プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第37期鳳凰戦A1リーグ第7節B卓レポート

【2020/9/14(月)A1第7節B卓 HIRO柴田が役満字一色をツモアガリ!】

 

 

HIRO柴田は前回の第6節、▲74.2Pと大きなマイナスを背負い一気に9位まで順位を落とした。
若くしてA1に昇級。一度A2に落ちた時は一期でA1に返り咲き、しかし、強いが故に下位争いの経験に乏しい。
「今日はヤミテンします。」と消極的な作戦でこの対局にのぞんだ。

 

 

2回戦東1局、北家。ドラ八万
H柴田の配牌は9種11牌。まずは流すかどうか。
トータル順位を考えると国士無双やホンイツをみて流局させず続行する方が自然だが、全員第一打が西
もう残り1枚しかない。
トイツの字牌どちらも役牌。ホンイツやトイトイの保険もあるが、敢えてドラ色から切り始めた。

 

 

2巡目北と3巡目白 はどちらも鳴かず。国士は捨てきれない。
直後発を持って来て役牌3トイツ。
次は鳴こう。そう決めた瞬間。

 

 

瀬戸熊から白をツモ切られ、ポン。ピンズのホンイツチャンタ本線で発進。

 

 

親の瀬戸熊は3連続有効牌引き。北家のH柴田がポンするほど瀬戸熊のツモ番は増え、手が育っていく。

 

 

東がポン出来て選択。南は生牌。中は1枚切れ。七筒九筒外しもアリだが、柴田は南切りとする。
3役ホンイツチャンタ、跳満の1シャンテン。

 

 

中が重なり、搭子変更。高め字一色大三元のダブル役満、安め字一色の役満の1シャンテンだ。

 

 

瀬戸熊は1シャンテンから動かないまま、北も引かされる。
柴田の北スルー、白 2鳴きがここで効いたか。
ポン出し南の後九筒七筒手出し、バラバラに見えたのもあるだろう。早くテンパイし親リーチを被せたかったか。
1回戦はトップ、この半荘を強い攻めで大トップを決めれば下位から抜け出せると逸る気持ちがあったかも知れない。
とにかく北を切らせる何かが瀬戸熊の中にあった。

 

 

決着はわずか1巡だった。
国士を見切ってからホンイツを狙い、瞬く間に字一色。それまでの動作、一切淀みなかった柴田の右手が発を静かに置いた途端に震えた。

長年麻雀プロの第一線で戦い続け、何度も役満をアガっている柴田でも震えるのだ。
しかしまだ戦いの最中。すぐに抑え込んで次局へ向かった。

 

 

柴田が卓内トップ。3回戦まで丁寧にまとめていた紺野が最終戦南場の2連続満貫を決め、プラスで終えた。
吉田も序盤は打点重視のフリテンリーチ、タンヤオツモリンシャン三色などらしい手組みを魅せたが、柴田が絶好調になってからは行きたい気持ちを抑えたように見えた。

瀬戸熊が一番苦しい日だったが、4回戦に攻めの麻雀で浮きに回り失点を少し戻して踏みとどまった。

 

(文:編集部)