優勝は前原 雄大八段

【決勝進出者】
■高木 賢治九段
■加藤 博己三段
■大場 篤初段
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去る8月18日、19日と二日に渡って戦われた十段戦決勝戦において前原雄大(八段)が見事優勝を成し遂げた。前原の十段位獲得は九年振り三度目である。
「傲慢さと弱さを抱え込んだまま、十段戦ということでなく麻雀という自然に真正面から立ち向かうつもりで臨みます。」
決勝戦前日に前原から届いたメールである。昨年度の鳳凰戦敗退、今期プロリーグにおいての遅刻欠場、前原の忸怩たる思いが伝わってくる内容である。
前原との出会いは私がプロ入りする以前のことだった。
今まで前原の強さも弱さも見てきたが、今回の決勝戦は、中でも最悪のコンディションだったように感じる。観戦記を任された私は、本来の前原の強さを見ることができるのか、それとも整理のつかない気持ちを抱えたままの弱さを見ることになってしまうのか、正直わからなかった。
しかし、「真正面から立ち向かう」という前原の言葉で、卓上で起こるであろう全ての事象を今の等身大の前原の力なのだとそのままの形で受け止めようと思った・・・。
高木は74歳の高齢ながらも、長年の経験に裏打ちされた大局観で、ここまで勝ち上がってきた。
麻雀も各種スポーツと一緒で、気力、体力が充実していなければ良い結果に結びつかない。対局前に本人も語っていたが、体力との戦いが大きな問題となるだろう。
加藤、大場の若手二人は、決勝戦進出は初めて。
二人とも低段位からの勝ち上がりで勢いを感じさせる。
「一度は麻雀を諦めようと思った。」
そう語った加藤であるが、やはり夢を捨てきれず、心機一転上京し、それまで以上麻雀に真剣に取り組み、決勝戦進出を果たした。
大場は一番下の初段戦からの11連勝と破竹の勢いで勝ち上がってきた。麻雀を単純な計算で計ることはできないが、トーナメントの勝ち上がりを50%として計算すると実に2048分の1の快挙となる。
この四者が決勝戦を10半荘戦った。
最終戦の南場まで、4者ともに優勝の目があるほど今回の十段戦はもつれた。
その白熱した決勝戦を私なりの視点で書いていこうと思う。
滝沢 和典
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