第5期麻雀グランプリ MAXベスト16 B卓レポート 紺野 真太郎
2015年03月20日
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藤崎智、森山茂和、荒正義、勝又健志
ベスト16戦4卓の中でも屈指の好カード。
先日鳳凰戦で死闘を繰り広げた藤崎と勝又がレジェンド森山、荒に挑む。
1回戦
東1局、親の荒が軽い連荘で迎えた2本場、
のポンテンと三色の天秤で進めていた藤崎が9巡目に三色手でリーチ。












ドラ
対する親の荒、6巡目の段階で













ドラ
ホンイツに向かう手もあったが、
が共に2枚切れということもあり打
と構えていた。
この選択が12巡目、藤崎の高めのアガリ牌である
を引き込んでのテンパイとなる。
ホンイツに進めていた場合、万事休すとなっていた(放銃という意味ではなく、メンツ被りという意味で)牌でのテンパイ。
当然のごとく荒は追いかけリーチと出る。
山に残っていた枚数ではが藤崎のほうが多かったがここは荒に軍配が上がった。
ツモで4,000オール。
オーラス、24,000持ちの藤崎がテンパイ。












ドラ
しかし、この
は勝又が1枚切った上、更に暗刻使い。勝又の手牌













勝又は19,700持ち。高めに決まれば浮きまで見える手牌。
だがこの局を制したのは親の森山だった。良いとは言えない配牌をまとめ上げ












リーチ ツモ
ドラ
この2,600オール。こうなると怖い森山の親番であったが、藤崎が止め、1回戦が終了。
1回戦成績
荒+22.3P 森山+10.0P 藤崎▲11.0P 勝又▲21.3P
2回戦、荒が4,000オールで先制も藤崎が独走に待ったをかける。
東2局2本場、小三元を決め2,000・4,000。その後も7,700を2回アガリ、オーラスを迎え、荒を逆転。
そして南4局1本場、親藤崎、七対子ドラ2をテンパイさせ、待ちも合わせ切り












ツモ
ドラ
このフィニッシュ。トータルでも荒と共に抜け出した。
2回戦成績
藤崎+39.5P 荒+16.4P 森山▲7.0P 勝又▲48.9P
2回戦終了時
荒+38.7P 藤崎+28.5P 森山+3.0P 勝又▲70.2P
3回戦、今風に言えばAT突入。
何の略かはお考えください。東1局手始めにタンピン三色を勝又から












ロン
少し飛んで東4局親番、全員好配牌の中、いち早く3巡目テンパイ。
間合いを測るかのように6巡目ツモ切りリーチ。












リーチ ドラ
あっさりと
ツモで2,600オール。2本場には












ロン
ドラ
この5,800を藤崎から。このテンパイは場に安い
を引っ張りきり
を引き込んでのもの。
しかもヤミテンである。放銃したほうからすれば脚にくる放銃だったのではないだろうか。
結局この親は5本場まで積み終了。60,000点近い大トップで2人勝ち上がりの1枠をほぼ決めてしまった。
3回戦成績
荒+41.5P 藤崎▲3.2P 森山▲5.5P 勝又▲32.8P
3回戦終了時
荒+80.2P 藤崎+25.3P 森山▲2.5P 勝又▲103.0P
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4回戦、残り2回を残すが、荒の勝ち上がりと勝又の敗退が濃厚となり、藤崎VS森山の様相を呈してきた。
東1局、親勝又。三色に仕上げリーチ。












リーチ ドラ
これに捕まったのがなんと森山。
での放銃で11,600。4回戦開始時に30ポイント弱だった藤崎との点差が、50ポイントほどに広がってしまう。
東2局、親・森山、3巡目に動いた。












ドラ
ここから
をポン。普段の森山ならば仕掛けないところであろうが、2局連続の放銃により面前では分が悪いと考えたか。
この仕掛けが功を奏し、マンズに寄せきり2,600オールに仕上げた。









ポン

ツモ
東3局1本場、森山2巡目にドラ
を重ねて4トイツ。
解説の佐々木も触れていたが、七対子の気配を消す捨て牌を作りにいき10巡目テンパイ。












ドラ
ここはヤミテンを選択。
は1枚切れだが、山なのか手牌なのか所在不明の故か。
直後親の荒からリーチが入る。












リーチ
藤崎、森山どちらにしろ飛び込んだら致命傷になりかねない大物手。
同巡、森山ツモ切り追いかけリーチ。それを受け藤崎の手が止まった。












ツモ
いろいろな要素が絡み合い藤崎の出した答えは打
であった。
森山会心の一撃。藤崎から出るはずのなかった
を引きずり出した。
これで森山は浮き、藤崎はラスとなり、トータルではほぼ並んだ。南2局4本場、今度は藤崎が反撃に出る。












ドラ
7巡目、藤崎テンパイ「リーチかな」私の予想をあっさり裏切りヤミテン。
この場面のことを後で藤崎に問うと「うーん
と
は四暗刻で迷わないんだけどね。
はホンイツとどっちにしようかなーって」藤崎は更なる先を見てのヤミテンであった。
この深さが忍者流なのであろう。
結果は、
の暗カンが入り、ドラが3枚見えたところでリーチを打ち、
をツモアガリ2,000・4,000の4本場。
ラス抜けに成功した。
4回戦成績
森山+18.7P 勝又▲1.2P 藤崎▲5.6P 荒▲11.9P
4回戦終了時
荒+68.3P 藤崎+19.7P 森山+16.2P 勝又▲104.2P
藤崎と森山との差はわずか3.5ポイント。ほぼ着順勝負となった。
5回戦
東3局1本場、ここまで森山がリードしての親番中、両者がぶつかった。
藤崎8巡目テンパイ。












ドラ
ピンフドラ3、もちろんヤミテン。
脇からでもいいが、直撃やツモなら決定打になりうる。11巡目森山テンパイ。即リーチに出る。












リーチ ドラ
同巡、藤崎追いかけリーチ。この最大の勝負どころを制したのは藤崎であった。3,000・6,000。
これで15ポイントほど藤崎が上になる。がまだ決したわけではない。
南1局、荒がドラ2枚で
–
先制リーチ。これに森山が追いつく。












ドラ
が無くなり
が残り3枚。ツモるのは森山か荒かそれとも・・
を引き寄せたのは荒であった。森山またも実らず。
南3局2本場、親・森山。












ドラ
この手をリーチ。高めツモなら並ぶが
ツモ。1,000オール。じりじり差を詰めるが逆転には至らない。
オーラス、森山の条件は3,900以上か1人テンパイ。13巡目両者以下の形。
森山






チー

チー

ドラ
藤崎













両者1シャンテン。
14巡目、藤崎ツモ
。テンパイが入る。
この段階で森山はアガらなければならなかったが、
は山には無く、テンパイ止まり。藤崎が勝ち上がりを決めた。
このB卓、勝又の不調が残念であったが、最後まで各者素晴らしい戦いを魅せてくれた。
勝ち上がった荒、藤崎はこの後も素晴らしい戦いを魅せてくれることに期待してレポートを終えたいと思う。
カテゴリ:グランプリ レポート














