第10期女流桜花プレーオフA卓レポート 紺野 真太郎
2015年11月23日
2年連続で同一メンバーによる決勝となった女流桜花だが、今年はプレーオフに進出してきたのは魚谷のみ。
その魚谷も和久津との競り合いを制し、やっとの思いで7位での進出と年間を通して苦戦を強いられた。
女流桜花初の3連覇を狙う吾妻の前に立ちはだかるのは、悲願のタイトルを狙う者か、復冠を願う者なのか・・
第6節終了時の成績
1 宮内 +158.8P
2 平岡 +129.4P
3 斉藤 +117.8P
4 亜樹 +98.2P
5 和泉 +97.0P
6 瑠美 +85.0P
7 魚谷 +29.6P
8 内田 +27.1P
先に行われるA卓は偶数順位者の対戦となるが、4位の二階堂亜樹、6位の二階堂瑠美は姉妹の為、規定により同卓にはならず、上位順に希望を確認した結果、和泉がA卓に廻ることとなった。
※偶数卓のほうが先に行われるため、奇数卓はボーダーラインを把握しながら対戦ができ、若干有利なため上位順から希望を確認した。

1回戦 内田 和泉 平岡 瑠美
各自に目標、条件がある戦いなので最初から全員が激しく前に出る。
東2局2本場、親の和泉が2つ仕掛けてこの形。






ポン

ポン

ドラ
2つ鳴かしたのは瑠美。こちらも1シャンテン。













目一杯に構えたのは勿論567の三色を逃さない為であり瑠美らしい。瑠美は直後に引いた
もツモ切る。
和泉にしたら望外の
であったろう。仕掛けて12,000のテンパイ。
瑠美がここまで押すのは珍しい。それだけ決定戦進出に賭ける思いが強いのであろう。
を重ね打
、そして
を引き打
のリーチ宣言牌が和泉への放銃となった。
東2局3本場、内田が小三元テンパイ。






ポン

ポン

ドラ
トータルポイントでは大きく離されている内田、このテンパイではまだ足りない。そして待望の中を10巡目に暗刻にした。






ポン

ポン


この時点で
は山に1枚。
はもう山に残っていなかったので、ここの選択は正解だったが、なかなか手替わりもしないし、ツモれない。
をツモ切ると平岡から「ロン」の声。












ロン
大三元にならなければ平岡がテンパイで勝負した
を捉えていたかもしれない。
だがここはトータルポイントに甘えずにしっかり押し切った平岡に凱歌が上がった。
東4局、親の瑠美が反撃に出る。












ドラ
ここから1枚目の
をポン。四暗刻までの手ではあるが、もう山に
は無いとの読みで動いた。
それは正確で、内田がメンツで使っていた。この判断で
をツモり6,000オール。









ポン

ツモ
南1局、西家・平岡4巡目テンパイ。












ドラ
リーチかと思われたが、リーチは打たず。
瑠美が6,000オールを引いた局あたりから、平岡は受けるのが少し早くなっていた気がしたが、先手のここはリーチで良いであろう。
やはり決定戦へのプレッシャーがそうさせるのだろうか。ただ内田の当たり牌の
を掴んでしっかりオリたことは付け加えておきたい。
南4局はトップ目の和泉が白を仕掛けて300.500。原点まで戻していた瑠美をマイナスさせて終了。和泉、平岡が1歩決定戦に近づいた。
1回戦終了
和泉+24.7P 平岡+9.0P 瑠美▲4.5P 内田▲29.2P
トータルポイント
平岡+138.4P 和泉+121.7P 瑠美+80.5P 内田▲2.1P
2回戦 内田 瑠美 和泉 平岡
東1局は瑠美が2,000・3,900で先制。
続く東2局は親の瑠美が仕掛けるも和泉が捉え2,600。抜け出しを許さない。
南1局は和泉1,300・2,600で瑠美に並ぶ。この2回戦決め手となったのは南3局2本場供託2,000点の和泉の親番。












ドラ
ここから4巡目に1枚目の
を仕掛け、
を引き入れ、
単騎から場に安いソーズの
単騎に受け替え瑠美から直撃。1,500は2,100だが、供託もあり、大きな動きのなかったこの半荘を制するには十分だった。
和泉2連勝。この勢いのまま走るのか・・
2回戦終了
和泉+15.1P 瑠美+6.8P 内田▲5.4P 平岡▲16.5P
トータルポイント
和泉+136.8P 平岡+121.9P 瑠美+87.3P 内田▲7.5P
3回戦 平岡 内田 瑠美 和泉
ここまで苦しい戦いを強いられている内田。トータルポイント的に仕方がない部分もあるが、この3回戦意地を見せる。
東1局このタンヤオ三色をリーチしてテンパイを入れていた和泉より打ち取る。












リーチ ロン
ドラ
東2局は親番でまたもや和泉から12,000。












リーチ ロン
ドラ
東3局には












リーチ ツモ
ドラ
この2,000・4,000。瑠美も負けてられない。南1局には4者テンパイの中ハイテイで3,000・6,000。内田を追いかける。












ハイテイツモ
ドラ
南3局1本場、内田10巡目先制リーチ。












リーチ ドラ
親の瑠美も追いつく












ドラ
この形で追いかけリーチ。瑠美もこの手で追いかけるのは不本意であろう。だがもう時間(これが終わると残り1回)が無いのだ。分が悪かろうと、なんだろうと、この親を続けなければいけないのだ。
願いを込めたリーチであったが、瑠美が掴んだのは
ではなく
であった。
3回戦終了
内田+43.0P 瑠美▲4.4P 平岡▲11.1P 和泉▲28.5P
トータルポイント
平岡+110.8P 和泉+108.3P 瑠美82.9P 内田+35.5P
最終4回戦 瑠美 和泉 平岡 内田
来週のB卓に登場する斉藤のポイントは+117.8P。
平岡、和泉共にトップを取ればこのポイントは超えてきそうだが、出来れば超えるだけではなく引き離しておきたい。
瑠美は大きいトップが無理ならば、2人を抜くことが最低条件。
内田はラス親を引いたので最後まで全力を尽くす、が各々の条件。卓トラブルがあり、長めのインターバルの後、最終戦が開始された。
東1局、親の瑠美が7,700テンパイ









ポン

ドラ
これにピンフテンパイを入れていた和泉が捕まる。
続く1本場も平岡に2,000は2,300を、親番の東2局も内田にメンタンピンイーペーコーの7,700を放銃。苦しくなる。
東3局、このままでは敗退してしまう和泉、北家で積極的に仕掛けて出て、平岡、内田のテンパイを掻い潜り2,000・4,000。






ポン

ポン

ツモ
南1局2本場、供託2,000点の場面でもピンフをアガリ持ち点も徐々に回復。
南2局9巡目、平岡テンパイ












ツモ
ドラ
平岡は打
リーチを選択。まだ親番が残っていることもあり1,600でも良いという選択。
これ自体は責めることは出来ないが、結果は平岡にとって痛恨のものになってしまう。
内田10巡目追いかけリーチ。












ドラ
13巡目、平岡がツモ切ったのは
だった。さすがに落胆の表情の平岡。アガリが十分にあったことへの後悔か、それとも・・
この段階のトータルポイントは瑠美+98.1P、和泉+97.7P、平岡+95.7Pと瑠美が卓内トータルトップに立った。残りは2局。
南3局は平岡、瑠美がメンホン、内田が高目跳満のリーチを入れるが、和泉も形式テンパイで粘って4人テンパイ。
1本場12巡目、内田リーチ。
–
待ち。同巡和泉。












ツモ
ドラ
、
は内田に通ってないので打
になりそうだが、内田の現物ではあるが、
はすでに3枚切れ。
だがこの手を決めると斉藤のポイントも見えてくる。リーチを打つ価値はあるように思えたが・・
和泉はリーチを選択しなかった。直後、平岡より切られた
。
和泉がリーチを選択していたら平岡はこの
は打たなかったであろう。そうなっていたらどうなっていたかはわからない。
最後は冷静に現実的に卓内トータルトップを狙う選択をした和泉であった。
最終4回戦終了
瑠美+14.2P 内田+7.5P 和泉▲6.7P 平岡▲16.0P
トータルポイント
1 宮内 +158.8P
2 斉藤 +117.8P
3 和泉 +101.6P
4 亜樹 +98.2P
5 瑠美 +97.1P
6 平岡 +94.8P
7 内田 +43.0P
8 魚谷 +29.6P
平岡、内田の決定戦進出の可能性はなくなり、和泉、瑠美はB卓の結果待ちとなった。
B卓も最後まで接戦が予想される。吾妻が待つ決定戦の切符を掴むのは果たして・・・
カテゴリ:女流プロリーグ(女流桜花) レポート






















宮内 こずえ(愛媛)
二階堂 亜樹 (神奈川)
和泉 由希子(東京)
二階堂 瑠美(神奈川)
平岡 理恵(静岡)
斉藤 理絵(東京)
魚谷 侑未(新潟)
内田 美乃里(神奈川)
仲田 加南(神奈川)
和久津 晶(東京)
清水 香織(栃木)
澤村 明日華(栃木)
武石 絵里(東京)
中川 由佳梨(大阪)
南里 はるみ(東京)
黒沢 咲(東京)
古谷 知美(東京)
小宮山 一美(神奈川)
室伏 理麻(東京)
安田 麻里菜(秋田)




















