第13期麻雀グランプリMAX一次予選C卓レポート

【第13期麻雀グランプリMAX一次予選C卓 荒正義・和久津晶が勝ち上がり】

本日の対局者は

荒正義(九段)
伊藤優孝(九段)
吉野敦志(現鸞和)
和久津晶(ptランキング15位)

 

 

連盟公式ルールで半荘5回戦のトーナメントを行い、上位2名が二次予選進出となる。

 

【1回戦】

東3局。親番の伊藤がドラのペン三筒待ちで先制リーチを打つが

 

 

ドラをツモったのはヤミテンの吉野。跳満のアガリで1回戦トップを取る。

 

【2回戦】

荒と伊藤がすでにテンパイを入れていたが、親番の和久津が追いついて高めの五万ツモ。
 

 

東4局には伊藤もドラをツモって2,600オール。

 

 

伊藤は2着目となってオーラスを迎えた親番で先制リーチを打つが

 

 

吉野が1人浮きトップを決める満貫のツモアガリで2連勝。親被りの伊藤は3着となってしまった。

 

【3回戦】

親番の荒が8巡目に三色確定のカン三筒でヤミテンで3,900オール。

 

 

リードを守り切った荒が、吉野とトップ3着で差を縮める。

 

【4回戦】

荒が中東ホンイツの3メンチャン。和久津から7,700は8,000を直撃して2番手に浮上すると

 

 

南2局にはリーチツモ中ドラ、2,000・3,900のアガリで一気にトータル首位に。

 

【最終 5回戦】

和久津は東4局にドラトイツの手牌で積極的に中ポンから仕掛ける。

しかしこの鳴きで親の吉野にカン八万が入ってテンパイ。役なしドラなしで一度はヤミテンとするも、次巡ツモ切りリーチ。この選択が吉野にとっては最悪となってしまい

 

 

和久津にドラの南で放銃。和久津にとっては最高の直撃となり、この瞬間トータル2番手に浮上する。

追う立場となった吉野はオーラス1人テンパイで連荘し、和久津まであと300点に迫っていた。
1本場は厳しい手牌だったが、最終手番で何とか形式テンパイを入れた。

一方、和久津はマンズで3フーロ。一時はチンイツテンパイを入れていたが、ドラの五索を掴まされてしまい、こちらも形式テンパイ。

勝負は次局に持ち越しかと思われたが

 

 

和久津がハイテイでドラをツモって決着。

 

 

1位の荒は二次予選E卓。
2位の和久津は二次予選A卓に進んだ。

(文・吾妻さおり)

女流プロ麻雀日本シリーズ2023 第5節レポート

【女流プロ麻雀日本シリーズ2023 第5節 瑞原が首位キープ 仲田は3位浮上】

 

 

【17回戦】

 

小宮がペン三索待ちリーチ。
伊達がドラ暗刻のカン五索待ち追っかけリーチ。
逢川がカン三索待ち。

 

 

伊達から出た三索は逢川のアガリ優先。1,000(+2,000)のかわし手で伊達の勝負手を蹴る。

小場で回った17回戦。

 

 

オーラスは魚谷が七対子をヤミテンでアガってトップを取った。

17回戦結果
魚谷侑未 +21.8P
逢川恵夢 +8.5P
伊達朱里紗 ▲5.8P
小宮悠 ▲24.5P

 

【18回戦】

 

開局に黒沢がドラの九索暗刻のリーチを打ち、一発ツモで跳満に。

 

 

南2局の親番で2,000オールをツモった仲田が2着に。

 

 

18回戦結果
黒沢咲 +35.3P
仲田加南 +12.5P
水崎ともみ ▲6.9P
魚谷侑未 ▲40.9P

 

【19回戦】

 

東1局に水崎が満貫をツモると

 

 

親番ではドラ3枚使いのピンフリーチを一発ロンで決めて18,000で大量リード。

 

 

南2局にりんのがドラ6枚の跳満をアガって水崎を捲るが

 

 

水崎がりんのから満貫を直撃して再逆転トップ。

19回戦結果
水崎ともみ +43.3P
りんのなお +18.8P
瑞原明奈 ▲8.3P
逢川恵夢 ▲53.8P

 

【20回戦】

 

仲田がドラ暗刻のカン三索ツモで満貫をツモり

 

 

南3局の親番にはタンヤオ三色ドラドラの4,000オール。

オーラス。
親番の和久津がドラ切りテンパイ。伊達がポンして追いつくが

 

 

和久津が1,000オールは1,300オールで2着目となり、4本場は仲田がアガって終了。

20回戦結果
仲田加南 +34.6P
和久津晶 +8.0P
伊達朱里紗 ▲14.4P
りんのなお ▲28.2P

 

 

以上の成績を元に第6節の組み合わせが決定した。

 

 

(文・吾妻さおり)

第13期麻雀グランプリMAX一次予選B卓レポート

浜上・猿川がベテラン勢を抑え二次予選へ!

2月14日(火)、第13期麻雀グランプリMAX一次予選B卓が放送された。
対局者は藤崎智、藤原隆弘、猿川真寿、浜上文吾。

 

 

★1回戦

東2局、藤原が六索中と仕掛けて高目のドラをツモ!

 

 

中・トイトイ・ドラ3の 3,000・6,000。点棒をキープしたまま南場の親番を迎えると、またしても中をポンしてトイトイのテンパイ。浜上の三色リーチを受けながらも、さらにテンパイを入れた猿川から7,700をアガリ6万点付近へ。
1人浮き濃厚かと思われたが意地を見せたのは浜上。南3局1本場、仕掛けてのチンイツで原点付近まで回復すると…

 

 

オーラス親番で4本場まで粘り込み、4万点の大きな2着に滑り込んだ。

藤原 +25.5P
浜上 +13.1P
猿川 ▲17.3P
藤崎 ▲22.3P

 

★2回戦

東2局1本場、浜上がドラ暗刻のリーチ、親の猿川が仕掛けて役ホンイツ一通。高打点のめくり合いは浜上の2,000・4,000ツモで決着。

 

 

めくり負けた猿川であったが、東3局ではねじ込むような仕掛け。白一万ポン・六万チーでホンイツへ。周りがマンズと字牌を抑えて回る中、悠々と発を引き入れてンパイすると、1,300・2,600のツモアガリに。

 

 

オーラスも藤原の親リーチを七対子でかわし、浮きの確保に成功した。

浜上 +22.6P
猿川 +6.7P
藤崎 ▲8.8P
藤原 ▲20.5P

 

★3回戦

藤崎にしては珍しく、低打点でのカンチャンリーチが見られたのが3回戦。東4局、ドラ1のカン二筒リーチ。
南1局3本場、トップ目から七対子ドラドラの6,400をアガって抜け出すと、オーラスにはリーチのみのカン二万

 

 

ツモって1人浮きとなる大きなアガリで、一気に2番手へ抜け出すトップを獲得。

藤崎 +28.3P
猿川 ▲1.3P
浜上 ▲7.5P
藤原 ▲19.5P

 

★4回戦

東2局、藤崎が2連続の1,300オール。苦しい立ち上がりであった藤崎であったがトータルトップ目まで見えてくる位置に。

 

 

東3局1本場、親の浜上がタンヤオピンフ・高目イーペーコーを慎重にヤミテン。高目ツモで、トータルトップの位置を磐石にするようなアガリとなった。

 

 

この半荘はこのままのポジションで推移し、オーラスには藤崎がイーペーコードラドラの5,200を浜上から直撃。着順は変わらないものの、上位3者(浜上・藤崎・猿川)が非常に接戦となった。

猿川 +20.0P
藤崎 +15.6P
浜上 ▲11.1P
藤原 ▲24.5P

 

★5回戦

東1局1本場から決まり手が炸裂。
浜上がタンヤオピンフ三色確定の二筒五筒
猿川がタンヤオトイトイ三暗刻ドラ3(ツモり四暗刻)の五筒八索
ここはテンパイをとって五筒を切った藤崎に2人からロンの声。浜上の頭ハネとなった。
倍満が不発に終わった猿川であったが、藤崎の放銃によりかなり有利な立場へ。

 

 

想定外の出費に苦しい立場となってしまった藤崎。オーラスには誰からアガっても条件達成のピンフジュンチャン三色ドラ1のヤミテンを入れるも、猿川の仕掛けに浜上が放銃し終了。

浜上 +14.4P
猿川 +6.6P
藤原 ▲4.6P
藤崎 ▲16.4P

この結果から、一次予選B卓の通過は浜上・猿川となった。

 

 

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(文・浜野太陽)

第13期麻雀グランプリMAX一次予選A卓レポート

一次予選A卓に出場した選手は

 

森山茂和(九段シード)

 

渡辺英梧(第10期JPML WRCリーグ優勝)

 

木本大介(第35期新人王)

 

勝又健志(グランプリポイント17位)

以上の4名。

 

 

1回戦は二度の三色を決めた勝又。

 

 

2回戦はホンイツのテンパイを取らずにチンイツをアガった森山。

 

 

 

3回戦はリードする森山を仕掛けで捕まえた渡辺。

主役が次々と入れ替わる展開で接戦のまま試合は進んでいき

 

 

ラス前に森山が二番手に浮上するアガリを決め、迎えた最終戦南4局。

このままのポイントで終われば
渡辺+11.4P
森山+4.5P
勝又▲7.5P
木本▲8.4P
で、渡辺・森山の勝ち上がりとなるところ

 

 

7,700以上を必要としていた勝又が第一打に切られた自風の北をポン。

 

 

勝又の上家に座った渡辺は、トータル1位ながら勝又のツモアガリを歓迎出来ない状況で、早々にソーズと字牌を絞って撤退。
森山のアガリに期待します。

 

 

トータル2位の森山にドラ暗刻のカン五万テンパイが入り、ここには満貫まで打てる渡辺でしたが

 

 

五万は手に無く、数巡の猶予を与えられた勝又に

 

 

ラス牌のドラ六索がやってきました。

この勝又の2,000・3,900のアガリで1人沈みとなった渡辺は、順位点が▲4.0Pから▲12.0Pになり、トータルが+1.4P。
森山の順位点は+4.0Pから+3.0Pになり、トータル+1.5P。
僅か0.1P差で森山が2位通過となり、最終戦南4局開始時にトータル1位にいた渡辺がまさかの敗退となりました。

<最終結果>
勝又+9.4P 森山+1.5P 渡辺+1.4P 木本▲12.3P

(文:越野智紀)

第13期グランプリMAX予備予選レポート

【第13期麻雀グランプリMAX 予備予選 猿川・吉野が勝ち上がりを決める】

 

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日本プロ麻雀連盟の年度末の祭典と言えば「麻雀グランプリMAX」。開幕に先立ち、一次予選の2枠をかけて予備予選が行われた。

【システム】

今年度の地方リーグ優勝者(9名)・現鸞和・年間ポイントランキング18位〜23位(6名)の計16名をABブロックに分ける。

半荘1回戦を行い、上位2名が決勝へ。
決勝1回戦を行い、優勝者が一次予選に進出となる。
(日本プロ麻雀連盟公式ルール)

【予備予選Aブロック】

 

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解説 ともたけ雅晴
実況 吉井優

【Aブロック①卓】

 

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起家長尾が7巡目に八万切りとすると

 

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西野からロンの声。電光石火のメンゼン混一色で満貫のアガリ。1回勝負で2着以上に残らなくてはならない。長尾にとってはあまりにも厳しい放銃から始まった。

東4局1本場。長尾は一筒四筒待ち先制リーチを打ち、東を暗カン。

 

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これに終盤に追いついたのは親番の太田。11,600は11,900(+1,000)のアガリを決める。

南2局には岡田がダブ南をポンしてテンパイするが

 

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後のない長尾がドラ雀頭のリーチをツモって望みを繋ぎ、オーラスにはツモか西野から直撃条件のリーチを打つが1人テンパイで流局。

 

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①卓からは太田優介・西野拓也がAブロック決勝進出。

【Aブロック②卓】

 

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②卓で先行したのは堤。東2局には福島から3,900。

 

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その後も手数を緩めず、堤と福島がアガって局を進めていく。

南2局。ここまでじっと耐えていた安城がようやく先制リーチ。是非ともアガって親番を迎えたい所だったが

 

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白ポン、九筒チーの猿川(親)が押し返し、11,600(+1,000)のアガリ。

オーラスは福島がタンヤオ三色のカン六索待ち。放銃しても通過の猿川から出て決着。

 

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②卓からは猿川真寿・福島佑一がAブロック決勝進出。

 

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【Aブロック決勝】

 

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東1局5巡目、太田が一通確定のペン三万待ちテンパイ。
猿川も二筒五筒待ちテンパイを入れる。

 

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そこに福島がツモ切りリーチを打ち、太田から九筒ロン。満貫のアガリで先制する。

東2局には猿川がリーチを打ち、ドラの四万をツモって3,900オール。

 

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100点差の接戦の中、猿川が福島から1,600は2,800(+2,000)の直撃を決め

 

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オーラスも猿川が自らアガってグランプリMAX一次予選の切符を手に入れた。

 

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【予備予選Bブロック】

 

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解説 三浦智博
実況 大月れみ

【Bブロック①卓】

 

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杉浦が5,200、1,000・2,000、2,900は3,200と軽快にアガリを積み重ねて行く。

ラス目となってしまった花岡が4巡目リーチを打ち、菊田から6,400は7,300のアガリ。

 

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杉浦優勢のまま進んだ南3局1本場。吉野の初アガリは500・1,000は600・1,100(+1,000)。2着目に滑り込み

 

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最後は杉浦のツモアガリで決着。

 

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①卓からは杉浦勘介・吉野敦志がBブロック決勝進出。

 

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【Bブロック②卓】

 

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東1局は客野のリーチツモ一通で満貫のアガリ。

続く東2局は南をポンした柴田が5,200のアガリを決める。

 

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リードした客野が東4局にダブ東白混一色の4,000オール。

 

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オーラス。
川崎が一四待ちリーチ。ツモか柴田からなら四でもOKだが、高めの一ツモで倍満に。

 

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②卓からは川崎義之・客野直がBブロック決勝進出。

 

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【Bブロック決勝】

 

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東2局。杉浦(親)が六筒九筒待ち先制リーチ。
川崎が四筒七筒待ち追っかけリーチで応戦。
吉野がヤミテン純チャン三色のペン七筒待ち。

 

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この勝負は川崎に軍配。杉浦から5,200(+1,000)のアガリ。

南1局。吉野の先制リーチを受けた客野(親)は追っかけリーチで勝負に出るが、吉野に7,700は8,000(+1,000)の放銃となる。

 

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杉浦が南2局に4,000オールをツモって三つ巴となり

 

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オーラスは吉野がアガリ切って勝負あり。一次予選への最後の切符をもぎ取った。

 

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(文・吾妻さおり)

第34期中部プロリーグ 決勝レポート

【第34期 中部プロリーグ決勝 】

 

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決勝対局者

林俊宏(はやしとしひろ)
掛水洋徳(かけみずひろのり)
堤文吾(つつみぶんご)
大橋幸正(おおはしこうせい)

 

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解説 森下剛任・青山大(中部副本部長)
実況 襟川麻衣子

【1回戦】

勝負はいきなり動いた。

堤がメンホン七対子白単騎、12,000は12,600を大橋からアガると

234確定のシャンポン待ち、12,000は12,300(+1,000)を林から

ダブ東ドラドラ、11,600は12,200を掛水からアガリ

 

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南3局の親番で456三色を決めての4,000オール。

 

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堤が大き過ぎる1人浮きトップを取る。

【2回戦】

2回戦も堤がトップ目でオーラスへ。掛水がダブ南混一色のカン五索をアガリってラスから2着になるが、堤には僅かに届かず。

 

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【3回戦】

林がダブ南ドラ3。堤からの直撃でトップ3着となり、のぞみを繋ぐ。

 

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【最終 4回戦】

掛水がトップ目を走るがまだまだ堤は遠い。
南2局の親番を手離すわけにはいかず、大橋が客風の西からポンして不穏ではあるものの、意を決して六万九万待ちリーチを打つが…。

 

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大橋幸正の小四喜が炸裂!
32,000は32,600(+2,000)

親番で連荘した大橋が89,200点まで素点を伸ばすが、4本場で堤がアガって親を蹴って勝負あり。

 

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第34期中部プロリーグ決勝

優勝 堤文吾
2位 大橋幸正
3位 林俊宏
4位 掛水洋徳

 

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(文・吾妻さおり)

第23期皇帝位決定戦レポート

【第23期皇帝位決定戦(九州プロリーグ決勝) 岡田雄貴が初優勝】

皇帝位決定戦 対局者

竹田巧(たけだ さとし)
岡田雄貴 (おかだ ゆうき)
柿元裕介(かきもとゆうすけ)
横田幸太朗(よこた こうたろう)

 

 

実況 吉田彩乃
解説 安東裕允・浜上文吾

 

【1回戦】

柿元が七対子ドラドラのヤミテンを入れていたが、3枚目のドラを引いたタイミングでリーチを打って跳満ツモ。

 

 

横田がじわじわと追い上げて柿元に並ぶが、柿元がハイテイツモで満貫のアガリで再び突き放す。

 

 

南3局に横田はツモリ三暗刻、四万四索のシャンポン待ちリーチ。

 

 

ツモアガリで決めた横田が逆転トップを決める。

 

【2回戦】

岡田がメンホン七対子東単騎。柿元から満貫のアガリ。

 

 

東2局には竹田がドラの八筒暗刻で白の片アガリ。柿元は連続放銃となってしまい、苦しい時間帯。

 

 

南2局には岡田がドラの南暗刻のツモアガリを決めて2回戦のトップを取る。

 

 

【3回戦】

3回戦は激しい打撃戦に。
まずは岡田がドラ単騎ツモで6,000オール。

 

 

南1局には横田が竹田から満貫。

 

 

オーラスは竹田がドラドラ七対子一筒単騎リーチ。
ツモリ四暗刻テンパイが入った岡田から直撃で竹田がトップ。

 

 

 

【最終 4回戦】

最終戦は中村政時(九州本部長)も解説席に。

 

 

横田が2,700オールで瞬間首位に立つが

 

 

東3局には岡田がドラの南をツモって満貫。

 

 

南3局。親番の柿元がドラの九索を重ねて先制リーチ。

横田も高め456の3メンチャンで追っかけリーチに踏み切る。

 

 

仕掛けた岡田はドラ単騎。4枚目の九索を横田が掴んでしまい、決着。

 

 

第23期皇帝位決定戦

優勝 岡田雄貴
2位 横田幸太朗
3位 竹田巧
4位 柿元裕介

福岡出身34期生の岡田が初めてのタイトルを獲得した。
 

 

(文・吾妻さおり)

第21期太閤位決定戦レポート

【第21期太閤位決定戦、ミスター太閤位、花岡章生が復位】

太閤位決定戦は、関西本部で行われる全5リーグ(A、B、C1、C2、C3)からなるリーグ戦の頂点を決める戦いだ。
本日の4選手、Aリーグを勝ち残った3名、そして、現太閤位の紹介は、関西本部に所属する稲岡ミカのブログをぜひ読んでいただきたい。

 

 

◇長尾浩平

◇花岡章生

◇濱中真志

◇山中翼(現太閤位)

ブログにも書かれているが、現太閤位の山中は、花岡(過去4度の太閤位、15度目の決定戦)を倒してこそ真の太閤位と語った。

3回戦まではハイライトでお伝えする。

 

◇ 1回戦
「四国に少しでも注目してもらえるよう、いい結果を残したい」
と戦前のインタビューで語った、四国支部の副支部長の長尾。
片道3~4時間かけて通っていたご褒美かのごとく、4巡目テンパイのホンイツ、七対子をツモアガリ。
そのリードを更に伸ばし、1人浮きのトップをとる。

 

 

1回戦終了時
長尾+25.5P、山中▲2.3P、花岡▲6.3P、濱中▲16.9P

 

◇ 2回戦
前半の勝負所だった南4局2本場(供託2)、
長尾が四索をポンして、(供託があるので)アガれば浮きに回るテンパイを入れる。

 

 

これに対し、山中の対応がとても光った。

 

 

自分の都合では、七対子の1シャンテンとなる七筒切りだが、ラス目にも関わらず、三万を切る我慢強さ。
ほぼ自身のラスを受け入れることになるが、ここで長尾にアガられると差が開いてしまう。
残り2回戦での逆転に賭けた。

 

 

親の濱中も追いつく。
長尾の待ちの四筒七筒を使い切ってテンパイを果たし、この七筒で長尾の待ちは山から消えた。

 

 

本局の結果は、仕掛けて押し返していた花岡のアガリ。
1人浮きのトップを確定させる値千金のアガリになった。

2回戦終了時
花岡+27.4P、長尾+15.8P、山中▲19.2P、濱中▲24.0P

 

◇ 3回戦
オーラス、長尾は2,600以上をアガれば3着に浮上するが、親でトータルトップ目の花岡を沈んだままにすることを優先した。
これも胆力のいるヤミテン。
一索四索七索二索五索八索待ちに変化したときは、リーチをする方針だったかもしれない。

 

 

3回戦終了時
花岡+19.2P、長尾+2.5P、濱中▲9.8P、山中▲11.9P

ここまで全員がお互いに決め手を与えないように粘っていたことで、トータル4番手の山中ですら、花岡と31.1ポイント差と、全員にチャンスがある最終戦になった。

 

◇ 最終戦
まずは濱中が加点。東2局の親番

三万三万八万一筒二筒二筒五筒八筒八筒九筒三索五索六索 ドラ五筒
4巡目に八筒のポン。

 

 

山中に、

一索一索二索二索三索三索四索四索五索六索中中中 ドラ五筒

このテンパイが入っていただけに打点以上に価値のあるアガリ。

同1本場はこの配牌。

一万三万五万七万九万二筒七筒東南西北北発中 ドラ二万 打二筒
1巡目から北を仕掛ける。
安目のアガリではあったものの、花岡から3,900(+300)の直撃ができたことは大きい。
この2局は、濱中の描いた構想が素晴らしく、Aリーグ1年目にして首位で決定戦に進出したのも頷ける。

 

 

これで長尾、花岡、濱中の差は3.6ポイント差。
この均衡を破ったのは花岡だった。
待ち選択が素晴らしく、七対子、ドラ2をツモって一歩リードする。

 

 

しかし、東4局、濱中がタンヤオ、ドラ3を花岡から直撃。
花岡を沈ませる最高の出場所だった。
あと1周のところで、再度、横一線に戻る。

 

 

 

 

花岡「東京に出て来てから闘う癖がついちゃって(苦笑)。(でも今日は)闘い続けたろって思っていた。」
満貫を放銃した次局に、『愚形のリーチ、ドラ1』でリーチに踏み切る強さよ。

 

 

たった2,600点のアガリだが、花岡の山読みの精度の高さと、そして闘う姿勢が凝縮された2,600点だった。
一手替わりで234の三色同順になることを、花岡が見落とすわけがない。
長尾の親落としと、2,600(または1,000・2,000)点の加点の価値が高いという判断だろう。
もちろん、押し返されても勝負になる待ちという場況の良さもある。

そして、オーラス。
花岡は、30,000点の浮きをキープできれば優勝という条件。
自身はテンパイしていたが、長尾のノーテンを読み切り、手牌を伏せた。

 

 

 

昨年は12年間連続していた決定戦進出を逃し、プロリーグ(鳳凰戦)もC3からD1に降級するという悔しい1年を味わった。
珍しく外から見る決定戦は、とても楽しく映ったそうだ。
弟分の山中の戴冠を「嬉しかったですよ。自分は(決定戦に)出てなかったので。」と喜んだが、今年は争う立場。
関西本部を長年背負ってきた選手として、高い壁にならなければ、との思いも持っていただろう。

 

 

インタビューの締めで、以下のように述べた。

「山中が新時代を築くと言っていましたが、僕もまだ若いので、そんな簡単には(太閤位を)渡せないよと。東京でも、(リーグを)上がっていけるように頑張っていきますので、これからも関西本部を宜しくお願いします。」

痛恨の満貫を放銃しても、ポーカーフェイスを崩さなかった花岡。
最後にはひと仕事終えたかのような、安堵の表情を見せた。

 

 

(文:福光聖雄)

何を切る? 2023年2月

第39期 鳳凰戦A2リーグ 最終節 最終戦 東3局 東家 ダンプ大橋プロ

 

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■Twitterで実施したアンケートの結果

 

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■プロの視点

ダンプ大橋プロ
「まず、オリや受けるといった選択だけはありませんでした。
猿川プロの九万切りリーチは、やや長考があり、ドラが九万だったのでマンズ待ち、さらに九万が関連している形であれば、カン八万五万八万待ちの可能性を高めに考えました。
オリる気がないので他の色は考慮せず、五万八万待ちと七万中待ちの比較となるわけですが、浮き条件の半荘で5,800は決め手にならないですが、12,000クラスであればかなり有利に進められると考え、高目取りの六万切りを選択しました。
実際、その後放銃無しでしたが35,200まで持ち点を削られてしまったので、正しいかはともかく結果は最高だったと思います 。」

 

■一局動画

 

■終局図

 

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戦術の系譜38 菊田 政俊

「上達への近道」

先月より『戦術の系譜』を担当させていただいております、菊田政俊です。
初めましての方も多いと思いますので、私の麻雀の生い立ちを知っていただく為にも、まずは自己紹介をさせていただきます。

・東北本部所属・32期生(2016~)
・東北プロリーグ参戦、現東北天翔位
・鳳凰戦B2所属
・41歳
・血液型不明
・生まれも育ちも宮城県
・仙台市在住
・麻雀店勤務20余年

仙台市を中心に、私設リーグやイベント運営等をおこない、競技麻雀の普及活動をしています。
ほぼ毎日牌に触れ、多い時期は年間5,000半荘ほどリアル麻雀を打ってきました。
私の経験から、上達への手がかりを見つけていただけたら幸いです。

私が20年余りの麻雀店での経験において、必要な能力と感じたのは、゙素直な心゙です。

【素直な心】
麻雀店に長く居ると、スタッフ、お客様、いろいろな人に出会います。
高校中退後、土木作業員をしてきたA君。カラダは大きいのにとっても気が小さい。
「リーチをかけると、追っかけリーチを受けて、放銃するのが怖い」そう言って、リーチが出来ない。

東1局 ドラ九万

二万二万九万九万九万二索三索四索五索六索一筒二筒三筒

こんな手牌もヤミテンにしてしまう。これでは勝てないよ。
「騙されたと思って、全部リーチしておいで!」
数年後、、「A君はなんでもかんでも、リーチリーチってうるさい!」
と対局者に言われるほどリーチの虜になっていました。
成績も上位に入るほどに成長!

有名国立大卒のH君。
両手で数えきれないほどの戦術書を読み、数字にも強い。成績管理もしていて、向上心もある。しかし麻雀の成績はいまいち、平均着順2.5位が壁になっている。自身の麻雀について質問を受けアドバイスを「押す・引く、鳴く・鳴かない、する・しない、など難しい選択を繰り返すよりも、ルールを決めて一定の選択(面前テンパイは全てリーチ等)をした方が良い」そう伝え、ルールを設定。「わかりました!やってみます」と、言うのだが、卓に入るとまったく実行していない。成績は改善されず、1年後H君の姿はありませんでした。

確かに、本当の意味で人の意見を受け入れる、というのは難しいかもしれません。考えて考えて、、これが最善の一打だ!!と選択したものを、横から「それは、間違いです」「正解はこうですよ」そう言われる事を受け入れるのは、自身の麻雀の全否定を受け入れること、これは簡単ではない。
でもそれが、上達への最短距離だったりします。

なので゙素直な心゙がとても大切。

「〇〇と思っていたのですが、意外と〇〇なんですね!」
私の麻雀を見た方に、こう言われることがあります。
その時その時によって、さまざまな事から影響を受け、考え、即実践しているので、ある時は岩のような守備型、ある時はヒサト棒を常に持っているような攻撃型、またある時はセレブのような面前高打点派、またまたある時は波乗りしちゃうほどの仕掛け屋と、見るタイミング次第でまったく違った麻雀を打っている、それば素直な心゙で受け入れている証拠かも。

以前、連盟AリーガーのS川プロに
「有識者に教えを乞うた際、まずは100%言われた通りにやってみる。しばらく試してダメならやめればいい。自分にない知識・経験を教えて頂くという事は、その人が培った時間を貰う事と同じで、自分にとって時短になる。」
と、お聞きしました。やはり強者は、少年のような心を持っているのですね。
猿真似!?ではありませんが、受け売りで、このセリフを使わせていただいております。感謝。

【制約】
令和となった現在では珍しいかもしれませんが、ちょっと前まで巷の麻雀店では、スタッフへの対局中の特別ルール(制約)がありました。

代表的な例として
・モロ引っ掛けの禁止
・東場で鳴いて1,000点アガリ禁止
・途中流局させない
・役満パオの可能性がある段階でのリーチ禁止
・オーラス着順の変わらないアガリ禁止(2着以上は可)
などなど、、、、

お客様とスタッフという立場の違いはあれど、卓の上では平等に戦っている、それなのになんで自分達ばっかりこんな制約を課せられなければならないんだ。と、20歳そこそこの若造が甘えた言葉を吐いた事もありました。
たしかにこの制約のあるなしによって、少なからず成績に影響がでます。
表面的にみればマイナスを押し付けられている、、、
しかしモノは考えようです

『モロ引っ掛けの禁止』
※制約がある事をお客様は知らない。

東1局 西家 ドラ一筒
捨牌

北南九筒 上向き三万 上向き二索 上向き九万 上向き
五索 左向き

手牌

二万二万二万七万八万九万七索九索一筒一筒三筒四筒五筒

五索がリーチ宣言牌、カン八索待ち✖

捨牌

北南九筒 上向き五索 上向き二索 上向き九万 上向き
三万 左向き

手牌 

二万二万二万七万八万九万七索九索一筒一筒三筒四筒五筒

リーチ前に五索が切ってある、カン八索待ち〇

この2つのリーチ、どちらがアガリやすいでしょうか?
宣言牌のスジと、4巡前に切ってある牌のスジ、後者の方が通りやすいと感じます。
確かにリャンカンをカンチャンに固定すると、1種4枚のロスが出てしまいますが、ロン牌が出てくる確率が上がる可能性があります。
また、五索七索九索から先に切る牌を選択しなければならないので、どちらが牌山にあるのかを、真剣に吟味する必要があり、仮に正解を出せるようになれば、ものすごい進歩になります。

『オーラス着順の変わらないアガリ禁止(2着以上は可)』
南4局 北家
東 26,600
南 46,900
西 13,700
北 12,800

1,000点アガれば3着だが、それはできない。目指すは2着以上。現実的に1局で逆転できるラインは満貫ツモ、東家との差は13,800点、満貫ツモでは1,800点足らない。満貫直撃できれば良いが、その直撃が一番難しい。
オーラスになってから逆転を考えていたのでは遅く、オーラスまでに2着との差を満貫ツモ圏内、できれば満貫出アガリ圏内にしておきたい。

『セルフ足かせ』
また、あえて自分に制限をかける事で得られるモノもあります。
中学生の頃に出会ったレンタルビデオの影響で、゙第一打に字牌を打たない゙そんなことを自身に課していたこともあります。これ、やってみるとかなり打ちづらい。字牌切ってのダブリーもできない。そんな事に意味はない、と馬鹿にされることも多々。
それでも続けていると、だんだん苦じゃなくなり、字牌を大切に扱えるようになったり、早いテンパイが偉いわけじゃない、そう気付いたり、雀力向上につながったと思えます。

二万四万一索二索二索六索七索九索九索五筒六筒西北北

テンパイ効率では打西だが、こんな未来が待っていたりする。

一索一索二索二索七索七索九索九索西西北北白

『完全先ヅケ』
私の住む宮城県では、今でこそ少なくはなりましたが、20年前は《完全先ヅケ》いわゆる《完先》《ナシナシ》と言われる、゙喰いタン無し・後付け無じのルールが半数を占めていました。
私もこの完先ルールで麻雀を覚え、喰いタン有り・後ヅケ有りのアリアリルールを知らずに育ちました。この゙完先ルール゙は、とにかくリーチが強い!よって面前でじっくりと腰を据えての戦いになりやすく、配牌の格差で勝負が決まる、いわゆる運ゲーと言われる展開が多いと感じていました。そこで私は、手役の確定していない鳴きを始め、セオリーに反するような仕掛けを使うことにより、スピードで他者と差をつける作戦を取ってみました。その結果、それ以前に比べ、圧倒的に安定した成績を残すことができました。みんながやっている当たり前は、もちろん正しい事もたくさんありますが、疑問を持ち、違ったアプローチを試みることで上手くいくこともあります。

このように制限があることで、工夫をし、考えを巡らせることによって、レベルアップする事ができました。

色々なことを受け入れる勇気を持ち、セオリーだからといって甘んじず、創意工夫により状況を打開する。
どんな状況でも諦めず、前向きに試行錯誤を、麻雀を楽しみましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

第3期鸞和戦予選①レポート

【第3期鸞和戦予選①2/19 児玉・居藤・青嶋・田代・杉浦の5名がベスト16へ】

 

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今期の鸞和戦予選は2/19(日)・3/19(日)・3/26(日)の3回開催される。参加資格を持つ連盟員はどこか1日のみチャレンジ出来る。

2023/2/19(日)の予選参加選手はこちら。

 

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【一次予選】(全4回戦)
各会場約1/4が通過

①トライアル方式で3回戦を行う。(50分+1局)
プラス者(+マイナス者0〜3名)が4回戦へ

②pt持ち越しで+1回戦
3会場合わせて26名が二次予選へ

巣鴨道場 10卓=10名
錦江荘会場 9卓=9名
じゃん亭会場 5卓=5名
ワイルドカード 3会場の上位2名

【巣鴨道場】

 

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巣鴨一次通過者
 

【錦江荘会場】

 

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錦江荘一次通過者
 

【じゃん亭会場】

 

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じゃん亭一次通過者
 

3会場全体からポイント上位2名がワイルドカードで二次予選へ

 

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【二次予選】(全4回戦)

一次予選通過者に二次予選シード選手6名を加えた32名で行われる。

①32名で3回戦(50分+1局)
上位16名が4回戦へ

②pt持ち越しで+1回戦
1位はベスト16へジャンプアップ
2位〜9位はトーナメント進出

 

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二次予選参加選手一覧
 

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二次予選対局者
 

3回戦終了時上位16名が4回戦へ。

 

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3回戦終了時成績表
 

 

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4回戦終了時成績表
 

4回戦終了時1位の児玉佳宏はトーナメントをスキップしてベスト16確定。

 

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【トーナメント】

2位から9位までの8名が2卓に分かれてトーナメント2回戦。各卓上位2名がベスト16進出。

 

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トーナメントA卓
 

A卓は1回戦杉浦がトップ。
2回戦は初戦ラスの吉井がリードする中、親番のなくなったダンプが吉井に満貫放銃。
杉浦、青嶋、吉井の三つ巴となった南3局で今度は杉浦が青嶋(親)に18,000放銃と大荒れ。
南3局1本場に杉浦が跳満ツモで再逆転し、オーラスは青嶋が1,000をアガって決着。

 

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トーナメントB卓
 

B卓は初戦ワンツーの居藤と田代が2回戦も軽快に局を回し、同じ並びで進行する。
居藤がトップ目を走り、起家を引いた岡本に厳しい条件が付いてしまう。
残り1枠を田代と山下で争う中で迎えたオーラス。山下がツモリ四暗刻のテンパイが入るが、ノーテンOKの田代からはこぼれず、1人テンパイで流局。

 

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勝ち上がり5名
 

以上で本日の対局が終了
児玉佳宏
居藤洸
青嶋宏樹
田代航太郎
杉浦勘介
の5名がベスト16進出!

次回の鸞和戦予選は
2023/3/19(日)11:00

(文・吾妻さおり)

第12期JPMLWRCリーグ決勝レポート

石立が4連勝で圧巻の連覇!

2月10日(金)、第12期JPML WRCリーグ決勝戦が放送された。
対局者は石立岳大、渡辺英梧、伊藤俊介、仲田浩二。

 

 

前回優勝でB1リーグ所属の実力者・石立に、38期前期の同期3人が挑む形となった。

 

★1回戦

東3局、先制リーチをかけた仲田(親)・石立に伊藤が追いつき、3軒目のリーチ。
この局は伊藤がドラを掴んで2人からロンの声がかかるも、頭ハネでアガリは石立。

 

 

親リーチにドラ待ちのカンチャンで追いかけ、5,200のアガリはかなりの好感触だ。
平たい点数状況となってきた南1局。先程頭ハネされた仲田が高目タンヤオピンフ三色のリーチをかけるも…またもや阻んだのは石立。すぐさま追いかけるとリーチ・一発・ピンフ・イーペーコー・裏2の12,000で接戦を抜け出し、トップを獲得。

 

 

渡辺はアガリも放銃もなく3着目で耐えていたが、オーラスに仲田のアガリを許し4番手での立ち上がりとなった。

石立 +21.4P
伊藤 +11.2P
仲田 ▲8.9P
渡辺 ▲23.7P

 

★2回戦

東2局1本場、ドラトイツの石立が五万を暗刻にしてリーチすると、一発で高目をツモり裏ドラが五万

 

 

リーチ・一発・ツモ・タンヤオ・ドラ2・裏3の8,000オール。石立vs3者の構図が明確となった。

南2局は、親の石立がホンイツでドラ単騎のテンパイ。
決定打を狙うも、この局は仲田がタンヤオ高目三色でリーチをかけ、めくり合いに。ここは仲田が8,000の直撃に成功。

 

 

着順を上げるには足りなかったものの、決定打を阻止した価値あるアガリとなった。

石立 +28.8P
渡辺 +9.0P
伊藤 ▲7.8P
仲田 ▲30.0P

 

★3回戦

この半荘連対すれば優勝に王手のかかる石立。
東1局、ホンイツの3フーロ。親リーチを受けるも、テンパイを入れた渡辺から5,200のアガリ。

 

 

かなり有利な立場となった石立だが、手を緩めず役牌を仕掛け、なんと東2局、東3局、南1局、南2局、南3局、南4局は全て石立のアガリとなった。

 

 

解説の藤島も「簡単に見えるけど、石立の強さが詰まったプレー」と絶賛。

この半荘は全9局中7回のアガリをものにし圧巻の3連勝。

最終戦は2番手の伊藤ですら「トップラス+約5万点差」と厳しい条件となった。

石立 +28.3P
仲田 +2.7P
伊藤 ▲8.9P
渡辺 ▲22.1P

 

★4回戦

東1局、石立がスピード重視でドラの五索切りの選択。もう一度ドラを引いてきてツモ切ると、伊藤がリャンメンチー。
伊藤としては早そうな石立を黙って見過ごすわけにはいかずやむを得ない鳴きとなったが、石立視点では高打点の可能性が低そうな仕掛けとなってしまった。
この後役なしテンパイを入れた石立は、2番手・伊藤の親番ということもありカンチャンリーチを敢行。

 

 

700・1,300で最初の勝負所を制した。

なんとか石立の着順を落としつつ高打点を決めたい3者であったが、目論見が実らない。
東3局、仲田が役役ホンイツトイトイの發単騎。一度は見逃して直撃を狙うも、最終巡目で再び打たれアガリを宣言。

 

 

トップ目に立ち、ようやく石立まで100ポイントまで詰めるが、南2局には石立の何度目かわからないダメ押し。

 

 

既に折れていておかしくない3者の心がさらにへし折れるようなピンフツモリャンペーコードラドラの3,000・6,000。

オーラスには全員がダブル役満をツモっても届かない状況に。伊藤・仲田はトリプル役満、渡辺は4倍役満ツモ条件となり、全員ノーテンでの流局。

石立 +44.2P
仲田 +7.0P
渡辺 ▲18.0P
伊藤 ▲33.2P

終わってみれば石立の4連続トップ。

 

 

8,000オールのアガリで連勝を決めた2回戦以降も、守備面を担保しながら積極的にアガリへ向かい、石立に勝つことは至難の業だと印象付けるような内容での優勝となった。

石立プロの今後の活躍にもぜひご注目ください。

 

 

(文・浜野太陽)

女流プロ麻雀日本シリーズ2023 第4節レポート

【魚谷が大トップで2位に浮上】

 

 

【13回戦】

 

 

高打点のアガリが多い今期の女流プロ麻雀日本シリーズ。第5節も開局から清水の8,000オールが炸裂。

 

 

 

 

南2局に仲田は六索九索待ち、一通の変化も見てヤミテンとするが、三索を引いたタイミングでツモ切りリーチ。

 

 

一発でドラの九索をツモって浮きの2着に。

13回戦結果

清水香織 +35.9P
仲田加南 +8.6P
小宮悠 ▲12.5P
二階堂亜樹 ▲32.0P

 

【14回戦】

 

 

東3局。親番の和久津がリーチ。ドラ雀頭のカン八筒をツモって4,000オール。

 

 

比較的平たい点棒状況で南3局。魚谷がメンホン七対子の中単騎をツモって頭一つ抜け出し

 

 

オーラスの親番では高め四暗刻単騎のメンホン。
七筒ツモで6,200オール。

14回戦結果

魚谷侑未 +60.0P
和久津晶 ▲6.2P
二階堂瑠美 ▲17.2P
白銀紗希 ▲36.6P

 

【15回戦】

 

 

西嶋が中ドラ3の満貫をアガってリード。

 

 

南1局にりんのが3軒リーチに競り勝って4,000オールをツモる。西嶋もアガリ返してトップ目でオーラスを迎えるが

 

 

りんのが500・1,000ツモで再逆転トップ。

15回戦結果

りんのなお +29.3P
西嶋千春 +19.1P
二階堂瑠美 ▲18.4P
小宮悠 ▲30.0P

 

【16回戦】

 

 

水崎が東4局の親番で4,000オールのツモアガリでリードするが

 

 

白銀が親番で12,000のアガリを決めて水崎に迫ると

 

 

次局はドラの東単騎リーチをアガって逆転。

16回戦結果

白銀紗希 +40.8P
水崎ともみ +9.3P
小宮悠 ▲4.6P
岡田紗佳 ▲45.5P

 

 

次回女流プロ麻雀日本シリーズ第5節(17回戦〜20回戦)は
2023/2/6(月) 14:00

(文・吾妻さおり)

女流プロ麻雀日本シリーズ2023 第7節成績表

【システム】

■16人で予選各自7回戦、計28回戦を行い上位1名が決勝進出、下位3名が敗退

■12人でPO各自1回戦、計3回戦を行い上位1名が決勝進出、下位3名が敗退

■8人でPO各自1回戦、計2回戦を行い上位1名が決勝進出、下位3名が敗退

■4人でPO各自1回戦、計1回戦を行い上位1名が決勝進出

決勝はポイントをリセットし4回戦

【ルール】

30,000点持ち30,000点返し

順位点5,000-15,000

一発・裏ドラあり

その他WRCルールに準ずる

 

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 合計
1 瑞原明奈
(連盟会長推薦)
84.5 29.6 ▲ 20.4 44.4 ▲ 8.3 1.8 27.7 159.3
2 魚谷 侑未
(第39期十段位)
8.2 47.3 60.0 21.8 ▲ 40.9 ▲ 22.4 6.1 80.1
3 水崎ともみ
(第21期女流雀王)
13.0 ▲ 30.9 9.3 ▲ 6.9 43.3 22.6 11.9 62.3
4 仲田加南
(連盟会長推薦)
8.2 8.9 8.6 12.5 34.6 ▲ 46.4 10.7 37.1
5 岡田紗佳
(女流プロ麻雀日本シリーズ2022優勝)
38.6 ▲ 24.9 81.3 ▲ 7.5 ▲ 45.5 ▲ 4.0 ▲ 8.9 29.1
6 二階堂瑠美
(第12期麻雀グランプリMAX)
23.6 19.7 23.0 ▲ 17.2 ▲ 18.4 ▲ 34.8 24.6 20.5
7 西嶋千春
(第22期女流最高位)
7.0 ▲ 52.1 ▲ 23.2 ▲ 29.3 19.1 85.8 ▲ 4.6 2.7
8 黒沢咲
(連盟会長推薦)
▲ 56.0 12.2 23.8 ▲ 12.5 35.3 8.3 ▲ 21.5 ▲ 10.4
9 和久津晶
(連盟会長推薦)
24.1 29.4 ▲ 25.4 ▲ 6.2 8.0 ▲ 36.0 ▲ 9.5 ▲ 15.6
10 りんのなお
(第20期プロクイーン)
▲ 37.3 28.3 29.3 18.8 ▲ 28.2 ▲ 25.1 ▲ 9.7 ▲ 23.9
11 逢川恵夢
(連盟会長推薦)
▲ 9.3 ▲ 4.1 ▲ 5.4 8.5 ▲ 53.8 12.5 25.1 ▲ 26.5
12 小宮悠
(連盟会長推薦)
▲ 42.8 ▲ 12.5 ▲ 30.0 ▲ 4.6 ▲ 24.5 62.5 24.7 ▲ 27.2
13 白銀紗希
(第17期女流桜花)
▲ 31.4 7.3 25.8 ▲ 36.6 40.8 ▲ 39.2 ▲ 32.0 ▲ 65.3
14 清水香織
(連盟会長推薦)
▲ 9.5 ▲ 5.5 ▲ 57.1 ▲ 31.1 35.9 26.3 ▲ 28.7 ▲ 69.7
15 伊達朱里紗
(連盟会長推薦)
▲ 23.9 4.0 ▲ 2.1 ▲ 5.8 ▲ 14.4 ▲ 3.4 ▲ 28.9 ▲ 74.5
16 二階堂亜樹
(連盟会長推薦)
10.1 ▲ 12.7 ▲ 24.8 ▲ 23.1 ▲ 32.0 ▲ 8.5 13.0 ▲ 78.0

第5期雪華王決定戦レポート

【第5期雪華王決定戦、西野拓也が連覇】
勝負所の3回戦オーラス、『西野スペシャル』が炸裂した。
細かい説明は端折るが、ここで三盃志をまくってトップを取ると大きい。
ドラの中がトイツで打点は十分、一直線でアガリにいきたいところだ。

 

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滝沢(解説)「二万一万(落とし)ですね。(打牌を見て)違う!凄くない?」
喜多(解説・北海道本部長)「ナニコレ。独創的すぎるでしょ。どうして?」
古橋(実況)「五筒八筒(待ちの)ターツは、一番いいリャンメンターツにも見えますけどね。」
喜多「トップ目と2,300点差の男が。」
滝沢「ドラドラで。」

 

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古橋「リャンソーだー!西野―!これは優勝だ。」
喜多「2022年度、一番驚いたアガリです、これ。」
古橋「五筒八筒はアガってないんですよ。」

解説席の驚き、興奮がこの日一番だったので、そのままお届けしたい。
まだ最終戦が残っているにも関わらず、古橋が優勝だと言ってしまうほど(笑)。
もちろん、僕も画面の前で「うっそー」と声が出てしまった。

 

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西野は、この打牌について、戦後のインタビューでこう語った。
「2回戦はトップだったものの、自分としては(今日は)苦しいかなぁと思いながらやっていたので、鳴きは常に意識していたところはあります。一筒は食い替えする予定でした。」
「(鳴きながら)整えたというと聞こえが良いですが、今日は無理矢理、形テンも含めて、ねじ込んでいった感じです。」

僕は、西野の優勝の要因は、この2回戦だったと思う。
以下の3つのキャプチャは、2回戦の仕掛けの一例だが、安い、遠い、愚形残りと、褒められた仕掛けではない。

 

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西野は1回戦のラスで、今日の牌勢が良くないと判断し、仕掛けを多用した。
言うまでもないが、安くて愚形が残る仕掛けは、リスクが高いし、その分押し引きも難しい。
しかし今日は4回戦、手が入るまで我慢するという悠長なことは言っていられず、本人の言う通り「ねじ込んだ」という表現がピッタリだった。

2回戦の詳細も掲載しよう。
いかに細かく加点したかが、おわかりいただけるだろう。

 

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※ 供託や本場も含んだ得失点

敗れた三者について、触れてみたい。
最終戦、三盃志は、一時は西野を逆転する。

 

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白、チャンタ、ホンイツの12,000。(三盃貴之から)

 

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リーチ、ピンフ、ドラの5,800。(西野から)

この後、西野に再逆転されてしまい、優勝には届かなかったが、
8階の対局会場まで階段で来る75歳は、年齢を感じさせないアグレッシブな仕掛けと、
役なしを悠々とヤミテンする熟練さの両方を見せてくれた。
会心の1局を取り上げたい。

 

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3巡目に七筒切り。
そして、次巡に八筒が重なると、打六索
八索三索と鳴いて、三盃貴之からタンヤオ、トイトイの5,800のアガリ。
このタンヤオ、トイトイは、なかなか真似できない素晴らしいアガリだった。

 

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父を超えることは叶わなかったが、三盃貴之も魅せてくれた。

 

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親も落ちてしまった3回戦の南場、チートイツのテンパイ取らずから、チンイツへの渡り。
道中、仕掛けてテンパイを取れる牌もあったのだが、グッとこらえてメンゼンで仕上げる。
(須賀から12,000)
今日はあまりチャンスがなかった中、三盃貴之らしさと意地と見せた1局だった。

須賀は、三盃貴之に放銃したこのチンイツが痛すぎた。

 

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「西野に意識が向きすぎていて、(放銃になった)八万が手残りしちゃったね。」
と喜多に指摘されこの苦笑い。

 

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1回戦は、このカン四万待ちを、決めていたとばかりにノータイムでリーチ。

 

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役あり、かつ、リーチをすると一旦は沈んでしまうので、リーチ判断が難しいところではあるが、おそらく決勝戦ならではのリーチだったのだろう。
その勇気に牌も応え、ツモって逆転のトップ。
ここまでは須賀の日だったのだが、2回戦に西野にうまく立ち回られて伸ばしきれなかった点もあると思う。

 

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最後に、北海道本部長の喜多の言葉で締めたい。
喜多「内容もさることながら、今年度の西野はよく頑張ったという(公式ルール打ち込み会の立ち上げなど)、僕は麻雀の神様はいると思っているので、その(神様の)評価がこの結果だったんじゃないかなと思ってもいいかもしれないです。」

西野さん、優勝おめでとうございます。

(文:福光聖雄)

第39期鳳凰位決定戦3日目レポート

【悲願の初タイトルへ。HIRO柴田が示した決意と覚悟。】

佐々木寿人(現鳳凰位)
前田直哉
HIRO柴田
吉田直

実況:古橋崇志
解説:森山茂和・藤崎智

 

 

◆2日目までの成績

 

 

今決定戦シリーズでは持ち前の連続攻撃がなかなか決まらない佐々木だったが、9回戦いきなりビッグチャンスが訪れる。

9回戦 東1局
東家 佐々木
四万五万六万四索五索六索七索八索九索四筒五筒八筒八筒 リーチ ドラ二万

親番で僅か3巡という早さでの高め三色リーチ。

森山「三筒はツモ切るくらいの気持ちで六筒がツモれたら大分違うけどね。」
藤崎「大差ですからね。良い時の寿人なら直ぐに高めでアガってますよ。」

他3者ともリーチに押し返すまでには行かず山との勝負となったこの局。結果は終盤に差し掛かる所で安め三筒ツモの1,300オールとなった。

森山「時間が掛かってしまっていて良い時のアガリではないかな。好調ならばテンパイからアガリまでのスピードが上がってくる事が多いからね。」

解説の森山がそう表したように、佐々木と対照的であったのはHIRO柴田であった。

 

 

9回戦の南場において、3連続テンパイから1巡以内でのアガリである。もちろん道中の打牌選択や、リーチ・ヤミテン判断の精度の高さが大前提ではあるが、柴田の好調さが言霊となって現れた。

1人快走するHIRO柴田がトップスタートとなった3日目であったが、10回戦に入ると構図が一転。第35期の鳳凰位である吉田の出番である。

 

 

東1局にリーチ・ツモ・中・ドラ1の3,900オール。
一見すると何気ないアガリではあるが、良く場を見渡すと14巡目に上家から放たれた二索にチーテンの声を掛けていない。7巡目に1シャンテンとなってからツモ切りが続く中で、親番を維持する為の一言が出ても良い状況。それでも、しっかりと見送ると自力でテンパイを入れて力強くツモりあげる。それは正に吉田直という漢の意志を垣間見る瞬間であった。

このアガリにより勢いを加速させた吉田は続く11回戦も先手を取る。

 

 

親の先制リーチは高め4,000オールの勝負手。局と局は独立しているが、他者にとっては攻め返しづらい対局感が画面越しからも伝わって来る。その中でHIRO柴田の手格好は以下のようになっていた。

一索一索二索三索四索五索七索七索七索八索八索四筒五筒 ツモ六索 ドラ四筒

確実な安牌は二索のみ。リーチが入っていなければピンズターツ払いからのチンイツも有力ではあるが、あいにくそれはドラとその跨ぎ牌である。ましてや4番手からの親リーチを受けてとなれば唯一の現物を抜くのも不思議ではない。中間を取って一索切りのテンパイ取りも選択肢としてある中であったが、HIRO柴田は最も強気の姿勢を選んだ。

 

 

ソウズが来るようであればドラの四筒も打ち抜く決意の打五筒で放銃を回避すると、東2局ではその五筒が自身のアガリ牌となって返って来る。

 

 

リーチ・ピンフ・タンヤオ・三色の12,000の加点により11回戦もHIRO柴田が着実にポイントを伸ばしていった。

一方ここまで苦しい展開を強いられている第31期鳳凰位の前田であったが持ち前の守備が光る。

 

 

まずは11回戦の南2局、東家HIRO柴田からのドラ九筒発とのシャンポン待ちリーチを受けながら役あり三索六索九索テンパイ。しかし当たり牌の発で迂回という鉄壁の片鱗を披露すると、驚愕であったのが12回戦の東2局。

12回戦 東2局 
南家 佐々木
九万九万一索二索四索四索四索二筒三筒三筒四筒四筒五筒 リーチ ドラ一索

北家 HIRO柴田
五万六万七万三索四索六索六索 ポン発 チー六筒七筒八筒 ドラ一索

2者のアクションに挟まれながらも自力でテンパイに辿り着いた前田。しかし無情にもHIRO柴田への放銃牌が手元に。

 

 

ここで前田の目線に立って少し考えてみたいと思う。現状140ポイント以上を追いかける立場であり且つラス目の親番。そして五索はリーチ者の現物であり、HIRO柴田は仕掛けてからドラの一索に声を掛けていない。また残り巡目も僅か…。考えれば考えるほど選択肢は1つに絞られそうだが皆さんは何を切るだろうか。

 

 

前田が選んだ道はテンパイ崩しの“我慢”。一体この牌を選べる打ち手はどれくらいいるのだろう。
1,000点2,000点の放銃ならノーテン罰符と変わらない、それならばテンパイ取った方が期待値的に得だろうという思考が現代麻雀。それに仮に放銃してもこの状況で一体どれほどの人が批判するのだろうか。その葛藤の中で前田は自身の読みを信じ、そして貫いたのである。

「弱気と我慢」
「頑固と一貫性」

これらは似て非なる存在。
最終的に佐々木のツモアガリで親が流れてしまったが、前田ブランドが正に体現された至極の一局であった。

最高峰の戦いである鳳凰位決定戦3日目も終盤を迎える。

 

 

12回戦南3局、2番手まで浮上した現鳳凰位である佐々木が薄い六万九万ターツを埋めて感触の良い親リーチを打っている場面。

 

 

この局は前田が1,300の出アガリで佐々木のチャンス手を摘む形となったが、卓上を振り返ると隠れたファインプレーが潜んでいた。

 

 

手牌価値が高い訳でもなく安牌も比較的存在する中で、HIRO柴田が佐々木のリーチに対して無筋の三索を切り飛ばしたのである。そして導かれるように六索が中筋となり、前田のテンパイの道筋を切り開いたというものであった。
今まで幾度となく決勝戦に残りながらも、未だタイトル獲得に至っていないHIRO柴田の並ならぬ強い覚悟が伝わってくる。

 

 

そしてオーラス。
一索二索二索二索三索四索五索六索七索八索 ツモ三索 ポン九索 ドラ白

先程の三索が再びアガリ牌として返って来ると、長い3日目が幕を閉じた。

 

◆3日目終了時

 

 

【第39期鳳凰位決定戦〜最終日〜】
2023年2月4日(土)14:00

佐々木寿人(現鳳凰位)
前田直哉
HIRO柴田
吉田直

実況:古橋崇志
解説:森山茂和・前原雄大

(文:小林正和)

女流プロ麻雀日本シリーズ2023 第3節レポート

【瑞原が加点し首位キープ】

 

 

【9回戦】

 

 

瑠美が東2局の親番で発中ドラドラの4,000オールをツモってトップ。

 

 

中ホンイツの満貫をアガった黒沢が2着。

 

 

9回戦結果

二階堂瑠美 +23.0P
黒沢咲 +12.2P
逢川恵夢 ▲4.1P
清水香織 ▲31.1P

 

【10回戦】

 

 

小宮がリャンメン待ちで先制するが、親番の黒沢がドラ単騎で追っかけリーチ。
裏ドラも2枚乗って18,000となる。

 

 

東4局には親番瑞原が一索狙いの愚形シャンポンリーチをツモ。裏ドラ3枚で6,000オール。

 

 

黒沢も負けじと愚形でドラを使い切るリーチを打ち、裏ドラ3枚。倍満に仕上げるが

ラス前に跳満をツモった瑞原が再逆転。

 

 

10回戦結果

瑞原明奈 +44.4P
黒沢咲 +23.8P
和久津晶 ▲25.4P
小宮悠 ▲42.8P

 

【11回戦】

 

 

七対子ドラドラのヤミテンで6,400をアガった白銀が2着。

 

 

東4局にはりんのがドラの九筒ツモで満貫のアガリ。

 

 

ラス前にも再び満貫をツモったりんのがトップを取る。

11回戦結果

りんのなお +28.3P
白銀紗希 +7.3P
黒沢咲 ▲12.5P
二階堂亜樹 ▲23.1P

 

【12回戦】

 

 

白銀が東場の親番でツモリ三暗刻のリーチ。ツモった一万が裏ドラとなって6,000オール。

 

 

仲田は役なしドラ単騎をツモって原点復帰すると

 

 

オーラスも仕掛けてアガって2着キープ。

12回戦結果

白銀紗希 +25.8P
仲田加南 +8.9P
逢川恵夢 ▲5.4P
西嶋千春 ▲29.3P

女流プロ麻雀日本シリーズ
2023 第4節(13〜16回戦)は
2023/2/1(水) 14:00〜

 

 

(文・吾妻さおり)

第21期北関東プロリーグ決勝レポート

【第21期 北関東プロリーグ決勝 ガース・ネルソンが三度目の戴冠!】

 

100

 

本日の対局者は
ガース・ネルソン
小川尚哉
安藤銀一
吉田幸雄

 

100

 

【1回戦】

ガースが発六筒のシャンポン待ちテンパイ。

 

100

 

中を加カンしてリンシャンツモが発
満貫に仕上げたガースが1回戦1人浮きのトップを取る。

【2回戦】

東3局にガースが先制リーチ。

ここに親番の小川が四筒七筒六筒待ちで追っかけリーチ。

 

100

 

直撃チャンスでもあったが、小川が持って来たのは二筒でガースが満貫のアガリ。

箱下寸前となってしまった小川だが、満貫を2回ツモって素点を回復すると

 

100

 

ガースから高めの二索を直撃してラス抜け。

 

100

 

代わりにラス目になってしまった吉田も2局連続のアガリできっちり30,000点に復帰し、2回戦が終了。

 

100

 

【3回戦】

2連勝で大きくリードしたガースは3回戦も絶好調。
中白南とポンして混一色トイトイをテンパイ。

 

100

 

中を加カンして本日二度目のリンシャンツモ。
倍満のアガリで3連勝に王手。

これに反撃をしたのは安藤。南中混一色の満貫に続いて

 

100

 

さらに5,800の直撃でガースの素点を削るが

 

100

 

オーラスは小川が満貫ツモで逆転トップ。

【最終 4回戦】

ガースのウイニングランに待ったをかけたのは、開始前のインタビューで「ガースを苦しめたい」と満面の笑みで話した北関東支部長の吉田。

まずは東4局にヤミテンを入れ、ガースのテンパイ打牌七索ロンで跳満直撃。

 

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南2局は吉田、小川、安藤の3軒リーチ。

 

100

 

これも吉田が制して8,300(+4,000)のアガリ。迎えたラス前の親番で連荘し、25.9ポイント差まで詰めるが

 

100

 

連荘は4本場でストップ。
ガースが自ら吉田の親番を蹴って優勝した。

第21期北関東プロリーグ

優勝 ガース・ネルソン
2位 吉田幸雄
3位 小川尚哉
4位 安藤銀一

 

100

 

100

 

安藤「(吉田に放銃した)四万すみませんでした!四暗刻単騎もアガれなかったので。見せ場は作れたかも知れないけど、悔しいです。」

最終戦南3局。
安藤が九索暗カンの起死回生の四暗刻単騎。
しかしテンパイ打牌を九筒を選び、吉田に放銃となってしまった。

 

100

 

小川「いやー下手くそでしたね。2回戦にやけにガース大人しいなと警戒していたのに11,600打ってしまって。そこから気持ち切り替えて全部行こうかなと。(その後アガれたのは)たまたまです。またこういう舞台で打てるように精進します。」

 

100

 

吉田「3回戦までが全く手が入らなくて。4回戦の東場の親の時にドラが暗刻になって、無い二筒を鳴かれて三索ツモられた500・1,000が一番堪えましたね。(ラス前の親番は)あと2、3回アガればという面白い所まで来たのでね。また勝つために戻ってまいります。」

 

100

 

ガース「最後誰か(吉田の親番を)止めてくれないの?と思ったけど、勝ちたいなら自分で行くしかないよね。今回は手がキレイに入っちゃって悩まなくて大丈夫でした。次の大会も凄い麻雀を見せたいと思います。」

(文・吾妻さおり)

第11期麻雀プロアマオープン競技会 本戦レポート

2023年2月11日 

今冬最大の寒波で日本全国に積雪のあった前日が嘘のような陽気の2月11日、第11期プロアマオープン競技会の本戦が行われた。

 

 

巣鴨連盟本部道場で平日月~金曜日行われるプロアオープン競技会予選(通称:道場部)、その2022年7月~12月の成績上位者・入賞者44名が集い、翌12日に行われる準々決勝を目指し戦った。

この日も前回同様遅刻欠席者無し、定時に対局開始。

【大会システム】
WRCルール
①44名で半荘3回戦(各50分)を行い上位12名がトーナメント進出
②12名を3卓に分け半荘1回戦(55分)を行い、各卓上位2名がベスト16(日本プロ麻雀連盟チャンネルにて放送)へ勝ち上がり。
プロアマオープン競技会に関してはこちら

参加者は以下の44名。

 

 

日本プロ連盟からは有田将之・高橋大輔・御子柴佑梨・山田樹が参加。

 

 

道場部でもお馴染みの若手プロ4名が本戦からの登場。山田プロは過去に優勝経験もある。
Mリーガーなどのゲスト以外にも、プロアマオープン競技会は実に多くのプロが参戦している。

1回戦終了時の成績。

 

 

1位はhaseさん、それに続くシマカタさん・丹野賢一さんの2名は過去のプロアマオープン優勝者経験者だ。

2回戦終了。

 

 

 

連勝したのはシマカタさん、haseさん。勝ち上がりに大きく近づいた。
残るは最終戦。WRCルールのため、まだまだ誰にもチャンスがある。

 

 

そして熱戦の3回戦が終了。12名が勝ちあがり。
続くトーナメントの組み合わせは以下の通り。

 

トーナメント1卓
左から、松村祐輔さん・シマカタさん・BBQさん・ドロンボーZさん

 

トーナメント2卓
左から、haseさん・スロット麻雀厨さん・山田樹P・金山二郎さん

 

トーナメント3卓
左から、福永雄介さん・宗広岳陽さん・きのぴーさん・藤次祐紀さん

 

55分の時間制限ありのトーナメント戦1半荘。
日頃の道場部での鍛錬を欠かさない選手たちであるだけに、非常にスムーズな進行。

熱戦の末、勝ち上がったのは

 

シマカタさん・松村祐輔さん
山田樹P・スロット麻雀厨さん
藤次祐紀さん・福永雄介さん
以上の6名と、前回第10期優勝の後藤竜司さん、現鳳凰位・HIRO柴田プロ、第3回リーチ麻雀世界選手権優勝優勝・奈良圭純プロ、そして月例優勝のシード選手、以上16名で準々決勝メンバーが確定。

 

 

2023年初の覇者は一体誰になるのか。
プロとアマチュアの枠を超えた熱い闘牌に期待したい。

放送ページ
第11期麻雀プロアマオープン競技会~準々決勝・準決勝・決勝~

YouTube 

OPENREC

ニコニコ生放送 

解説:藤崎智・紺野真太郎
実況:楠原遊
ルール:WRCルール

(文:楠原遊)

第39期鳳凰位決定戦二日目レポート

【道中は差が詰まるも8回戦トップを取ったH柴田が首位キープ】

第39期鳳凰位決定戦
初日終了時

HIRO柴田 +74.2P
前田直哉 +23.0P
佐々木寿人 ▲34.6P
吉田直 ▲62.6P

 

 

【5回戦】

初日に3連勝と2着1回とスタートダッシュをほぼ完璧に決めたH柴田。今決定戦初めての失着となったのが5回戦南1局。

佐々木の親リーチを受けて手詰まり、トイツの南を切ると、ホウテイがついて7,700と手痛い放銃。

 

 

南場の親番で吉田はドラトイツの手牌で東をツモ切り。H柴田が12,000のアガリで原点を超えるも

 

 

南2局は前田に5,200の放銃。

 

 

5回戦はトップに佐々木。
浮きの2着に前田。
吉田、H柴田の並びで終了。

 

【6回戦】

浮上のきっかけが欲しいH柴田にチャンス手。ダブ南六万のシャンポン待ちリーチを打つ。

 

 

しかし吉田が追っかけリーチを打ち、高めの七索をツモって跳満のアガリ。

次局も吉田が先制リーチ。親番のH柴田も追いつくが

 

 

テンパイ打牌の三索が高め三色のロン牌に。
H柴田に厳しすぎる試練の時間が訪れた。

6回戦はトップに吉田。
浮きの2着に前田。
佐々木、H柴田の並びで終了。

 

 

【7回戦】

東3局に全員テンパイの山場が来た。

まずは前田がタンヤオピンフ高め三色の五索八索待ち。

親番H柴田は四万七万待ちのの345確定三色。

佐々木がドラ雀頭のカン八索待ち。この手はまだ変化もある。

そして吉田がタンヤオの五万八万待ち。

 

 

雀頭の八索が暗刻になったH柴田が選んだのは五万
吉田が価値ある2,000のアガリ。

 

 

南1局。僅差ながらもトータル首位に立った前田の親番。
牌が縦に重なった事もあったか、打六筒とし、二筒ポンでタンヤオトイトイに向かう。今決定戦で前田が初めて攻撃にシフトチェンジした瞬間だ。

 

 

一方、カンチャンが埋まった吉田がドラ切りで五索八索待ちリーチ。

 

 

前田もここは引かず八索を打ち抜き、吉田が5,200のアガリ。

吉田が1人浮きのトップ。
H柴田、佐々木、前田の並びで7回戦が終了。

 

【8回戦】

本日最終の8回戦は打撃戦となった。
序盤はH柴田がリードするが、東2局3本場に佐々木が七対子ドラドラのテンパイ。2枚切れの北単騎でヤミテンに構え、H柴田から直撃を決める。

 

 

南1局は吉田が5本場まで積み前田のドラ暗刻先制リーチに追っかけリーチで対抗するが、ここは前田に軍配。

 

 

その吉田もラス前に満貫ツモと、一歩も譲らない戦いとなるが

 

 

オーラスはH柴田がメンゼンホンイツのアガリ。

 

 

8回戦トップはH柴田。
浮きの2着に前田。
吉田、佐々木の並び。
決定戦2日目の全対局が終了した。

 

佐々木「あと一牌が届かなかった。途中までは良かったんですけど、結局柴田さんもあんまり沈められずに残念だったなと。プラスの選手をどれだけ削って自分が浮上出来るかなので、3日目も精一杯頑張ります。」

 

吉田「5回戦(H柴田に放銃した)東がちょっともったいなかったですね。自分の手ばっかり見ていて。3日目までに±0に戻せたらと思っていたんですけど、出来なくても最後には鳳凰位取れるように頑張りたいです。」

 

前田「どこかでチャンスあるかなと思いながら、結構苦しかったんですけど、何がパッとしなかったですね。内容が良かったからわからないですけど、少し浮けたので、柴田君に追いつけ追い越せで頑張りたいと思います。」

 

H柴田「入り方としてドラ2枚を河に置いてオリちゃったり、ちょっと腰が引けちゃっていた。追い込まれると弱いので開き直って(リードしている)ポイントを使ってチャンスがある所をどんどん攻めて行きたいです。」

 

 

第39期鳳凰位決定戦3日目は
2023/1/28(土) 14:00

解説 森山茂和・藤崎智
実況 古橋崇志

(文・吾妻さおり)