北陸プロリーグ レポート

第8期北陸プロリーグ 第5節レポート

Aリーグレポート

2025年9月28日、第8期北陸プロリーグ第5節が行われました。Aリーグ奇数節のレポートは月野桜悠が担当します。

今節は順位の入れ替わり、特に上位陣に大きな動きがあった。
3節4節とマイナスをしてグリーンゾーンを後退した如月だが、+86.3Pを叩いて一気に首位へ。
後藤はポイントを守り引き続き2位、首位を守っていた里木が今節初めてのマイナスを記録し3位となった。
グリーンゾーン争いをしている藤本、獅坂、木戸、志多木の4名が同時に痛いマイナスをし波乱の状況。
そして、ここで支部長の意地を見せてきた浦田。
+55.0Pと大きく加点し、トータルプラス域へ。
Aリーグの上位争いは大混戦となっている。

そんな中、今節は浦田に話を伺った。

まずは、トータル△47.9Pを返済しようと挑んだ第5節。
今節の感想を聞いてみると、
「+55.0Pで終え、トータルプラスとなり、本日の目標を果たす事が出来た。
しかし全く満足感がなく、スッキリしない。何故か?」
とコメントを貰った。

3回戦まで3連続トップと波に乗って迎えた4回戦。
東一局北家ドラ一筒
南家の藤本が中一索を序盤に仕掛ける。
藤本は高打点も安い手もどちらもあり、また遠い仕掛けも何でもあるので、この時点ではまだ分からない。
呼応するように中盤、下家の東家である岡田がカン四万を鳴き、ドラ一筒も打っていく。
安そうだが連荘を狙っている。
安城は今回は引いていて合わせ打ち状態。
終盤まで進み、私の手。
三万四万六万六万六万七万八万一索二索三索四索五索西
ここに九索を持ってくる。
九索は岡田と安城が一枚ずつ切っている。
藤本に六索九索が無いとも言えないが、数巡前の上家である岡田の六索に反応してないので、感覚的には通りそう。
でも、まだイーシャンテンなので無理する必要は無しと、完全安全牌の西を切る。
藤本が最終ツモ後、手出しで六索を切り、これで六索九索もなくなった。
あとは安城が六索を合わせてくれれば、形テンが取れる。その思惑通り安城が打六索
「(よし!)チー」
九索を打って無事形テン完成、と思いきや藤本から「ロン」の声…。

四索四索四索九索南南南 ポン中中中 ポン一索 左向き一索一索

「しまった!」
ホンイツトイトイ役役のハネマン放銃。
六索が通り、ほぼ通るであろう二枚切れの九索
藤本が瞬間今、九索を持って来ない限り完全に通る…。
しかしながらその可能性はゼロではなく、特に藤本ならこういう待ちは大いにあるのに。
六索を手出しされた事で完全に油断してしまった。
いつも新人には「形テンで勝負するべからず」と教えているのに。
まさに「好事魔多し」である。

結果この回はラスとなり、ポイントが削られてしまった。
今日の勢いなら+100Pも可能であったのに。
これがスッキリしない要因である。
もっともっと集中して、一打一打に魂を込めて打たなければならない。
と、支部長らしい熱い答弁。
私も同じ立場なら、打九索を選択してしまいそうだ。
「してやられた」という悔しい気持ちがひしひしと伝わってくる。

次節、また残り節の目標を聞いてみたところ、
「目標はズバリ『優勝』しかありません。
上だけを見て、先ずは決勝進出の4位以内を目指します!!」
と力強く答えていた。

前期決勝での最終局、優勝まであと一歩の浦田だったが、里木のアガり牌を先に掴んでしまい初優勝を逃してしまった。
画面越しで、普段は見せないような非常に悔しい表情をしていたのがとても印象的だった。

成績がトータルプラス域まで戻ってきた支部長浦田の、意地とプライドにかけて今期も決勝進出となるのか!今後も注目していきたい。

次に、現状首位にたった如月からも簡単にコメントを貰った。

●感想
「5節目が始まった時は、+0.6Pしか持っていなく、Aリーグ残留狙いにシフトしていて、かなり守備重視で行こうと思っていた。
2回戦終えた時点で△1.1Pと、まぁ耐えれてるな。という感じでした。
3回戦たまたま手が入って、卓内トップに立ちポイントに余裕が持てたので、悪くても少しプラス、良ければ大きくプラス出来ると思い、4回戦はアグレッシブに打ちました。
リーチに無スジを押して6000オール2連発でアガり、プラスを最大化出来た事が良かった」

●残り節の意気込み
「現状首位とはいえ、里木プロ、木戸プロがマイナスしただけで、更に、上位がかなり切迫しているので、ポイントを上積みする打ち方をしなければいけないと思っています。
あまり気負わずに、いつも通りの打ち方をしていきたいですね」

今期Aリーグ入りした如月が、この調子で初めての決勝進出に駒を進める事が出来るのか!!?
残り節が楽しみである。

筆者月野は、今節プラスにはしたものの、追いかけていた1人である浦田が、上記で記載した通り大きなプラスをした為、差が開いてしまった。
だがしかし、現状では決勝ボーダーが下がった事により残り3節で、残留ゾーン、あわよくばグリーンゾーンまで狙える可能性が僅かだが出てきた。
我々マイナス者下位4名も、最後まで上を目指し這い上がりたいところだ。

終盤になり、更に面白くなってきたAリーグ。
どのような展開になっていくのか乞うご期待。

次節10月26日に金沢で開催されます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(文・月野桜悠)

Aリーグ

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節
1 如月 靖之 86.9 52.1 5.3 ▲ 39.8 ▲ 17.0 86.3 0.0 0.0 0.0
2 後藤 正博 85.7 ▲ 37.6 61.1 33.8 23.3 5.1 0.0 0.0 0.0
3 里木 祐介 84.2 40.3 11.9 64.6 5.9 ▲ 38.5 0.0 0.0 0.0
4 藤本 鉄也 31.4 0.9 53.4 ▲ 0.3 10.7 ▲ 33.3 0.0 0.0 0.0
5 獅坂 祐一 26.4 77.2 ▲ 23.2 23.6 ▲ 37.1 ▲ 14.1 0.0 0.0 0.0
6 木戸 僚之 25.3 58.3 4.1 13.9 ▲ 1.0 ▲ 50.0 0.0 0.0 0.0
7 浦田 豊人 7.1 ▲ 3.2 ▲ 42.1 ▲ 24.4 21.8 55.0 0.0 0.0 0.0
8 志多木 健 3.5 10.0 18.6 4.0 ▲ 6.9 ▲ 22.2 0.0 0.0 0.0
9 岡田 拓也 ▲ 48.7 ▲ 17.5 ▲ 73.5 35.8 ▲ 12.3 18.8 0.0 0.0 0.0
10 月野 桜悠 ▲ 54.4 ▲ 93.3 50.8 ▲ 33.0 2.1 19.0 0.0 0.0 0.0
11 梅本 翔 ▲ 87.6 ▲ 47.5 ▲ 58.5 ▲ 39.5 43.5 14.4 0.0 0.0 0.0
12 安城 るい ▲ 159.8 ▲ 39.7 ▲ 7.9 ▲ 38.7 ▲ 33.0 ▲ 40.5 0.0 0.0 0.0

 

 

Bリーグレポート

2025年9月28日北陸プロリーグ第5節が行われた。
今回のレポートは、Bリーグ断トツ最下位・絶賛麻雀迷子中の
40期生・宮川悟が担当します。
全8節で行われるリーグ戦も、前半戦が終わってちょうど折り返し。(以下表参照)
首位・松井がアタマ2つ抜け出し、2位・高地から10位・宮成までは
団子状態で、1節で大幅な順位変更もありそうである。

 

100

 

今節注目したのは、今期から参加の新人・鈴木孝幸。
鈴木の印象は、手役派で重厚な麻雀を打つスタイルと感じている。
見た目で言うわけではないが、「ザ・サムライ」といった感じで、
キレ味も相当である。
そんな鈴木に、今節の感想を聞いた。
以下コメント
折り返しとなる第5節、上位陣をマークしながら
しっかり食いついていくことを意識した。
その中で印象に残ったのは
三回戦 東3局1本場 東家  ドラ北
配牌 二万七万七万九万六筒八筒九筒二索三索七索東南西 ツモ白
持ち点 34,000点 1巡目
パッとしない手牌だが、親番ということもあり、字牌を処理しつつ手なり進行。
7巡目に荒谷からリーチが入るも、無理なく進めた手牌が以下の通り。
二万二万七万七万二索九索九索六筒六筒八筒八筒北北 ツモ発
道中にドラを重ね、九万待ちに心残りがありつつ二索選択をしていたところにツモった発。
他家2人が降り気配だったので、対子落としをキャッチできるかもと待ちかえ。
すぐに九万二索も引き、モヤっとしたところに
荒谷から「ツモ、500-1000」の発声。結局アガリ逃しとなった。
山にいる感覚を信じ切れなかった反省の局をあげてもらった。
私自身も、七対子の待ち選択はなかなか悩ましい。
特に普通に両面とか、三色・一通だからこの待ち、みたいなオートマチック的な要素は少なく、単純ではない感覚や読みが、結果を左右する。
だから面白いのではあるが。
印象に残ったのがアガリ逃しの局とは鈴木らしいが。
とはいえ第5節は+35.4Pとしっかり上積みに成功し総合4位につけた。

問題は最下位の私である。全てポイントを松井に献上しているといっても過言ではない。
リーグ戦参加者から𠮟咤されてもその通り。自分なりにしっかり打ってるつもりではあるけど、
情けない限り。この場をお借りして今後に向けて一言言わせてほしい。「精一杯頑張ります。」
さてさて今節も苦しい展開で、どうにかしないといけないと思った時配牌ドラ3がきた。
二回戦 南1局 南家 持ち点 29,600  ドラ四索
配牌は一万三万五万五万一索四索四索四索五索六索東西北 ツモ発
どう手を組めばいいか。タンヤオ?一通?発を重ねる?
ざっとこんな感じで手を進め、8巡目
くっつきテンパイの一向聴、思考はくっつきは全部リーチ。ここまでの立ち回りに不安だらけで、四万でたらチーして③のくっつき限定のタンヤオにしようかとまで考えた。
次巡、実際出たがスルーして五万が暗刻ってテンパイ。
一万二万三万五万五万八万三筒四索四索四索五索六索七索 ツモ五万 ドラ四索
とりあえず③単騎待ちで手替わりを待つ。全く変化できずに
3巡後に持ってきた中、1枚切れ。索子まわりが壊滅的に切られていたことから、
意を決してリーチ!
すぐに、下家の瀧根から出て満貫をアガる。
なんとかアガリまでたどりついて、気合十分で迎えた親番。
配牌も悪くなかったが、瀧根から4巡目にリーチ。
2巡後にサクッとツモられ、開けられた手牌以下の通り。
瀧根
二回戦 南2局 南家  ドラ七筒
二万二万二万七万七万八万八万九万九万南南白白 ツモ南
しっかり倍満を親被りして、オチがつきました。

第5節が終了し首位は松井、完全に独走状態の+218.4P
2位にはポイントを伸ばした高地が+97.7Pで続く。
全体的に縦長の展開となったが入れ替え戦のボーダー付近の争いは、
予断を許さない状況だ。
残り3節、寒い季節になっていくが、熱い激戦は続く。

(文・宮川悟)

Bリーグ

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節
1 松井 直大 218.4 28.5 13.0 48.7 53.8 74.4 0.0 0.0 0.0
2 髙地 真生 97.7 46.7 15.6 6.1 ▲ 0.7 30.0 0.0 0.0 0.0
3 瀧根 克登志 68.5 ▲ 40.3 57.0 ▲ 37.2 22.6 66.4 0.0 0.0 0.0
4 鈴木 孝幸 58.2 28.0 ▲ 33.1 ▲ 6.6 34.5 35.4 0.0 0.0 0.0
5 夏野 千代 39.8 33.7 17.7 39.9 ▲ 55.1 3.6 0.0 0.0 0.0
6 小林 和樹 35.7 ▲ 16.3 ▲ 31.7 23.1 46.3 14.3 0.0 0.0 0.0
7 南 和之 33.2 ▲ 30.0 43.9 14.7 9.5 ▲ 4.9 0.0 0.0 0.0
8 中川 竜伍 25.4 ▲ 0.8 ▲ 37.9 11.8 52.8 ▲ 0.5 0.0 0.0 0.0
9 百瀬 あい ▲ 11.3 11.0 20.9 ▲ 39.0 ▲ 27.4 23.2 0.0 0.0 0.0
10 栄田 勇作 ▲ 58.7 ▲ 34.9 ▲ 15.9 10.3 ▲ 18.2 0.0 0.0 0.0 0.0
11 日水 亮輔 ▲ 67.3 0.9 15.4 ▲ 52.2 ▲ 58.0 26.6 0.0 0.0 0.0
12 成田 理良 ▲ 67.8 ▲ 0.3 ▲ 68.1 ▲ 14.2 17.9 ▲ 3.1 0.0 0.0 0.0
13 岡村 松太 ▲ 72.0 ▲ 37.9 69.1 8.9 ▲ 24.3 ▲ 87.8 0.0 0.0 0.0
14 宮成 さく ▲ 77.7 ▲ 8.9 ▲ 13.5 2.0 14.6 ▲ 71.9 0.0 0.0 0.0
15 荒谷 誠 ▲ 119.2 ▲ 5.1 ▲ 34.7 18.3 ▲ 44.0 ▲ 53.7 0.0 0.0 0.0
16 宮川 悟 ▲ 160.9 ▲ 7.3 ▲ 18.7 ▲ 36.6 ▲ 45.3 ▲ 53.0 0.0 0.0 0.0