| 1卓 沢崎
誠 vs 山井 弘 vs 藤本 哲也 vs 小松 武蔵

1回戦
東1局2本場、小松の親番。
            ツモ ドラ
少し難しい牌姿だが、小松は迷う事なく一通にこだわらない打 。
なるほど。裏目の を引いたとしても、567の三色1シャンテンに構える事が出来、
ドラの の重なりや、 を持って来ての良形変化も見る事の出来る合理的な一打である。
これをノータイムで打てる小松が、このベスト8に残っているのは必然のように感じた。
1回戦終了時
(沢崎▲20.0P 山井+26.1P 藤本▲1.7P 小松▲4.4P)
1回戦は山井の1人浮きで終わり、続いて2回戦。
始まった直後の東1局3本場には、沢崎が既に50,000点オーバーのトップ目に立っていた。
3本にも沢崎は更に加点しようとリーチをしてくる。
            リーチ
しかし、これは流局して2人テンパイ。
4本場、山井の手が早い。3巡目にしてこの形だ。
            ドラ
ここは山井にアガリがあるかと思われたが、山井がツモ切った を藤本が捉える。
           
ロン
この5,200を放銃し1回戦には1人浮きのトップを取った山井も10,000点のラスに落ちてしまい、勝負の行方は分からなくなった。
しかし、そこは流石ベテラン山井。
失点を最小限に抑えて2回戦を終える。
2回戦終了時
(沢崎+27.5P 山井+24.7P 藤本▲41.0P 小松▲11.2P)
この2人が抜き出ている状況であれば、ほぼ通過は確定か。
沢崎・山井の胸にもそんな気持ちがあったかもしれない・・・
3回戦
小松はまだ諦めていない。
  
ポン 
ポン 
ポン  
東1局、南家の小松は高め跳満のテンパイを入れる。
しかし、これは流局1人テンパイ。
東3局には小松が1,300・2,600をツモ。
小松がジリジリと2人に追いつき始め、卓内に不穏な空気が流れる・・・
東4局、3巡目。沢崎の手が早そうだ。
            ドラ
そう思って見ていると、下家の小松はわずか3巡目にしてこのテンパイをしていたのだ。
            
ドラがトイツのリャンペーコー。
出アガリで8,000、ツモれば3,000・6,000の大物手だ。
この を沢崎がすぐに掴み、小松に放銃となった。小松が強運なのか、はたまた沢崎が不運なのか。
麻雀は時にこういう事が起こるから恐ろしい。
山井は後に、
「あの沢崎さんの8,000放銃で、自分と小松君がトータル上にはなったいけど、沢崎さんは、必ず追い上げてくると思っていたから、
これで3人のうち誰が通過するか分からなくなったと思った。正直、最終戦が始まる前はこんなに苦しい戦いになるとは(ポイント的に)思わなかった。」
と語った。
南2局。
このまま小松が優勢か?と思われた小松の親番の3巡目。
            ツモ ドラ
小松は3巡目にこのテンパイが入る。
小松は2枚切れの の地獄単騎でリーチを打とうと一瞬構えるが、その を倒して対局者に見せてしまう・・・
仕方なく小松は を河に捨てて 単騎のダマテンに構えた。
しかし、その はいつまで経っても姿を見せない。
そして、その間に山井が1,000・2,000ツモ。
その小松が焦がれていた は、四暗刻1シャンテンになっていた沢崎の手に暗刻となっていたのだった。
南3局、他2人から置いてけぼり状態であった沢崎が意地を見せる。
         ポン  ロン
この高めの7,700を藤本から出アガりする。このアガりにより、沢崎は1位に浮上した。
とはいえ、三者のポイントは均衡している。
決勝戦の椅子をかけた戦いは、オーラスに持ち越される事になったのだ。
オーラス、山井と小松のポイント差は2.7Pで山井が優勢であった。
しかし、テンパイノーテンでも変わってしまう点差であるので、山井が苦しい事には変わりはない。
小松は積極的に前に出る。
      ポン  ポン  ドラ
苦しい形ではあるが、条件はすぐにクリア出来そうである。
4巡目、山井は小考後、打 。これを小松が仕掛ける。
危険牌だからと手の内に止めている余裕はない。どちらにせよ山井も前に出て戦わなければならないのだ。
山井も を仕掛け、
         ポン  ツモ
山井がテンパイを果たし、 を河に置いた。
「ロン」
その牌に声がかかる。
沢崎だった。
沢崎が手を開くまでの時間が長く感じられた。
2人のポイント差は2.7P。
沢崎の手が2,600までなら山井の通過となるのだが・・・
通過になるのは山井か? それとも小松か?
「1,000」
その沢崎のアガりは山井の通過を確定するものだった。
小松は、
「あの南2局の東を見せてしまったのが痛かったです。 単騎ならアガれていたので・・・」と言った。
最終戦、流れは完全に小松にあった。
しかし、ほんの少しのミスが勝敗を左右してしまう。
これがプロの対局の厳しさであり、トーナメント戦の難しさであると感じた。
3回戦終了時
(沢崎+23.2P 山井+17.0P 藤本▲55.6P 小松+15.3P)
小松
「ベスト16でギリギリ残れた勢いでいけるかと思ったのですが、最初の方で少し雑に打ってしまいました。」
藤本
「楽しんで打てました。」
2卓 相沢 かおる vs 内田 美乃里 vs 山口 大和 vs 西山 あみ

1回戦
東4局、横並びの平たい状況を打破したのは西山だった。
            
西山が手元に引き寄せたのは高めの であった。
このままの勢いで西山が決勝進出となるか。
東4局、内田の親番。8巡目にリーチを打った。
            リーチ ドラ
場には が2枚見えていて、感触的には悪くなさそうなリーチだ。
しかし、その内田の当たり牌を手元に置いたのは相沢だった。
            ツモ
この700・1,300のアガリには点数以上の価値があるように思えた。
1回戦終了時
(相沢▲20.6P内田▲6.5P 山口▲10.0P 西山+37.1P)
2回戦
1回戦にラスを引いた相沢がここにきて大きく前進する。
            ツモ
これを力強くツモり3,000・6,000、2回戦は相沢の1人浮きのトップとなった。
2回戦終了時
(相沢+2.3P内田▲2.4P 山口▲21.3P 西山+21.4P)
3回戦
3回戦が始まった。
ポイントとしては西山が少し有利で、相沢と内田はほぼ着順勝負か。
山口にもまだ可能性はある。
南2局、1本場。
相沢と内田のアガリ合いでラスを押し付けられた西山。
西山にとっても苦しい戦いになっているはずだ。
            ツモ
西山はこのテンパイから迷う事なく を切ってリーチをした。
この時、場には - が4枚切れていたので当然の待ち選択ではあるのだが、接戦しているこの過酷な戦いの中でなかなか、ノータイムで出来る選択ではない。
そして、西山は当然かのように で2,000・4,000をツモりアガった。
そして、迎えたオーラス。
山口23,700
内田32,000
西山28,500
相沢35,800
3者が平たいポイントとなり、最後まで目の離せない状況となった。
そして、13巡目に内田はツモれば通過のリーチを打った!
           
リーチ ドラ
この待ちは、内田がリーチを打った時にはまだ山に生きていたが、全て山口の元へと流れてしまったのだ。
そしてこのリーチは流局し、西山と相沢の決勝戦進出が決定した。
3回戦終了時
(相沢+15.1P内田+5.6P 山口▲36.6P 西山+14.9P)
内田「残念でした。」
山口「次こそはベスト8の壁を乗り越えたいです。」
決勝の大舞台を経験している3人と、初めて決勝の舞台に立つ西山。
ベテランの波に飲まれる事なく西山は戦いきる事が出来るのか。
決勝戦も素晴らしい戦いが繰り広げられる事だろう。
決勝戦ではどんなドラマが生まれるのか。
そして、チャンピオンの栄冠を掴むのは・・・!?

(レポート:魚谷 侑未 文中敬称略)
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