中級/第131回:中級講座『仕掛けのタイミング』 浜上 文吾
2017年12月13日
麻雀ファンの皆様こんにちは!九州本部の浜上です。
前回は「日本プロ麻雀連盟公式ルール」についておおまかに説明させて頂きましたが、公式ルールの対局回数が増えてくるとおそらく「仕掛け」の難しさに直面することがあると思います。
そこで今回は「公式ルールにおける仕掛けのタイミング」について私なりの思考をお伝えしたいと思います。
まずはじめに、公式ルールは一発、裏ドラがないので一般的なルールと比べると翻牌が重要な局面が多く、扱いが難しいと感じます。
私は週に1回程度、服部夫妻(服部学プロ、吉田彩乃プロ)と練習会を行っていますが、先日、第一子が生まれ練習会はお休み中です。
そこで今回は服部プロ宅にお邪魔して、連盟チャンネルを観戦したり、牌譜を見たり、仕掛けの勉強会となりました。
その中で、印象に残った局をノートに書き留めていたので、いくつか紹介したいと思います。
東1局 南家 30,000点 配牌












ドラ
まずこの配牌をもらって何を考えますか?
私の理想的なのは













このホンイツや













このチャンタなどで高打点が狙えると良いですね。
とりあえずの目標設定はできましたが、なかなか理想通りには進行しませんよね・・・
実際の手牌進行は

とツモり以下の牌姿
東1局 南家 30,000点 5巡目












ツモ
打
5巡目までには比較的ツモも良くて1シャンテンとなりました。チャンタの可能性もまだあるので
とします。
次巡のツモは
で打
で以下の牌姿。
東1局 南家 30,000点 6巡目












ドラ
ここで仕掛ける牌がいくつかあるかと思います。
自分なら
→ポンして打
とりあえず2,600点のテンパイが取れる上に、ツモ
や
や
で打点向上が見込めるのが魅力です。
条件においてはまだ早い巡目のためにピンズを落としてホンイツに移行するのも個人的には嫌いではないです(最近は小さくなりテンパイ取りますが・・・)。
→チーして打
打
とすれば
の後付けテンパイが組めるが、公式ルールでは翻牌の絞りがきつく、出てきにくい傾向にあるので、一気にホンイツ一直線です(少し大きくなってきた・・・)
以下の牌姿になり
まわりをツモると高打点になるのが魅力です。









チー


もし
をチーしてしまうと









チー


まわりもツモっても形が不安定なために仕掛けにくいです。
では
を1枚目は仕掛けない(メンゼンでリーチしようと考えて)という選択を仮にした場合、2枚目の
はもちろん仕掛けます。
ももちろん仕掛けるでしょう。
では仕掛けることができる牌が出ずにツモ
となればどうでしょう?
東1局 南家 30,000点 7巡目












ツモ
ドラ
こうなるとピンズに手をかけたりしたくなりますよね?
私の選択は打
として七対子の1シャンテンに取りながら


はすべて仕掛けます。
ではツモ
はどうでしょう?
ふと考えるとパニックになりそうです。












ツモ
ドラ
深呼吸して考えてみました。
若干
ツモ切りも考えてみましたが、私の選択は打
です。
理由としては七対子を優先する。仕掛けたときの打点が上がる形が少なくなる点です。
仕掛けの姿勢が少し後ろ向きになります=メンゼン重視になる。
自分なら最初にあげた手牌で絶対仕掛けるという牌姿が一枚変わるだけで選択が大きく変わるケースが多々あります。
こういう局面で仕掛けないと決めたはずなのに
を思わず仕掛けてしまって、打点もさほどない上に、テンパイもしくはアガリの精度も低くなってしまって放銃するという苦い思い出になったこともありました。
そこで私が大切にしていることは、
ポンテン、チーテンは状況が許せば打点にこだわらずに必ずとる。
ポンテン、チーテンを目指さないときは高打点を狙うことです。
次は私の練習会での実戦譜です。
東3局 0本場
東家 安東 34,900点
南家 吉田 24,700点
西家 浜上 34,100点
北家 服部 26,300点

東3局 西家 34,100点 配牌












ツモ
第一ツモはドラの
で何を狙いますか?
この局における私のテーマは
・原点より4,100点浮いており、後半戦に向けて加点したい
・現状トップ目の安東Pの親を流したい
この2点です。
配牌を取ってみると、翻牌の
が暗刻でありますが、残りは愚形が多くてあまり良くないですね。
ここから流したいだけで何でもかんでも仕掛けても不安定なので、とりあえず手なりで進行させます。
6巡目には












ツモ
トイツが4組できて最初の分岐点です。
選択肢としては

でしょうか?
捨て牌を見渡してみると
安東 





吉田 





浜上 




服部 




全体的にちょっと変な捨て牌ですね。
少考の後に私の選択は(誰も仕掛けないで!と祈りながら)
です。
誰からも仕掛けが入らなかったので第一関門はクリア。
若干ソウズが場に高く、ピンズが安い。
そこで今回は局を流すことがテーマではありますが、少し打点も作りたい欲が出てきました。












ツモ
打
を捨ててテンパイ率を上げる選択肢もありますが
ツモでテンパイの場合はリーチをしても打点的な魅力があまりないので、ピンズが安い局面(仕掛けることができそう)を利用して効率よく打点を上げる選択をしました。
結果は









ポン

ポンして5,200のテンパイ。
その後
ポンして
タンキにマチカエ⇒もし仮に押し返された場合の守備も考えてタンキ待ち。
最終的には
ツモで






ポン

ポン


このテンパイとなりました。
結果はアガリには結びつきませんでしたが他家にプレッシャーをかけることもできて親を流すことができました。
おおまかな捨て牌の色読みだけでテンパイできたと思います。
まとめてみると
仕掛けのタイミングは
・ポンテン、チーテンは点数状況が自分に有利ならば積極的に取る。
・打点が狙えそうな手牌の時でもポンして1シャンテンくらいを目標に構える。
と考えます。
以前の私は仕掛けることができない(自信がない)から仕掛けずにメンゼンに拘ってきたことがありましたが、このようにノートに書きだして復習することで少しだけ仕掛けができるようになり、成績が安定するようになりました。
是非ご自身の麻雀ノートをうまく活用してレベルアップを目指しましょう!
カテゴリ:中級












