第5期麻雀グランプリ MAXベスト16 C卓レポート 紺野 真太郎
2015年03月25日
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櫻井秀樹、西島一彦、瀬戸熊直樹、吾妻さおり
1回戦東4局1本場「ツモ」












ツモ
ドラ
開始わずか15分での出来事である。アガったのは吾妻。
本人は押し寄せる波の前に少し戸惑うような表情を見せるが、5回戦勝負でのこのアガリは大きすぎるアドバンテージであることは間違いない。
ただ、他の3者にとってこれがまだ1回戦の東場だったことは救いであったことも事実である。
南3局、親西島。この4,000オールをツモり、原点まであと少しのところまで盛り返す。












リーチ ツモ
ドラ
続く1本場、西家瀬戸熊が動く。












ドラ
2巡目に西島が切った
をポン。最近の瀬戸熊には見られなかった仕掛けだ。
ここまでの瀬戸熊、東1局にいきなり満貫の親かぶり、真っ直ぐ行った次局は櫻井の三色手に放銃、さらには吾妻の四暗刻とここまで乗れておらずのノーホーラ。
鳳凰戦での瀬戸熊からはこの仕掛けは想像しづらかったが、5回戦勝負を意識してか、ギアチェンジし、動いてでた。これをソーズに寄せきり、






ポン

ポン

ツモ
2,000・4,000。反撃の狼煙を上げた。オーラスも積極的に動きテンパイを入れるも西島が500・1,000で終了させた。
1回戦終了
吾妻+46.6P 西島▲4.4P 瀬戸熊▲16.9P 櫻井▲25.3P
2回戦
東1局、親瀬戸熊、テンパイを入れる。












ツモ
ドラ
は2枚切れだが、瀬戸熊はカン
に受け、更に場況しだいではヤミテンに受けるイメージだが、ここは西島が仕掛けてることもあるのか、
と
のシャンポンでリーチと出た。
仕掛けていた西島は
を掴み一旦撤退。瀬戸熊の一人旅になるかと思われたが、瀬戸熊自身がラス牌の
を引いてしまう。
こういうことはよくあるが、西島はドラを重ね、1シャンテンで粘っていた為、復活のテンパイを組む。









ポン


両者のアガリ牌は山に西島の1枚のみ。
瀬戸熊はすでに覚悟していたであろうが、
を掴み3,900の放銃。
軽く天を仰いだが、納得したかのように軽く数度頷いた。
続く東2局、前局を振り切るかのように瀬戸熊先制リーチ。












リーチ ドラ
親の西島も追いつきリーチ。












リーチ
前局の結果や見た目の待ちの優劣から西島有利かと思われたが、山には
が3枚、
–
は各1枚づつと、実際は瀬戸熊有利でその通り西島が8,000の放銃となった。
西島の選択にミスはなかっただけに、麻雀の難しさを感じさせた。
瀬戸熊が走るかと思われた2回戦だが、制したのは櫻井。
大物手こそないが、要所を捉え、また抜群の守備力で失点せずにトップを取った。
2回戦終了
櫻井+20.0P 瀬戸熊+13.8P 西島▲13.4P 吾妻▲20.4P
トータル
吾妻+26.2P 瀬戸熊▲3.1P 櫻井▲5.3P 西島▲17.8P

3回戦、2回戦に吾妻がラスを引いた為、勝ち上がりが混沌としてきたが、こうなってくると、瀬戸熊の経験と地力がものをいう。
東3局瀬戸熊4巡目の手牌












ツモ
ドラ
ここから打
の1シャンテン取らず。意志を持って手を進める。
を重ね、ツモ












ツモ
ツモが狙い通りいかないと見るや打
。最高形を見切る。
西島からリーチが入り、ツモ
、
も
も西島の現物であるが、あくまでかわし手とより目立たない打
とし、櫻井から
で2,000点。
非常にバランスの取れた1局を見せた。
次局に瀬戸熊は2,000・3,900、さらに親番で西島から5,800と抜け出す。
次は俺の番とばかりに櫻井が吾妻を捕まえに行く。
南3局の親番でリーチを打った。












リーチ ドラ
南家・吾妻も既にテンパイ。






チー

ポン

ドラ
櫻井も吾妻も勝負どころと理解している。櫻井はドラを掴まされるリスクを覚悟して相手が使えないであろう
に受け、吾妻は
が暗刻の中、
を勝負した。
結果は、吾妻が
を掴み放銃となった。
リードしていること、巡目が深かったこと、追いつかれたこと、相手が親ということ、状況を考慮すれば
を打たない選択もあったが、吾妻は勝負を選択し放銃となったが、これがどうでるのだろうか。
1本場櫻井リーチ。












リーチ ドラ
珍しくツモる手に力が入る櫻井。そして力強く
を手元に引き寄せた。3,900は4,000オール。
この瞬間、吾妻はトータル3番手に転落。役満のリードを半荘2回で逆転してしまった。
だが、吾妻も現女流桜花。女流で残っているのも吾妻1人。意地も根性もある。
櫻井の親を捌き、オーラスの親番、リーチを打ち2,000オール。
更に西島から5,800をアガリ、原点まで回復させて3回戦終了。トータルトップを奪い返した。
3回戦終了
瀬戸熊+18.2P 櫻井+12.4P 吾妻+1.2P 西島▲31.8P
トータル
吾妻+27.4P 瀬戸熊+15.2P 櫻井+7.1P 西島▲49.6P

4回戦
オーラス1本場、親櫻井、持ち点は瀬戸熊35,000、櫻井34,600、吾妻32,700、瀬戸熊9巡目リーチ。












リーチ ドラ
14巡目、櫻井テンパイ。ドラの
を勝負。













途中
を引いた櫻井は打
として粘る。そして最後のツモは無常にも
。吾
妻はオリているので櫻井もオリると3人浮きの2着。
先を行く両者とは約20ポイント差。20ポイントと聞くと大きい差ではないように聞こえるが、ほぼ相手の沈みが条件となるだけに意外と難しい。
全てを承知で櫻井は河に
を置いた。櫻井痛恨の沈み。吾妻、瀬戸熊とは30ポイント強の差をもって最終戦を迎えることとなった。
4回戦終了
瀬戸熊+18.5P 吾妻+6.7P 櫻井▲4.9P 西島▲20.3P
トータル
吾妻+34.1P 瀬戸熊+33.6P 櫻井+2.2P 西島▲69.9P
最終5回戦、東1局2本場、瀬戸熊は3,900は4,100オールで抜ける。
南1局、ここまで吾妻28,200、櫻井27,300。親番が残ってる状況からしてまだわからない。
そんな中、西島からリーチが入る。



ドラ
この捨て牌でリーチ。吾妻13巡目












ツモ
テンパイ。打
。西島が手を開く。












ドラ
吾妻焦りか・・当面のライバル櫻井はオリ、親の瀬戸熊もオリていた。そのままいけば1局を消費できたはずだったが・・
南3局4本場、櫻井最後の親、ドラ2で仕掛けたが、間に合わず、吾妻が2,000点をアガリ切り、事実上の決着を見た。
5回戦終了
瀬戸熊+18.7P 櫻井+1.9P 吾妻+1.2P 西島▲24.8P
トータル
瀬戸熊+52.3P 吾妻+38.3P 櫻井+4.1P 西島▲94.7P
戦前の予想通り、瀬戸熊の強さ、安定感が目立った。
ベスト8では、伊藤、藤崎という因縁深い相手と対戦することとなった。こちらも要注目である。
吾妻も女流最後の砦としてどこまで健闘するか注目したい。
カテゴリ:グランプリ レポート













