第31回静岡リーグ(プロアマ混合)最終節レポート

“リーグ戦は積み重ね”
今年度の上半期は、この言葉が幾度となく頭の中を駆け巡った。
ポイントを持っている者は自然と上積みできる展開になりやすく、逆に沈んでいる者は更に厳しい戦いを強いられるケースが圧倒的に多い。

全5節。
全20回戦。
如何にして各節をまとめ、如何にして半期を終えるのか?
これが麻雀の面白さであり、醍醐味の一つではなかろうか。

第31回 静岡リーグも最終節を迎えた。

映画やゲーム、スポーツに小説。
人々を魅了するエンターテイメントは、そのラストシーンに数々のドラマが待ち受けている。
感動や涙を誘うモノから、アッと驚くような展開。
麻雀も同じで、誰も予想しえなかった逆転劇が何度も生まれてきたのである。

果たして、今回の最終節でもドラマは生まれたのだろうか?
そして、決勝への椅子を勝ち取った5人の選手達は誰なのか?

一番乗りは太田昌樹。
堂々の1位通過である。
今回50名を超える参加者の中で太田が「最も積み重ねた選手」だということに他ならない。
決勝では誰が相手であろうと、その優位は変わらない。あとは優勝を勝ち取るのみである。

2位は、藤島健二郎。
最終節は+120Pを叩き出し、あわや太田を捉えようかという勢いであった。
11年ぶりにA2リーグ昇級を決め、WRCリーグ決勝にも進出し、初参戦の静岡プロリーグでも首位に位置する藤島。
流石の一言である。

アマチュアで唯一、決勝に進出したのは3位の深見翔さん。
静岡リーグには何度も参加されており、その熱意とこれまでの経験が結果となって表れた。
プロに囲まれる初の決勝となるが、物怖じすることなく、持てる力を遺憾なく発揮して欲しい。

前回に続いて、決勝への切符を手にした4位・平野敬悟。
まだ浅いキャリアながら、今回で5回目の決勝となる。それは彼が実力者ということであるが、裏を返せば後一歩が足りない。
どんな想いを胸に、戦いの舞台に立つのだろうか?

そして、5位に食い込んだのは静岡の顔・望月雅継である。
最も秀でた選手であることは言うまでもない。
今回の決勝では、一体どんな麻雀を魅せてくれるのか?
大いに期待したい。

今期の静岡リーグも、ついに決勝を残すのみとなった。
それぞれの選手にそれぞれの想いがある。
だが、優勝を手にすることが出来るのは、この内のたった1人。
非常に面白く、非常に見応えのある決勝になることは間違いないだろう。

“積み重ね”の先に用意されたドラマとは?

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 太田 昌樹 プロ 53.1 81.7 12.8 80.2 19.5 247.3
2 藤島 健二郎 プロ ▲ 2.2 41.1 44.5 35.2 120.2 238.8
3 深見 翔 一般 29.5 18.7 36.3 82.2 50.9 217.6
4 平野 敬悟 プロ 22.9 57.3 31.4 35.1 41.6 188.3
5 望月 雅継 プロ 27.6 1.2 17.7 77.6 22.5 146.6
6 堀 孔明 一般 77.5 14.1 49.0 12.5 ▲ 21.5 131.6
7 松永 誠 一般 13.0 32.6 ▲ 0.7 ▲ 2.0 83.6 126.5
8 杉村 泰治 プロ ▲ 27.8 47.0 47.3 67.6 ▲ 10.6 123.5
9 藤井 太郎 一般 61.8 17.2 45.5 21.6 ▲ 41.6 104.5
10 青嶋 宏樹 プロ 32.5 59.0 25.1 ▲ 2.2 ▲ 11.4 103.0
11 大口 伸也 一般 ▲ 19.0 41.5 8.7 9.5 48.8 89.5
12 鈴木 秀幸 プロ ▲ 22.8 26.2 30.6 51.5 3.6 89.1
13 宮地 孝尚 一般 34.2 ▲ 5.3 22.0 18.3 17.1 86.3
14 山本 拓哉 プロ 53.7 48.7 10.6 34.4 ▲ 72.0 75.4
15 村瀬 光佳 一般 54.3 45.8 ▲ 61.2 55.8 ▲ 33.1 61.6
16 島﨑 涼 プロ 20.7 37.9 0.0 0.0 0.0 58.6
17 鷲見 隼人 プロ 7.9 ▲ 9.3 ▲ 5.9 2.1 63.3 58.1
18 鈴木 涼太 プロ 9.8 15.9 ▲ 39.5 32.3 38.1 56.6
19 岡本 茂 一般 11.0 ▲ 12.0 64.2 31.6 ▲ 56.0 38.8
20 伊藤 真 一般 ▲ 43.9 56.6 ▲ 33.8 64.3 ▲ 5.1 38.1
21 都築 友和 プロ ▲ 7.2 40.6 ▲ 1.5 ▲ 26.3 31.6 37.2
22 松清 一樹 一般 ▲ 7.4 ▲ 2.7 ▲ 33.7 ▲ 11.1 91.0 36.1
23 牧野 光治 一般 ▲ 12.7 ▲ 23.0 23.6 10.5 36.8 35.2
24 中野 妙子 プロ 68.5 2.3 ▲ 8.5 16.1 ▲ 45.4 33.0
25 本田 真之 一般 15.5 27.3 ▲ 32.5 14.3 0.0 24.6
26 髙橋 孝基 一般 35.0 12.5 12.1 6.0 ▲ 45.4 20.2
27 足立 純哉 プロ 31.0 ▲ 36.8 81.9 ▲ 15.3 ▲ 43 18.0
28 袴田 一郎 一般 ▲ 13.9 ▲ 31.6 31.9 ▲ 24.8 47.5 9.1
29 鈴木 郁孝 プロ ▲ 26.4 38.0 1.1 20.3 ▲ 35.3 ▲ 2.3
30 大谷 数則 一般 ▲ 26.3 ▲ 25.5 5.7 83.3 ▲ 46.2 ▲ 9.0
31 中野 一男 一般 ▲ 4.5 ▲ 23.0 ▲ 52.0 92.3 ▲ 29.7 ▲ 16.9
32 斉藤 隆 一般 ▲ 35.8 96.1 ▲ 42.3 ▲ 60.0 21.8 ▲ 20.2
33 平田 拓也 一般 ▲ 0.3 ▲ 0.9 11.9 11.6 ▲ 49.8 ▲ 27.5
34 中 寿文 プロ ▲ 75.0 ▲ 55.4 66.2 ▲ 42.3 78.9 ▲ 27.6
35 白井 健夫 一般 ▲ 40.8 34.0 ▲ 35.0 ▲ 16.8 21.7 ▲ 36.9
36 影山 恒太 一般 ▲ 24.6 10.1 ▲ 8.3 ▲ 70.5 54.5 ▲ 38.8
37 大橋 義一 一般 10.2 ▲ 42.5 10.7 ▲ 0.4 ▲ 19.7 ▲ 41.7
38 大橋 幸正 プロ 38.8 ▲ 11.9 ▲ 34.9 ▲ 33.5 ▲ 1.3 ▲ 42.8
39 高木 翔太 プロ ▲ 85.8 18.3 ▲ 4.1 ▲ 12.5 37.3 ▲ 46.8
40 坂本 彰光 一般 ▲ 39.7 ▲ 23.8 56.4 ▲ 53.3 7.3 ▲ 53.1
41 川崎 義之 プロ ▲ 15.3 21.7 ▲ 7.8 ▲ 15.3 ▲ 46.1 ▲ 62.8
42 平岡 理恵 プロ 21.6 ▲ 62.7 26.7 ▲ 60.0 10.7 ▲ 63.7
43 江島 直穀 一般 ▲ 21.7 ▲ 40.0 ▲ 7.2 5.1 ▲ 0.8 ▲ 64.6
44 鈴木 雅人 一般 ▲ 59.9 ▲ 5.5 11.1 ▲ 34.9 14.0 ▲ 75.2
45 土屋 幸弘 プロ ▲ 30.7 ▲ 46.1 ▲ 34.8 18.2 ▲ 6.0 ▲ 99.4
46 山内 紀博 一般 ▲ 11.1 ▲ 41.5 ▲ 2.4 ▲ 24.0 ▲ 25.0 ▲ 104.0
47 源馬 健太 一般 ▲ 2.8 0.0 ▲ 59.9 ▲ 10.9 ▲ 37.4 ▲ 111.0
48 福井 弘人 一般 ▲ 98.2 ▲ 29.7 ▲ 5.4 10.6 1.9 ▲ 120.8
49 八木 寛大 一般 ▲ 65.1 ▲ 46.1 9.7 ▲ 11.2 ▲ 8.4 ▲ 121.1
50 北島 武弘 一般 14.5 ▲ 40.6 ▲ 50.5 ▲ 47.4 0.7 ▲ 123.3
51 京平 遥 プロ ▲ 36.2 ▲ 6.0 ▲ 18.3 ▲ 15.0 ▲ 52.4 ▲ 127.9
52 鈴木 康功 一般 20.7 ▲ 5.5 ▲ 104.8 ▲ 37.3 ▲ 16.1 ▲ 143.0
53 伊藤 裕美子 一般 26.2 ▲ 71.6 ▲ 5.1 ▲ 109.1 ▲ 1.8 ▲ 161.4
54 原 佑典 プロ ▲ 1.4 ▲ 60.3 ▲ 18.3 ▲ 76.6 ▲ 33.6 ▲ 190.2
55 渡辺 洋巳 プロ ▲ 106.8 ▲ 29.5 ▲ 18.5 ▲ 35.3 ▲ 43.6 ▲ 233.7

第4期JPML WRCリーグ 優勝は藤島健二郎!

100

 

優勝:藤島健二郎 第2位:東谷達矢 第3位:前原雄大 第4位:沢崎誠

 

旧「内外タイムス杯」を2001年に改め開催されたリーグ戦。
プロリーグの垣根を越えてAリーガーとEリーガーの対戦も実現する。半年で一期、予選は半荘20回戦を闘う。
2016年後期よりG2タイトルに格上げ。ルールをAルールからWRCルールに変更し、より多くのタイトル保持者、Aリーガーが参加するシステムにグレードアップ。

開催概要はこちら

第4期JPML WRCリーグ第5節終了時成績表はこちら

第4期JPML WRCリーグ ベスト8B卓レポート

今期で第4期となるJPMLWRCリーグ。
ベスト8・A卓からは、前原雄大と藤島健二郎が決勝進出を決めた。

B卓の出場選手はこちら。

現マスターズとしてベスト16から出場、いま最も勝ちまくっている男、沢崎誠。
前回も決勝進出を決めた、高打点ヤミテンが得意技、ケネス徳田。
仕掛けとリーチを多用し、積極的に主導権を取りにいく、東谷達矢。
唯一ここまで残った女流プロ、人気実力ともに兼ね備えた山脇千文美。

この中から上位2名が決勝進出となる。

 

1回戦(起家から、東谷・山脇・沢崎・ケネス)

東1局、親の東谷が9,600のテンパイ。

二万二万三万三万四索六索六索七索七索九索九索五筒五筒  ドラ二万

場にはソーズがほどよく切れていて、沢崎が国士模様なので待ちごろだ。
1枚切れの北もスッとツモ切って行く。判断が早い。

そこへケネスが10巡目リーチ。

二万三万四万五万六万九万九万九万一筒二筒三筒四筒四筒  リーチ

3面張だが、山脇がケネスの当たり牌をなんと7枚も所有。薄かったが、七万をツモ。
1,000・2,000。
実は四索単騎は山に3枚もいて、枚数では勝っていた。

東2局
山脇がダブ東暗刻&ドラドラの大チャンス!

七万七万八万七索八索九索六筒六筒七筒八筒東東東  ドラ七万  ツモ四筒  打八万

このテンパイをしぶしぶ取る。
同じくドラドラのケネスがこちら。

五万六万七万七万八万九万六索八索一筒三筒三筒三筒五筒

割と出てしまいそうな形!危ないぞ!
……と心配していたらあっさりと山脇が五筒をツモ。気持ちよく4,000オールを決めた。

東3局
親の沢崎。

六万七万七万八万三索四索六索一筒二筒二筒三筒六筒七筒八筒  ドラ東

ここからゆったりと打三筒とした。沢崎が打つと、6,000オールをツモる姿が浮かんでくるから不思議だ。
東谷は好形の1シャンテンでドラの東を切っていく。

四万五万八万八万八万五索五索二筒二筒三筒四筒四筒五筒

沢崎ツモ五万で、仕上がりはやや不満そうだがリーチ。

五万六万七万七万八万三索四索五索二筒二筒六筒七筒八筒  リーチ

東谷から一発で九万を討ち取り、5,800のアガリとなった。

東3局1本場も、ケネスとのリーチ合戦に勝利で4,100オール。
今日も調子が良さそうだ。

南1局
ケネスが魅せる。

二索三索四索一筒一筒一筒一筒二筒四筒五筒五筒五筒九筒九筒  ドラ二索

ここから打四索!何とドラを使った完成ターツを壊す一打。
国士模様の山脇が二索を先に切っているのもあり、チンイツに向かいやすかったとはいえ、なかなかできない。
その後も続々とピンズを引くがアガリにはならず、ケネスの九蓮宝燈はお預け。

南2局
東谷が勝負手を成就させる。

六万七万八万二索二索五索六索七索二筒三筒四筒六筒七筒  リーチ  ドラ七索  ツモ五筒  裏六万

南3局も積極的に7巡目リーチ。

二索三索四索五索五索六索七索三筒三筒三筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ八万

それを受けてケネスは超勝負手の1シャンテン。

四万四万七万七万八万八万九万九万三索六索七索八索四筒

しかし追いつく事なく、東谷が1,000・2,000をツモ。

オーラスは東谷・山脇との2着争いだったが、東谷は無理に戦わず静観。
山脇→沢崎の放銃で決着。
ケネスは手が実らず、苦しいラススタートとなった。

1回戦成績
沢崎+40.4P 東谷+4.6P 山脇▲8.1P ケネス▲36.9P

 

2回戦(起家から、山脇・沢崎・ケネス・東谷)

東2局
沢崎の3巡目リーチ。

二万三万四万八万八万六索七索八索二筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ四筒  ドラ七索

流れるような4,000オール。

東2局1本場
山脇が10巡目リーチ。

二万二万一索一索一索七索八索九索三筒四筒五筒七筒九筒  リーチ  ドラ八万

積極的にアガリを取りにいったご褒美だろうか?
4枚目の一索を持ってきてカン。そして八筒のツモアガリで裏ドラが1枚。2,000・4,000に!リーチのみが化けた。

南1局
苦しいケネス、遠めのホンイツで仕掛けていく。

四万五万五万八万八万一筒二筒南北発  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き

その後ツモが効き、形になってきた。

三万四万五万五万六万八万八万北北発  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き

そこでケネスの欲しい七万を東谷がカン。

一万二万三万三万五索三筒五筒東東東  暗カン牌の背七万 上向き七万 上向き牌の背  新ドラ六索

ケネス、八万をポンして四万七万のテンパイ。
東谷、更に東もカン。新ドラがカンしている七万にモロ乗り!
ツモ四万、ツモ西でメンホンのテンパイ。

一万二万三万三万四万五万西  暗カン牌の背東東牌の背  暗カン牌の背七万 上向き七万 上向き牌の背  ドラ西六索七万

これを何とリーチにいく!!10翻スタートの恐ろしいリーチだ。

山に西は1枚残っていたが……ここは流局。
東谷の大胆さは見る者を惹き付ける。

南2局
ケネス渾身のドラ暗刻のヤミテンが山脇の1,000点に捌かれる。

南3局
親のケネスの仕掛けと、東谷のリーチが山脇の1,000点に捌かれる。
山脇の精度の高さに惚れ惚れするが、やられたほうはたまらない。
それでいて放銃率も低く、とにかく逃げ足が早いのだ。

南4局
沢崎がトップ目。連勝すればより勝利に近づく。山脇も3,900でトップだ。

ラス目の東谷の親。タンヤオ七対子を即リーチ。

二万二万三万七万七万二索二索八索八索三筒三筒四筒四筒  リーチ  ドラ五索

ここに満貫ツモで3着→2着になれるケネスが追いかけリーチ。

一万二万三万五万六万一索一索一索五索六索七索北北

勝者は東谷!裏ドラ2枚で6,000オール。一気にトップに躍り出た。
そうなるとこの男が黙っていない。

沢崎
三万三万四万五万五万七万七万五索六索七索六筒七筒八筒  ドラ六索

このテンパイから、ツモ二万→打三万五万七万のシャンポンに待ち変え。すぐにツモ七万でトップ返り咲き。
連勝を飾った。

2回戦成績
沢崎+22.5P 東谷+11.6P 山脇▲5.9P ケネス▲28.2P

2回戦終了時
沢崎+62.9P 東谷+16.2P 山脇▲14.0P ケネス▲65.1P

 

3回戦(起家から、東谷・山脇・ケネス・沢崎)

ケネスが2ラス。
ちょっと語呂がいいのが悲しい。
東2局もドラ暗刻のテンパイが不発、流局で悲しい。

しかし東2局!

一索二索三索八索九索北北北白白  ポン南南南  ドラ二筒

自風の南をポンしてやっと嬉しい8,000のアガリ。ここから巻き返せるか。

東3局
その8,000を打ってしまった東谷。

一万一万八万九万七索八索九索一筒二筒三筒七筒八筒九筒  ドラ七索

ヤミテン跳満のこの手をリーチ!!
跳満あっても倍満あっても最終形はリーチで決めにいくスタイル、さすが九州男児である。
しかしここも捌き職人・山脇の300・500で穏便に終わった。

南2局
東谷めげずにリーチ。

二万二万二万三万四万五万三索三索四索五索二筒三筒四筒  リーチ  ドラ三索

対応した山脇が現物の四筒を切ると、今度は沢崎が1,300。東谷、がっくり。

南3局
トップ目、ケネスの親リーチ。

三万四万五万一筒二筒三筒六筒六筒七筒七筒八筒九筒九筒  ドラ五筒

まだまだ加点して大トップを取りたいだろう。

これを受けてラス目の東谷。

三万四万五万五万五万六万七万七万二索三索四索四筒五筒

またしてもいい手。
ここにケネスの当たり牌五筒を引き、テンパイ。さすがにこれはリーチ発声は無し。
するとほどなく六万
を掴んだのは……ケネス!泣きたくなるような8,000の放銃となった。

南4局
ラス目の沢崎、このまま終わるのは好ましくない。
12巡目親リーチ。

二万二万四万五万六万二索二索二索六索八索二筒三筒四筒  リーチ  ドラ中

微差の3着目、東谷。
またまたいい手。

三万四万四万五万五万二索三索四索七索四筒五筒八筒八筒

沢崎の河には四索が切れていて、七索が場に2枚切れ。
吸い込まれるように七索で7,700の放銃になってしまう。裏ドラ1枚乗ったのも大きい。

これで点棒状況は
東谷18,000
山脇38,400
ケネス30,300
沢崎33,300

さすがに東谷はラスか……
と誰もが思っただろう。

一索二索三索六索七索八索八索九索東東白白白  リーチ  ツモ七索  裏九索

この3,000・6,000で、まさかの2着浮上をするなんて。この男のへこたれなさ、見習いたいものだ。
そのアガリを見て、厳しい表情を浮かべる山脇。
ライバルとトップラスで終わる半荘だったはずなのに……計算が狂ってしまった。

3回戦成績
山脇+20.3P 東谷+5,3P 沢崎▲12.8P ケネス▲12.8P

3回戦終了時
沢崎+50.1P 東谷+21.5P 山脇+6.3P ケネス▲77.9P

 

4回戦(起家から、山脇・沢崎・ケネス・東谷)

いよいよ最終戦。
山脇・東谷の2番手争いはどうなるか。
1人置いていかれたケネスの逆転劇はあるか?

まずは東谷が攻めまくる。
東1局リーチ→1人テンパイ流局
東2局リーチ→ケネスから3,900は4,200。

東3局
ケネスの親番。
沢崎が激辛のポンテンで2巡目テンパイ。

三万四万六万七万八万九筒九筒北北北  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ドラ六万

局を潰して確実に勝ちを近づけるつもりだ。
続いて東谷もポンテン。しかしケネスも負けじとダブ東ポン!

五万五万六万六万七万八万八万三筒四筒五筒  ポン東東東  ツモ四万

終盤に4,000オール。

東3局1本場
山脇が動いた。

二万三万四万四索五索六索六索八索四筒四筒  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き  ドラ北

親のケネスも三色1シャンテンだったが、立ちはだかるのは攻め屋・東谷。

四万五万六万八万八万八万三索三索四索五索四筒五筒六筒

もちろんリーチ!手に汗握っていると……山脇が七索をツモ!300・500で東谷との差を満貫圏内へ。
リーチし続ける東谷、かわし続ける山脇のシーソーゲーム。

東4局
山脇が絶対に落としたい東谷の親番。

三万三万四索四索六索七索八索五筒六筒西  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  ドラ二索

そろそろ打点も欲しかっただろうが、場に3枚目の三筒が打たれて今回も捌き手に。

東谷、仕掛けのプレッシャーも何のその。
リーチのみのテンパイをはずし、ドラを重ねてリーチ!

四万五万六万二索二索五索六索七索七索八索九索二筒二筒

ドラの二索は沢崎の手に2枚、二筒は山脇の副露に1枚。

しかしそれでも東谷が二筒を手元に引き寄せたのは、神様にこの瞬間選ばれたのだろう。

南1局、山脇の最後の親番。東谷自ら6,400を直撃。
これが決定打となり、長い戦いは幕を閉じた。

4回戦成績
東谷+31.4P 沢崎+5.9P ケネス▲11.2P 山脇▲16.1P

4回戦終了時
沢崎+56.0P 東谷+52.9P 山脇▲9.8P ケネス▲89.1P

1位通過 沢崎誠
2位通過 東谷達矢

さすがの安定感・沢崎と、リーチ回数断トツの東谷が決勝進出を決めた。

果たして誰が栄冠に輝くのか?
決勝のストーリーはまだ誰にも分からない。

第4期JPML WRCリーグ ベスト8A卓レポート

今期で第4期となる、JPMLWRCリーグ。
今回は連盟チャンネルでも放送されたベスト8、A卓をレポートしていきたい。

対局メンバーは、現鳳凰位シードとしてベスト16から出場、前原雄大。
現世界チャンピオンとしてベスト16から出場、ともたけ雅晴。
高打点と爆発力が持ち味の実力派、中村毅。
先日B1リーグ優勝、A2復帰を決めた、今まさに絶好調・藤島健二郎。

この中から上位2名が決勝の椅子に座る事ができる。

 

1回戦(起家から、前原・ともたけ・中村・藤島)

東1局、中村がいきなりすごい配牌だ。

二索二索三索三索八索八索九索九索七筒南南発中  ドラ六筒

ここから6巡目に二索が暗刻に。7巡目には二索が4枚になるがこれはツモ切って柔軟に。
しかしなかなか有効牌を引けないまま、ドラドラの前原が形になってくる。
ともたけ、藤島も1シャンテンに。

親の前原、10巡目に二万をポン。

四万一索三索三索五索六索五筒五筒六筒六筒  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き

12巡目には藤島がリーチ。

六万七万八万四索五索六索四筒四筒六筒七筒七筒八筒九筒

ともたけも同巡テンパイ、現物待ちではないがヤミテンとする。

二万三万四万七索八索一筒二筒三筒六筒七筒八筒八筒八筒

これが大正解で、次巡のツモが五筒で放銃回避。
中村は終盤チーテンをとらずに自力テンパイ、前原も最終ツモ番でテンパイを入れた。
それぞれの意志が伝わってくる、4人テンパイ流局でのスタートとなった。

東2局
前巡にドラの中をリリースした中村、ツモ五万で気持ちよくリーチ。

三万四万五万五万五万四索五索四筒四筒五筒五筒六筒六筒  ドラ中

次巡前原もテンパイ。

一万二万三万六万六万一索二索一筒一筒二筒二筒三筒三筒

ヤミテンを選択するが、この三索は親のともたけに暗刻…。
しかもツモり四暗刻の1シャンテン。

ともたけ
一万一万八万八万八万二索三索三索三索三筒三筒白白

アガリは中村か?ともたけのドリームか?と思っていると、次巡前原がツモ切りリーチ。
胸騒ぎを感じたのは私だけではないはずだ。

一万二万三万六万六万一索二索一筒一筒二筒二筒三筒三筒  リーチ  一発ツモ三索  裏二筒

この4,000・8,000でSNSは大いに沸いた。これが前原雄大。そう見せつけるようなアガリだった。

東3局
親の中村の7巡目リーチ。

四万四万七万七万八索二筒二筒五筒五筒七筒七筒九筒九筒  リーチ

一打目に七索。4、5巡目には四索五索、と切ってある。
全体的にも待ちごろの八索を見事ツモアガって裏ドラ2枚。6,000オールを決めた。

東4局2本場
親を迎えた藤島が2巡目に打たれた白をポン。

四万四万六万七索八索九索五筒六筒六筒九筒九筒  ポン白白白

ここからドラの六筒を切っていった!見れば九筒は1枚切れ。アガリにくいドラドラを捨て、連荘への道を辿る。

ツモ四万でテンパイ。

四万四万四万七索八索九索五筒六筒九筒九筒  ポン白白白

藤島の河は

一万 上向き二筒 上向き六筒 上向き八万 上向き六万 上向き三万 上向き

ソーズのホンイツや、字牌を警戒するだろうか?
ノーケアの四筒七筒を捕えて連荘に成功した。

3本場でも前原から2,000は2,900をアガるのだが、このメンバーのここからの粘りが物凄い。
4本場でともたけのリーチに対して全員がテンパイを入れるが、中村は危険牌で一旦まわるが復活。
藤島もチーテンを入れていたがドラをひかされて1人ノーテンで親落ちとなった。

南1局5本場、
親番の前原、7巡目。

一万二万三万四万五万六万七万七万五索六索七索五筒六筒  ドラ南

タンピンや三色変化を見てヤミテン。
8巡目に藤島も、前原の当たり牌七筒を引き入れテンパイ。ドラの南を切ってヤミテン。

五索六索二筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒七筒七筒七筒

この南打ちに呼応するかのように、前原は次巡ツモ切りリーチ。藤島もツモ切りおいかけリーチとし、全面戦争に踏み切った。
藤島の待ちは山に2枚、対して前原の待ちはもう山に無い。勝負の行方を見守っていると手牌を倒したのは……前原!?

ともたけ
八万八万一索一索一索四索四索四索七筒白白中中  ツモ中  打七筒

ともたけがツモり四暗刻テンパイで押し出された七筒であった。山に無くてもアガってしまう前原の魔力が恐ろしい。
結局そこから9本場まで連荘。
南2局に藤島が5,200を討ち取るが、そのまま前原トップで終了となった。

1回戦成績

前原+32.1P 中村+17.2P 藤島▲14.2P ともたけ▲35.1P

 

2回戦(起家から、ともたけ・前原・藤島・中村)

東1局
1回戦では、当たり牌を多く掴まされ、苦しかったともたけの親リーチ。

五万六万六万七万七万八万九索九索一筒二筒三筒三筒四筒  リーチ  ツモ二筒  ドラ五筒  裏二筒

前原に追いかけられるも、力強くツモアガリ、4,000オール。
東2局3本場にはこのツモアガリ!

一筒一筒三筒三筒五筒五筒五筒西西西  ポン六筒 上向き六筒 上向き六筒 上向き  ツモ一筒  ドラ四万

1回戦の憂さを晴らすような美しい3,000・6,000で52,900点に。
南4局は前原が2巡目テンパイの1,000点を中村からアガリ、2着を確保。
この半荘放銃が続いてしまった中村が大きなラスとなった。

2回戦成績
ともたけ+46.9P 前原+5.1P 藤島▲9.0P 中村▲43.0P

2回戦終了時
前原+37.2P ともたけ+11.8P 藤島▲23.2P 中村▲25.8P

 

3回戦(起家から、前原・中村・ともたけ・藤島)

東1局
中村が国士模様。
ともたけが役なしテンパイをヤミテンしていた11巡目、待望の五筒が来る。

四万五万六万一索二索三索四索五索六索二筒四筒南南  ドラ七索  ツモ五筒

しかしともたけは更にヤミテンを続行。中村の国士が1シャンテンになったところで藤島から六筒で3,900。
手に溺れない丁寧さが、ともたけの一流たる所以だ。

東3局も2,600オールをツモり、加点。

東3局1本場には10巡目にまた親リーチ。

八万八万一索一索八索八索七筒七筒南南北白白  リーチ  ドラ北

アガればこの半荘の決め手となるだろう。
しかしその前巡にテンパイしていた前原の手がこちら。

五万六万七万一索二索三索四索五索六索一筒一筒三筒四筒

ともたけのリーチ一発目に持ってきたのは当たり牌の北
ヤミテンなら9,600の放銃になっていたのだろうか?華麗に回避した。

直後、ドラドラでテンパイした藤島が追いかけリーチ。

三万四万五万二索三索四索四索五索九筒九筒九筒北北  リーチ  一発ツモ三索  裏白

2,100・4,100。正に紙一重。反撃の狼煙をあげた。

東4局
気持ちよく迎えた藤島の親番。6巡目、さらりとドラの西を切る。

二万四万五万二索二索四索五索六索七索九索三筒六筒六筒西

ほぼ無駄ヅモなしでテンパイし、リーチ。

三万四万五万二索二索四索五索六索七索八索九索六筒七筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ西  裏四万

アガリがあると見れば、ドラを無駄に持つ事はせず、目一杯手を広げる。藤島のアガリへの嗅覚は見事である。

南1局
中村が苦しい。そろそろアガリが欲しい。
そこへまたしても藤島のリーチが飛んできた。

一万二万三万二索三索四索五索六索一筒二筒三筒発発  リーチ  ドラ一筒

中村が一発で引かされたのは高目の一索。なんたる不運。

四索五索八索九索一筒二筒二筒三筒四筒五筒六筒六筒六筒  ツモ一索

一旦八索九索落としで堪えるが、テンパイと同時に押し出され、8,000点の放銃となってしまった。

南4局
そのまま中村は11,700点持ちのラス目でオーラスを迎えていた。
9巡目にドラ暗刻のテンパイ。

五万七万八万八万八万五索六索七索二筒三筒四筒七筒発発  ドラ八万

七筒を切ればカン六万のテンパイなのだが、3着目の前原は26,200なので、跳満ツモか満貫直撃しなければラス抜けできない。
テンパイ外しも有力かと思われたが中村は決意のリーチとした。

それを見て前原はオリ。50,400点持ちの親の藤島がポンテン。
万事休すかと思われたその時、中村が六万を引き寄せた。裏ドラも1枚乗せ、執念の3,000・6,000を決めた。
残り1回に勝負をかける。

3回戦成績
藤島+29.4P ともたけ+3.7P 中村▲11.3P 前原▲21.8P

3回戦終了時
ともたけ+15.5P 前原+15.4P 藤島+6.2P 中村▲37.1P

 

4回戦(起家から、藤島・前原・ともたけ・中村)

3回戦の前原のラスによって、中村以外の3人の着順勝負となった。

東1局
前原が9巡目リーチ。

三万四万二索二索三索三索四索四索四筒五筒六筒東東  リーチ  ドラ五万

中村に暗刻だったドラの五万をツモりあげ、裏が2枚。3,000・6,000で一歩抜け出した。

東2局 藤島→中村1,300
東3局 藤島→ともたけ2,900
じわじわと局が進んでいく。

東3局
中村、藤島の2軒リーチ。

中村
一万二万三万四万五万六万三索三索七索八索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ五筒

藤島
五万五万四索五索七索八索九索二筒二筒二筒六筒七筒八筒  リーチ

次巡追いついた親のともたけ。

二万四万六万六万七万八万二索二索二索五索六索七索六筒六筒

二万六万も2人のリーチに危険。どちらも選ばす丁寧に現物の八万を切ると、次巡のツモが三万
なんだかショックなツモである。ここは藤島が中村から1,300は1,600となった。

東4局
南家・藤島が八筒をポンしてドラの九筒を切る。

六万六万五筒九筒南南北北北白白  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  打九筒

その後、五筒四筒がくっつき、六万のトイツ落としでホンイツへ移行。

そこへ親の中村がリーチ!

八万八万八万一索二索三索四索五索八索八索発発発  リーチ  ドラ九筒

このリーチを受けて藤島が一発で持ってきたのは六索
ツモ三筒でテンパイすると同時に場に放たれた。裏ドラが1枚乗り、9,600。
持ち点は12,900点に減り、藤島にとっては大きすぎる放銃となった。このまま脱落してしまうのか?

一方中村は35,300。
6,000オールでほぼ並びになれる。
しかし1本場は前原に捌かれて、勝負は南場へと持ち越された。

南1局
藤島12,800
前原44,300
ともたけ29,900
中村33,000

絶対に落とせない藤島の親番がやって来た。
そんな時に限って難しい手が入るものである。

一万三万五万六万七万七万九万一索二索四索四索七筒八筒九筒  ドラ七筒

長考し、一索を切る藤島。しかしそのまま有効牌をひかない。
中村も上家で完全に絞り、鳴かせない。藤島の最後の親番が終わってしまった。

南2局
現状トップ目で通過の前原の親番。

三万四万五万七万八万八索八索二筒二筒二筒四筒五筒六筒  ドラ発

8巡目テンパイ。さぁ、どうする。普段ならもちろん迷わないが、今は逃げる立場。
じっくりと考えた末の決断はリーチであった。

追う立場の藤島、中村にとってピンチ、そしてチャンスでもある。

中村
一索二索三索四索五索七索九索九索九筒九筒北発発  ドラ発

中村、ここから八索をチーして向かって行く。
そのチーによって前原のツモアガっていた六万がともたけに流れた。
そして……中村に暗刻になっていた発が藤島に流れた!

藤島
一万二万三万七万八万八万九万九万五索六索七索発発  リーチ  一発ロン七万

前原から僥倖の8,300。藤島に一筋の光が差す。

南3局
テンパイ1番乗りは前原。

四万四万一索一索二筒四筒四筒南南北北発発  ドラ九索

ともたけはこの形から中をスルーしてガードを固める。

七万八万九万二索三索三索四索五索七索二筒三筒中中

そこへ来たのは中村のドラドラリーチ。

一万二万三万五万六万七万七万八万九万九索九索八筒八筒  リーチ

その時の藤島はこの形。

五万五索五索六索七索八索九索一筒二筒四筒五筒六筒七筒八筒

現物の六索を切り1シャンテンをキープ。前原は撤退、ともたけも一歩引いた。中村はこれをアガって親を迎えたい。
そこへ藤島、待望のツモ九筒で現物待ちのペン三筒テンパイ!危険牌の五万をスッと勝負し、手元に来た三筒を愛おしそうにツモりあげた。
藤島が、あの絶望的な状況からまさかの復活を遂げた。

南4局
いよいよオーラス。
藤島30,100
前原32,000
ともたけ28,900
中村32,000

先ほどの2,000・4,000で現状通過は前原・藤島。
ともたけの条件は1,300以上の出アガリ、ツモアガリは何でもOK。
中村はアガリを重ねるのみだ。現状1位の前原も、少しの放銃で即脱落となるしびれるオーラスになった。

まずは中村が4,000オール。上位に肉薄する。
この1本場でともたけは1000点でもOKに。

南4局1本場
ともたけ、1巡目の北をポン、一筒もポンしていく。

七万八万三索三索二筒四筒六筒  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン北北北  ドラ五筒

数巡後、前原テンパイ。

一万二万三万四索五索六索二筒三筒七筒七筒白白白

藤島もテンパイ。

一万二万三万四万五万六万七万八万九万二索三索四索七筒

あがれば決勝だ。最後まで分からない結末に、思わず息を飲む。
そして……ともたけにもついに入ったテンパイ。

七万八万三索三索四筒六筒六筒  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン北北北  ツモ三索

打ち出された四筒は、前原への放銃牌だった。

4回戦成績
中村+26.0P 前原+4.6P 藤島▲8.9P ともたけ▲21.7P

4回戦終了時
前原+20.0P 藤島▲2.7P ともたけ▲6.2P 中村▲11.1P

1位通過 前原雄大
2位通過 藤島健二郎

最後まで何が起こるか分からない展開のなか、前原と藤島が決勝進出を決めた。
麻雀にドラマあり、落とし穴もあり。きっとこの2人なら、決勝でも沢山の驚きを私達に与えてくれるだろう。

前原が力で捩じ伏せるのか。藤島は2期決勝で敗れたリベンジを果たせるのか。
期待は高まるばかりだ。

何を切る?fromロン2 2018年9月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答を、グラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東1局東家

 

プロ

西切り・・・19人
六万切り・・・5人
三索切り・・・5人
七筒切り・・・5人
二索切り・・・3人
七索切り・・・1人
二筒切り・・・1人

 

ロン2ユーザー

西切り・・・54.1%
二索切り・・・15.3%
三索切り・・・13.3%
六万切り・・・6.1%
八万切り・・・5.1%
七筒切り・・・4.1%
二筒切り・・・2%

 

 

プロ解答(50音順)

 

西切り

 

蒼井ゆりか
「スタートの親番ということもあり、メンツはありませんが、678を狙いつつ横に伸ばします。」

吾妻さおり
「七対子と678三色がうっすら見える手。七対子決め打ちの七筒も考えたが、ツモ六索六筒が結構痛いので、見切って西を切る。その後伸びない時の受けも考えて西は1枚持っておく。」

荒正義
「手が2巡遅れ(他家に比べ)なので受ける。」

和泉由希子
「タンピン三色を目指して。」

伊藤優孝
「七対子は苦手だからヤメ。西落としで様子を見る。」

魚谷侑未
「とりあえず西を1枚外してメンツ手に絞ります。ブクブクは怖いので、もう1枚の西はなるべく温存で。」

内川幸太郎
「開局の親番、巡目が深くなってきて1メンツもできていないが、メンツ手を選択し攻め切る。」 

勝又健志
「ターツオーバーなのでシンプルに西切り。ここから七対子は難しいと思う。親なので積極的に二筒ではなく西。」

紺野真太郎
「七対子を含め、何にでもなる手牌。西を1枚外して自由度を高めたい。」

猿川真寿
「アガリは多少厳しいが、親ということもあり、メンツ手で目一杯に受ける。」

清水香織
「678を遠くに見つつ、受けも考える。」

ダンプ大橋
「親番だし真っ直ぐ一番いらない牌を。」

藤崎智
「1メンツもないので親番でなければオリ気味に七対子を狙うと思うが、東1局の親番なのでメンツ手でテンパイを目指す。」

藤島健二郎
「開局の親番なので、最高形を追う。七対子が速そうと感じるが、構え方の問題。」

藤原隆弘
「開局の起家、とりあえずアガリに向かう。最高形は678のメンタンピン三色ドラ1だが、1メンツも完成していないので多分アガれないと思いつつも、決め打ちはせず目一杯手を広げてみたい。2枚切れの西は不要!」

美波智子
「4対子あるので七対子も見えなくはないが、東1局の親番なので、可能性は薄くともタンピン三色の目を残したい。」

安田麻里菜
「タンピンに三色が付いたら良いなと。」

安村浩司
「タンピン三色になる形は残しながらツモ次第で押し引きを決める。もう1枚の西は安全牌として持つ進行もある。」

 
 

六万切り

 

一井慎也
「攻めの形だけは残してスリムに構え、受け気味に。」

麓征生
「678の三色は見ながら、無理そうなのでオリ気味に進めます。」

古川孝次
六万を切って678の三色を見るが、程遠いのがわかる。ここは受けに回って西を温存し、様子見か。」

古橋崇志
「678のタンピン三色を狙いつつ、安全牌の西は残す。」

吉田直
「そんなにアガれそうにないので、高い手(678の三色)ができた時だけ攻められるように今のうちに六万を外す。」

 
 

三索切り

 

内田美乃里
「巡目も中盤で牌にも伸びがないので、西のトイツ落としも視野に入れながら三索を切る。」

櫻井秀樹
「ターツオーバーだが仕掛けはできない手牌なので、守備も考えスリムに。」

菅原千瑛
「4対子だが七対子よりもタンピン三色を目指したい。手にならなかった時に西を落とせるよう、リャンメン固定でドラ筋の三索。」

童瞳
西の対子落としを視野に入れながら、678のタンピン三色を目指す。」

浜上文吾
「序盤であれば西のトイツ落としだが、巡目が深いここはスリムに構えたい。メンツの取りこぼしを少なくするために三索切りです。」

 
 

七筒切り

 

黒沢咲
「本来ならばタンピン三色を見たいところだが、すでに9巡目なのにメンツが1つも完成していない。ここはアガリを半ばあきらめて、対子手を見つつ進めていきたい。途中メンツができれば形式テンパイも視野に、できる限り連荘を目指したい。」

近藤久春
「アガれるイメージがわかない。受け重視で七対子。」

沢崎誠
「巡目とメンツ数を考えれば順子形で手を進めるのは危険度が高い。アガリを目指すより守備を重視しながらの形作りを考えると、上家の四筒に合わせての七筒切りかと。安全牌の西は終盤で!!」

前田直哉
「もうメンツ手は間に合わなそう。」

山田浩之
「9巡目で0メンツ。さすがに先手を取れなさそうなので、受け重視の七対子メインで。」

 
 

二索切り

 

ともたけ雅晴
「678の三色を考えながら進めるが、七対子の可能性も残したい。」

西川淳
「アガれない可能性が高い手。受けの七対子で西は残す。七万引きの時だけ色気を。」

HIRO柴田
「七対子本線にしたいが、一度保留。」

 
 

七索切り

 

和久津晶
「七対子と守備で。」

 
 

二筒切り

 

松岡千晶
「678三色の5ブロックに受けます。西は安全牌として雀頭にします。」

第4期JPML WRCリーグ ベスト16D卓レポート

【D卓】
櫛田利太(予選1位・D2)vs沢崎誠(A1)vs中村毅(C1)vs宮内崇成(D1)

この卓のシード選手は櫛田(くしだ)利太。予選リーグで+385.8Pという脅威の成績でトップ通過を決めた選手である。
あと櫛田といえばロン2の月間ランキングなどにもよく名前が載っている。しかしこの日の櫛田は体調最悪。前日まで入院していたという。
櫛田は本来の調子が出せるのか。いや、最後まで打ちきれるのか。

 

1回戦(中村―沢崎―宮内―櫛田)
東1局
4卓一斉に開始となったが、全卓で一番最初に仕掛けたのはこのD卓の宮内だった。
今日も雰囲気に飲まれずマイペースな宮内流が見られそうだ。

東3局
親の宮内が13巡目リーチ。
これに対し、2つ仕掛けていた櫛田が一発で放銃。

二索三索四索六索六索七索七索二筒二筒二筒五筒六筒七筒  リーチ  ロン七索  ドラ一索  裏四筒

基本、即リーチの宮内。7,700のアガリとなった。

南2局は沢崎のターン。
流局テンパイで連荘になると、次局はリーチ一発ツモピンフの2,600は2,700オール。さらに宮内から小三元の12,000をアガリ、持ち点を54,800まで伸ばした。

南2局4本場
沢崎のタンヤオ仕掛けvs宮内のホンイツ仕掛け。
沢崎は終盤にドラの東を持ってきて仕方なく東単騎。

四万五万六万四索五索六索東  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ドラ東

流局してまだまだ沢崎の親番が続くかと思われたが、結果は宮内のハイテイツモ。

一万二万三万三万四万五万東東西西  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ツモ西  ドラ東

2,000・4,000は2,400・4,400。

南3局はまた沢崎が700・1,300。

南4局、ラス目櫛田の親リーチに誰も向かえず1人テンパイ。
1本場は中村が2,000は2,300をアガリ、終局となった。

1回戦
沢崎+34.8P・中村+2.9P・宮内▲11.9P・櫛田▲25.8P

 

2回戦(中村―櫛田―宮内―沢崎)
今度は中村が連荘を決める。
東1局2本場
中村がオタ風からポン。その後発をポン。沢崎も3つ仕掛けて対抗したが、あえなく放銃となる。

八索八索三筒四筒四筒五筒六筒  ポン北北北  ポン発発発  ロン五筒  ドラ八索

沢崎もこの打点は想像通りといったところか。5,800は6,400の放銃。

南入時点ではこうなっていた。
(親から)中村46,500・櫛田20,500・宮内25,500・沢崎27,500

南1局は沢崎がきっちり高めツモ。

九万九万七索八索九索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ九筒  ドラ東

裏ドラは乗らず2,000・4,000
南2局は宮内が700・1,300
南3局、中村が3巡目リーチ。
親の宮内も追い付いてリーチを掛けるが、結果は中村のツモアガリ。

二万三万四万七万八万九万二索三索四索西西白白  リーチ  ツモ白  ドラ八索  裏三筒

1,300・2,600のアガリ。
南4局、沢崎の親を流せれば中村はトップだ。しかし立ちはだかるは雀魔王。

二万三索三索三索発発発  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き  ポン白白白  ロン二万  ドラ七筒

中村が沢崎に痛恨の放銃。12,000!
まむしの牙が食い込んだ。

次局は櫛田が着上がりを目指しリーチするも、宮内が沢崎からアガリ終局。

2回戦
沢崎+28.6P・中村+11.0P・宮内▲9.5P・櫛田▲30.1

2回戦終了時
沢崎+63.4P・中村+13.9P・宮内▲21.4P・櫛田▲55.9P

1、2回戦が同じ並びになってしまい、それぞれが離れてしまった。
残り2回あるとはいえ、もうここから現状トータル2位の中村に照準を合わせていかなければならない。

 

3回戦(沢崎―櫛田―宮内―中村)
今度は櫛田が連荘!
予選1位の意地を見せ、持ち点は50,000点を超えた。
南入時
(親から)沢崎31,100・櫛田50,300・宮内20,900・中村17,700

櫛田はターゲットの中村とトップラス。この時点で62.6ポイント縮め、残り7.2ポイントと迫った。

南3局には宮内が粘る。

三万三万五万六万七万三索四索六索七索七索八索九索九索  ドラ三万

この1シャンテン。
下家の中村がピンズのホンイツ仕掛け。しかし関係ねえ!とばかりにピンズを突っ張る!
そしてドラの三万をツモって待望のテンパイ!だがしかしもうツモ番はない。それも関係ねえ!とばかりにリーチといった。
これを受けて中村は四万を押せずテンパイをはずすことに。
宮内1人テンパイ。

続く1本場でも宮内がリーチ。

二万三万四万四万五万六万五索七索八索八索二筒三筒四筒  リーチ  ドラ六筒

宣言牌は三索。一旦七索を切って三色変化…を待たないのが宮内流。
迷わず即リーチにいける強みが宮内にはある。中村→宮内3,900は4,200。

次局は沢崎が700・1,300(900・1,500)のツモアガリ。
南4局
(親から)中村7,600・沢崎31,400・櫛田56,400・宮内24,600
6巡目に櫛田がリーチ。
ダメ押しみたいなドラの中単騎リーチだ。
しかしここはこの並びを受け入れた宮内が、3つ仕掛けて1,000点で終了。このポイント差での最終戦を選んだ。

3回戦
櫛田+40.4P・沢崎+6.4P・宮内▲8.4P・中村▲38.4P

大きなトップとなった櫛田はトータル2位まで上がってきた。

3回戦終了時
沢崎+69.8P・櫛田▲15.5P・中村▲24.5P・宮内▲29.8P

沢崎はほぼ当確。他の3人は大体着順勝負だ。(宮内は櫛田より4,400点以上必要)

 

4回戦(中村―櫛田―沢崎―宮内)
東1局、親の中村が白ポン北ポン。どうやらドラ色のホンイツだ。
そこに沢崎がチー!このチーで中村から櫛田に下がったのが発
中村の手牌はこうだった。

四筒五筒六筒発中中中  ポン白白白  ポン北北北  ドラ三筒

6,000オールの喰い流し。しかも沢崎は1シャンテンで、八筒なども勝負した。何かを感じたのであろうか。
沢崎の麻雀を観ていると、まるで魔界にでも足を踏み入れたかのような気になる。絶妙な鳴きが多すぎるのだ。
さらに発はもう1枚櫛田に流れた。

発が重なった櫛田は数巡テンパイ(役なし)となったが、中まで流れてきてしまっては撤退せざるをえなくなった。
相手を正当評価し、リーチを打たなかった櫛田の繊細さを垣間見た。
中村1人テンパイ。

次局、13巡目中村リーチ。
沢崎→中村5,800は6,100

東1局2本場
またも中村リーチ。

七万七万一索二索三索四索五索五索六索六索白白白  リーチ  ドラ八筒

そこに沢崎
一万一万三万四万五万五索六索七索七筒七筒八筒八筒九筒  ドラ八筒

実は九筒が3枚切れで高めはなし。このテンパイで無スジを3連打した。
中村・沢崎の2人テンパイ。

続く3本場は2軒リーチで櫛田・宮内の2人テンパイ。
さらに東2局4本場は宮内の1人テンパイ、とまるで勝者を決めかねているかのように、なかなかアガリが出ない。

南入時
(親から)中村37,100・櫛田31,300・沢崎30,000・宮内21,600

しかしここで均衡は破れた。
まずは中村の親リーチに宮内が果敢に追いかける。
しかし軍配は中村。

二万二万二万五万六万七万八万八万二索二索二索六筒七筒  リーチ  ロン八筒  ドラ七筒

宮内→中村7,700

1本場は2軒リーチで流局。
2本場、櫛田がリーチするも中村に捌かれ、
櫛田→中村2,900は3,500

3本場、今度は沢崎から

六索七索七索八索八索中中  ポン南南南  ポン白白白  ロン六索  ドラ中

沢崎→中村18,000は18,900!
中村、全員から打ち取り持ち点は70,000点を超えた!

南3局にも見せ場が。
沢崎の親リーチ

三万四万五万六万七万一筒一筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒  リーチ  ドラ七万

これにドラ切りで追いかけたのが宮内。

六万七万八万六索六索七索七索八索八索二筒二筒六筒七筒  リーチ  ドラ七万

これまで沢山リーチしてきた宮内。
渾身のドラ切り追っかけリーチも流局に終わった。

南4局
(親から)宮内10,500・櫛田23,400・沢崎8,600・中村77,500

なんと中村はこの半荘1回で沢崎との差94.3ポイントをまくり、トータルトップに立っていた。
親の宮内は中村をまくるくらいまで連荘あるのみ(ターゲットは沢崎だが)。
櫛田は中村・沢崎からの役満直撃orダブル役満ツモ。
中村・沢崎はこの局を消化できれば勝ち上がりとなる。

まず中村がオタ風の北を仕掛けた。
そして親の宮内のリーチ

三万三万七万八万九万四索六索七索八索九索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ五索

二索を切り、ドラ待ちにした宮内。無情にも一発ツモは三索だった。これは仕方ないか。
その後、宮内が切った南を沢崎がポン。もう終わらせるべく親リーチに対しても前に出る。
そしてきっちりアガリ牌の五索を喰い取り、宮内からアガリ切った。

これにてD卓も終了。
沢崎が沢崎らしく、中村が中村らしく勝ち上がりを決めた。

1位通過:沢崎誠 2位通過:中村毅

最後のアガリでまたトータルの順位も変わり、それによりベスト8の組み合わせも変わった。

ベスト8
【A卓】藤島健二郎vs前原雄大vsともたけ雅晴vs中村毅

【B卓】ケネス徳田vs山脇千文美vs東谷達矢vs沢崎誠

今期のWRCリーグはDリーグ以下の選手がいないベスト8となった。
どちらの卓も白熱する対局となること間違いなし!
第4期を制するのは誰だ・・・!!

第31期中部プロリーグ 第6節レポート

●Aリーグ(執筆:村瀬 寛光)

今期A・Bリーグのレポートを担当させて頂きます23期生の村瀬寛光です。拙い文章になるかもしれませんが、半年間どうぞ宜しくお願い致します。

いよいよ第31期中部プロリーグ6節目を迎え、後半戦突入である。
第1節の組み合わせは下記の通りとなった。
1卓 伊藤・森下・朝岡・加藤
2卓 三戸・都築・日下・古川
3卓 山本(拓)・土岐・小野・杉村

1卓
注目選手は現在首位で2度優勝経験を持つ伊藤。最近の成績でも非常に安定しており、見ていてもミスも少なく、しっかりアガリをものにしている。その言葉の通り1回戦目から積極的に仕掛けては2,900、続くリーチで7,700出アガリと順調に点棒を増やしていく。
南場では森下との一騎打ちとなったが接戦を制したのはやはり伊藤だった。
続く2回戦も伊藤の勢いは止まらず、森下、朝岡、加藤が苦戦を強いられ1人浮きのトップを取る。このまま独走態勢に入るかと思われたが、4回戦で手痛い1人沈みを引かされ+22.2Pで終了。それでも卓内トップで終えたあたりはさすがである。

2卓
前期優勝者で鳳凰位戦A1所属の古川と、共にAリーグ優勝経験を持つ三戸・日下に挑む形となったのは今期よりAリーグ入りした都築。
都築は30期生なのだが、同期や後輩選手の中では最速で昇級した若手の注目選手の1人。
ベテラン選手相手に果たして結果はいかに。

1回戦目は都築・日下・古川でアガリを積み重ね、三戸が1人置いてきぼりの状態となる。
ほぼアガリがない苦しい状況だったが、なんとか2回戦目で三戸も奮起しトップを取ることに成功した。

そんな三戸がトップを決定づけた1局(3,000、6,000)がこちら。
南2局

二索二索九索九索九索一筒一筒北北北  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ドラ北

二索を力強く引き上げた様は1回戦目のうっぷんを晴らすかのようなツモに見えた。

3回戦目のオーラス、トップ目は日下で3着目の古川の仕掛けが印象的だった。
南4局 西家 古川26,600

二万三万四万五万五万三筒三筒  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  ポン西西西  ドラ二万

ドラが1枚しかない形から仕掛けテンパイも、ドラを立て続けに引き2,000、4,000のアガリで2着に浮上。古川らしい打ち方でさすがの一言である。

3回戦目まで日下が1着、2着、1着とオールプラスにまとめ、独壇場かと思われたが4回戦目で事件が起きる。
東1局起家 都築

一筒一筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒西西西  ドラ西

終盤だったがこの手をヤミで四筒ツモ。破壊力十分の8,000オールを引きアガる。
さらに続く1本場、

三万四万五万三索四索五索八索八索二筒四筒六筒七筒八筒

この形から手応え十分の五筒を引き即リーチ。
これは当然の如く高目の三筒を引き上げ6,000オール。
なんと2局で42,000点を叩いて最後の最後で勝負を制した。しかしその後、三戸が四暗刻をツモアガリしたことでマイナスを最小限に抑えることに成功、日下はさらに大きなマイナスを押しつけられる結果となり4回戦だけでそれまでの貯金をすべてはき出してしまった。
1局の親さえあれば希望はいくらでもあると改めて思い知らされた場面である。

3卓
こちらは優勝経験のある小野・山本(拓)・杉村とAリーグ8年目を迎えた土岐との戦い。
1・2回戦まで土岐、小野の2人でポイントを分け合う形だったが、3回戦目を制したのは小野。山本(拓)も2回戦目から調子を上げて最終的には小野もかわし卓内トップについた。結果的には土岐・杉村がマイナスを分け合い終了。
杉村はこれで暫定16位の降級圏内と残り4節あるとは言え、今期は4人が降級対象のためポイント的にもかなり厳しい立ち位置になってしまった。しかし杉村は第30期の静岡リーグ(プロアマ混合)において、最終戦だけでトップと100P以上差があったのをひっくり返し、優勝を果たした地力を持つ選手なので今後に期待したい。

残り4節、熾烈な戦いはより一層激しくなっていくと予想される。
決勝に向けて前だけを見る者、まずは残留圏内脱出を試みる者、現在置かれている自分の状況に応じて冷静かつ慎重に選択していかなければならない。
今回の結果のように可能性は無限大にあると同時に、一歩間違えば一気に奈落の底へ突き落とされる場合もある。
その時いかに場況を見極め、正確な押し引きと手組みを出来るかが今後のカギとなろう。
「プロ」としてどれだけ結果を示せるか。次節も刮目して待て。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 伊藤 鉄也 15.6 ▲ 33.6 ▲ 19.6 90.7 63.2 22.2 138.5
2 小野 雅峻 73.1 32.5 3.8 12.4 ▲ 41.7 20.2 100.3
3 掛水 洋徳 ▲ 8.9 ▲ 3.5 39.7 54.1 ▲ 1.9 0.0 79.5
4 土岐 雄太 17.8 21.3 15.7 ▲ 11.0 32.4 ▲ 15.3 60.9
5 三戸 亮祐 5.4 3.3 5.3 33.1 34.3 ▲ 23.6 57.8
6 林 俊宏 13.3 11.7 ▲ 12.3 ▲ 5.2 3.1 0.0 10.6
7 山本 拓哉 ▲ 86.7 19.8 ▲ 19.7 44.7 21.5 22.4 2.0
8 日下 健司 ▲ 40.1 ▲ 5.0 30.3 ▲ 7.4 20.0 2.1 ▲ 0.1
9 森下 剛任 ▲ 7.4 18.6 ▲ 30.2 16.0 ▲ 8.7 ▲ 9.7 ▲ 21.4
10 都築 友和 ▲ 14.2 5.8 2.8 ▲ 0.3 ▲ 63.9 40.6 ▲ 29.2
11 加藤 泰史 16.2 ▲ 25.5 45.0 ▲ 38.1 ▲ 17.4 ▲ 24.1 ▲ 43.9
12 朝岡 祐 22.1 ▲ 27.1 ▲ 25.3 ▲ 37.8 6.2 11.6 ▲ 50.3
13 清水 哲也 ▲ 9.0 ▲ 25.5 20.1 ▲ 4.2 ▲ 32.8 0.0 ▲ 51.4
14 古川 孝次 ▲ 2.0 26.3 ▲ 52.8 ▲ 79.1 59.2 ▲ 20.1 ▲ 68.5
15 寺戸 孝志 35.7 ▲ 18.6 23.6 ▲ 48.7 ▲ 64.9 0.0 ▲ 72.9
16 杉村 泰治 ▲ 30.9 ▲ 3.5 ▲ 27.4 ▲ 39.2 ▲ 28.6 ▲ 27.3 ▲ 156.9

 

 

●Bリーグ(執筆:村瀬 寛光)

日々続く酷暑の中、そんな暑さにも動じない選手達の闘志みなぎる場、第31期後期のBリーグが開幕した。
第30期よりAリーグが通年制となったため、今期の昇級を逃すと参加が1年先伸びしてしまうので、是が非でも昇級を決めたいところだろう。

それでは結果を順に見ていこう。
5卓は元Aリーガーの青山・佐藤両名に加え、前期Cリーグから昇級を果たした大町・太田の対戦となった。結果は卓内トップ大町の今節暫定2位で+52.5P。そして青山がオールプラスで終え+39.1P。青山に関しては前期惜しくも3位で昇級を逃したが、さすがの安定感で結果を残した。

続いて6卓。田村・中谷・木村・安藤の戦い。
注目選手はやはり実力は誰もが認める中部本部長でもある木村。ベテラン対若手3人の戦いだったが、安藤が5万点以上のトップを2回取り、終始3万点を越える点数をキープし+78.0Pを叩いて暫定首位の座に君臨した。

そして7卓。昇級組の大滝・堤と金平・富村の構図だ。
序盤から態勢の良い金平が、1着、3着、1着と3回戦までオールプラスにまとめ、卓内トップを死守した。逆に大滝は実力を十分兼ね備えている選手なのだが、今日は端から見ても苦しい展開ばかり押しつけられており、私ならここまで耐え凌いでマイナスを抑えられるかは正直厳しいだろう。

最後は8卓。こちらも前期Cリーグより1位昇級を果たした岡田を、大橋・高橋・斉藤が迎え撃つ形だ。これまでの経験則を踏まえ昇級組と対戦する場合、相手の打ち方や雀風などの情報が少ないため、つい慎重になり相手より出遅れてしまう事があるのだが、ここは前期Bリーグ在籍のプロに軍配が挙がる。1人沈みの手痛い洗礼を浴びる結果となってしまった。
ここでは斉藤が2回戦目に6万点オーバーの特大トップを取り暫定3位につけた。
終了後、岡田から少し話しを聞く機会があったのだが、今回の結果をしっかり受け止めて次を見据えて話す姿勢は、私も見習わなければならないと切に感じた。

第1節は終わったばかりだが、Bリーグは残り4節しか残っていない。
もちろん選手達は最良な結果を残すため、すでに次節に向けて準備をしているだろうが、今節の結果が今後の大きな指標になることは間違いないはずだ。
敗者はもちろんのこと、勝者といえども修正点は常にある。そこへ真摯に向き合い追求していくことがさらなる勝利を呼び込む近道だと私は信じる。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 安藤 大貴 78.0 78.0
2 大町 篤志 52.5 52.5
3 斎藤 寛生 44.1 44.1
4 青山 大 39.1 39.1
5 金平 裕樹 32.3 32.3
6 高橋 侑希 21.5 21.5
7 大橋 幸正 11.5 11.5
8 堤 文吾 4.0 4.0
9 富村 つぐみ 0.2 0.2
10 田村 良介 ▲ 19.1 ▲ 19.1
11 佐藤あいり ▲ 24.5 ▲ 24.5
12 中谷 彰吾 ▲ 28.9 ▲ 28.9
13 木村 東平 ▲ 30.0 ▲ 30.0
14 大滝 聡 ▲ 36.5 ▲ 36.5
15 太田 充 ▲ 68.1 ▲ 68.1
16 岡田 智和 ▲ 77.1 ▲ 77.1

 

 

●Cリーグ(執筆:長谷川 弘)

炎昼、第31期中部プロリーグ後期Cリーグ第1節が行われた。

昇級した若手、降級したある程度経験豊富な者、前期からの残留者、それらが混在するCリーグは、戦国乱世の様相を呈したある種特有の雰囲気を感じる。

言うまでもなく、昇級した若手は己の実力を確認する作業に追われるだろう。
鈴木涼太は牌効率、フーロを有効に使ってのテンパイ最優先を意識したが、絞りの厳しさに窮屈さを感じ、日高は手探りではあったものの全力で臨むも、思い通りの麻雀が打てない、いや打たせてもらえなかったと感じたようだ。
山本美文は、守備に偏りすぎたかつてのスタイルを修正したことが前期昇級の一因と捉え、これがどこまで通用するか見極め、成長の糧になればと語った。

しかし、降級、残留者は様々なジレンマを抱えて対局に臨んだに違いない。
残留に甘んじるつもりはさらさらない。経験、ある程度の実績、日々の姿勢と努力、それでも容易に伴わない歯がゆい成績と結果。
偶然とも思われるプレーに心が揺さぶられ、正攻法という言葉に疑念が湧く。
それでも、頭を抱えている暇はない。正着か否かを常に正確に見極める努力を怠れば、この混戦を抜け出すことは到底困難だ。
肯定と否定、自身の中に湧き上がるこの2つの言葉に振り回されることなく、それでも揺れない根拠ある安定した指針を定着させることが、今後の成績を占うカギとなるに違いない。

昇級者で唯一Aリーグ経験者の鈴木雄介は牌捌き、方針決定に淀みがない。
局面を詳細に記憶して、既に圧力が有効に働く場面や、展開上、相手を楽にさせない施策も構築済みのようだ。決して安泰とは言えないまでも、今節の着実なスコアがその繊細な観察力を裏付けているといえるだろう。
彼がジレンマを感じるとすれば、一局一局の些細なでき事にではなく、第5節終了時の最終結果にのみではないだろうか。
この手練れを相手にするのは容易ではないはずだ。

目まぐるしく移り変わる局面を瞬時に読み取り、手牌の伸びに安易に蓋をせず熟考し、的確に対応する。これらは当然のことながら上位入賞には必須の作業である。
また、成長途上の者は正確で瞬発力のある優れた判断力をも養わなければならない。

競技プロとして常に繊細に、また丁寧に構えることは誰しも真剣に心掛けていることだろう。
しかし、大きな果実を得るためには時には目の覚めるような大胆さも必要ではなかろうか。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 越川 清一 69.4 69.4
2 大高坂 松城 38.0 38.0
3 若松 正和 35.5 35.5
4 太田 峻也 35.3 35.3
5 岡本 丈司 33.4 33.4
6 池沢 麻奈美 19.5 19.5
7 鈴木 雄介 16.2 16.2
8 日高 志穂 15.2 15.2
9 杉浦 貴紀 11.6 11.6
10 浅野 文雅 ▲ 6.0 ▲ 6.0
11 原田 知彦 ▲ 25.6 ▲ 25.6
12 鈴木 涼太 ▲ 43.1 ▲ 43.1
13 大西 義則 ▲ 45.7 ▲ 45.7
14 河合 慎悟 ▲ 46.0 ▲ 46.0
15 山本 美文 ▲ 46.9 ▲ 46.9
16 蓮池 浩太 ▲ 65.8 ▲ 65.8

 

 

●Dリーグ(執筆:長谷川 弘)

猛暑冷めやらぬ中、第31期中部プロリーグ後期Dリーグが開幕した。
前期Cリーグから降級した者、昨年プロとして己の技術を研鑽すべく門をたたいた者、それぞれ思い入れに幾分かの違いはあれど、昇級を目指して慎重に第1節に臨んだはずだ。

4リーグ制の中部プロリーグにおいて、Dリーグは唯一降級を考慮する必要のないリーグだ。
それは即ち、戦略上の様々な試みを存分に試行できる場であるともいえよう。
特に初々しい若手の面々はセオリーに囚われない思い切った対局を心掛け、何か1つでも強い感触を得てほしい。
セオリーとは先人が培った経験則からはじき出された、対戦上やや、もしくは局面によっては有用に働くと思われる確率論だ。もちろん、意図的にセオリーを無視することは精神的に少々負担のかかる行為であり、ときには望外の結果に晒されることもあるだろう。
しかし昨今、麻雀以外の様々な分野においてセオリーに囚われず、新たな試みによって成功を収めた例は数知れない。麻雀という競技もまだまだその範疇にあり、例外ではないはずだ。

人に行動を促す言葉にはお国柄があるらしい。ある国では「あなたはこれをやればヒーローになれますよ」、他方「これはルールですから」、日本では「これはみんなやってることですよ」だそうだ。
和をもって他者と調和することは、広範囲の社会生活では、ある意味必要不可欠なことだ。
しかし、卓上ではルールとマナーの確実な許容範囲内であれば、不協和音も1つの立派な戦術である。
他者の目にひたすら縛られ、いつまでもセオリーと評価に比重を置いていては、強力で安定した実力を備えるには程遠いだろう。

後藤は配牌、ツモ牌から常に思慮深く牌の声を聴き、その手牌がどこに向かおうとしているのか探っているという。馬鹿げた話と本人ははにかむが、それもある意味、セオリーに囚われない1つのスタイルだ。
羽川からは他者の評価より、自身がどうしたいのかという安定した方向性を感じる。「トップ通過で昇級したい」という本人談からも強い意志が汲み取れ、対局中の行動と一致する。

両者とも細かいミスは否めないが、今はそれでいい。
しかしやはり、自ら競技プロの道に進んだ以上、ときには最低限の正確な判断を求められる時もある。
セオリーと自己のスタイルの狭間でもがき、たとえ右往左往しようと、どれだけ自身を成長させられるか安易に見限らないでほしい。
己を高めようという強い意志さえあれば、まだまだ何色にも染まる。

Dリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 菅野 直 50.7 50.7
2 山田 まさとし 43.1 43.1
3 近藤 美香 34.8 34.8
4 後藤 咲 1.7 1.7
5 鈴木 基芳 ▲ 1.1 ▲ 1.1
6 羽川 えりか ▲ 6.1 ▲ 6.1
7 家田 みゆき ▲ 9.5 ▲ 9.5
8 加来 千香子 ▲ 25.1 ▲ 25.1
9 鈴木 淳 ▲ 29.2 ▲ 29.2
10 奥 潤次 ▲ 79.3 ▲ 79.3

第18期北陸リーグ 最終節レポート

初めまして。
この度第18期北陸プロアマリーグ最終節のレポートを担当させて頂く事になりました木原翼と申します。
勝手ですが初めに自己紹介をさせて頂きます。

木原翼(きはらつばさ)、34期生(前期)、福井県出身在中、25歳、O型。
好きなスポーツは野球で阪神タイガースファンです。
尊敬しているプロ雀士は滝沢和典プロ、藤島健二郎プロです。

それではレポートに移らせて頂きます。
初めてですので至らない部分があると思いますが最後までよろしくお願い致します。

・最終節組み合わせ(敬称略)
A卓(1・4・5・8位卓)/北川(184.9P)×浦田プロ(87.6P)×木下(87.5P)×小泉(63.9P)
B卓(2・3・6・7位卓)/平澤(163.8P)×志多木プロ(114.8P)×木原プロ(76.9P)×森田(66.3P)
C卓/宮川×獅坂プロ×藤本プロ×前田プロ
D卓/中西×恵比須×本田プロ×安城プロ
E卓/荒谷プロ×南プロ×里木プロ×山元
F卓/高出×秦×成田プロ×木戸プロ
G卓/表×後藤プロ×美咲プロ×飯田

7月22日(日)、第18期北陸プロアマリーグも最終節を迎え、決勝進出者4名が決定する。
現在1位の北川さん、2位の平澤さんは大きくポイントを持っており通過はほぼ間違いない中、決勝戦はアドバンテージが与えられるので1位通過を狙いたい。
A卓は現状ボーダーである4位の浦田プロが5位の木下さんとは0.1P差、8位の小泉さんとは23.7P差と目標である卓内2位が熾烈な模様。
B卓は私6位の木原が37.9P差、7位の森田さんが48.5P差で3位の志多木プロを追いかけて卓内2位を狙う。
ただし現状ボーダーが90Pにも満たないので卓内2位になれなくてもトータルポイントを3桁に伸ばし4位に滑り込むことが出来るかもしれない。
C卓にいる4名も大きくポイントを伸ばすことが出来ればそのチャンスがあるので大きく行きたいところである。
その他の者たちも目先の目標が無く難しいが各自のテーマを持ちしっかり打ち切りたい。
特にポイントをマイナスしているプロは最後に奮起し意地を見せたいところ。

1位通過を決めたのは213.9Pで北川さん。
最終節は3回戦を終えた時点で▲0.4Pだったが最終戦に5万点を超えるトップを取りトータルポイントを伸ばした。
今回の20半荘を振り返ってみるとトップが10回、原点以上を持っている浮きが14回と誰が見ても1位に納得の成績。
今回は始まる前から周りに優勝すると宣言しそれを実行したとのこと。
そうすることで自らを奮い立たせメンタルを強く持つことが出来たことと年齢も加味して体調管理を行い良い状態で迎えることで良い麻雀が打てたと振り返られた。
決勝はアドバンテージを利用して優勝したいと強い意気込みでした。

2位通過は196.9Pで平澤さん。
最終節は1回戦目にラスを引いてしまうも残り3戦をトップ1回、2着2回でまとめしっかりポイントと伸ばした。
平澤さんは20半荘で浮きが16回と安定した麻雀に加えトップを取った6回を全て4万点以上と打点力があり、手数も多く私自身も最終節同卓したがアガれなかった勝負手はほとんどが平澤さんにアガリ切られしまった。
対局後話しを聞くと、ポイントを持っていたので自分が行かないと終わらないから押したと言っておられました。
決勝戦はアドバンテージもあるが焦らずベストを尽くして優勝を目指したいとのこと。

そして3位通過は134.5Pで藤本プロ。
37.3Pの11位で迎えた最終節に96.4Pと大きくポイントを伸ばし3位で決勝へ。
今期を振り返ってもらったところ、周りが競技麻雀の打ち方に近づいていて今までよりもやりづらい部分があった。
決勝には3回に1回は残りたかったので良かった。
2年前の決勝の忘れ物を取りに行くとのこと。

最後に4位通過は126.1Pで志多木プロ。
今期は半荘単位で主導権を取る意識で臨んだ。
決勝は4位通過でアドバンテージが無いので最初から勝負していき楽しみたいとのこと。

私自身は次点の5位と悔しい立ち位置で終了した。
最終節に関しては3回戦目に4着だったとこが響いたがポイントを持って迎えた3節目、4節目に若干だがマイナスをしてしまったことが繋がっている。
次は必ず一緒に決勝に残ろうと開始時点ボーダーで迎え最後は6位で終わった浦田支部長と約束しました。

北陸プロアマリーグとしては今回18期目で初めてプロと一般の方の人数が15人ずつと一緒になった。
第17期は決勝が一般の方4名と恥ずかしい結果に終わり迎えた今回、半分の15位以内にプロが10人入ったことはまず良かったと思うがただそれは本来在るべき姿に近づいただけであり決勝にはプロと一般の各2名ずつと分け合い1位、2位通過は一般の方という結果で終わっている。
マイナスで終えたプロは6名。
今回浦田支部長はプロに対してマイナスで終わるなと何度も言ってきたので次回も続けてマイナスにならない様に、プラスで終えた者は更に上に行ける様に、各自稽古に努めていき北陸支部のレベルアップに繋げていきたい。

最後までご覧頂きありがとうございました。

第18期北陸リーグ 第4節レポート

今回、北陸リーグ第4節のレポートを担当させて頂く事となりまし た。 日本プロ麻雀連盟33期生 里木祐介と申します。自律神経整ってる系雀士として活動しております。

自律神経という言葉を初めて聞いた方もいらっしゃるかと思いますので、レポートを始める前に少し説明させていただきたいと思います。

自律神経とは『交感神経』『副交感神経』で構成されています。
車に例えるなら『交感神経』はアクセル『副交感神経』ブレーキ。
交感神経の働きが上がるとアグレッシブな状態、副交感神経の働きが上がるとリラックス状態となります。
この2つが1対1でバランスが取れていると、人間の心身はとても良い状態となります。

なぜ私が自律神経と麻雀を結びつけるかというと、麻雀がメンタルに左右されやすい競技だと思っているからです。

自律神経が乱れていると、血液の循環が悪くなり脳の働きも低下します。局面局面で重要な判断を迫られる麻雀において自律神経が乱れた状態では、本来の力が出せなくなるのです。

日々の生活においても、自律神経が乱れているとやる気がでなかったり、どんよりした気持ちになったりします。そのような状態で麻雀の勉強をし、雀力の向上を図ろうとしても自律神経が整っている状態と乱れている状態では向上率が圧倒的に違います。

なので、自律神経を整える事は麻雀打ちとしても人間としてもとても大切な事なのです。

ここまで自律神経の大切さを説明しましたが、自律神経をいかにして整えるかについては、ここでは秘密とさせていだきます。
長くなりましたが、ここから北陸リーグ第4節について振り返って いきたいと思います。

私自身、4月から北陸支部へ移籍をしたばかりで右も左もわからぬ 状態でありますが、リーグ戦第4節で思った事、感じた事を主観ながら皆様にお伝えできればと思います。 拙い文章ではありますが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。

第3節終了時点でトータルトップは一般の北川さん。第4節ではその北川さんと同卓になり『北川さんを沈めて自分が大きく勝てればまだチャンスはある』と意気込んだ私だが、1、2回戦連続で4着となり、その思いは水泡に帰す事となった。というのも、北川さんのゲームメイクがとにかく素晴らしかった。

北川さんは、試合後の会話の中で『手数の多い麻雀を心掛けている 』と語ってくれた。
その言葉通りに、何度も精度の高いアガリ、押し返しを見せられ自分の浮上の目をことごとく潰された印象。
今節も確実にプラスを重ね、トータル184.9Pでトップをキープ。2位も一般の平澤さん+163.8P。3位、4位は志多木、浦田支部長と続いた。

志多木は第4節2位の平澤さんと同卓。『平澤さんを沈めて、5節目を優位にしたかったが平澤さんが注意深く、丁寧に打っていた為 、思い通りにはいかなかった』と志多木。
とはいえ平澤さんが+24.2とポイントを上積みする中、 平澤さんをマークしつつ自身も+43. 0ポイントと加点し決勝進出へ向け大きく弾みをつけた。

4位、浦田支部長は日頃から『プロは勝たなければいけない』と仰っておられ、それを自身で体現するかの如くの好成績、さすがの一言。
今節+31.2ポイントとし決勝進出圏内へ浮上。

別卓では実力者藤本プロが+37.3ポイントとし、 虎視眈々と決勝進出を狙う。
新人の南プロは+59. 3ポイントで今節の勝ち頭となり最終節へ望みをつないだ。
同じく新人の木原プロは前節終了時点では決勝進出圏内につけていたが▲19.3とポイントを減らし5位と後退。
次節での再浮上へ息を巻く。

次節はいよいよ第5節。実力者揃いの上位陣が安定した戦いで決勝卓を勝ち取るのか、それとも中位下位からの逆転はあるのか。熱い戦いになる事必至!
最後までお付き合い頂き有難うございました。

第4期JPML WRCリーグ ベスト16C卓レポート

【C卓】
ともたけ雅晴(WRCチャンピオン)vs東谷達矢(C1)vs桜川姫子(D2)vs中村慎吾(C1)

WRC世界チャンピオンのともたけ雅晴がシード選手として登場。

 

1回戦(ともたけ―桜川―中村―東谷)
C卓は中村の1,000・2,000からスタート。この卓はテンポが良く、回りが早い。
東4局1本場ではともたけが九索をポン。

二索三索四索五索六索北北発発発  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ドラ北

やはりともたけの仕掛けは迫力がある。ともたけの1人テンパイで流局。

南3局2本場
持ち点はこうなっていた。
(親から)中村26,300・東谷21,500・ともたけ31,000・桜川41,200

親の中村

六万六万六万一索二索三索六索六索七索七索七索三筒三筒  リーチ  ドラ九筒

そして仕掛けて対抗していた東谷。

七万八万二筒三筒四筒六筒六筒  ポン南南南  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ドラ九筒

ツモればトップ目になる中村だったが、九万を掴み東谷に放銃。
中村→東谷3,900は4,500

南4局
(親から)東谷27,000・ともたけ31,000・桜川41,200・中村20,800
ともたけが二万チー。

五万五万六万七万八万九万白発中中  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ドラ北

東4局同様、ドラが北でともたけの一色仕掛け。ともたけブランドもあり、他家はなかなか行きにくい。
ここで東谷が九索をカンすると新ドラが三万。そしてラス目の中村が11巡目にリーチときた。
放銃するとラス落ちまであるともたけは中のトイツ落としで撤退。親の東谷がスジの三索を切るとこれがロン。

中村
六万六万一索一索三索八索八索六筒六筒南南白白  リーチ  ドラ北三万

裏ドラは乗らなかったものの、東谷からの3,200直撃で順位が入れ替わり、跳満相当のアガリとなった。

1回戦
桜川+26.2P・ともたけ+6.0P・中村▲11.0P・東谷▲21.2P

 

2回戦(東谷―中村―桜川―ともたけ)
東1局は中村の2,000・4,000スタート。
東2局、東谷・桜川の2軒リーチ。
ともたけが無スジの六索を切ると、なんと中村と桜川のダブロン。
上家の中村のアガリが成立。

三万三万五万六万七万五索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  ドラ一筒

ともたけ→中村7,700

同3本場ではともたけが中村から2,000は2,900のアガリ。少し取り返した。

南3局
(親から)桜川19,000・ともたけ24,200・東谷32,000・中村44,800

親の桜川に選択の時。

二万三万四万六万六万三索四索六索七索八索五筒六筒中中  ドラ五索

桜川は五筒切りを選択。
そして2巡後のツモ中をとらえ、リーチと行った。

二万三万四万六万六万三索四索六索七索八索中中中  リーチ

かなり手応えがあったと思う。しかし現実は残酷なもので、雀頭の六万をもう1枚持ってきて放銃となってしまった。

五万七万三索四索五索五索五索四筒五筒六筒  チー三筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き

リーチが入ってからチーしてテンパイを入れた中村に8,000の放銃。

南4局も5巡目に中村が先制リーチ。親のともたけ追いかけるも、中村がツモ。

一万一万一万五索六索三筒四筒五筒六筒七筒八筒南南  リーチ  ツモ四索  ドラ八筒  裏一筒

1,300・2,600のアガリで中村は60,000点トップとなった。

2回戦
中村+45.0P・東谷+5.7P・ともたけ▲14.4P・桜川▲36.3P

2回戦終了時
中村+34.0P・ともたけ▲8.4P・桜川▲10.1P・東谷▲15.5P

中村が頭一つ抜け出し1人浮き状態だが、ポイント差はそれほどないため油断はできない。残り2回。

 

3回戦(中村―ともたけ―桜川―東谷)
東2局、中村が3巡目テンパイ

二万四万二索二索三索四索五索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  ドラ中

次巡にツモ二索→打五索で役ありへ。6巡目には六筒を引きタンヤオもついた。
しかし中村がアガれぬまま巡目は進み、14巡目桜川

二索三索四索五索六索四筒四筒七筒八筒八筒発発発  ツモ六筒  ドラ中

八筒切りリーチ!
そして次巡ともたけの手牌。

一万二万二万三万五万五万六万七万七万八万八万八万九万  ツモ四万

ともたけは八万を切り、三万待ちを選んだ。18,000テンパイ。
しかし桜川の一発ツモ!なんと裏ドラが四筒で3,000・6,000のアガリ。

次局、親を迎えた桜川は10巡目にリーチ!
しかしここはともたけに捌かれる。東谷→ともたけ2,000

南入時点での持ち点
中村26,500・ともたけ29,000・桜川39,500・東谷25,000
南1局
12巡目、中村がリャンメンをチーした。そして切った牌が五筒である。
中村がテンパイだとするなら、この五筒のまたぎスジは非常に切りづらい。しかもその場合、中村のスタイルからいってドラドラ以上も想定しなければならない。
そしてともたけがこの形である。

二索三索三索四索四索二筒二筒二筒三筒五筒六筒六筒七筒  ツモ七筒  ドラ二索

さて何を切るか。
ともたけは危険を承知で、打点MAXを目指し三筒切りとした。この三筒は無事に通過。
続いて桜川が1シャンテンから四筒をツモ切ると、これが中村に放銃となる。

七万八万九万二索二索五筒六筒東東東  チー六万 左向き四万 上向き五万 上向き  ロン四筒

トップ目から5,800の放銃となった桜川。少しもったいなく思えた。

次局桜川、三色テンパイをヤミテン。この選択が功を奏し、すぐにともたけから2,600は2,900のアガリ。

南2局、5巡目桜川の手牌

三万四索五索六索九索二筒二筒三筒六筒六筒八筒八筒八筒  ツモ八索  ドラ九索

手格好、点棒状況などから、早めにドラを切ってタンヤオに向かう手はある。
しかし桜川は三万を切った。次に持ってくる五索もツモ切った。
桜川には「こうと決めたらこう!」といった節がある。悪く言えばわがままな麻雀なのだが、この手も結局桜川らしい最終形となる。

四索五索六索九索九索二筒二筒二筒六筒六筒八筒八筒八筒  リーチ

ツモれば3,000・6,000からという勝負手になっていた。
だが結果は流局。ともたけ、桜川の2人テンパイ。

南2局1本場 供託1本
桜川、下家東谷のチャンタ仕掛けに対し打ちにくい七筒を手に置いていた。
しかし高め三色のテンパイになってしまった桜川。

五万五万六万六万七万一索一索四索五索四筒五筒六筒七筒  ツモ四万  ドラ八万

桜川は七筒を切った。これが東谷に放銃となる。

一万一万七万八万九万一筒二筒三筒八筒九筒  チー三筒 左向き一筒 上向き二筒 上向き  ロン七筒  ドラ八万

危ないとは思っていた。
だけど手牌に真っ直ぐ向き合うのが姫子流なのだ。

南3局、東谷の4巡目リーチ。
それを一発で掴んでしまう桜川の流れの悪さ。一発目は避けたものの、手が進み2,600の放銃となった。

南4局
(親から)東谷31,300・中村30,800・ともたけ27,600・桜川30,300
大接戦。上から下まで3,700点差。
順位点が1着順10,000点差なので、1,000点のアガリでも実質跳満クラスになることも。もし東谷がともたけに2,000点でも放銃すれば、それ即ち役満放銃と同じなのである。

そんなしびれるオーラス。
最初にテンパイしたのは10巡目、中村。そして12巡目にともたけがリーチ同巡、桜川にもテンパイが。

六万七万八万九万二索二索三索三索四索五索五索中中  ツモ四索  ドラ九万

桜川が長考。放銃すればラス落ち。
でもじっとしていてもラスになるかもしれない。手牌をもう一度見てみる。美しい。なに、悩むことはない。なぜなら手牌と真っ直ぐ向き合うのが姫子流なのだから。(※想像です)

長考後、桜川は六万を切った。するとともたけに一発放銃。

七万八万九万九万七索八索九索三筒三筒三筒四筒五筒六筒  リーチ  ロン六万

このアガリでともたけがトップまで駆け上がった。

3回戦
ともたけ+20.6P・東谷+6.3P・中村▲4.2P・桜川▲22.7

3回戦終了時
中村+29.8P・ともたけ+12.2P・東谷▲9.2P・桜川▲32.8P

 

4回戦(ともたけ―中村―東谷―桜川)
なんとともたけが東1局に6,000オール。いきなり全員の予定が狂うことに。さらに次局も2,000は2,100オールで持ち点は54,300点に。

東3局には東谷も4,000オールをアガリ、トータルトップだった中村がじわじわと追い詰められる。

南入時点
ともたけ47,500・中村23,500・東谷39,500・桜川9,500
トータルはまだ中村の方が東谷より13,000点上にいる。しかし東谷がともたけより上にいくとかなり危ない。

これが南3局には
ともたけ43,500・中村21,500・東谷41,400・桜川13,600

親の東谷が南をポン。ドラの西単騎にすることで、他家をやりにくくした。そして1人テンパイとなり、ついにこの半荘トップ目に。
これで現状、ともたけ・東谷の勝ち上がり。
中村はこの状況にならないようずっと戦っていたのだが、なかなか噛み合わない。次局も東谷の着順を落とすべく仕掛けていくが、東谷に放銃となってしまう。
中村→東谷1,500は1,800

流局を挟み、3本場では中村がともたけに放銃。1,300は2,200。
自分がアガる道以外にも、ともたけに東谷をまくってもらう道がある中村。この放銃は勝ちに近づく一手でもあった。
最終戦南4局
(親から)桜川14,100・ともたけ44,200・中村15,000・東谷46,700

桜川は連荘あるのみ。一次トーナメントで見せた姫子無双を起こせるか。中村は東谷と12.7ポイント差。
つまり(条件1)跳満ツモ、(条件2)着順を落とせる2,600の直撃。

桜川の手牌が良い。

五万七万七万八万九万八索一筒一筒一筒五筒五筒五筒六筒  ツモ七万  ドラ七万

桜川、ソウズが良いと判断したか、打五万とする。
その後四筒をツモるもこれをツモ切り。確かに三暗刻にはなりにくい。もう八索と心中覚悟か。
一方、10巡目には役なしテンパイしていたともたけ。
別にミスではないが、待ちを替えながらアガリ逃しを数回していた。
ツモアガリでも400・700で東谷と着順変化はない。このアガリ逃しで助かったのは中村である。
そして終盤に差し掛かり、(条件1、2)が難しいと判断した中村は、第3の道を目指す。
それは自分とともたけがテンパイ、東谷がノーテンでの流局である。
桜川もノーテンの場合は勝ち上がり。桜川テンパイでも今度は上にいる状態でもう1局となる。

中村はテンパイに向かい三筒をポン。ドラの七万をも切った。
これをスルーしテンパイを取らなかった桜川。ドラ3の手を役なしになんてできない、と姫子流を貫いた。

中村が六筒もポンしてテンパイ。

三万四万五万四索五索七索七索  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ポン六筒 上向き六筒 上向き六筒 上向き  ドラ七万

テンパイとなったものの、中村にアガリによる条件はない。

そして親の桜川。終盤に入ってからの仕掛けて形式テンパイも受け入れず、あくまでメンゼンテンパイにこだわったがなんと最後まで八索にくっつくことはなかった。
親のノーテンが確定した。

この時点でともたけはテンパイを維持。東谷はノーテン。
まさに中村の描いた第3の道に光が射したのだ。

しかし運命のいたずらか。ともたけが最後に引いた牌は中村の当たり牌の六索
仕掛けから見ても、中村にともたけからの出アガリ条件はない。切れば中村が通過、切らなければ東谷が通過。ともたけは切るにせよ、切らないにせよ、通過である。

だが、ともたけは切らなかった。暗刻の東を1枚はずしノーテン。
どちらにせよ通過とはいえ、相手に出アガリ条件がないとはいえ、余裕のある立場から、当たりの形になっている牌を、ともたけは切ることはないのである。

これにて勝負は決した。

中村は最初から最後まで、最善を尽くしたように思う。本当に惜しかった。

そして初戦ラスながら、その後はずっと好位置につけた東谷。最後の局は本当にツラかったと思う。
ベスト8でもその大局観とバランス取りで頑張ってほしい。

1位通過:ともたけ雅晴 2位通過:東谷達矢

第31回静岡リーグ(プロアマ混合) 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 太田 昌樹 プロ 53.1 81.7 12.8 80.2 19.5 247.3
2 藤島 健二郎 プロ ▲ 2.2 41.1 44.5 35.2 120.2 238.8
3 深見 翔 一般 29.5 18.7 36.3 82.2 50.9 217.6
4 平野 敬悟 プロ 22.9 57.3 31.4 35.1 41.6 188.3
5 望月 雅継 プロ 27.6 1.2 17.7 77.6 22.5 146.6
6 堀 孔明 一般 77.5 14.1 49.0 12.5 ▲ 21.5 131.6
7 松永 誠 一般 13.0 32.6 ▲ 0.7 ▲ 2.0 83.6 126.5
8 杉村 泰治 プロ ▲ 27.8 47.0 47.3 67.6 ▲ 10.6 123.5
9 藤井 太郎 一般 61.8 17.2 45.5 21.6 ▲ 41.6 104.5
10 青嶋 宏樹 プロ 32.5 59.0 25.1 ▲ 2.2 ▲ 11.4 103.0
11 大口 伸也 一般 ▲ 19.0 41.5 8.7 9.5 48.8 89.5
12 鈴木 秀幸 プロ ▲ 22.8 26.2 30.6 51.5 3.6 89.1
13 宮地 孝尚 一般 34.2 ▲ 5.3 22.0 18.3 17.1 86.3
14 山本 拓哉 プロ 53.7 48.7 10.6 34.4 ▲ 72.0 75.4
15 村瀬 光佳 一般 54.3 45.8 ▲ 61.2 55.8 ▲ 33.1 61.6
16 島﨑 涼 プロ 20.7 37.9 0.0 0.0 0.0 58.6
17 鷲見 隼人 プロ 7.9 ▲ 9.3 ▲ 5.9 2.1 63.3 58.1
18 鈴木 涼太 プロ 9.8 15.9 ▲ 39.5 32.3 38.1 56.6
19 岡本 茂 一般 11.0 ▲ 12.0 64.2 31.6 ▲ 56.0 38.8
20 伊藤 真 一般 ▲ 43.9 56.6 ▲ 33.8 64.3 ▲ 5.1 38.1
21 都築 友和 プロ ▲ 7.2 40.6 ▲ 1.5 ▲ 26.3 31.6 37.2
22 松清 一樹 一般 ▲ 7.4 ▲ 2.7 ▲ 33.7 ▲ 11.1 91.0 36.1
23 牧野 光治 一般 ▲ 12.7 ▲ 23.0 23.6 10.5 36.8 35.2
24 中野 妙子 プロ 68.5 2.3 ▲ 8.5 16.1 ▲ 45.4 33.0
25 本田 真之 一般 15.5 27.3 ▲ 32.5 14.3 0.0 24.6
26 髙橋 孝基 一般 35.0 12.5 12.1 6.0 ▲ 45.4 20.2
27 足立 純哉 プロ 31.0 ▲ 36.8 81.9 ▲ 15.3 ▲ 43 18.0
28 袴田 一郎 一般 ▲ 13.9 ▲ 31.6 31.9 ▲ 24.8 47.5 9.1
29 鈴木 郁孝 プロ ▲ 26.4 38.0 1.1 20.3 ▲ 35.3 ▲ 2.3
30 大谷 数則 一般 ▲ 26.3 ▲ 25.5 5.7 83.3 ▲ 46.2 ▲ 9.0
31 中野 一男 一般 ▲ 4.5 ▲ 23.0 ▲ 52.0 92.3 ▲ 29.7 ▲ 16.9
32 斉藤 隆 一般 ▲ 35.8 96.1 ▲ 42.3 ▲ 60.0 21.8 ▲ 20.2
33 平田 拓也 一般 ▲ 0.3 ▲ 0.9 11.9 11.6 ▲ 49.8 ▲ 27.5
34 中 寿文 プロ ▲ 75.0 ▲ 55.4 66.2 ▲ 42.3 78.9 ▲ 27.6
35 白井 健夫 一般 ▲ 40.8 34.0 ▲ 35.0 ▲ 16.8 21.7 ▲ 36.9
36 影山 恒太 一般 ▲ 24.6 10.1 ▲ 8.3 ▲ 70.5 54.5 ▲ 38.8
37 大橋 義一 一般 10.2 ▲ 42.5 10.7 ▲ 0.4 ▲ 19.7 ▲ 41.7
38 大橋 幸正 プロ 38.8 ▲ 11.9 ▲ 34.9 ▲ 33.5 ▲ 1.3 ▲ 42.8
39 高木 翔太 プロ ▲ 85.8 18.3 ▲ 4.1 ▲ 12.5 37.3 ▲ 46.8
40 坂本 彰光 一般 ▲ 39.7 ▲ 23.8 56.4 ▲ 53.3 7.3 ▲ 53.1
41 川崎 義之 プロ ▲ 15.3 21.7 ▲ 7.8 ▲ 15.3 ▲ 46.1 ▲ 62.8
42 平岡 理恵 プロ 21.6 ▲ 62.7 26.7 ▲ 60.0 10.7 ▲ 63.7
43 江島 直穀 一般 ▲ 21.7 ▲ 40.0 ▲ 7.2 5.1 ▲ 0.8 ▲ 64.6
44 鈴木 雅人 一般 ▲ 59.9 ▲ 5.5 11.1 ▲ 34.9 14.0 ▲ 75.2
45 土屋 幸弘 プロ ▲ 30.7 ▲ 46.1 ▲ 34.8 18.2 ▲ 6.0 ▲ 99.4
46 山内 紀博 一般 ▲ 11.1 ▲ 41.5 ▲ 2.4 ▲ 24.0 ▲ 25.0 ▲ 104.0
47 源馬 健太 一般 ▲ 2.8 0.0 ▲ 59.9 ▲ 10.9 ▲ 37.4 ▲ 111.0
48 福井 弘人 一般 ▲ 98.2 ▲ 29.7 ▲ 5.4 10.6 1.9 ▲ 120.8
49 八木 寛大 一般 ▲ 65.1 ▲ 46.1 9.7 ▲ 11.2 ▲ 8.4 ▲ 121.1
50 北島 武弘 一般 14.5 ▲ 40.6 ▲ 50.5 ▲ 47.4 0.7 ▲ 123.3
51 京平 遥 プロ ▲ 36.2 ▲ 6.0 ▲ 18.3 ▲ 15.0 ▲ 52.4 ▲ 127.9
52 鈴木 康功 一般 20.7 ▲ 5.5 ▲ 104.8 ▲ 37.3 ▲ 16.1 ▲ 143.0
53 伊藤 裕美子 一般 26.2 ▲ 71.6 ▲ 5.1 ▲ 109.1 ▲ 1.8 ▲ 161.4
54 原 佑典 プロ ▲ 1.4 ▲ 60.3 ▲ 18.3 ▲ 76.6 ▲ 33.6 ▲ 190.2
55 渡辺 洋巳 プロ ▲ 106.8 ▲ 29.5 ▲ 18.5 ▲ 35.3 ▲ 43.6 ▲ 233.7

第17期北関東プロアマ混合リーグ  第8節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 合計
1 吉田 幸雄 プロ   98.0       ▲ 5.3 4.7 10.3 107.7
2 木暮 智貴 プロ 2.7     ▲ 8.1 ▲ 1.1     46.0 39.5
3 西嶋 ゆかり プロ 22.4     60.3 17.6     ▲ 62.6 37.7
4 須長 正和 プロ ▲ 27.1 ▲ 63.7 1.6     3.7   122.1 36.6
5 福田 栄司 一般 ▲ 19.6 ▲ 23.8 ▲ 7.5 74.0         23.1
6 富澤 潤也 一般 20.6 30.1     42.7   20.2 ▲ 109.6 4.0
7 斉藤 健人 一般   ▲ 43.6 13.8 12.1   ▲ 7.9 25.1   ▲ 0.5
8 飛田 孝大 一般   67.0   ▲ 64.3 ▲ 59.2     50.1 ▲ 6.4
9 小林 晃 一般   21.3 ▲ 7.9 ▲ 56.7       4.1 ▲ 39.2
10 渡部 正 一般   58.3   ▲ 78.6   9.5   ▲ 63.4 ▲ 74.2

第4期JPML WRCリーグ ベスト16B卓レポート

【B卓】
前原雄大(鳳凰位)vs山脇千文美(C3)vs安村浩司(B1)vs藤井すみれ(C1)

怪物・ゴジラ・がらくた…
色々な呼ばれ方をするものの、その誰もが認める絶対強者、前原雄大が鳳凰位シードでここから登場。

対するは予選から勝ち上がってきた女流プロ2名、藤井と山脇。そしてB1セレクトにもよく登場している安村。

「ベスト16の4卓で、対局を放送して欲しい卓は?」という事前アンケートでは、このB卓が総投票数の70%を獲得。
それほど注目されている組み合わせである。

 

1回戦(藤井―安村―前原―山脇)
東1局、親の藤井が6巡目リーチ!

二万三万四万六万六万一索二索七索八索九索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ三索

ペンチャンのドラ待ちながら、この時点で山に4枚生きていた。
9巡目には山脇が追い付く。

三万三万四万五万六万七万八万五索六索三筒四筒発発  ツモ二筒

しかしここは発を切りテンパイとらずとした。リャンメン待ちは追いかける印象だったが、山脇ここは慎重だ。
結果流局。藤井の1人テンパイだった。(なんと三索は王牌に3枚)

1本場は前原お得意のリーチ。

三万三万七万八万九万一索三索五索六索七索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ九万

同巡安村

四万五万六万六万七万四索五索五索七索八索八索五筒六筒  ツモ六索

絶好の所を引いた安村だったが、分が悪いと見たか、現物の四万切りとした。
山脇も一瞬テンパイし、リーチをかけていれば一発で前原からのアガリだったが、ここも慎重に対応した。

結果、前原の1人テンパイ。
開かれた手牌を見て、それぞれ何を思っただろうか。

東2局2本場 供託1本

山脇
六万六万六万一索三索五索六索七索三筒四筒六筒七筒八筒  ツモ二索  ドラ一索

なかなか感触の良いテンパイ。
迷わず六万切りリーチといった。
数巡後、藤井

二万二万三万四万五万七万七万五索六索三筒四筒五筒五筒  ツモ七索  ドラ一索

追い付いた藤井。だがテンパイ打牌の五筒は山脇に放銃だ。
藤井は少考し、打三万とした。これでは勝てない、見合わないという判断だろう。
一方安村

五万六万一索二索三索四索四索四索二筒三筒三筒七筒八筒  ツモ六筒  ドラ一索

安村は二筒切りリーチ!しかしこれが山脇に放銃となり、しかも裏ドラが二筒だった。
安村→山脇8,000は8,600

東3局
先ほど放銃した安村のリーチに対し、親の前原はまっすぐ勝負した。

安村
二万三万四万五万五万二索三索四索六索七索八索六筒七筒  リーチ  ロン八筒  ドラ五筒  裏二万

前原→安村8,000

東4局
親の山脇が白をポン。藤井がリーチ

一万一万二万二万一索一索九索九索四筒四筒西北北  リーチ  ドラ五万

同巡安村もテンパイ

六万七万七万八万一索三索二筒二筒二筒三筒三筒東東  ツモ三筒

ここは懐深く打一索。さらに同巡前原

四万四万五万五万五万五索六索六索五筒六筒七筒七筒八筒  ツモ六筒  ドラ五万

六索でヤミテンを選択。四索はリーチの現物。
次巡安村が四索を掴み、前原に8,000の放銃となった。

一発、裏ドラありのルールとはいえ、8,000点の応酬。
南1局にもピンズのメンホンテンパイから安村がドラの4を切ると山脇に8,000点の放銃となった。

次局は安村の1人テンパイ。
南2局1本場
前原と2着争いをしている藤井が自風の北をポンしてテンパイ。

安村
六万六万七万八万五索五索六索六索四筒五筒六筒中中  ツモ九万  ドラ七索

何を切るか好みの分かれそうな牌姿。
安村は中落としとした。次のツモが七索だったため何切りでもテンパイするのだが、安村は打点MAXをとらえた。

六万六万七万八万九万五索五索六索六索七索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ七索

しかし結果は流局。またしても安村の1人テンパイ。

南2局2本場 供託1本
藤井の配牌が良い。2巡目にはこの形

七万八万一索一索六索七索七索八索九索二筒三筒四筒五筒  ツモ七筒  ドラ北

藤井は三色への渡りも見て打二筒とした。
目論見通り次巡ツモ六筒となり、フリテンだが3メンチャンを残した。
しかし藤井はここから手が進まず、10巡目には前原に追い越された。

前原
三万三万六万七万八万三索四索五索六索八索六筒七筒八筒  ドラ北

12巡目には親の安村がリーチ。

三索四索五索七索八索九索二筒三筒四筒七筒八筒発発  リーチ

これを受けて藤井はまっすぐ行けず迂回。一索のトイツ落としなどを経て回っていくが…アガリを得たのはなんと藤井だった。

四万四万七万八万六索七索八索三筒四筒五筒六筒六筒六筒  ツモ六万

2巡目の形とはかなり変わった形での500・1,000(700・1,200)となった。
南3局、藤井リーチ。
安村が仕掛けて対抗、1,000・2,000のアガリ。

南4局(藤井30,600・安村19,200・前原27,300・山脇42,900)
7巡目に藤井がリーチ。

六万七万八万五索六索一筒二筒三筒四筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ四筒

ツモって裏ドラ1枚でトップ。
そして藤井からリーチ棒が出たことで、2着まで2,000点でよくなった前原が五万をポンしてテンパイ。

二索二索二索三索四索四筒五筒白白白  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  ドラ四筒

そこに高目三色になった安村

三万四万五万六万五索六索七索五筒六筒六筒七筒北北  ツモ二万

一万はフリテンとなっていたが力強くリーチ!しかしこの六筒が前原に放銃。前原が2着に上がり、1回戦が終了した。

1回戦
山脇+27.9P・前原+5.3P・藤井▲5.4P・安村▲27.8P

 

2回戦(前原―山脇―安村―藤井)
東1局、8巡目にリーチした山脇。

ツモったのはハイテイだった。

三万三万五万五万五万六万七万二索二索二索六索七索八索  ハイテイツモ八万  ドラ七筒  裏五索

山脇2,000・4,000のアガリ。また一歩リード。
東2局は前原が安村に5,200の放銃。
東3局、安村がダブ東ポン。六索チー。

二万七万八万九万九万三索三索  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ポン東東東  ドラ四索

9巡目にトップ目山脇からのリーチ。

二万三万六万六万二索三索四索八索八索八索二筒三筒四筒  リーチ  ドラ四索

11巡目、前原が追い付きヤミテン

三万四万五万六万六万七万八万九万一筒二筒三筒四筒五筒

リーチの現物待ち

同巡藤井
一万三万四万五万五索五索六索五筒六筒六筒七筒七筒八筒  ツモ六索  ドラ四索

一万を切れば役ありのテンパイだが、このテンパイには勝機なしと六索切り。実際に一万は山脇の当たり牌。
藤井はよく我慢しているが、終盤に山脇が一万をツモ。
裏ドラが三万でまたもや2,000・4,000のアガリとなった。

東4局は藤井が親リーチ!

三万四万五万七万八万二索三索四索六索六索二筒三筒四筒  リーチ  ドラ中

同巡前原もテンパイ。

三万四万七索八索九索二筒二筒五筒六筒七筒東東東

ヤミテン選択からの次巡ツモ切りリーチ!これに放銃するのは藤井。
藤井→前原2,600
南1局
ダブ南をポンした山脇の選択

六万七万八万七索七索九索九索三筒三筒四筒四筒  ポン南南南  ドラ四万

ここから打九索。すぐに二筒をチーして狙い通りのテンパイ。

六万七万八万七索七索三筒四筒  ポン南南南  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き

しかしこれが中々アガれず、13巡目には前原に追い付かれた。

三万四万四万五万五万一索二索三索五索六索七索九索九索  リーチ  ドラ四万

この後も粘った山脇だったが、前原が六万をツモ。4,000オールでトップに迫る。
次局は山脇がヤミテンで安村から3,900は4,200。前原の親落としを最優先とした。
その後前原の1人テンパイを挟み南3局1本場。藤井が七万をカンしてリーチ。

二万三万四万三索三索五索六索二筒三筒四筒  暗カン牌の背七万 上向き七万 上向き牌の背  リーチ  ドラ八索四万

これをアガって良い気分でオーラスの親を迎えたいところ。
しかし山脇が立ちはだかり500・1,000(600・1,100)

四万五万六万六万二索三索四索二筒二筒二筒  ポン北北北  ツモ三万  ドラ八索四万

南4局(前原36,800・山脇48,500・安村18,900・藤井15,800)
山脇が果敢に仕掛け、7巡目にはテンパイ。

二万三万四万九万九万南南  ポン白白白  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  ドラ一筒

9巡目に前原がテンパイし即リーチ!

四万五万六万八万九万一筒一筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ一筒

そしてアガリ牌の七万を一発でツモり、さらには裏ドラも一筒で3,000・6,000になるのだから恐れ入る。
この跳満のアガリでトップももぎ取った。

2回戦
前原+33.8P・山脇+20.5P・安村▲19.1P・藤井▲40.6P

2回戦終了時
山脇+48.4P・前原+39.1P・藤井▲40.6P・安村▲46.9P

 

3回戦(藤井―山脇―安村―前原)
東1局、安村のリーチに前原が飛び込む。

八万九万三索三索五索六索七索六筒七筒八筒中中中  リーチ  ロン七万  ドラ八筒  裏六索

追いかける立場の安村、この大事な3回戦で嬉しい8,000スタートとなった。

しかし次局は山脇に2,900放銃。
続く1本場、安村8巡目リーチ。

三万四万五万八万八万八索八索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ九筒

それを受けた山脇

六万七万八万九万六索六索六索七索八索二筒七筒七筒九筒  ツモ二筒  ドラ九筒

打点のある最終形を見るなら六万七筒だろうか。しかし無理をする必要のない山脇、一発目ということもあってか現物の七索切りとする。だがこうなると次の八索が危ない。
次のツモが五索→打九万(無スジ)
不思議だった。結局2巡後に完全撤退。最後まで八索を切ることはなかった。
山脇と言えば仕掛け屋なイメージが強いが、放銃がかなり少ないように感じる。この辺の嗅覚が、山脇の秀でているところなのだろう。
安村、前原の2人テンパイ。

ここから安村が抜けた展開となり、南2局。
持ち点(親から)山脇24,500・安村44,600・前原25,100・藤井25,800

なんとか上の着順で終わりたい藤井、ドラの中を切ってリーチ!

五万六万七万四索五索六索四筒五筒六筒七筒七筒八筒中  ツモ四筒  ドラ中

その時山脇

一万二万三万二索三索三索三索七索八索三筒五筒中中  ドラ中

リーチ宣言牌の中を鳴くかどうか悩んでいた。少考したあと中をポンして打二索。すぐに三筒を引いてテンパイした山脇は打五筒とした。
するとこの五筒が前原に放銃。素晴らしい捌きを見た。

南3局、前原が8巡目にリーチ。
山脇は安全牌を切りながらなんと国士無双の1シャンテンとなった。

一万一万九万一索一筒三筒九筒東南西北白中  ドラ八万

リーチしていた前原が三筒を切ると、親の安村からロンの声。タンヤオドラドラの7,700。前原の捨て牌に六筒があったゆえのヤミテン。
山脇はテンパイすると放銃となっていた。

次局には藤井と前原の2軒リーチ。
前原が競り勝ち1,000・2,000(1,100・2,100)のアガリ。

南4局(前原23,700・藤井22,700・山脇22,400・安村51,200)
2着争いは接戦である。最終戦に望みを繋げるために、藤井はなんとしても2着を取りたい。
藤井は発をポンし、その後テンパイした。

三万三万一索二索三索一筒三筒六筒七筒九筒  ポン発発発  ツモ二筒  ドラ九筒

2着前原とは1,000点差。同点の場合の順位点はきっちり分けである。(2着3着で同点の場合は順位点±0)
藤井の選択はドラの九筒切り。
数巡後八筒をツモり、大きな大きな300・500。単独2着で3回戦フィニッシュした。

3回戦
安村+35.9P・藤井▲1.2P・前原▲11.8PP・山脇▲25.5P

3回戦終了時
前原+27.3P・山脇+25.5P・安村▲11.0P・藤井▲41.8P

 

4回戦(前原―山脇―安村―藤井)
東1局

前原
二万三万四万八万八万三索四索二筒三筒七筒八筒九筒発  ツモ二索  ドラ発

これをドラの発切りヤミテン。
同巡山脇

六万七万八万六索二筒二筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒発  ツモ四索

ドラの発を合わせ打ってヤミテン。
同巡安村

一万三万五万七万八万八筒八筒西西西  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き  ツモ六万

一万切りテンパイ。
3者が同巡にテンパイするから面白い。
結果は藤井が一筒をツモ切り、前原の1,500のアガリとなった。

1本場は安村がリーチして1人テンパイ。上の2人は安村のリーチには向かいにくい。

東2局2本場 供託1本
早くもターニングポイントとなりそうな局に。
藤井が4巡目リーチ。

四万五万六万一索二索三索四索五索六索五筒六筒九筒九筒  リーチ  ドラ一索

6巡目に安村追いかけリーチ。

四万五万六万三索四索二筒三筒四筒六筒六筒六筒七筒七筒  リーチ

下2人のリーチ合戦。
結果は安村が七筒での放銃。安目だったが裏ドラが四万で8,000点の支払いとなった。
この安村の放銃で上の2人は少し楽に。藤井がアガる分にはまださほど問題ではない。と思っていただろう…

東3局にも藤井が5巡目リーチ。
17巡目にツモ。

一万一万二万二万一索一索六索六索七筒七筒西西発  ツモ発  ドラ五索  裏六筒

ドラは乗らず1,600・3,200のアガリ。
東4局 親・藤井
ダブ東ポンして1人テンパイ。
東4局1本場
10巡目に藤井がリーチ。
そろそろ全員が止めたいと思ってきているだろう。

同巡山脇

二万二万四万五万六索七索八索三筒四筒六筒七筒南南  ツモ八筒  ドラ南

親のリーチを受けた一発目。安全牌はない。勝負できる手格好ではある。しかし何を切る?
山脇の選択はドラの南切りだった。
格好良いと思った。もしも当たってしまったらと考えると、切れない人も相当数いるのではないか。山脇のメンタルの強さを見た。

だがここは藤井が一発ツモ。

四万五万六万二索三索四索三筒四筒五筒六筒七筒九筒九筒  リーチ  ツモ二筒  ドラ南  裏六筒

4,000は4,100オール。トータルポイントも肉薄した。

次局は山脇が捌きに。

六万六万七万七万四索四索五索三筒三筒三筒  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  ドラ三万

藤井も悪くない形。

二万三万四万四万五万五索五索七索八筒八筒九筒中中  ドラ三万

ここからツモ切った七万を山脇がポン。その後山脇に三万三万六万とツモ切られるものだから藤井はたまったもんじゃない。
結果、山脇ツモ300・500は500・700。
南入となった。

持ち点(親から)前原23,300・山脇24,000・安村13,600・藤井59,100

現状、藤井はトータル2位前原と13,300点差。現実的な数字である。
5巡目、藤井にテンパイが入る。

七万八万一索二索三索五索五索六索七索七索九索五筒五筒  ツモ八索  ドラ八筒

これは打五索のヤミテンとする。
そして8巡目にアガリ牌の六万を持ってきた藤井。打七索でフリテンリーチと行った。
すると13巡目に前原が仕掛けてドラスジの五筒を勝負!現状ライバルのリーチに対してこのプレー。解説の瀬戸熊は、前原にしか出来ないと絶賛。
こうなると本当に勝ってしまうのが前原。勝てる時に、前に出るのだ。

一万二万三万四筒四筒七筒八筒発発発  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ロン六筒  ドラ八筒

藤井から2,900のアガリとなった。

続く1本場は山脇が1,000は1,300をアガリ、次局も山脇が1,500をアガった。またその次局も1,500は1,800をアガリ少しずつ加点していく山脇。
南2局2本場
安村がリーチ

三万四万五万五索六索四筒五筒六筒六筒七筒八筒東東  リーチ  ドラ五筒

このリーチに対し、テンパイしている2人。
前原は押し、山脇は引いた。しかし安全牌も無くなり、テンパイし直した山脇が四索で放銃。裏ドラは乗らず、3,900は4,500のアガリ。

南3局は全員ノーテンとなり、最終局へ。

南4局1本場
(前原27,200・山脇25,100・安村15,600・藤井52,100)
藤井は現状ターゲットの山脇と20.3ポイント差。とにかく一度アガること。
安村の条件は前原、山脇から倍満直撃。

最終局が始まり、すぐに山脇が自風の西をポン。藤井はドラドラながらまだ3シャンテン。
南をポンした前原が山脇に1,000は1,300を打ち、B卓の戦いは終焉を迎えた。

藤井・安村も戦っていたが、イメージとしては2人の幾度ものリーチを、するするとすり抜けてアガった山脇と、真っ向から粉砕した前原の勝ち上がり。という印象となった。

1位通過:山脇千文美 2位通過:前原雄大

「プロテスト」 勝又 健志

日本プロ麻雀連盟では、9月8日土曜日より第35期後期プロテストが行われる。
私は、昨年から少しずつプロテストに関わらせてもらうようになった。将来を夢見てテストに取り組む受験生を見させてもらうことは、私にとって大きな刺激で、難しい部分もとても多くあるが毎回楽しみで仕方ないものになっている。
今回は、そのプロテストの中で私が思うこと感じることを書かせていただきます。プロテストを受験しようと思っている方に読んでいただけたら幸いです。

日本プロ麻雀連盟のプロテストは
一次テスト「書類審査」
二次テスト「筆記・実技・面接」
三次テスト「筆記・実技」
と行われていく。
これらを絶対評価で採点し基準点をクリアした方が合格となる。

「筆記テスト」
私は20代の頃に塾の講師をしていた経験がある。その経験から私は、筆記テストでは正解不正解だけでなく、どのように解いていたのか過程を見ていた。
しっかり過去問を繰り返し練習し満点に近い成績の受験生もいれば、得意な問題は解けるが苦手な問題はそのままにしている受験生もいた。
テストの問題は、プロとして解けなければ話にならないレベルから、実戦ではほとんど出現しない難易度の高いものまである。
実際には、レアケースの問題が解けなくてもタイトル戦で優勝できるかもしれないし、リーグ戦でも昇級するかもしれない。ただ、このテストのために努力できない人が、プロになってから努力を積み重ねてトップに登りつめるとは私には思えない。
苦手な問題こそ誰よりも練習して自分のストロングポイントに変えてほしいと私は思う。

「実技テスト」
対局時の所作やマナーそして内容が採点される。ポイントがプラスだと合格といったものではなく、内容が評価される。時にはなぜその選択をしたのか問われることもある。
失敗したくない、減点されたくないという思いからか、消極的になってしまう受験生が多いなと私は感じた。私たちが見たいのはこれまで積み重ねてきた努力の成果であり、失敗を恐れた無難な一打やどこかで聞いたことのあるような答えではない。
例え結果が悪い方に出たとしても、私たちはしっかりとその内容を見ている。是非失敗を恐れずにみなさんの力を出し切ってもらえたらなと思う。

ここまで厳しいことを言わせていただいたが、1番大切なのは現状の技術ではなく、みなさんの強くなりたいという気持ちである。熱い気持ちを持っている方は是非日本プロ麻雀連盟を受験していただけたらと思う。

最後にもう一つお話させていただきたい。
日本プロ麻雀連盟では、プロ入り後の勉強会も充実している。熱意を持って受験し合格したが、今後どう勉強していいかわからないという方へのサポート体制も十分に整っている。
希望者は全員参加できる若手勉強会。
若手勉強会をクリアした人の中から選ばれた人が参加できる一歩上のレベルの勉強会。
テストに合格した女流プロが参加できる女流勉強会。
その他にも実況勉強会等、様々な研鑽を積む場がある。

腕に自信がある、麻雀の素晴らしさを広めたい、有名になりたい、どんな理由でも良いと思う。
麻雀に自分の全てをかけられる方の受験を期待している。
そして合格してください。
そして共に強くなりましょう!

プロテスト

第2期北陸リーグ 第2節レポート

6月24日(日)快晴の中で、北陸プロリーグ第2節が行われました。レポートを担当させて頂きます、北陸支部所属22期生、後藤正博です。

 

A卓
木戸、後藤、安城、志多木、美咲

第1回決勝メンバー3名が含まれる好カードとなった。
このメンバーでポイントを着実に伸ばしたのは木戸。
その中でも印象に残った局。

東1局

一万二万三万一索二索三索九索九索一筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ六筒

この高め6,000オールとなる六筒をツモるあたりは力強く、今回も決勝戦メンバーに残る可能性が高いと感じさせられる1局でした。
一方前節2位スタートの美咲は、今節は不調が重なり大きいマイナスとなった。
新人ではあるが先輩に萎縮せず次節からの頑張りに期待したい。

木戸+45.7P 志多木+17.0P 安城+10.7P 後藤▲25.7P 美咲▲67.7P

 

B卓
浦田、藤本、成田、木原、南

ベテランvs新人の注目カード。
一際目立ったのは新人の南。
1、3、1、2着と全てプラスで49.3P。
新人らしく大胆な麻雀でベテランを苦しめる展開に「物凄く展開に恵まれました」とコメント。

3回戦東4局南家

一筒二筒三筒三筒四筒四筒六筒七筒七筒七筒九筒九筒白  ドラ四索

ここから五筒をチー。

一筒二筒三筒三筒四筒七筒七筒七筒九筒九筒  チー五筒 左向き四筒 上向き六筒 上向き  ロン五筒  ドラ四索

五筒が鳴け五筒が出アガリ出来たのは捨牌が一色手と判断しづらい展開だったことが本人のコメントから想定できた。
一方ベテラン勢は、お互いを執拗に牽制しあって、南に伸び伸び打たせたのが敗因か・・・・
その中でも浦田は、悪いながらもポイントを落とさず±0で纏めたのは流石と感じた。
藤本は「浦田を意識しすぎたのが主たる敗因」とコメント
次節は、どう巻き返すか注目したい。

南+49.3P 成田+8.2P 浦田±0.0P 木原▲9.5P 藤本▲48.0P

 

C卓
荒谷、本田、獅坂、前田、里木

新人と移籍組2名が含まれているカードで、互いの手の内をどう探りあっていくのかが注目された。
まずは新人の前田。
臆せず堂々と立ち回り、1回のラスはあったもののトップを2回取りポイントを伸ばした。次節以降も期待したい。
他、ポイントを伸ばしたのは荒谷、獅坂。
中でも荒谷の「1回戦東場の親」

四万五万六万一索一索五索六索七索八索八索三筒四筒五筒六筒  ドラ六万

本人も、牌効率やバランスで打八索とするのは重々承知しているものの、最高打点を目指して打一索としこれが項を奏して、

最終形

四万五万五万六万六万四索五索六索八索八索四筒五筒六筒  リーチ  ツモ四万 8,000オール

賛否両論はあるものの、この最終形を生み出したは流石と感じた。
次節もこのスタイルがハマれば上位に食い込んで来るだろう。
前節まで首位の里木は、大きくマイナスをしてしまった。
「東場から大物手が出て、点棒を減らす展開が多く、首位スタートの優位を活かしきれず、それが焦りとなり失点を繰り返してしまった」とコメント。
自分の敗因を追求している里木、次節以降の立て直しに期待したい。

前田+30.7P 獅坂+25.5P 荒谷+21.2P 本田▲16.7P 里木▲60.7P

【総括】
上位人が崩れ上下のポイント差が縮まってきており、まだまだ下位者もチャンスはある。
決勝戦のイスは4名。次節以降の熱い戦いが楽しみだ。

第17期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第6節レポート

Aリーグ第6節:辻本翔哉

猛暑日が続く夏。その中でも一際熱い場所がある。それでは第6節のレポートをお伝えします。

1卓:横山・坂本・稲岡・高谷
今期は観戦出来なかったので、まずは結果から発表します。
高谷+26.3P 坂本+20.7P 稲岡▲17.0P 横山▲30.0Pとなった。高谷が前節の勢いをそのままに卓内トップ。坂本はようやく決定戦に向けて照準を合わせてきた。一方、横山は前節から調子が上がらない。
そして稲岡はまだエンジンがかからない。前期は後半からの巻き返しが際立ったので期待したい。

2卓: 藤川・仁科・米川・吉本
こちらも観戦できず、結果を発表します。吉本+24.1P 仁科+4.5P 米川+4.3P 藤川▲32.9Pとなった。
吉本が卓内トップ。1卓もそうだがここにきて今期昇格組がリーグにも慣れてきて調子を上げてきたようだ。
一方藤川が1人でマイナスを抱え込む事となった。ベテラン実力者の調子が上がらず、若手の台頭で本当に混戦状態となってきた。

3卓: 勝間・佐々木・辻本・宮田
一番印象に残った1回戦の佐々木のアガリ手を今回はレポートします。
東3局 西家 26,700点

二万七万八万九万六索四筒北白白発発中中  ドラ六万

配牌の時点。鼻息が荒くなる配牌がきた。そして2巡目に白をポン。14巡目にアガる事となる。

七万八万九万北北北発発中中  ポン白白白  ツモ発

形はこうで3,000.6,000の跳満となった。
佐々木とはリーグで何度も対戦している。それで感じたか、白を仕掛けた時に違和感があった。まず打点が高く本格派の佐々木にしては三元牌を仕掛けるのが早い。そして捨て牌もアガリの形がもう想像できているような感じを受けた。
私の手の中には発中が1枚ずつあった。しかし、佐々木の仕掛けの後に発中どちらかがトイツになるまでは切らないでおこうと考えた。
切っていればテンパイできた場面があったが切らず。トイツになる事はなかった。
佐々木は対局後、北が暗刻になる前に発中どちらかを仕掛けたかったと。
私が序盤で発中を切って佐々木が仕掛けても、役満になっていたか、跳満止まりか、はたまたアガれたかどうかは誰にもわからない。
しかし一発裏ドラがない、いわゆる競技ルールで役満はとてつもない破壊力がある。現在のトータルの成績が上位で余裕があったからの判断だと思う。

ちなみに佐々木は3回戦もアガれずテンパイ止まりだったが、ホンイツ小三元だった。三元牌が寄る日だったようだ。
中盤戦も終了し、残りは12回戦。最後に笑うのは誰か。泣くのは誰か。混戦模様の太閤位戦にますます目が離せなくなります。

 

Bリーグ第6節:山室太二

今年のプロリーグも残り半分、折り返し地点となる6節を迎えました。
そろそろ各員昇、降級への焦点が向いて来ている頃合いでしょうか。
各ポイントについては、本日の対戦相手がちょうど紹介しやすい選手が多いので併せて記していきます。
対戦相手は、松永、山中、上村政でポイント状況において特筆すべきは、現トータルトップの松永でしょうか。彼については序盤から頭ひとつ抜きでていて、私のようなポイントの低い者は特に逆らう意味のない天上人といったところでしょうか。
次に山中。彼は毎期上位に残って来ている実力者で、今期もポイント上位につけ、当然昇級を狙って気力も充分といったところでしょうか。
次に第1節でも当たった上村政、今期は珍しく大きく沈んで不調の様子です。
対戦内容に移る前に、今回の面子を聞いた時に正直厳しい展開になるでしょう。
私見ですが今回の面子は全員アガリを目指すタイプの攻撃型で、普段であればかかってこいと言わんばかりの気合いで対抗するのですが。
現状ポイントが沈んでいるので、単純に局参加人数比分抽選が不利になる展開が見えているので、勝ち切る為に何度運頼みのめくりあいになるか考えたくも無いですね。
先手至上主義を徹するという手もありですが、いかにも許してくれなさそうですね。
対戦が始まると意外と攻めてきたのが大量のポイントを抱えている松永で、大きな放銃も目立ちますが、粘り強く取り返しなかなか沈みません。
対象的に一歩引いて慎重に立ち回ったのが今期不調の上村政で、後手を踏んだら字牌の暗刻落としをしいられる。取る中盤くらいでも、場が煮詰まると甘い牌を打たなくなっていました。
東家松永の手牌

一万一万三万三万三筒三筒六筒六筒七筒七筒南南白  ロン白  ドラ六筒

今回やはりポイントを獲得したのは松永で、今期の好調を象徴したような躍進ぶりでした。

 

C1リーグ後期1節:松尾潤

C1リーグは今節からポイントがリセットされ、後期の1節が開始となります。
前期からは4名が入れ替わりとなっており、私自身も昇級の勢いを続けて結果を残して行きたいと思います。

4卓3回戦(中安・松尾・辰巳・行野)
2回戦まで終わり、ポイント状況は辰巳 ▲30.3P、行野 +12.3P、中安 ▲36.4P、松尾 +54.4P。
東4局0本場
点数は大きく動かず迎えた東4局。
親の行野が早々に仕掛け、ションパイの白をポン、六筒をチー、河を見てもホンイツ濃厚です。

10巡目、松尾手牌。

三万四万四万五万六万二索三索三索四索五索東中  ツモ一筒

配牌からほぼ変わらずの手牌で、東・ドラの中は共に生牌。行野の河にピンズは四筒のみ、一筒ツモ切りを選択するも行野へ12,000点の放銃。

一筒一筒南南南中中  カン白白白白  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン一筒  ドラ中

3回戦は行野が大きなアドバンテージを得たままトップ。松尾がラスとなりました、大きな失点となりましたが、気を取り直して4回戦へ向かいます。

4回戦では、ここまで状況の苦しそうな辰巳の3,000・6,000や、行野の親番でドラ東が暗刻の11,600、中安の要所でのアガリでもつれ込みましたが、松尾がオーラスの4,000オールをアガリきりトップとなりました。
この勢いが次に続けばいいのだけどと思いました。

 

C2リーグ後期1節:北村祐二

C2リーグは後期の初戦第6節がスタートしました。
組み合わせは、
1卓(冨田・北村・吉田・秋山・南田・管東)
2卓(高橋・楠木・山本・平柴・伊原)
1卓は冨田の独壇場。4戦全てでトップを獲り、+104.9Pの大稼ぎ。2位は秋山で+19.3P。3位の管東は、2度役満をテンパイしましたが成就できず。それでも終始安定した打牌で+15.4P。
一方、北村は再三のチャンス手をことごとくアガれず、▲69.7Pの最下位となりました。

2卓は、山本がトップを3回獲り、卓内1位の+36.9P。2位の伊原は+22.8P、3位の楠木は+10.0Pで、終わってみれば冨田が全体で頭2つ抜ける結果となりました。
麻雀は、1つのアガリや放銃、鳴くか鳴かないかで流れが一気に変わる、不思議なゲームだとつくづく感じます。今回は「1アクションが流れを変える」と題して、私が印象に残った半荘を振り返ります。

1卓5回戦(起家から、吉田・秋山・南田・冨田)
東4局の終盤、親冨田の手牌は、

三万四万七索七索七索三筒三筒三筒東東  ポン中中中  ドラ七索

ここまで2戦連続トップで向かえた3戦目。他家からはドラも東も見えない恐ろしい状況で、二万を吉田からアガる。開けてビックリ強烈な一撃でした。この親満で冨田にスイッチが入ります。
東4局1本場の中盤、冨田の手牌は、

六索七索八索四筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒東東  ドラ東

吉田から七筒が出て、7,700のアガリ。吉田にとっては痛い連続の放銃となりました。
東4局2本場。冨田の配牌は、

四万七万一索三索四索一筒六筒南西北発発中中  ドラ五筒

配牌は決して良くありませんでしたが、今日の冨田にはお構いなし。3巡目に発、13巡目に中を鳴くことができ、テンパイ。

二万三万四万三索三索六筒八筒  ポン中中中  ポン発発発

ここから、16巡目に四筒ツモ、八筒切りでドラ待ちに。次巡三筒ツモ、六筒切りで両面待ち。次巡あっさりドラ五筒をツモり、2,000オールの加点。

親満から一気に流れを引き寄せた冨田。その後、大量リードを保ったまま南2局を向かえます。配牌は、

一万三万四万九万二索三索六索六索七索二筒三筒四筒西

第一ツモで四索、次巡西を引き、

三万四万二索三索四索六索六索七索二筒三筒四筒西西

ピンフ三色が狙える絶好の1シャンテン。好調さが顕著に表れている証だと感じます。
このままメンゼンで手を進めるかと思われた矢先、下家の吉田から出た西を鳴き、七索切り、片アガリのテンパイをとりました。局を消化する狙いがあったかと思われましたが、この鳴きが流れを変えてしまうことになります。

7巡ツモ切りを繰り返し、11巡目。六万をツモったところで冨田は不穏な空気を察したのか、六索を切りました。この時、上家の南田の手牌は、

二万二万四万五万七万八万九万  ポン白白白  ポン中中中

18巡目に秋山が三万を南田に放銃し、結果的に冨田は放銃を回避しましたが、筆者の個人的感想として、今までの好調さ故に、鳴かなければこの局をモノに出来たのではないかと感じた、印象に残る局でした。

この局のアガリで南田が流れを引き寄せ、反撃に出ます。
南3局の親番で2,600オール、南3局1本場で1,300オールをアガリます。
南3局2本場でも連荘し、向かえた南3局3本場。中盤の南田の手牌は、

四索六索七索七索八索九索発  ポン中中中  ポン白白白

大物手を期待させる手である。
上家の秋山から八索が出たが、鳴かず。数巡後秋山から勝負の二索切りリーチが入ります。
その後、南田は発をツモって、跳満テンパイ。
しかし、四索が秋山への放銃となりました。
先程の南田の手牌で、八索を鳴くか鳴かないか、意見が分かれる局面だったと感じました。
南4局は、前局アガリをモノにした秋山が満貫をアガリ、終局。
結果は、1度他家に流れを与えたものの、序盤の大量リードを守った冨田がトップで終えました。
1局毎に流れが目まぐるしく変わる、非常に中身の濃い半荘でした。

第4期JPML WRCリーグ ベスト16A卓レポート

8月10日(金)
連盟夏目坂スタジオ─

集いたるは16名の選ばれし者達。
勝ち上がりの12名に加え、4名のシード選手がここから参戦。

そしてこれ以上のシードはない。
よってこの中から第4期WRCリーグの覇者が生まれるのだ。

皆の表情を見てみる。
リラックスしている者、緊張している者と様々だが、その中で一際目を引いたのは沢崎だった。
それはまるで友達の家にでも遊びに来ているかのよう。

開始前に同卓者と話す者、目を瞑り一人の世界に入る者。
それぞれの想いを胸に、立会人の合図で一斉に対局が開始された。

【A卓】
小林正和(前回覇者・C3)vs冨田久志(D1)vsケネス徳田(B2)vs藤島健二郎(B1)

第3期覇者の小林正和が登場。
小林とは何度も顔を合わせているが、この日の小林は気持ちが入りすぎているように見えた。
一方、先日行われたリーグ戦最終節でA2リーグに首位で復帰した藤島は、やはり落ち着いていて充実しているように見える。
さてどのような対局になるか─

1回戦(冨田―小林―藤島―ケネス)
東1局、開局の親リーチにケネスがまっすぐ打ち抜く。

四万五万六万八万八万六索七索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン八索  ドラ四索  裏北

ケネス→冨田5,800

次局も冨田がリーチ。ツモアガリで1,300は1,400オール。
続く2本場も冨田が4巡目リーチ。

五万五万五万六万七万四索四索六索七索八索一筒一筒一筒  リーチ  ドラ六索

藤島手牌
一万二万三万五万二索三索五索六索七索九索四筒六筒八筒  ツモ九索

現物は三索のみ。効率なら五万切りだが、藤島は九索切りで放銃を回避した。

11巡目にはケネスが追い掛けリーチ。

六万七万八万八万六索七索八索一筒二筒三筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ六索

ケネスはひたすら本手でぶつけてくる。相手のリーチにもひるまない。
もし五万八万が出れば(ダブロンがないため)上家のケネスのアガリとなる。

結果は2人テンパイで流局。

同3本場も流局(藤島1人ノーテン)

そして4本場、供託2本。まだ東1局だ。
藤島が3巡目に自風の南をポン。小林も4巡目に自風の西をポン。
全員が流しにきている雰囲気の中、親の冨田。

一万二万三万四万五万八万九万九万四索五索六索三筒五筒  ツモ三万  ドラ六索

ここは八万を切ってヤミテンとした。
冨田もまた納得のいく形でリーチをしていくスタイルなのだろう。

すぐに六筒を引き入れた冨田は三筒を切ってリーチといった。

冨田のリーチ攻勢が止まらない。しかし小林が二筒を切るとケネスがチー。続いて現物の八万を切るとケネスがロン。

ケネス
六万七万四索四索四索六索六索六索七筒七筒  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ロン八万  ドラ六索

小林からケネスへ8,000は9,200の放銃となった。(供託3本)

長い東1局が終わった。一次二次トーナメントに続き、冨田の勢いは続いていると思われた。

親を迎えた藤島。

一万一万三万三万四万五万六万六万六万八万八万九万九万  ドラ六筒

藤島の捨て牌
七索 上向き四筒 上向き三筒 上向き四索 上向き四索 上向き南西

ほぼ手出しのこの河に対し他家はどうするか。
するとケネスが打三万。藤島スルー。テンパイとなる牌は仕掛けるか。
しかし上家の冨田はドラドラながらすでに受けていた。マンズが出ないよう七対子を目指すも、それも難しくなりはっきりと撤退。
終盤に七万を引きテンパイした藤島だが、テンパイ前にドラ六筒もツモ切りし、手出し(テンパイ打牌)で三万を切ると全員前に出られなくなり流局。1人テンパイ。

一万一万三万四万五万六万六万六万七万八万八万九万九万  ドラ六筒

東2局1本場
ヤミテンしていた藤島。
そこに南家の小林がリーチ。その宣言牌をポンしてケネスも前に出てきた。
藤島が持ってきたのは無スジの三筒。これをそのままツモ切りリーチ。
すると戦闘態勢のケネスが一発で藤島に放銃。

三万四万五万八万八万八万四索五索二筒二筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン三索  ドラ五索  裏発

12,000は12,300のアガリ。

同2本場は流局。藤島、小林の2人テンパイ。
藤島はダブ東ポン。小林はリーチピンフドラドラの3メンチャンだった。

六万六万三索四索四索五索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ六万

苦しい状況でのこのチャンス手がアガれないのだから本当にキツい。
小林は冷静に打ち続けられるだろうか。

続く3本場は藤島がリーチ後にドラの一万をカン。
そこにリーチで勝負した冨田が白単騎に放銃。

三万四万五万六万七万八万二筒三筒四筒白  暗カン牌の背一万 上向き一万 上向き牌の背  リーチ  ドラ一万

さらにドラが乗り18,000は18,900。

東1局に続き東2局までもが4本場まで積まれた。
持ち点はこう。
(親から)藤島62,700・小林17,400・ケネス21,800・冨田18,100

東2局4本場。

四万五万四索五索五索六索六索七索八索九索四筒七筒北北  ドラ三筒

藤島、ここから打七筒。ツモ五筒→打九索。ツモ六万八索切りリーチといった。
態勢良ければ手なりで育つとはまさにこのことか。流れるように手が高く育っていく。
冨田が役なしテンパイでワンプッシュするが、定められた運命かのように六筒は藤島に引き寄せられた。

四万五万六万四索五索五索六索六索七索四筒五筒北北  リーチ  ツモ六筒  ドラ三筒

裏ドラは乗らず4,000は4,400オール。藤島75,900点。

次局もダブ東をポンして5巡目には小林から2,900は4,400。
持ち点は8万点を超えた!

6本場には冨田がタンヤオのアガリ。1,300は3,100。

長い長い東2局が終わった。ここまでで実に12局。他の卓はもう1回戦が終わろうかというところだ。

ここからはスムーズに進行。
藤島は捌き、局まわしなども上手いためリードされると厄介である。

オーラスにはこうなった。
(親から)ケネス24,900・冨田21,000・藤島69,800・小林4,300

5巡目に親のケネスがリーチ。
捨て牌はこう
一万 上向き五万 上向き中四筒 上向き四索 左向き

冨田1シャンテンだがアガれば2着になれるため押す!

三万三万四万五万六万六万七万八万三筒三筒七筒七筒九筒  ドラ三筒

そして小林が二万を切るとケネスがロン。

二万八万八万三索三索八索八索二筒二筒六筒六筒八筒八筒  リーチ  ドラ三筒

小林→ケネス9,600
あの捨て牌でかつ安全牌が少ない状況。小林はどんどん追い詰められていった。

1本場にはケネスが700は800オール。
南4局2本場
跳満ツモで2着になれる冨田は手替わりを待っていた。

四万四万五万六万七万五索六索七索二筒四筒四筒五筒六筒  ドラ白

三筒ツモはフリテンリーチにいくかもしれない。
持ってきたのは五筒。これでも充分嬉しい。二筒を切ってリーチとした。

これに飛び込んだのはマンズに染めていた小林。
高めの六筒を掴んだ。

四万四万五万六万七万五索六索七索四筒四筒五筒五筒六筒  リーチ  ロン六筒  ドラ白

8,000は8,600

このアガリで冨田は原点付近まで戻り、小林は大きすぎるラスとなった。

そして20局に及ぶ長い1回戦が終了した。

1回戦成績
藤島+54.0P・ケネス+11.9P・冨田▲6.2P・小林▲59.7P

2回戦(冨田―ケネス―藤島―小林)
東場は大きな点棒移動はないが、小林のテンパイ打牌がことごとく捕まる。
南入した時点で
冨田32,200・ケネス30,600・藤島35,100・小林22,100

南1局は藤島が仕掛けて300・500
南2局、小林→ケネスに7,700
南2局1本場、冨田がリーチを掛けるもケネスに1,500は1,800を放銃。

南3局
親の藤島が5巡目に白をポン。8巡目にはこのテンパイ。

一万二万二万二万三万五万六万七万七万八万  ポン白白白  ドラ四筒

しかし九万はすでに3枚切れていた。そこに冨田が四索ポンして打二万。小林が二索ポンして打中。ケネスは鼻息が荒い(雰囲気)。明らかな親の染め手に全員が戦う姿勢である。
そこに七万を持ってきた藤島。九万は3枚切れ。皆さんなら何を切るか。

一万二万二万二万三万五万六万七万七万八万  ポン白白白  ツモ七万

藤島の選択は打一万だった。なるほどと思った。恥ずかしながら私はこの時この選択は思いつかなかった。
この一万をケネスがポンするのだが、結果は流局。ケネス以外の3人テンパイだった。

冨田
四万四万六万八万七索七索七索四筒五筒六筒  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き

小林
三万四万五万五万七万四筒四筒五筒六筒七筒  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き

続く1本場は小林が執念のアガリ。1,300・2,600は1,400・2,700

オーラス
(親から)小林23,800・冨田28,500・ケネス33,200・藤島34,500

親で頑張りたい小林。だが配牌が悪い!
対して藤島は手が軽い。6巡目にはドラの四索を切った。これをポンしたのは親の小林。
ポンして2シャンテン(役ありにするには3手必要)だが、じっとしていられるわけがない。このポンは連荘率を上げるポンだと思った。
しかしそこにトップを取らんと冨田がリーチ。

四索五索六索五筒六筒七筒七筒八筒九筒発発中中  リーチ  ドラ四索

アガれれば最低でも2着に浮上。ツモor藤島からor裏ドラ1枚でトップ。
だがここはまっすぐ行かなければならない小林が、藤島に1,000点の放銃で終局となった。

2回戦成績
藤島+21.5P・ケネス+8.2P・冨田▲7.5P・小林▲22.2P

2回戦終了時
藤島+75.5P・ケネス+20.1P・冨田▲13.7P・小林▲81.9P

1回戦2回戦と同じ並びになってしまい、素点差もあるためそれぞれが離れていった。残り2回あるとは言え、小林にはもうあとがない。

3回戦(冨田―藤島―ケネス―小林)
東2局には小林が待望の3,000・6,000。これからどんどん加点していくしかないのだが、次局ケネスに5,800の放銃となる。
親のタンヤオピンフドラ1をヤミテンにしていたケネス。こういうのはガンガンリーチしてくるかと思っていたが、待ちがドラまたぎだからなのか、これがケネスバランスなのだなと感じた。

東3局1本場

藤島
一索二索三索三索三索五索五索七索七索七索九万九万東  ドラ四筒

ここから五索をポンして打九万。チンイツへ向かう。

一方ケネス(親)
五万五万五万六索六索四筒四筒六筒六筒七筒八筒北北

七対子とメンツ手の両天秤1シャンテン。ここに一番嬉しい(私だったら)ドラの四筒を引き、六筒切りリーチといった。
そこに向かったのは小林。中をポンして北を切るとこれが御用。
トップ目からの痛すぎる12,000の放銃。だが小林の立場からすればただトップを取るだけでは足りない上、トップが欲しいからこそ他家にアガられるわけにはいかないと思ったか。
トップへの強い渇望が、小林をどんどん前のめりにしていった。

五万五万五万六索六索四筒四筒四筒六筒七筒八筒北北  リーチ  ロン北  ドラ四筒  裏六筒

実はツモれば8,000オール。もし七対子のリーチになっていたとしてもツモれば8,000オール。
もはや風はケネスに吹いていると言わざるをえない。

東4局、親の小林が六万ポン。そして六万を加カンし打点を上げに行くがドラは乗らず。しかしリンシャン牌でツモアガリ、1,300オール。

続く1本場で小林7巡目リーチ。

四万四万五万五万六万六万九万九万九万四索五索四筒四筒  リーチ  ドラ九万

小林も手は入っている。6,000オールを引きに行った小林。
私もリーチを掛けてしまいそうだが、これはヤミテンの選択もあったのだろうか?流局となってしまう。
この立場でのリーチ判断は本当に難しい。

東4局2本場
冨田が7巡目にドラの五索を切った。捨て牌はこうだ

五筒 上向き二索 上向き四筒 上向き五万 上向き四万 上向き七索 上向き五索 上向き

明確に何かに向かっている。
そこに親の小林はポンにチー。冨田も中張牌を強く切り続けた。しかし12巡目、冨田がすっ…と優しく西を切った。

危険信号、不穏な空気…
2つチーしてテンパイしていた藤島だったが、白を引かされてテンパイを崩した。

結果は流局。
冨田は国士無双の一万待ちだった。(王牌2枚)

南1局
仕掛けてテンパイしていた藤島からケネスが8,000のアガリ

二筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒七筒南南南発発  ロン六筒  ドラ五索

南2局
親の藤島

四万五万六万二索三索一筒一筒  ポン発発発  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ドラ七索

2,900テンパイ。一方ケネス

四万五万六万四索四索三筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  ツモ四索

この手をヤミテンにしていたケネス。持ってきた(当たり牌の)四索を収め、打四筒とした。
すると冨田からすぐに三筒が出て2,600のアガリ。
素晴らしいケネスバランス。

オーラス
(親から)小林32,200・冨田25,100・藤島23,800・ケネス38,900

小林ここで頑張りたい!
冨田と小林の2軒リーチだったがここは流局。藤島もテンパイし、トップ目ケネスの1人ノーテン。

南4局1本場 供託2本
藤島が5巡目にリーチ。

四万五万六万一索一索三索三索三索五筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ五筒

最後の着順争いは藤島が競り勝った。冨田から出アガリ2,600は2,900。

3回戦成績
ケネス+20.9P・小林+7.2P・藤島▲5.3P・冨田▲22.8P

3回戦終了時
藤島+70.2P・ケネス+41.0P・冨田▲36.5P・小林▲74.7P

4回戦(ケネス―藤島―小林―冨田)
上下大きく離れた4回戦となった。
3番手の冨田ですらターゲットのケネスとトップラスを決めてさらに47,500点差が必要という状況。小林にいたっては85,700点差が必要という絶望的数字。

そこにトドメを刺すかのように、東2局には藤島が60,000点を超えていた。
東4局
(親から)冨田36,200・ケネス19,100・藤島62,700・小林2,000

親の冨田、5巡目にドラの九筒切りリーチ

三索四索五索七索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒西西  リーチ  ドラ九筒

数巡後一筒をツモるとなんと裏ドラが西。大きな大きな4,000オールのアガリ。

これで藤島と10,500点差。もう一度4,000オールなど出来ようものならケネスとほぼ並びである。

しかしそう簡単にはいかず、次局は藤島が冨田から2,000は2,300。
続く南1局は藤島が2,000・4,000。

南2局
(親から)藤島70,000・小林▲5,000・冨田43,900・ケネス11,100

親の藤島は手を組んでいない。ケネスがテンパイで打中(ドラ)そこに冨田がリーチ!

五万六万七万一索一索一索二索三索五索六索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ中

ケネス無スジ押す!さらに小林もリーチ!七対子ドラドラ北待ち!

ケネスツモ!

四万五万二索三索四索五索五索六索七索八索三筒四筒五筒  ツモ六万

700・1,300のアガリ。

ケネスの麻雀には勝負師の熱が常に感じられる。

続く南3局、親の小林がリーチ!

一万二万三万二索二索四索五索六索一筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ五万

ケネス一発目でも無スジ押す!
冨田も無スジ押す!
ケネスツモ!

五万五万五万八索八索三筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  ツモ四筒  ドラ五万

なんと3,000・6,000!

これでケネスには大分余裕が出来た。しかしその余裕にあぐらをかかないことを私は知っている。

最終戦オーラス
持ち点(親から)冨田39,200・ケネス28,800・藤島65,700・小林▲13,700

冨田は連荘あるのみ。藤島をまくるぐらいは加点しないと現実的な数字が見えてこない。
小林はケネスからトリプル役満直撃条件。

冨田は配牌から長考。
8巡目にはこの形だった。

四索四索六索二筒四筒六筒八筒八筒九筒九筒南南南  ドラ八索

鳴ける牌も出ぬまま、巡目は過ぎていき…
14巡目にツモ四筒。七対子1シャンテンで打六索とすると次のツモが六索
次に三筒ツモで七対子をあきらめる打四索。17巡目に三索をツモって最後の長考に入った。

四索二筒三筒四筒四筒六筒八筒八筒九筒九筒南南南  ツモ三索

残りツモあと1回。上家の小林はフリテンになっている二索五索は切ってくれるかもしれない。でもポン材も残したい。じゃあ何を切る…
こんな考えが堂々巡りしていたのではないだろうか。
冨田は長考の末、三索をツモ切った。

結果は流局。
冨田は手牌を開けることが出来なかった…

長い戦いが終わり、結果は圧倒的なバランスだった藤島、絶妙な勝負勘を持つケネスの勝ち上がりとなった。
冨田、小林も最後まで自分の麻雀をぶつけていたように思う。今日の敗北を受け止め、また来期にぶつけてほしい。

1位通過:藤島健二郎 2位通過:ケネス徳田

第135回『勝負の感性⑤~親の感性~』 荒 正義

1・先制攻撃
第1戦の東の1局の親番。その日の運も手探りの状態。7巡目にテンパイが入ったが、どう打つ?なお、場は無風状態である。

一万二万三万五万六万五索六索七索八索八索五筒八筒九筒  ツモ四万  ドラ七筒

戦い方は人それぞれだが、親番だけにリーチもOK。

(親の河)
南北九万 上向き二筒 上向き一筒 上向き二索 上向き
五筒 左向き

これは連盟公式ルール(一発・裏なし)とWRCルールに限らずリーチがある。
ドラの七筒の出が期待できなくても、場の主導権を握りツモに期待。
公式ルールなら2,000点オールで打点が大きいし、WRCルールなら引いて裏ドラ1つで4,000点オールが見込めるからである。

もちろん、散家の反撃もある。追いかけリーチを食らえば、分が悪い。親に向かうからには、相手は受けが良くて打点があると想定できるからである。
しかし、一方でこういう予測も成り立つ。散家も直線的に攻めてくるわけではない。安全そうな牌を選び、迂回しながら前に出る。相手は親だから用心だ。その間に、無筋の危険牌を2牌掴めばオリである。
ご承知の通り、麻雀はロン牌よりも通る牌の方が圧倒的に多いのだ。となればこの後、親の一人旅になる可能性が高いのだ。

このリーチが多いのが、チームがらくたの前原雄大とヒサトである。先制リーチで相手に圧力をかけ、相手の手を曲げる。そのため相手のアガリ逃しが出る。
そして彼らは、流局間際にドラの七筒をツモリ高笑いするのである。
しかしこのリーチ、散家でかけるようでは負け組である。散家のリーチなら圧力は半減だし、手が良ければ相手は向かってくる。当然、親も来る。だから脅しは通じない。愚形の先制リーチは、親番だけに許される特権なのだ。

では、ツモが四万ではなく七万と来た場合はどうか―。

一万二万三万五万六万五索六索七索八索八索五筒八筒九筒  ツモ七万  ドラ七筒

ここでも先制リーチはありだが、他にも手段がある。
567の三色が見えるから、八筒九筒落としが目に入る。
理想のテンパイはこれである。

一万二万三万五万六万七万五索六索七索八索八索五筒六筒

これならテンパイ即リーチで、七筒ツモで文句なしの跳満だ。裏目は打八筒後の七筒ツモだが、それでもこうだ。

一万二万三万五万六万七万五索六索七索八索八索五筒七筒

待ちの六筒はドラの指示牌で苦しい受けだが、アガリ逃しのフォローになっている。私の感性はツモが七万なら、打八筒である。
では、打八筒後のツモが四筒の場合はどうか。

一万二万三万五万六万七万五索六索七索八索八索四筒五筒

公式ルールなら、親でもヤミテン。一度アガって、次の手を待つのだ。WRCルールなら一発と裏ドラ狙いで、即リーチが正しい応手だ。
だが、公式ルールでもツモが利けば、リーチがある。ツモが四万のときである。

二万三万四万五万六万七万五索六索七索八索八索四筒五筒

これなら、打点ができたのでリーチだ。出て5,800点、ツモで2,600点オールなら十分と見る。

先制リーチは状況を見ることが肝心。運や点棒の動きの少ない場面なら、効果がある。しかし、3回戦になって運に開きが出た場合は、話は別だ。親のこれまでの着順が3着・4着。しかも、そのラスが大きく沈んだ場合の脅しは利かない。親でも、リーチでも利いてはくれない。

一万二万三万四万五万六万五索六索七索八索八索八筒九筒  ドラ七筒

(親の河)
南北九万 上向き二筒 上向き一筒 上向き二索 上向き
五筒 左向き

この時、西家は2着・1着で昇り調子。手もいい。

二万三万四万二索三索三索五索六索七索四筒五筒六筒七筒

この手ならオリは考えられない。ここから予想されるテンパイ形はこうだ。

二万三万四万三索三索五索六索七索四筒五筒六筒七筒八筒

二万三万四万三索三索五索六索七索三筒四筒五筒六筒七筒

こんな追いかけリーチを食らったら、親に勝ち目はない。
ドラの七筒を重ねてもこう。

二万三万四万二索三索五索六索七索四筒五筒六筒七筒七筒

運の高低の差が出ると、このパターンがよくある。好調の西家は、親のロン牌の七筒が出る流れにならない。3回戦で愚形の親の先制リーチが成功する場合は、2着、1着のときか1着、1着とき来た場合のときである。これなら怖い親と見て、そう簡単に向かって来ないと想定ができる。

 

2・親の勝負手
麻雀は、親番と散家で打ち方は変わる。いや、変えて打つことが肝心。
7巡目に南家からリーチが入る。麻雀は始まったばかりで、点棒の動きが少ない場面だ。

(南家の河)ドラ九筒

西一万 上向き九万 上向き中九筒 上向き二筒 上向き
五索 左向き

河はピンフ系で、待ちも絞れないし打点も分からない。このとき、親の手がこうだ。

六万八万五索五索六索七索八索四筒五筒六筒七筒八筒九筒

次に追いかけようとツモルと七万

こんなとき、手拍子で「ツモ!」となるのが実戦心理だ。リーチ棒付きの1,000点オールである。ラッキーなアガリに見えるが、勝負はこんなことでは決まらない。リーチがかかっていようが、親の手は稀に見るチャンス手なのだ。

ここは九筒切りリーチの勝負手がある。

六万七万八万五索五索六索七索八索四筒五筒六筒七筒八筒

フリテンだが三筒六筒を引けば6,000点オールだ。危険だが、やってみる価値はある。ツモなら、この半荘の勝負は一瞬で決まるのだ。この回、この一発運をわしづかみできたなら、次の半荘もトップ濃厚である。これが親の勝負手である。

親なら、これも同形の勝負手。

一万二万三万七万八万九万二索三索四索一筒三筒九筒九筒  ツモ二筒  ドラ八索

四索切りのフリテンリーチを行くか、いかないかである。こんなときは山読みが大事だ。
このとき3者の河がこうだ。

(南家の河)
九索 上向き七筒 上向き九筒 上向き八索 上向き三索 上向き二筒 上向き
四筒 上向き西

(西家の河)
二万 上向き六万 上向き四万 上向き三索 上向き西八索 上向き
三万 上向き北

(北家の河)
北八万 上向き九万 上向き一索 上向き中一筒 上向き
中四索 上向き

河から、南家はマンズの染め手。西家はピンズの染め手は一目瞭然。となれば、一索は持っていないと読める。北家はタンピン形だが、7巡目の四索切りから、手の内に一索はなさそうだ。ならば3枚生き、賭けてみる価値は大いにある。

一万二万三万七万八万九万二索三索一筒二筒三筒九筒九筒

高目ツモで決めたら8,000点オールだ。振りテンリーチで高めの追求、これが親の勝負手である。

 

3・打牌の強弱
東3局の親番の7巡目。西家にリーチが入ったがどう打つ?
なお場は、まだ点棒の動きの少ない状況である。

(西家の河)ドラ発
北一万 上向き三筒 上向き中七万 上向き九万 上向き
五索 左向き

(東家の手)
三万四万五万六万二索三索四索五索六索六索三筒五筒七筒  ツモ四筒

一発、裏なしの公式ルールなら二索。WRCルールなら取りあえず現物の五索
―これでは話にならない。親の手は、タンピン形で345の三色があるチャンス手なのだ。ここは戦って、勝つ姿勢が大事。ここは二索切りか、七筒切りの一手である。(私の雀風は二索切り)
二索切りから導き出される、理想のテンパイ形はこうだ。六筒八筒を引けばこう。

三万四万五万三索四索五索六索六索三筒四筒五筒六筒七筒

三万四万五万三索四索五索六索六索三筒四筒五筒七筒八筒

また、マンズが伸びたらこうだ。(先に七筒切りでも、この変化は残る)

三万四万五万六万七万三索四索五索六索六索三筒四筒五筒

三万四万五万五万六万三索四索五索六索六索三筒四筒五筒

三万四万四万五万六万三索四索五索六索六索三筒四筒五筒

三色は消えるがこれでもいい。

二万三万四万五万六万三索四索五索六索六索三筒四筒五筒

先に七筒切りならこうだ。

三万四万五万二索三索三索四索五索六索六索三筒四筒五筒

三万四万五万二索三索四索五索六索六索六索三筒四筒五筒

三万三万四万五万六万二索三索四索五索六索三筒四筒五筒

親の一手先の変化図は、無限に近い勝負手。だからこの手にオリはない。一発を避ける五索切りも悪手である。では、打二索後に初物のドラの発を掴んだらどうか。

三万四万五万六万三索四索五索六索六索三筒四筒五筒七筒  ツモ発

考えることはない。要らない牌は、すべてツモ切りである。行くと決めたら、とことん前に出るのだ。麻雀は放銃するより、打たずしてアガリを逃す方が罪が深いのだ。
ここでオリの選択は南場の親で(南3局)、2番手に2万点以上離したトップ目のときだけである。それなら話は分かる。これが、親の打牌の強弱である。

以下次号

第18期 北陸リーグ 決勝成績表

順位 名前 プロ/一般 予選順位点 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
1 志多木 健 プロ 0 14.4 24.3 28.7 ▲ 18.0 49.4
2 藤本 鉄也 プロ 10 25.9 ▲ 8.7 ▲ 1.6 21.1 46.7
3 北川 光 一般 40 ▲ 16.0 ▲ 13.8 ▲ 8.5 4.8 6.5
4 平澤 憲一 一般 20 ▲ 24.3 ▲ 1.8 ▲ 18.6 ▲ 8.9 ▲ 33.6

第24期特別昇級リーグ 最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 合計
優勝 中川基輝 33.2 ▲ 64.0 74.1 30.3 ▲ 0.5 96.1 104.0 ▲ 13.2 260.0
2 大和 14.9 ▲ 54.4 85.7 33.1 47.3 ▲ 27.2 61.5 89.6 250.5
3 宮崎皓之介 76.8 41.6 ▲ 16.4 31.2 ▲ 19.7 70.4 ▲ 4.5 ▲ 15.8 163.6
4 斉藤豪 31.7 2.0 54.9 43.1 29.3 ▲ 65.9 ▲ 40.0 ▲ 60.6 ▲ 5.5
5 上田直樹 11.0 30.7 ▲ 58.9 ▲ 43.1 0.9 105.9 ▲ 7.3 敗退
6 蛯原朗 ▲ 13.3 44.3 34.8 35.9 49.6 ▲ 124.6 8.1 敗退
7 小林正和 ▲ 10.8 29.8 5.6 1.3 33.2 7.6 ▲ 50.7 敗退
8 蒼井ゆりか 5.8 9.4 77.1 ▲ 69.0 0.2 38.7 ▲ 72.1 敗退
9 原佑典 ▲ 9.8 44.8 ▲ 73.0 21.7 10.8 15.7 敗退
10 古本和宏 16.3 4.3 ▲ 27.5 11.0 48.4 ▲ 47.7 敗退
11 斉藤理絵 49.7 ▲ 41.4 ▲ 15.6 45.8 ▲ 62.7 ▲ 10.2 敗退
12 岡本和也 2.3 52.2 ▲ 23.6 ▲ 27.1 12.2 ▲ 58.9 敗退
13 山脇千文美 41.1 ▲ 39.4 36.5 14.0 ▲ 85.9 辞退
14 優月みか ▲ 53.8 32.1 11.5 ▲ 60.4 8.2 敗退
15 太田優介 ▲ 3.5 32.9 ▲ 38.4 ▲ 15.1 ▲ 58.6 敗退
16 石田亜沙己 ▲ 6.0 ▲ 45.8 ▲ 24.9 1.2 ▲ 13.7 敗退
17 青山めぐみ ▲ 42.0 ▲ 32.9 5.1 ▲ 21.9 敗退
18 清原継光 3.0 6.5 ▲ 76.9 ▲ 34.0 敗退
19 紺野光則 ▲ 79.8 3.5 ▲ 31.1 敗退
20 中山奈々美 ▲ 66.8 ▲ 56.2 敗退