第8期北陸プロリーグ 第4節レポート
2025年09月29日
【Aリーグ第4節レポート】
去る2025年8月17日、第8期北陸プロリーグ第4節が行われました。
偶数節のレポートを担当します、北陸支部Aリーグ所属の如月靖之です。
全8節で行われる北陸プロリーグは折り返し地点となる第4節まで終了しました。
今節もまずは結果から見ていただく。

決勝進出ラインとなるグリーンゾーンでは、今期、ポイントをマイナスにすることなく、着実に積み上げている里木が首位。
続いて、1節こそマイナスになったものの、すぐにプラスに転じ、さらなる加点をしている後藤、今節ポイントをマイナスにしたものの、最小限にとどめた木戸、マイナスを最小限に、加点を続けている藤本が並んだ。
1節に地和をアガった獅坂は今節ポイントを減らし、グリーンゾーンから転落。
志多木、如月もポイントを減らした。
Bリーグとの入れ替え戦ラインとなるオレンジゾーンにも動きがあった。
前節まで9位だった浦田がプラスポイント、8位だった岡田がポイントをマイナスしたことで入れ替わり、浦田はオレンジゾーンを脱した。
Bリーグへの降級確定となるレッドゾーンは梅本が大きくポイントを増やし、安城がポイントを減らしたことで順位が入れ替わった。梅本はまずはレッドゾーン脱出を目指す。
今節はようやくポイントをプラスすることができた梅本に話を聞いた。
●梅本
前節までの3節で▲145.5ポイントと、今期絶不調の梅本。12半荘でトップ無しと苦戦を強いられていた。何としても降級は避けたいと臨んだ第4節。
梅本は「とりあえず大きいプラスが欲しい。できたら+50ポイントくらい」と話していた。
そこに、今期初めての3,000・6,000のアガリが舞い込んだ。
二回戦・南3局・西家












ツモ
ドラ
一気通貫確定の平和テンパイ。アガリ牌は7索が場に2枚切れていた。
ここで、梅本はリーチの選択をした。
対面の岡田が萬子の一色手気配で、自分のアガリ牌は使っていない。このまま一色手で押すなら索子は使えないので出アガリも期待できると判断した。
するとリーチ後一発目のツモでドラの4索を引き、リーチ・ツモ・平和・一気通貫・ドラ1の3,000・6,000のアガリになった。
今期は苦戦していただけに、いつも以上にうれしいアガリだったという。
ポイントでも、この1半荘だけで+25.0pと大きく加点した。
今節終了後に感想を聞いたところ、
「素直にポイントをプラスして終われた事が嬉しい。次節以降も確実にポイントをプラスにして、まずは降級確定になるレッドゾーンを脱して、入れ替え戦となるオレンジゾーンに上がりたい。」
と話していた。
しかし、誰もが降級は避けたいと思うもの。今後の残留争いも注目していきたいところだ。
そして、筆者・如月は2節連続でポイントをマイナスしてしまい、苦しい展開となった。
打点、スピードともに伴わず、アガリが遠い。麻雀を打つ者であれば、誰もが通る所ではある。しかし、せっかく今期Aリーグに昇級できたのに、1期で降級するわけにはいかない。と思いながらも、2回戦終了時点で、A2着、C4着と、この時点で▲26.1。失点は抑えられているものの、アガれなければジリジリと追い詰められていく。
そんな中で、3回戦に値千金のアガリが舞い込んだ。
配牌は以下の通り













この日は何度このような配牌を見ただろうか。
チャンタや三色同順は見えるものの、形が悪く、スピードも遅い。
とはいえ、ぼやいていても仕方がないので、チャンタ、三色を目指していく。
他家の河に打たれていくのはすでに持っている么九牌ばかりだった。そして、ツモる牌は着実に手牌を国士無双に向かわせていく。
配牌で国士無双5シャンテンから11巡目に聴牌。9萬待ち。
チャンスだと思った。8萬が河に3枚切られているが、9萬は河に1枚。
だが、親の志多木からリーチがかかる。
ピンチではあるが、引く訳にはいかないと無筋の牌を押していく。
そこに、志多木から9萬が出て、32,000は32,300のアガリ。
それ以降アガれず、この半荘はトップで+29.8ポイント、トータルでは+3.7ポイントとした。
ただ、その後もアガリは遠く、4回戦は▲8.7のC4着で▲20.7となり、結局今節は▲17.0という結果に終わった。
国士無双をアガれていなければ▲50ほどになっていたことを考えると不幸中の幸いだったと思えた。
以上、折り返し地点となる全8節中4節目が終了した。このまま上位陣が着実にポイントを積み重ねていくのか。それとも大どんでん返しが待っているのか。
まだまだ大きな動きがありえる北陸プロリーグ。
第5節は9月28日に石川県で開催されます。(一部別日対局あり)
(文:如月 靖之)
【Bリーグ第4節レポート】
8月17日に北陸プロリーグ第4節が開催されました。
今節のBリーグレポート担当は40期生の高地が担当します。
今回は、前節に引き続き大きくポイントを伸ばした松井、そして卓内一人浮きを決めた小林の両名にインタビューを行った。
松井がピックアップしたのは2回戦の南4局。ここまでのて点数状況は以下の通り。
東家・鈴木 51,000点
南家・宮川 25,800点
西家・荒谷 20,200点
北家・松井 23,000点
松井は沈みの3着目という状況で、13巡目に以下の手からリーチ。
2回戦南4局0本場 北家 供託0本 ドラ














この時、南家は捨て牌1段目で
をリャンメンでチーしており、加えて役牌がリーチ時にはいずれも2枚以上見えていたことから、ソーズの染め手かタンヤオ狙いと考えられた。
また、他の二人は10巡目あたりから降り気配。ドラを複数枚持っていれば押してきそうな点数状況のため、ドラは持っていても1枚までと読んだ。
加えて、
と
がそれぞれ2枚切れ、
がションパイと場況も良かった。
南家の宮川から見れば、この局面でのリーチは、ドラを持ってのリーチである可能性が非常に高い。ツモることができれば最高、そうでなくとも宮川に掴ませれば降ろせるため、リーチの判断となった。
結果的に宮川を降ろし1人テンパイ流局となり、25,000点の沈みではあるものの着順を1つ上げて2着になることができた。
プロになりたての頃は選択にブレがあったものの、今では理由を持って一貫した打牌ができているという松井。昨年から2リーグ制となった中で12人の初代Aリーガーに名を連ねたが、唯一の降級者となってしまった。その悔しさをバネに、絶対に負けられない一年を戦っていくと決意を語ってくれた。
一方、こちらも加点に成功した小林だが、話題に挙げたのは反省の一局だった。
30,000点付近の持ち点で迎えた4回戦南1局(ドラ
)、親番の百瀬が13巡目までに
ポン、
ポン、
加カン、
ポンと対々和濃厚の仕掛け。他二人は降り気配。
そして14巡目に小林が以下の形になった。
4回戦南1局0本場 南家 供託なし ドラ












ツモ
か
を切ればテンパイの場面。
が自身から3枚見えていたため
切りテンパイを選択したが、これが百瀬の
シャンポン待ちの対々和への放銃となり、9,600点の手痛い失点となった。百瀬の最終手出しが
であったこと、
のどちらもほとんど自身から見えていなかったことから、どちらも切らないという選択肢を持つべきだったと振り返った。
今期の北陸プロリーグも、早いもので折り返しを迎えた。
目まぐるしく順位が入れ替わる中、唯一マイナス節無しの松井が+144.0Pと頭一つ抜け出している一方、2位から中位まではまだまだ接戦となっている。
筆者高地は、守備に重きを置いたのが幸いして今節は最小限の失点となったが、攻めきれずポイントを伸ばすチャンスを逸した場面もあった。
昇級を懸けた戦いはいよいよ後半戦へと入っていく。一打の重要度が増していく中で、選択の精度を上げていきたいところだ。
次節、第5節は9月28日に金沢で開催されます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
(文:髙地 真生)
カテゴリ:北陸プロリーグ レポート


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