第32期A1リーグ第1節レポート 望月 雅継
2015年04月20日
待ちに待ったA1リーグの開幕。
今期はオープニングカードでの対戦に選ばれた。
私がA1リーグに初めて昇級したのが第23期。
一度降級を経験したので、私にとって今期は9期目のA1リーグの戦いとなる。
今期の組み合わせが発表されたのが3月初旬。
その時から開幕まで、何度も何度も対戦相手とのシミュレーションを繰り返してみた。
対戦相手は、
藤崎智、伊藤優孝、仁平宜明の3名。
鳳凰位決定戦での藤崎の戦いには全くと言っていいほど隙が無く、何度イメージしても自分が勝ち切る可能性は難しいと感じてしまうような強さであった。
伊藤とは昨年度何度も対戦し、そのたびに苦渋を飲まされてきた。
先日行われたグランプリMAXでも伊藤の圧勝。私に対して良いイメージを持っているに違いない。
仁平はA2を優勝昇級。
現在勢いに乗っていることは間違いなく、以前A1リーグで対戦した時も私に対して分が良かっただけに、マイナスイメージは持っていないはず。
さて、どうしたものか。
A1リーグで戦っている以上、誰と対戦しても苦しいことには違いないが、今回は特に組み合わせが悪いと感じていた。
昨年同様の我慢した戦いで挑めば、恐らく大敗はしないだろう。
しかし、試合巧者の3名とその戦い方をすれば、間違いなく分は悪く、しかも地味な試合展開になるのは間違いない。
かといって、大振りが当たるほど甘い面子ではなく、踏み込みを深くすればカウンターを食らう可能性が極めて高い。
何度も悩み、苦しんで出した結論は『戦う』こと。
50P負けても、80~100P勝てる可能性があるような戦いを挑む方が、恐らくイイ内容の麻雀になるはず。
戦ってもし結果を残せなければ、その後軌道修正を図ればいいと。
そう考えて戦いに挑んだ1回戦、南3局で気持ち良く1,300・2,600を引きアガって原点復帰したオーラス、












ツモ
ドラ
狙いは三色が本線。手牌が動いているのはソーズ。
ドラが
だけに、一通もドラドラも取りこぼせないと最高目を残す打
。
当然の一打といえば当然なのだが、結果は最悪。
次巡ツモ
でテンパイを取りこぼした上に、ツモの順序も最悪で、アガリ逃がしの上のテンパイが、












ドラ
形でリーチとはいえ、さすがに味が悪い。
結果も当然で、伊藤に8,000の放銃で沈みの3着に転落。
2回戦もノーホーラの3着と苦しい展開が続く。
どこかできっかけを掴みたい。苦しい状況を打破したい。
そう思って迎えた3回戦、起家の私の4巡目、












ドラ
ここから1枚目の
を仕掛け、打
。ちなみに本日初めての仕掛け。
もちろん普段の私ならこの形からまず仕掛けることはない。
しかし、何かきっかけが欲しかったのも事実。すぐに
も仕掛けることに成功し、
のトイツ落とし。そして重なった
も仕掛けて、



ポン

ポン

ポン

ドラ
ここで考えていたことは2つ。仕掛けた以上はアガりたいということ。
もう1つは、アガれないなら手を見せたくないということ。
『アガるための仕掛け』
これが今期のキーワードだと考えている。
ツモ
、打
。
ツモ北、打
解説で森山会長もおっしゃっていたように、テンパイするためにはドラの
をリリースするのが良いのは重々承知したうえでの打
。
テンパイよりもイメージ、イメージよりもアガリ。
そう考えての打
だった。
私の仕掛けによって、2連勝の藤崎の好手は日の目を見ることがなくなり、結果も最良の4,000オール。
風向きが変わったと感じた瞬間だった。
しかし、これだけではアガったというだけ。
点を線にし、線を面にしないといけないのが麻雀。
東1局1本場、












ドラ
ここから、仁平の打った
をチー。
この仕掛けも普段は鳴かないというか…鳴いたことがないと言ってもいいと言えるチー。
そして次巡、仁平から5,800は6,100。
これも、メンゼンでの加点を捨ててでもアガリに拘った瞬間だった。
イメージでは、ホップ・ステップ・ジャンプのステップ部分に当たるのか。
仕掛けたら必ずアガる。そういったイメージを植え付けたかった。
東1局2本場、仁平の三色リーチを受けて、












ドラ
ここから仁平の切った
をチー。
ここで仕掛けなければ、前局までの仕掛けも無駄になる。
そう思って仕掛けた
。もちろん、全部勝負するつもりだった。
結果は私のツモアガリ。
こうなった以上は自分の時間と認識して戦えばいい。
この日最高の感触のアガリは東1局3本場。












リーチ ツモ
ドラ
このアガリを掴み取る為の3回の仕掛け。この時間を掴み取る為の戦い。
自分がA1で生き抜く為に考え抜いた戦い方。
今期中に新たなスタイルが確立できるかはわからないが、久しぶりに良い感触のあった瞬間でもあった。
最終戦最終局、仁平が見事な四暗刻をツモり、









暗カン


リーチ ツモ
ドラ
結果は僅かなプラスに留まったが、この戦いで得たものは限りなく大きい。
良い時も悪い時もあるのが麻雀なのだが、この戦い方を続けることが出来れば、今期の自分の麻雀にかなりの期待が出来るのではないかと実感した。
まだ今期も始まったばかり。
それでも、年度末の鳳凰位決定戦に向けての第一歩だと考え、毎日を大切に生きていきたいと思っている。
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