第5期 四国プロリーグ海皇位戦 第2節レポート
2026年05月29日
1980年、宮内こずえは愛媛県松山市で生を受けた。
男の子と木に登ったり、ドッジボールなどで体を動かしたりするのが大好きな、活発な女の子だった。
中学生のとき、男友達の家で麻雀と出会い、ゲームを買って独学でルールをおぼえた。
お花屋さん、漫画家、女優…。なりたいものはたくさんあったが、最終的に選んだのは「麻雀プロ」だった。
新人時代から順調にキャリアを重ね、付けられた二つ名は〝純白の牌奏者〟。二階堂姉妹、和泉由希子らと並んで「連盟女流四天王」とも呼ばれ、2015〜16年には女流桜花・プロクイーンを2冠同時に獲得した。2021年の麻雀最強戦では、オーラス1本場まで、いや、瀬戸熊直樹が裏ドラをめくるまで「最強位」を手中にしていたのは、未だ記憶に新しいところだろう。
2022年、そんな宮内に四国支部長就任のオファーが舞い込んだ。「自分の生まれ育った場所には『愛』しかありません」という彼女に、断る選択肢はなかった。
そして、四国プロリーグ5期目となる今シーズン、ついに宮内の参戦が実現した。所属団体リーグ戦&タイトル戦、他団体交流戦、チーム戦、各種放送対局…という過密日程の合間を縫って移動しなければならないため、コンディションを整えるだけでも至難の業。東京での試合にも少なからず影響は出るはずだが、もちろん覚悟の上である。
「初代海皇位は、私が獲るーー」
〈Aリーグ〉
【高知1卓】
宮内こずえ×福島清子×松本京也×櫛橋孝平
初戦は櫛橋の一人浮き。
宮内は4着からのスタートとなったが、2回戦に超弩級のダブリーが入る。
東3局












ドラ
さらに中盤、4つ目の
を引いて暗槓。ド高めの
ツモで数え役満だが…追っかけリーチの松本にかわされ、成らず。嫌なイメージが頭をよぎる。
しかし、切り替えて攻め、初トップ。三者が横並び一線に。
ここから、宮内劇場が始まる。
東4局1本場












リーチ ロン
(松本→7700+300)
東4局2本場












ツモ
ダマテン(3900ALL+600)
東4局3本場






ポン

ポン

ロン
(櫛橋→12000+900)
ドラ無しながら、怒涛の高打点3連荘で、持ち点は一時6万点を超えた。
ラス前、瀕死の松本が逆襲の和了り!



ポン

チー

ポン

ツモ
(8000・16000)
オーラスは無風で宮内がトップ。最終4回戦も5万点オーバーの危なげない展開で見事3連勝を飾った。
【愛媛1卓】
西村和貴×根越英斗×久保隆徳×中岡博一
暫定2位の久保が好調の滑り出しを見せたが、勢いに乗って前に出たところを根越につかまり、2回戦はラス。最終的には好位置をキープしている。
西村・中岡は終始苦しい展開。経験値から弾き出される戦略がうまくハマった根越が、卓内トップとなった。
【愛媛2卓】
和田健一×鵜野健一×長尾浩平×平石洋輔
1回戦オーラス、下記の並び。
東家/平石 28400
南家/和田 30500
西家/鵜野 30600
北家/長尾 30500
鵜野・長尾が早々に仕掛けている状況で、平石の手牌↓
南4局 ドラ














圧力をかけたいところだが、我慢の打
。2巡後にドラ
を引き、シャンポンリーチに。終盤、
をツモって会心の3900オール。
この局が引き金となり、続く2回戦を一人浮きで連勝。第2節を全連対で終え、早くも開幕戦の負債を7割以上返済した。もはや〝全員抜き〟の視界は開けたか。
【愛媛3卓】
長山朔弥×渡邊亮×宗雪靖弘×大伴翔太
攻撃型の長山・渡邊、守備型の宗雪・大伴という構図の対戦となった同卓は、かわし手が制する場面が多く、後者2人に軍配が上がった。
勝ち頭は大伴。若手ながら、周囲の評価はかなり高い。
宗雪も大きな放銃をすることなく、本手で得た点棒を守ってプラス終了。
ポイントを少し減らした渡邊だが、暫定首位はキープ。
長山はマイナスを3桁に乗せてしまったが、「2年に1回のペースで天和・地和を和了る豪運の持ち主」と語る爆発力に期待したい。
Aリーグ
| 順位 | 名前 | 合計 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 6節 | 7節 | 8節 | 9節 | 10節 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 渡邊亮 | 70.0 | 77.8 | ▲7.8 | ||||||||
| 2 | 久保隆徳 | 66.7 | 63.5 | 3.2 | ||||||||
| 3 | 宮内こずえ | 57.1 | 57.1 | |||||||||
| 4 | 濱田将司 | 51.4 | 51.4 | |||||||||
| 5 | 宗雪靖弘 | 49.9 | 33.9 | 16.0 | ||||||||
| 6 | 長尾浩平 | 33.7 | 19.5 | 14.2 | ||||||||
| 7 | 松本京也 | 21.4 | 1.1 | 20.3 | ||||||||
| 8 | 大伴翔太 | 16.2 | ▲14.1 | 30.3 | ||||||||
| 9 | 西村和貴 | 12.3 | 34.8 | ▲22.5 | ||||||||
| 10 | 中岡博一 | ▲4.6 | 11.0 | ▲15.6 | ||||||||
| 11 | 平石洋輔 | ▲20.6 | ▲78.1 | 57.5 | ||||||||
| 12 | 根越英斗 | ▲21.6 | ▲55.5 | 33.9 | ||||||||
| 13 | 和田健一 | ▲46.1 | 26.3 | ▲72.4 | ||||||||
| 14 | 鵜野健一 | ▲48.6 | ▲49.3 | 0.7 | ||||||||
| 15 | 福島清子 | ▲60.9 | ▲9.2 | ▲51.7 | ||||||||
| 16 | 櫛橋孝平 | ▲88.9 | ▲63.2 | ▲25.7 | ||||||||
| 17 | 長山朔弥 | ▲110.4 | ▲71.9 | ▲38.5 |
〈Bリーグ〉
【高知1卓】
高橋亮輔×畑谷翔大×中原進二×太田涼聖×山宮雅之
特筆すべきは4回戦。親の山宮が、何と〝12本場〟まで積み上げる大連荘!!
山宮「親で0本場から12本場まで連荘したのは初めてで、途中緊張で指が震えましたが、しっかり呼吸して普段通り打つことを心がけました。12本場の局で10巡目に平和・ドラ2をリーチしたのですが、5800+3600点と考えると、ダマテンが良かったかもしれません」
同試合の最終持ち点は93300点。同卓者には、2試合にも3試合にも感じる長い時間だっただろう。
暴風を巻き起こした山宮は+99.9Pを荒稼ぎし、下位から昇級が狙える位置までジャンプアップした。
【高知3卓】
永田泰志×小松翔一×宮本義章×村瀬寛哉×堀部雄太
今期デビューの宮本が、1・2回戦の連勝で+50Pオーバーと圧倒していたが、3回戦で痛恨の一人沈み…。大きくポイントを吐き出してしまう。
入れ替わりで波に乗ったのは、2年目の村瀬。
とくに最終戦は判断が冴え渡った。
東3局 ドラ












ロン
ダマテン(7700)
南1局 ドラ












リーチ ツモ
(2000・4000)
南4局 ドラ












リーチ ツモ
(3900ALL)
この試合を5万点オーバーで終えた村瀬。あと少しで昇級が手の届くポジションに着けた。
【愛媛3卓(第4節分)/別日対局】
水都まりん×宮本義章×村瀬寛哉×楠木一朗
開幕戦で上々の出だしを切った水都が、3連勝(2着1回)と猛威をふるって大きく飛び抜けた形に。
全5節のBリーグ。A昇級へのカウントダウンが始まった。
Bリーグ
| 順位 | 名前 | 合計 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 水都まりん | 133.8 | 50.3 | 83.5 | |||
| 2 | 川奥修二 | 90.6 | 39.5 | 51.1 | |||
| 3 | 村瀬寛哉 | 74.1 | 36.8 | 6.2 | 31.1 | ||
| 4 | 山宮雅之 | 66.1 | ▲33.8 | 99.9 | |||
| 5 | 中原進二 | 59.0 | 27.0 | 32.0 | |||
| 6 | 畑谷翔大 | 14.4 | 9.4 | 5.0 | |||
| 7 | 堀部雄太 | 0.1 | 9.0 | ▲8.9 | |||
| 8 | 川合克久 | ▲1.5 | ▲1.5 | ||||
| 9 | 永田泰志 | ▲6.7 | ▲6.7 | ||||
| 10 | 宮本義章 | ▲10.3 | 20.8 | ▲35.4 | 4.3 | ||
| 11 | 小松翔一 | ▲11.8 | 8.0 | ▲19.8 | |||
| 12 | 高橋亮輔 | ▲29.7 | 26.1 | ▲55.8 | |||
| 13 | 渡邉博之 | ▲31.2 | ▲70.9 | 39.7 | |||
| 14 | 山田陽斗 | ▲67.7 | ▲30.3 | ▲37.4 | |||
| 15 | 太田涼聖 | ▲108.6 | ▲26.5 | ▲82.1 | |||
| 16 | 楠木一朗 | ▲143.2 | ▲35.5 | ▲53.4 | ▲54.3 |
(文・松本京也)
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