十段戦は今期で27期。
日本プロ麻雀連盟Aルール(一発裏ドラなし、ノーテン罰あり)で、ベスト16は半荘6回戦を行い、上位2名が準決勝へ勝ち上がりとなる。
【A卓】板川 和俊(七段・前年度決勝進出) vs 猿川 真寿(四段) vs 樋口 新(四段) vs
堀内 正人(二段)
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左から 樋口 新、堀内 正人、
猿川 真寿、板川 和俊 |
1回戦。起家から、板川→猿川→堀内→樋口の並びでスタート。
好発進の猿川は、東3局で42,000点持ちから、堀内の親リーチに対して13巡目、
            リーチ ドラ
このリーチで追いかけると、安全牌に窮した樋口が で猿川に放銃。
東家・堀内のリーチは、
            
続く東4局の樋口の親番では、猿川の先制リーチに対して堀内が追いかける。12巡目、猿川リーチ。
            リーチ ドラ
そこに、堀内が追いかけリーチ。
            リーチ
は猿川の河に打たれており、ヤミテンに構える打ち手も多いはず。
好不調を意識する打ち手ならばなおさらだ。
結果は流局となったが、前局と違うのは堀内の手牌が全員に披露されたこと。
堀内のこの追いかけリーチは対局者にどう映るか?上位2名の勝ち上がり、1/6回戦目でのこのリーチだ。
好調を感じている猿川は、堀内の手牌と捨牌を見比べて、きっと「おいしい」と思ったことであろう。
しかし、A卓からベスト8進出を決めたのは板川と堀内。
1回戦目で61,000点のトップを取った猿川が敗退しているのは、堀内に対する戦略が間逆に出てしまったからではないだろうか。
2ラススタートの板川はさすがの通過。樋口は三者の攻めに飲みこまれた格好で敗退となった。
《A卓勝ち上がり》
板川和俊・堀内正人
【B卓】吉田 幸雄(七段・前年度決勝進出) vs 朝武 雅晴(七段) vs 石渡 正志(七段) vs
藤崎 智(七段)
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左から 吉田 幸雄、藤崎 智、
朝武 雅晴、石渡 正志
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ベスト16の4卓中、一番最初のアガリはB卓の起家・藤崎智。
A卓を観戦していたため、アガリ形はわからないが、石渡から12,000点の出アガリ。
12,000でも、“藤崎”の12,000だ。たった一発で、勝ち上がりを決めたようなイメージが浮かぶのは、抜群の安定感を誇る藤崎の実績から。
2回戦で大トップは朝武。
吉田、朝武、石渡の三者の中で一番の自力型である朝武と連携を組み、難なくベスト16を通過した。
《B卓勝ち上がり》
朝武雅晴・藤崎智
【C卓】荒 正義(九段・前年度決勝進出) vs 伊藤 優孝(九段) vs 瀬戸熊 直樹(七段) vs
吉田 雄二(六段)
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左から 荒 正義、伊藤 優孝、
吉田 雄二、瀬戸熊 直樹
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荒正義、瀬戸熊直樹のバランス型に対して、伊藤優孝、吉田雄二はパワー型。好カードのこの卓は観戦者が多い。
1回戦、南家スタートの荒は7,700、3,200オールとアガり、親番で一気の押せ押せムード。と、思いきや。
吉田からのリーチが入り、勝負気配の瀬戸熊からもさらにリーチ。
            リーチ ドラ
この吉田リーチに、瀬戸熊からも追っかけリーチ。
リーチ合戦は、瀬戸熊に軍配があがる。
            リーチ ツモ
ドラの をツモって3,000、6,000。
瀬戸熊のリーチは一単騎の七対子からの待ち替え。 は 4枚の壁でノーチャンスとなっているため、七対子の待ちをゆっくり探す手もある。
しかし、瀬戸熊は即決でリーチと打って出た。
早い段階で勝負をかけるか、それとも序盤は様子を見つつ慎重に進めるか。
どちらの手段をとっても良いとは思うが、プロが打つ手には“結果”が求められる。
的確に結果を出した瀬戸熊のリーチは、勝つための形(システム)なのか?結果が出なければ、『理論』は『能書き』としか評価されることはない。
現鳳凰位の感性はさすがだ。
《C卓勝ち上がり》
吉田雄二・瀬戸熊直樹
【D卓】ダンプ 大橋(四段・前年度決勝進出) vs 沢崎 誠(八段) vs 藤原 隆弘(七段) vs
松崎 良文(四段)
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左から ダンプ大橋、藤原 隆弘、
松崎 良文、沢崎 誠
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D卓は前年度決勝進出のダンプ大橋の1人浮きでスタート。
ネーミングや体型とは裏腹に、繊細な麻雀を打つダンプにとって初戦のトップはかなり大きい。
特に、各卓2名勝ち上がりのトーナメント方式では、ポイントの並びが展開を作り出すようなところがある。
攻めるにせよ、守るにせよ、思い通りに事が運ぶことが多くなり、最初に頭に立った者からは、局面が読みやすくなるものである。
藤原は、九段戦のときの好調さが消え去り、ズブズブとぬかるみにはまってしまった。
3巡目のこの手牌、
            
一歩も進まず、捨て牌に国士無双を並べてしまう始末。
グリグリの二重丸である沢崎はまさかの敗退。
沢崎『トーナメントでダンプ、松崎に初めて負けたよ。一生の不覚!!』
松崎は他者がやり合う展開を尻目に、穏やかな打牌を坦々と繰り返し、ヤミテンを多用した打法でダンプにぶら下がり。
足を使ったイメージがなく状態は良さそうだ。
《D卓勝ち上がり》
ダンプ大橋・松崎良文
準決勝(ベスト8)組み合わせ
A卓 板川 和俊 vs 藤崎 智
vs 吉田 雄二 vs 松崎 良文
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板川 和俊(A卓1位通過) |
藤崎 智(B卓2位通過) |
吉田 雄二(C卓1位通過) |
松崎 良文(D卓2位通過) |
B卓 堀内 正人 vs 朝武 雅晴
vs 瀬戸熊 直樹 vs ダンプ 大橋
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堀内 正人(A卓2位通過) |
朝武 雅晴(B卓1位通過) |
瀬戸熊 直樹(C卓2位通過) |
ダンプ 大橋(D卓1位通過) |

(レポート:滝沢
和典 補助:増田 隆一 文中敬称略) |