瀬戸熊から五筒が出て6,400。これで3人を沈めた柴田。

南3局。ドラ六万
上昇気流に乗った柴田の親番。ここは前原と柴田の一騎打ちになる可能性が高い。なぜなら、内川は高得点を狙うので手が遅くなる。
瀬戸熊も浮きを目指すから時間がかかる。そんなことは百も承知と、前原は7巡目にテンパイ即リーチだ。

(前原の河)
北一索 上向き白中五筒 上向き南
九筒 左向き

(前原の手)
一万二万三万七万八万九万五索五索七索八索七筒七筒七筒  リーチ

この時点で、河には六索九索が2枚切れていた。前原にとって怖いのは、柴田の追い返しだ。しかし、柴田は手堅く打って前に出ない。勝負は4日目と見ているのか。結果、流局してテンパイは前原と内川。
前原は怖かった柴田の親が流れたことで、満足すべきだろう。

南4局1本場。ドラ六索
この局は親の前原と瀬戸熊。そして、柴田の手がぶつかったがテンパイ一番乗りは柴田。7巡目にリーチをかけすぐにツモアガリ。

四万五万六万七万八万九万二索二索二索六索七索五筒五筒  リーチ  ツモ八索

このアガリで前原をラスにし、柴田の1人浮きのトップとなった。

そして、12回戦終了時の4人の得点はこれだ。

前原+80.0P 柴田+67.2P 瀬戸熊▲33.5P 内川▲113.7P
   
34期『鳳凰』の栄冠は誰に輝くのか、次が楽しみである。