第21期北陸プロアマ混合リーグ最終節レポート

1月19日、文化サークル富山蜷川店で北陸プロアマリーグ最終節が行われた。
今節を経てポイントが上位4名だった者が、2月2日に行われる決勝戦へと進出となる。
すでにご存じの方もいると思うが決勝進出者は以下の4名だ。

1位 里木  +227.5P
2位 原さん +154.5P
3位 木戸  +102.7P
4位 荒谷  +97.1P

まずは1位通過の里木が印象に残ったと述べるのは以下の1局。

1回戦 東3局 
東家 宮川さん 28,000
南家 光岡さん 31,000
西家 里木   31,500
北家 荒谷   29,500

8巡目で以下の牌姿を迎える。

五索五索五索二筒二筒七筒七筒西北白白発発  ドラ七筒

ドラドラ七対子の1シャンテンである。
同巡に河に打たれた白をポンした後、2巡後には二筒を自力で暗刻にし、以下の牌姿。

五索五索五索二筒二筒二筒七筒七筒発発  ポン白白白

ミニマム跳満、マックス倍満まである勝負手をテンパイ!
次巡にあっさりとドラの七筒をツモり、4,000・8,000のアガリ!
いかにも今の里木の勢いを感じさせるようなアガリだ。

・対局後のコメント
倍満ツモでアドバンテージをとれたのでとても戦いやすくなった。首位通過が目標でマイナス5、60ポイント負けると危ないと思っていたので序盤のリードはかなり大きかった。

・決勝への意気込み
首位通過アドバンテージがあるのでそれを最大限活かした戦い方をして優勝したい。

・気になる選手
荒谷、木戸は何度も対戦してきたが、初出場の原さんに関しては一切情報がないので、やりにくいと思う。

大きく崩すことなく決勝進出を決めた里木。決勝でもこの勢いを維持したままどう戦っていくのか気になるところだ。

次は唯一アマチュアでの決勝進出の原さん。
彼の記憶に強く残っているのは以下の1局。

2回戦 南2局 親番 

8巡目に以下の牌姿の1シャンテン。

一万一万二万二万四万五万五万六万八万九万九万白白  ドラ白

なんとドラドラ確定のメンホン七対子の1シャンテンだ。

11巡目に八万をツモり、小考。
この時点では四万六万も場には出ておらずどちらが良いのかは選べない。
後に打六万とし、四万単騎メンホン七対子テンパイ!
13巡目に中を持ってきての待ち替え後、すぐに久保さんから打たれた中を仕留め、18,000!決勝に大きく近付くアガリである。

・決勝への意気込み
初めての決勝なので貴重な機会を楽しみたいと思います!

・気になる選手
もちろん全員です!

唯一アマチュアで決勝に残った原さん。初のリーグ戦で決勝進出というものだから驚きである。決勝進出決定後に本人と話したが、とても楽しみだと目を輝かせていた。
持ち味の重厚な麻雀を決勝でも披露してもらいたい。

次は3位通過の木戸の会心の1局。
4回戦 南2局 1本場 供託千点 南家 26,800持ち
今日ここまでのポイントが+5.0Pで、なんとかして浮かなければいけない最終戦の7巡目で以下の牌姿。

二万三万四索五索六索七索北北  チー八索 左向き七索 上向き九索 上向き  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き  ドラ六万

ここから巡目も早いのと、一万四万が3枚切れという事もあり、テンパイとらずのホンイツへ移行。
次巡に北をポンし、2巡後に七索を出アガリすることに成功。
3,900は4,200+1,000で大きな原点復帰!
その後南3局の親番でリーチを受けるも7,700の横移動。
オーラスでは700・1,300をツモられるも、先ほどのアガリがあったためなんとかプラスで決着。

・対局後のコメント
南2局のアガリが本当に大きかったです。このアガリがなければ、3位どころか予選敗退をしていた可能性もあるので、落ち着いて判断できたかなと思います。

・決勝への意気込み
北陸プロリーグは敗退してしまいましたが、プロアマリーグでは何とか決勝に進出することができました。先に行われる予定の北陸プロリーグに負けないような戦い方が出来たらと思います。

・気になる選手
唯一対戦経験のない原さん。

北陸プロリーグでは惜しくも決勝進出を逃した木戸。その代わりにプロアマリーグではしっかりと決勝進出を手にした。決勝では多少のアドバンテージはあるが、それを覆すような闘牌を見せてくれるだろう。

最後に4位通過のベテラン荒谷。
彼の会心の1局はこれだ。
4回戦 南1局 1本場 

二筒三筒三筒四筒五筒五筒五筒五筒南南発発発  ドラ二筒

打撃系らしいメンホン、発、ドラ1の勝負手のテンパイ!
実はこの局、親番の宮川さん以外全員がピンズの染め手模様。
しかし荒谷、この一筒を力強くツモりあげ3,000・6,000!このアガリからボーダーを意識することに成功。さらに直後の局ではドラ単騎のリーチをかけツモるなど、完全に仕上がった様子。
1、2回戦で連続ラスを引くも3、4回戦をトップでまとめての予選通過。
実に荒谷らしい麻雀である。

・対局後のコメント

今節は決勝が狙えるとはいえ、30P以上は叩かないといけない勝負駆けでした。
初戦、2戦と勝負手が悉く競り負けてラス、ラスと続きボーダーを争う直対者(宮川さん)との差も絶望的に広がり、さすがに心が折れかけましたが、こんな私を応援してくれている僅かばかりの方々の顔が勝負中に頭をよぎりました。
背中を押してくれている方々のために、最後まで諦めずに戦い抜こうと決意を固めました。
その甲斐あって勝負手が立て続けに実り、3、4戦目トップにての通過でした。

・決勝への意気込み

決勝では挑戦者の意識を忘れず、恐れず驕らず、打撃の雀風で頑張ります。

・気になる選手

全員。

ついに念願の決勝進出を果たした荒谷。
いつも梅本は荒谷と一緒に会場へ行くのだが、帰りの車内で話す荒谷は本当に嬉しそうだった。決勝でも自慢の打撃系麻雀を見せてくれるだろうか。楽しみだ。

長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。

プロアマリーグ決勝戦は2月2日富山文化サークル蜷川店で行われました。
結果はレポートにてご期待ください。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 里木 祐介 プロ ▲ 13.1 23.4 60.3 141.8 15.1 227.5
2 原 修平 一般 ▲ 27.0 64.1 21.0 34.8 61.6 154.5
3 木戸 僚之 プロ 7.3 54.8 ▲ 18.2 49.5 9.3 102.7
4 荒谷 誠 プロ 42.8 ▲ 32.0 11.8 40.0 34.5 97.1
5 窪田 一彦 一般 ▲ 35.5 23.2 44.0 98.1 ▲ 40.6 89.2
6 宮川 悟 一般 13.3 44.1 37.0 ▲ 15.0 7.9 87.3
7 鍛治 愛美 一般 26.1 50.7 ▲ 52.2 51.0 7.7 83.3
8 久保 智央 一般 1.9 3.2 75.0 ▲ 30.1 24.8 74.8
9 安城 るい プロ 16.3 13.1 3.6 ▲ 45.9 68.1 55.2
10 平澤 憲一 一般 16.2 70.0 ▲ 49.2 ▲ 8.2 3.1 31.9
11 前田 倫也 プロ 1.0 18.0 ▲ 40.2 13.6 23.6 16.0
12 獅坂 祐一 プロ ▲ 8.4 9.1 24.2 ▲ 27.9 11.5 8.5
13 山元 一成 一般 53.9 ▲ 58.5 10.1 48.0 ▲ 45.8 7.7
14 梅本 翔 プロ 19.9 ▲ 24.0 31.4 ▲ 63.0 35.8 0.1
15 岡田 雅文 一般 ▲ 29.9 22.8 ▲ 1.9 19.1 ▲ 12.2 ▲ 2.1
16 吉田 健彦 一般 15.7 ▲ 4.0 ▲ 9.5 ▲ 19.9 12.1 ▲ 5.6
17 光岡 大幸 一般 41.3 ▲ 4.3 ▲ 11.7 21.3 ▲ 58.5 ▲ 11.9
18 阿戸 翔太郎 プロ ▲ 3.1 12.5 ▲ 27.8 3.0 ▲ 1.2 ▲ 16.6
19 藤本 鉄也 プロ 37.5 ▲ 16.3 ▲ 56.0 0.9 13.7 ▲ 20.2
20 浦田 豊人 プロ ▲ 23.5 ▲ 5.8 37.1 ▲ 37.3 6.7 ▲ 22.8
21 西田 大志 一般 ▲ 17.5 ▲ 0.1 28.4 0.0 ▲ 39.2 ▲ 28.4
22 成田 理良 プロ 2.8 59.5 ▲ 31.8 ▲ 56.9 ▲ 4.8 ▲ 31.2
23 本田 朋広 プロ 6.2 32.8 ▲ 8.3 ▲ 45.0 ▲ 23.9 ▲ 38.2
24 森田 有一 一般 ▲ 7.0 ▲ 7.9 ▲ 12.9 10.9 ▲ 43.0 ▲ 59.9
25 小泉 陽平 一般 ▲ 30.1 ▲ 43.9 ▲ 2.0 ▲ 5.0 17.5 ▲ 63.5
26 瀧根 克登志 一般 25.2 ▲ 101.0 ▲ 17.5 59.1 ▲ 32.5 ▲ 66.7
27 志多木 健 プロ ▲ 44.7 ▲ 35.8 16.9 19.4 ▲ 28.8 ▲ 73.0
28 小林 和樹 一般 ▲ 22.6 11.9 ▲ 34.0 ▲ 80.7 21.8 ▲ 103.6
29 藤田 竜弥 一般 ▲ 33.5 ▲ 89.8 15.8 ▲ 27.9 30.7 ▲ 104.7
30 南 和之 プロ 8.4 ▲ 39.7 ▲ 12.1 ▲ 64.6 ▲ 24.5 ▲ 132.5
31 後藤 正博 プロ ▲ 30.0 ▲ 36.2 ▲ 50.0 ▲ 50.9 2.2 ▲ 164.9
32 美咲 優菜 プロ ▲ 44.9 ▲ 15.9 ▲ 34.3 ▲ 53.2 ▲ 55.7 ▲ 204.0

「プロテスト」 古谷 知美

プロになって11年。ほんとに嘘みたいにあっという間の11年でした。
女流桜花というほんとに大きなタイトルをとらせてもらった今でも、これからのプロ活動で「こうなりたい」「これをやりたい」というビジョンがはっきりと見えているわけではありません。
「自分なりにこれまで麻雀の競技プロとして胸を張って人一倍努力してきました」とも言えないと思います。ですが、これははっきりと言えます。

「麻雀も好きだし、麻雀プロという仕事も大好きです」

あの時プロテストの受験を勧めてくれた方、迷っていた私の背中をそっと押してくれた方、そしてプロになってからこんな私に根気よく色々教えてくださった先輩方、プロになったおかげでできた仲間達、そしてデビュー以来私をずっと応援してくださった皆さんに本当に感謝しています。そして勇気を出してプロテストの願書を出した11年前の自分にも感謝です。

さて、今年も日本プロ麻雀連盟のプロ試験が行われます。
私が受験した時の応募人数は約100人…その内、合格者は3割ほどだったと思います。

当時の私はアルバイトをしていた麻雀店のオーナーさんに薦められて受験をしました。
その時はプロの世界の事は殆どわからなかったのですが、麻雀は好きでこれからも続けていきたいし受けてみよう!と決意しました。

試験は筆記試験・実技対局に分かれています。
実技は今すぐどうこうできるものではないと思い、筆記試験を重点的に毎日勉強しました。特に過去問題は繰り返し何回もやりました。

合格した後に『筆記試験の成績はトップクラスだったよ』と講師のプロに教えて頂き、嬉しかった反面【やればできる筆記試験なのにどうしてやらない人がいるんだろう?】と不思議でした。

入会した後も同じです。
今は映像対局が主流となっていて、対局を何度でも繰り返し見直せます。疑問に思った事・迷った打牌、自分で見直せますし、トッププロの解説を聞いて消化する事ができます。
もちろん自分自身の対局でなくてもいいのです。

直接聞いても、連盟には教えてくれる先輩がたくさんいます。
藤崎智プロ、瀬戸熊直樹プロ、勝又健志プロのようなトッププロが講師をされている若手勉強会もあります。
その他にも、滝沢和典プロや山田浩之プロが講師として教えてくれる女流勉強会なども毎週のように開催されています。
強くなりたい、勉強したいと思えば、連盟にはできる場所がたくさん用意されています。

今は麻雀界のイメージも変わりつつあり、メディア露出も近年大きく増えました。その舞台を目指して受験する方も多くいると思います。

女流桜花決定戦というずっと憧れていた舞台…そして仲田加南プロ・魚谷侑未プロ・武石絵里プロといった強豪相手。
そこで優勝できた時は、人生で初めて嬉し泣きをしました。こんな経験も連盟に入らなければきっと一生できなかったと思います。

勉強しても勝てないし、失敗を何度も繰り返してしまうけど、その度に振り返って修正して…を麻雀プロである限りはずっと続けていくのだと思います。
すぐに結果を出す事は難しいかもしれません。
しかし、努力できる・努力して結果を出せば認めてもらえる環境が連盟にはあります。

いま日本プロ麻雀連盟では、共に切磋琢磨できる新しい人材を求めています。

第36期後期プロテスト概要はこちら

”雀サクッ杯”第44期関西リーグ(プロアマリーグ) 冬 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 川上 直也 プロ 94.5 1.6 81.7 13.2 69.0 260.0
2 秋山 淑子 プロ 31.6 4.7 51.4 9.3 129.9 226.9
3 北村 祐二 プロ 38.8 86.8 26.2 67.6 ▲ 18.2 201.2
4 内田 雄司 一般 2.2 ▲ 66.9 96.5 57.6 64.2 153.6
5 馬場 一平 一般 66.1 19.6 12.6 52.3 2.6 153.2
6 丸山 直 プロ 1.1 17.1 61.7 34.3 16.8 131.0
7 山地 義昌 一般 40.2 ▲ 10.1 74.4 0.0 12.9 117.4
8 七種 大稀 プロ 18.5 52.3 19.1 25.2 0.0 115.1
9 柴田 秀昭 一般 65.5 40.9 6.8 0.0 0.0 113.2
10 佐藤 怜太 プロ 0.7 56.0 0.0 0.0 52.8 109.5
11 井上 雅照 一般 4.6 ▲ 7.2 50.1 2.3 42.4 92.2
12 原田 安博 一般 79.2 8.1 69.4 ▲ 0.9 ▲ 77.7 78.1
13 石沢 勇人 一般 ▲ 16.6 16.8 49.7 21.1 0.0 71.0
14 平谷 文隆 一般 108.2 ▲ 79.6 ▲ 46.3 27.3 55.3 64.9
15 貫上 洋志 プロ 80.2 10.7 0.0 0.0 ▲ 27.1 63.8
16 宮西 康行 一般 17.0 20.7 26.0 0.0 0.0 63.7
17 高谷 圭一 プロ 80.8 0.9 0.0 0.0 ▲ 24.3 57.4
18 稲岡 ミカ プロ ▲ 53.1 77.4 ▲ 66.6 8.7 85.5 51.9
19 根越 英斗 プロ 10.7 0.0 ▲ 13.1 0.0 44.6 42.2
20 横山 毅 プロ 21.6 68.8 19.7 24.9 ▲ 100.1 34.9
21 段谷 昭夫 一般 5.1 ▲ 5.6 24.6 0.0 0.0 24.1
22 林 俊輔 一般 19.4 ▲ 53.4 57.8 1.0 ▲ 2.4 22.4
23 延原 明美 一般 55.1 ▲ 88.2 44.0 ▲ 27.8 25.8 8.9
24 櫻井 栄一 一般 28.5 ▲ 13.0 ▲ 9.5 0.0 0.0 6.0
25 工藤 行雄 一般 0.0 ▲ 51.7 29.0 19.4 0.0 ▲ 3.3
26 吉田 拓也 プロ 0.0 35.7 ▲ 37.9 ▲ 3.5 0.0 ▲ 5.7
27 村上 景介 一般 49.6 3.6 ▲ 109.1 0.0 43.7 ▲ 12.2
28 藤澤 俊郎 一般 0.0 0.0 12.1 6.8 ▲ 32.0 ▲ 13.1
29 吉田 圭吾 プロ ▲ 69.9 ▲ 15.3 ▲ 4.3 127.8 ▲ 53.7 ▲ 15.4
30 藤井 一弘 一般 0.0 ▲ 5.1 15.0 ▲ 25.5 0.0 ▲ 15.6
31 岩本 貴 一般 ▲ 69.9 81.1 ▲ 40.6 ▲ 34.0 44.4 ▲ 19.0
32 堀中 康行 一般 ▲ 47.2 ▲ 32.6 60.1 0.0 0.0 ▲ 19.7
33 上村 宜久 プロ ▲ 17.4 41.8 ▲ 67.3 19.8 0.1 ▲ 23.0
34 大西 幸子  一般 19.3 64.0 ▲ 95.2 ▲ 23.8 0.0 ▲ 35.7
35 溝渕 弘樹 一般  22.1 ▲ 73.2 79.1 ▲ 73.8 0.0 ▲ 45.8
36 駒井 康夫 一般 0.0 31.6 34.9 ▲ 1.6 ▲ 118.2 ▲ 53.3
37 熊田 高大 一般 ▲ 62.5 ▲ 28.1 16.3 ▲ 46.1 62.3 ▲ 58.1
38 堀 昭義 一般 81.7 3.6 ▲ 12.4 ▲ 78.8 ▲ 55.1 ▲ 61.0
39 濱中 真志 プロ 11.6 ▲ 9.1 ▲ 13.4 ▲ 54.4 1.6 ▲ 63.7
40 中島妃芽花 プロ ▲ 53.1 0.0 30.2 ▲ 18.2 ▲ 25.5 ▲ 66.6
41 森田美津子 一般 ▲ 34.2 62.8 ▲ 59.2 0.0 ▲ 36.5 ▲ 67.1
42 井上万理夏 一般 ▲ 36.6 ▲ 28.9 ▲ 16.7 ▲ 4.1 0.0 ▲ 86.3
43 小田 雅之 一般 ▲ 13.5 ▲ 54.5 2.1 0.0 ▲ 24.1 ▲ 90.0
44 蔵谷 俊克  一般 ▲ 59.1 ▲ 29.3 ▲ 3.5 0.0 0.0 ▲ 91.9
45 大西 武志 一般 ▲ 98.5 26.3 ▲ 24.1 0.0 0.0 ▲ 96.3
46 原田 保正 プロ 4.6 0.0 ▲ 75.8 ▲ 4.9 ▲ 41.7 ▲ 117.8
47 宮嶌 知奈 一般 ▲ 65.7 ▲ 64.3 28.1 ▲ 59.8 0.0 ▲ 161.7
48 辰巳 晴基 プロ 24.5 16.7 ▲ 91.1 ▲ 60.2 ▲ 58.0 ▲ 168.1
49 山口 昇子 一般 ▲ 99.5 ▲ 138.4 ▲ 24.2 39.6 ▲ 6.9 ▲ 229.4
50 山下加代子 一般 ▲ 94.7 ▲ 83.9 ▲ 45.4 ▲ 3.0 ▲ 77.9 ▲ 304.9
51 倉本 恭子 一般 0.0 ▲ 25.0 ▲ 222.0 ▲ 104.8 36.6 ▲ 315.2

第10期グランプリMAX速報

第10期グランプリMAXの季節がやってきました。

このグランプリMAXは各タイトル戦に応じたポイントを1年間加算し、
タイトルホルダー、九段選手、ポイント上位者だけが出場することが出来るタイトル戦となっています。

今年の見どころは1次予選から全て日本プロ麻雀連盟チャンネルで放送されることです。

1沢崎誠39900ポイント
(A1 10位 8,600マスターズベスト8 2,500 十段戦5位9,000王位ベスト28 2,000
 第5期WRC優勝8,000 日本シリーズ優勝8,000)
2藤崎智31,500ポイント
(鳳凰位20,000 十段戦準優勝 9,000)
3伊藤優孝29400ポイント
(A1 11位8,400 十段戦優勝18,000 王位戦ベスト16 1,500)
4森下剛任24810ポイント(B1リーグ)
(王位戦優勝)
5吉田直22,800ポイント
(A1第4位13,500 マスターズベスト16 2,000 十段戦九S 2,300)
6内川幸太郎22100ポイント
(A2 6位7,200 マスターズベスト56 1,000 十段戦4位 9,000
 第5期WRCベスト8 800 第6期WRCベスト8 800)
7HIRO柴田21600ポイント
(A1 7位9,500 マスターズ3位5,500 第5期WRC4位2,200)
8藤原隆弘20300ポイント
(A2 16位6,000 マスターズベスト16 2,000 帝王戦優勝8,000)
9ダンプ大橋18900ポイント
(A2 8位7,000 第6期WRC優勝8,000)
10西川淳18400ポイント
(A1第3位13,500)
11魚谷侑未17700ポイント
(A2 11位6,700 女流桜花4位2,500十段ベスト8 3,400王位ベスト16 2,500)
12杉浦勘介17,500ポイント
(B1前期優勝6,000 十段戦3位9,000)
13佐々木寿人16,100ポイント
(A2優勝8,200 マスターズベスト16 2,000 RTD優勝1,500)
14近藤久春15,800ポイント
(A23位7,500 マスターズベスト8 2,500 十段ベスト16 2,700)
15前原雄大15,700ポイント
(A1 12位8,000 十段ベスト16 2,500 第5期WRC3位2,200)
16黒沢咲15,450ポイント
(A2 2位8,000 十段ベスト8 3,400 王位ベスト28 2,000)
17 和久津晶15,400ポイント
(A1 12位8,200 女流モンド1,200 皇帝位優勝1,400)
18古谷知美14,954ポイント(D1リーグ)
(女流桜花優勝)
19藤島健二郎14,800ポイント
(A2 4位7,400 第6期WRCベスト8 1,200)
20紺野真太郎14,600ポイント
(A1 6位10,000 十段戦八九段戦2,000)
21小林正和14,515ポイント(C2リーグ)
(王位戦ベスト16北関東優勝)
22吾妻さおり14,460ポイント(D1リーグ)
( マスターズ4位5,500 王位ベスト16 2,500)
23山田浩之14,300ポイント
(A2 10位6,800 王位ベスト16 2,500)
24菊田政俊14,238ポイント(D1リーグ)
( マスターズ2位5,500 王位ベスト16 2,500)
25荒正義13,880ポイント(B1リーグ)
(帝王戦4位2,200 天空麻雀1,000)
26前田直哉13,700ポイント
(A1 8位9,000 十段戦ベスト16 2,700)
27柴田吉和13,590ポイント(B1リーグ)
(モンド杯1,500)
28仲田加南13,530ポイント(C1リーグ)
(女流桜花3位2,500 プロクイーンベスト8 400 第5期WRC2位2,200)
29古川孝次13,500ポイント
(A1第2位13,500)
30瀬戸熊直樹13,300ポイント
(A1 9位8,800 十段戦ベスト16 )
31西島一彦13,100ポイント
(A2 14位8,800 十段戦七段2,000 王位ベスト16 2,500)
32小笠原奈央12,706ポイント(D2リーグ)
( 王位戦4位)
33本田朋広12,450ポイント(C1リーグ)
(北陸リーグ優勝)
34武石絵里12,110ポイント(B2リーグ)
(女流桜花2位)
35白鳥翔11,900ポイント
(A2 13位6,300 第6期WRCベスト8 1,200)
36古橋崇志11,500ポイント
(A2 7位7,100)

これが上位のポイントランキングです。

シード選手一覧
ベスト16シード(6名)
① 前年度グランプリMAX優勝ダンプ大橋
② 鳳凰位藤崎智
③ 十段位伊藤優孝
④ 王位森下剛任
⑤ ポイントランキング1位沢崎誠
⑥ ポイントランキング2位吉田直
(本来マスターズ優勝もありますが、真光プロがタイトル戦出場の4分の3を満たしていない為権利なし)
二次予選シード(10名)
① 女流桜花古谷知美
② 会長シード森山茂和
③ 名誉会長シード灘麻太郎
④ ポイントランキング3位から9位までの7名。
6内川幸太郎22100ポイント(A2リーグ)
7HIRO柴田21600ポイント(A1リーグ)
8藤原隆弘20300ポイント(A2リーグ)
10西川淳18400ポイント(A1リーグ)
11魚谷侑未17700ポイント(A2リーグ)
12杉浦勘介17,500ポイント(B1リーグ)
13佐々木寿人16,100ポイント(A2リーグ)

一次予選5卓20名(各卓2名勝ち上がり)
一次予選シード(5名)
① 九段シード(荒正義、瀬戸熊直樹、ともたけ雅晴、前原雄大)
藤原隆弘、藤崎智の両九段はポイント上位者の為上位シード権利。
② 地方チャンピオンシップ優勝者がすでに権利を得ていたためなし。
③ 新人王松本幸大
一次予選選手(14名)
14近藤久春15,800ポイント(A2リーグ)
16黒沢咲15,450ポイント(A2リーグ)
17 和久津晶15,400ポイント(A1リーグ)
19藤島健二郎14,800ポイント(A2リーグ)
20紺野真太郎14,600ポイント(A1リーグ)
21小林正和14,515(C1リーグ)
22吾妻さおり14,460ポイント(D1リーグ)
23山田浩之14,300ポイント(A2リーグ)
24菊田政俊14,238ポイント(D1リーグ)
26前田直哉13,700ポイント(A1リーグ)
27柴田吉和13,590ポイント(B1リーグ)
28仲田加南13,530ポイント(C1リーグ)
32西島一彦13,100ポイント(A2リーグ)
33小笠原奈央12,706ポイント(D2リーグ)
34本田朋広12,450ポイント(C1リーグ)
※所属リーグは現時点でのリーグ。
以上までがグランプリ権利のある全36選手です。
ボーダーは北陸優勝の本田朋広。
惜しくも次点は女流桜花準優勝の武石絵里。

それではいよいよ卓組みの発表です。
2/17(月)一次予選A卓
荒正義
藤島健二郎
紺野真太郎
本田朋広
(実況:楠原遊 解説:一井慎也)
2/18(火)一次予選B卓
前原雄大
和久津晶
吾妻さおり
小笠原奈央
(実況:蒼井ゆりか 解説:藤崎智)
2/19(水)一次予選C卓
瀬戸熊直樹
黒沢咲
山田浩之
西島一彦
(実況:山脇千文美 解説:魚谷侑未)
2/20(木)一次予選D卓
ともたけ雅晴
小林正和
仲田加南
菊田政俊
(実況:松田彩花 解説:内川幸太郎)
2/21(金)一次予選E卓
松本幸大
近藤久春
前田直哉
柴田吉和
(実況:部谷幸即 解説:HIRO柴田)

2/24(月)二次予選A卓
森山茂和
佐々木寿人
(実況:大和 解説:杉浦勘介)
2/25(火)二次予選B卓
灘麻太郎
杉浦勘助
(実況:蒼井ゆりか 解説:猿川真寿)
2/26(水)二次予選C卓
古谷知美
魚谷侑未
(実況:古川彩乃 解説:藤崎智)
2/27(木)二次予選D卓
内川幸太郎
藤原隆弘
(実況:松田彩花 解説:沢崎誠)
2/28(金)二次予選E卓
HIRO柴田
西川淳
(実況:優月みか 解説:ダンプ大橋)

3/2(月)ベスト16A卓
ダンプ大橋
(実況:大和 解説:???????)

3/3(火)ベスト16B卓
藤崎智
(実況:部谷幸則 解説:???????)

3/5(木)ベスト16C卓
伊藤優孝
吉田直
(実況:古川彩乃 解説:???????)

3/6(金)ベスト16D卓
森下剛任
沢崎誠
(実況:楠原遊 解説:???????)

全て日本プロ麻雀連盟チャンネルで15:00より放送です。
2019年度の総決算グランプリMAXをお楽しみに!!!!

第36期鳳凰位決定戦 二日目観戦記 荒 正義

初日と違って、今日は晴れ。しかし、冬の盛りなので風は冷たい。
首位を走る古川は、名古屋からだ。70歳では、移動の体も辛かろう。疲れると思考能力が低下し、ミスが出るものだ。

西川は千葉からだ。対戦の2時間前には、家を出る必要がある。そして、初日は最下位で▲33,1P。トップ1回で回復できるが、焦りは禁物。それは吉田も同じ。この2人は、マイナスを消すことから考える。マイナスが0なら、トップ走者は射程距離に入る。ただ、大事なことはこれ以上、古川に得点を与えないことだ。
藤崎は、今日で首位の古川に並べばいい。となれば残り2日、体力、気力で勝る藤崎が有利となるだろう。

 

100

 

東1局。ドラ二索
親は藤崎で、順に古川、西川、吉田の並び。
4巡目、藤崎が動いた。西川の切った八索をポンだ。藤崎の早い仕掛けは要注意だ。手牌が好形で、打点があるからだ。それは誰もが知っている。このとき藤崎の手はこうだった。

三万四万五万二索二索五索七索四筒六筒八筒  ポン八索 上向き八索 上向き八索 左向き

6巡目、西川にテンパイが入った。

四万五万六万七万七万二索四索一筒二筒三筒四筒五筒六筒

しかし、ヤミテン。藤崎の手がタンヤオ志向ならば、ドラ2かドラ3と見なければならない。こちらが2,600点では、割に合わないと見たのだ。五索を引けば三色があるし、四筒七筒ツモならタンヤオがある。
10巡目、藤崎にテンパイが入る。五筒を入れてカン六索待ちだ。

三万四万五万二索二索五索七索四筒五筒六筒  ポン八索 上向き八索 上向き八索 左向き

すぐに西川も七筒を引き、タンヤオに変わる。ここでリーチだ。

 

100

 

四万五万六万七万七万二索四索二筒三筒四筒五筒六筒七筒

藤崎もオリなし。2人のめくり勝負だ。これは西川が引き勝って、2,000・3,900点。西川が好調のスタートを切った。藤崎にとっては痛い、親のかぶりだ。
東2局。ドラ七筒
今度は、藤崎が踏ん張る。6巡目のリーチだ。

四万五万六万七万七万三索四索五索三筒四筒五筒七筒八筒

12巡目、安めの九筒を引いて1,300・2,600点。このとき、親が古川だったのも藤崎には好都合。この日は、藤崎の52歳の誕生日だった。彼の技の精度は天下一品である。今日は誕生日で、運の後押しもあるかも知れない。

東3局。ドラ九索
今度は古川が自風の北ポンで、早い仕掛け。さらに6巡目、九万を鳴いてテンパイだ。

一万一万二万三万九索七筒八筒九筒  チー九万 左向き七万 上向き八万 上向き  ポン北北北

九索は初物だが、一万は1枚河に見えている。なのに、打九索だ。ドラならチャンタで7,700、マンズの受けなら1,000点である。これには、解説の佐々木寿人も古橋も驚きの声を上げた。私も一万切りである。
打点が違いすぎるからである。この後、吉田から九索が出たが、これは合わせ打ち。古川が切らなければ、出ない牌。この後、藤崎に九索が流れてトイツになる。ドラで受ければ、純カラだったのだ。となれば、藤崎の反撃があったはずだ。この後、古川は四万を引いて300・500点。難を逃れた。
後で、この時の構えを古川が語った。

「自分の状態が悪かったから…」

ベテランは、時と場合で応手が変わる。

 

100

 

この後は、小場で回って古川の逆襲が始まった。やっぱりサーフィンだ。

南2局。ドラ八索
古川の親番。

一万一万七索八索九索一筒二筒  ポン九万 上向き九万 左向き九万 上向き  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き

まず、三筒を引いて2,000点オールだ。
次がこれ。

南3局3本場。ドラ五万

五万六万三索四索五索六索六索  ポン四筒 上向き四筒 左向き四筒 上向き  ポン三筒 左向き三筒 上向き三筒 上向き  ツモ五万

ここで古川が六万を切って、今度はドラとのシャンポンに受け変える。すると、吉田が五万をツモ切った。吉田もテンパイで、親の現物。しかし、古川の最終打牌が六万だから、撤退はあったはずだ。今日の吉田は、エンジンがかかりすぎている。こういう日は危ない。

ここで古川のトップが確定、11,600点(+900)だ。これは大きい。古川にとっては望外の利で、吉田はがっくり。しかし、もっとがっくりしたのは、総合2番手の藤崎だったに違いない。この時点で4人の持ち点はこうだ。

藤崎 古川 西川 吉田
27,0 49,6 33,6  9,8

今度は藤崎が頑張った。
南3局1本場。ドラ西

八万八万九万九万九万四索五索五筒六筒七筒  ポン西西西  ツモ三索

自風のドラの西をポンして、2,000・4,000(+300)点。浮きの2着に浮上。今日も古川の先勝である。

5回戦の成績。

藤崎  古川  西川  吉田
+6,8 +26,8  +2,0 ▲35,6

5回戦までの総合成績。
古川 +80,0P
藤崎 +13,2P
西川 ▲31,9P
吉田 ▲61,3P

 

 

6回戦。出親は古川で順に藤崎、西川、吉田の並び。

古川と藤崎の差は、66,8Pだ。かなり開いたが、まだ逆転可能である。
西川と吉田には、厳しい展開。

東3局。ドラ八索
4巡目、藤崎が絶好のツモを引き当てた。

一万一万三万三万八索三筒三筒九筒九筒南西北北  ツモ八索

ドラを重ねてテンパイ、即リーチだ。

(藤崎の河)
九索 上向き白九索 上向き西

南は河に1枚。誰が掴んでも切る牌だった。8巡目にこれをツモって、3,000・6,000点。一気に主導権を握った。これが誕生日の、後押しか。
しかし、後が続かずこう着状態。古川も鳴きを駆使するが、うまく噛み合わない。西川の1人沈みで、オーラスを迎えた。
親は吉田、テンパイと小さなアガリで粘る。この間に、古川が原点を割る。
南4局2本場は、藤崎が1,300点アガってトップを取った。

6回戦成績。
古川 藤崎 西川  吉田
▲5,5 +17,3 ▲24,0+12,2

6回戦までの総合得点。
古川+74,5P
藤崎+30,5P
吉田▲49,1P
西川▲55,9P

 

 

7回戦。
親は吉田で順に古川、西川、藤崎の並び。
この回は、1,000・2,000点を引いた西川が先行。誰も手が入らない。

東4局。ドラ六索
藤崎の親番。11巡目、西川からリーチがかかった。

二万三万四万三索四索六索七索八索二筒二筒七筒八筒九筒

このリーチが作用し、藤崎のアガリが生まれた。麻雀ではよくある出来事。

六万六万七万七万八万八万六索八索七筒七筒  チー四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き

2,900点だが、古川からの直撃だから大きい。無いはずのアガリが生まれる。こんな親は、怖いのだ。

東4局1本場。ドラ白
吉田が動いた。早いソーズのホンイチ仕掛け。

牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背  ポン西西西  チー五索 左向き四索 上向き六索 上向き

ドラが白だから、要注意だ。そのドラが3人に1枚ずつ。だから、吉田の1人旅に思えた。吉田の手の内の7枚はこうだった。

一索二索八索八索八索東東

しかし、藤崎に15巡目テンパイが入る。

六万六万二索二索一筒一筒五筒五筒七筒七筒北北白

すると、すぐにラス牌の白を掴んだのが吉田。誰もテンパイの気配がなかった。だから切った。この9,600(+300)点は、吉田にとっては痛かった。

東4局2本場も、藤崎のアガリ。
打ったのは古川。2,900(+600)のアガリだが、直撃は大きい。やっぱり、無いはずのアガリが生まれた…親は怖かった。暖かい風が、藤崎に向かって吹いている。

 

100

 

3本場は3,900(+900)アガって、西川が落とした。打ったのは、吉田だった。

南2局は古川の親番。この時点で、4者の持ち点はこう。
吉田 古川 西川 藤崎
13,3 22,7 38,5 45,5

このままでは藤崎に並ばれる。古川は浮いて、少しでも差をつけておきたいところ。7巡目、古川にリーチがかかった。

五索六索六索七索七索八索二筒三筒四筒五筒六筒発発  ドラ五索

これに七筒を一発で、西川が振り込む。3,900点。
南1局1本場。ドラ二索

9巡目、古川のリーチが入った。

二万三万三万四万四万五万四筒四筒七筒七筒八筒九筒九筒

リャンペーコの手変りを見て、ヤミテンだった。しかし五筒を切られ、その五筒を藤崎がチーした。もう我慢の限界と、押さえ込みのリーチだ。八筒は、藤崎が雀頭。筋で危なかったが流局して、吉田の1人ノーテン。

南2局2本場。ドラ三万
ここも古川が粘って、五万で西川からアガリ。

三万四万四索五索六索九筒九筒発発発  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き

2,900と600点で、古川が浮きに回る。

3本場は、藤崎が落とす。500・1,000点のツモアガリだが、これで古川が200点の原点割れ。

南3局。ドラ五筒
16巡目、吉田からリーチが入った。ツモは残り1回。

 

100

 

二万二万四万四万七万九万九万二索二索三索三索五筒五筒

七万は筋でも河にも安くはなかったが、構ってはいられない。これをテンパイの古川が、ハイテイで掴んだ。古川は、テンパイなら浮きに回る。勝負と切って、跳満の放銃。
「何すんだ、直!」これは、古川の心の叫び。
この一発で、ラスになる。これは古川…無念!

南4局は、西川が1,000点アガリで終了。

7回戦の成績。
吉田  古川 西川 藤崎
▲13,5 ▲20,2+6,3 +27,4

7回戦までの総合。
藤崎 +57,9P
古川 +54,3P
西川 ▲49,6P
吉田 ▲62,6P

 

 

8回戦。
親は藤崎で順に西川、吉田、古川の並び。
藤崎が7回戦でトップに立ったが、その差は微細。しかし、昇り調子なので古川を引き離すことも可能だ。
東1局。ドラ西
藤崎が8巡目に七筒をポン。11巡目に二筒をポン。

牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 左向き  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 左向き

その河がこう。

四索 上向き二索 上向き七索 上向き六索 上向き七索 上向き八万 上向き
白九筒 上向き白四索 上向き一筒 上向き

これなら誰だって、ピンズの染め手と判る。このとき、手牌7枚はこうだ。

四筒南南西発発発

15巡目、ドラの西を引いてテンパイを果たす。南で18,000点、西なら24,000点だ。18巡目、南家の吉田もテンパイを果たす。

一万九万一索九索一筒九筒東東南北白発中

2人とも西待ちの大物手。しかし、残念ながら1枚は古川の手の内で、1枚は王牌だった。

東1局1本場。ドラ九索
8巡目、またしても親の藤崎が動いた。

牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背  ポン九万 上向き九万 左向き九万 上向き

で、手の内はこう。

七万七万七万一筒一筒七筒七筒七筒東東

九万は、2枚目だから仕方ない。一筒ツモなら満貫、東ツモなら跳満である。しかし、流れて藤崎の1人テンパイ。

2本場も流れた。テンパイは西川と吉田。
後はかわしての応酬。

南2局。ドラ発
藤崎が、ラス牌の五索でアガリ。

五万五万五万一索二索三索四索六索七索八索九索七筒七筒  ツモ五索

これで藤崎が、5,000点浮きのトップに立つ。

後は小場で流れた。
南4局。ドラ二万
ラス親は古川。5巡目に古川が切った、ドラの二万に西川からポンの声。西川は遠い仕掛け。7巡目、古川からリーチがかかった。

二索三索四索八索八索六筒六筒七筒七筒八筒  暗カン牌の背五万 上向き五万 上向き牌の背

八筒なら、相当の高打点、これに一発で五筒を打ち上げたのが吉田。4,800点。
これで古川が浮きに回る。
吉田は、受ける場面だ。遅い手だったし、安全牌もあった。
なのに、なぜ―。

1本場は、藤崎がかわして幕。

8回戦の成績。
藤崎  西川 吉田 古川
+14,8 +4,6 ▲20,7 +1,3

8回戦までの総合成績
藤崎+72,7P
古川+55,6P
西川▲45,0P
吉田▲83,3P

上と下に差がついた。
しかし残り8戦、何が起こるかまだ分らない。次回が楽しみだ!

第36期鳳凰位決定戦 初日観戦記 荒 正義

1月18日の土曜日、『鳳凰』決定戦の初日だ。
この日は、朝からしとしと雨が降り、その雨がみぞれに変わった。とっても寒いのだ。朝の散歩なんて、犬も人も論外である。夏目坂スタジオの外では、皆が震えていた。異常気象は、人に不吉な予感をもたらす。
(今日は荒れるかも知れない…)と、私は思った。

前期鳳凰位・吉田直の挑戦者は…古川孝次、西川淳、藤崎智だ。
私の展開予想は、吉田と西川が腕を振り回し直線的に攻めるだろう。受けの強い藤崎は、それをどう捌くかだ。大局観の明るい藤崎なら、2人の攻め屋がいても捌けるはずだ。しかし、一つ問題がある。ここにサーフィン打法の古川が加わるのである。これが厄介なのだ。
古川の上家は、ポンでツモが飛ばされる。牌も絞る必要がある。いろいろ面倒なのだ。
吉田は別のタイトル戦で、古川の仕掛けに攻めたら、ドラの暗刻に3度も打ち込んだという。舐めてはいけないのだ。
古川対策はそれぞれが練っていようが、誰も口には出さなかった。

 

100

 

1回戦。
出親は吉田で順に西川、古川、藤崎の並び。
初めは2,000点の応酬で静かな立ち上がり。点棒が大きく動いたのは、東3局だ。親は古川でドラは二筒。古川の上家は西川だ。1巡目で西川が四万を切ると、古川が動いた。

三万五万一索二索二索四索五索八索九索二筒二筒三筒五筒

ここからチーして、打一索。これなどまだ、まともな鳴きだ。四万は藤崎の第一打だし、2枚目だ。古川の手は、ドラ2でタンヤオだし三色が見える。巧く決まれば11,600点だ。しかし、この鳴きで9巡目に吉田にテンパイが入った。

二万四万二索三索四索六索七索八索二筒三筒四筒六筒六筒

引き入れたのは六索四筒。テンパイ直前に、藤崎が三万を切っていた。西川がその3枚目の三万をツモ切ると、吉田からロンの声。西川には痛い8,000点である。このとき古川の手はこうだった。
(なんだ、ちっとも進んでないじゃないか!)

二索二索四索五索二筒二筒三筒五筒中中  チー四万 左向き三万 上向き五万 上向き

鳴きでツモを変え、相手に有効牌を流す。けれど、自分は被害なし。このとき古川が(相手の不幸は蜜の味…)と、思ったかどうかは定かではない。
親を引いた吉田は、続いて1,300オールをアガる。

南1局1本場。ドラ六筒
今度は、三万を打たされた西川が怒った。

二万二万二索二索一筒一筒二筒二筒六筒九筒九筒発発

7巡目でテンパイ、即リーチだ。七対子の河だったが、怒っているのだ。構ってはいられない。リーチ後、古川が動いた。古川は、タンヤオドラ1の3メンチャンで二筒五筒八筒待ちだ。しかし、その動きで西川が六筒を引き当て3,000・6,000点(+300)。西川の怒りは、これで収まった。

南2局は、親の西川がピンフドラ1をリーチ。気分のいいアガリの後だから、引けると思ったが、流局して西川の1人テンパイ。ここで西川の略歴を紹介してこう(他3者は前に書いたので、ここでは省く)。

 

100

 

昭和48年生まれの46歳。血液型はA。
私立市川高校を出て、上智大学に進む(中退)。その後、電通のインターネットビジネスに従事。このとき連盟に入る。
この後、離職し麻雀の道に進む。2003年に千葉で健康マージャンを設立し、現在に至る。麻雀を覚えたのは小学4年で、雀歴は36年である。

この時点で、4者の持ち点はこうだ。

吉田 西川 古川 藤崎
33,8 35,0 28,6 21,6

このままの流れで、決まるかに見えたがここからが一波乱。
南2局1本場。ドラ五万

8巡目、南家の古川にテンパイが入る。

一万二万三万三万三万四万四万五万六万七万三索五筒五筒  ツモ五万

三索を切って、こっそりヤミテン。しかし、八万は吉田が暗刻。二万も西川に流れて暗刻になる。ドラの五万は藤崎に浮いているが、出る気配なし。しかし、古川が15巡目に4枚目の八万を引いて2,000・4,000点。リーチ棒と積み場で、9,300点の収入。これは大きい。

南3局は古川の親番。
まず、リンシャンでカン七万を引いて1,600点オールだ。次がこれ!
南3局1本場。ドラ西
これが13巡目の親の手。

七万七万九万七索八索九索七筒九筒白白  ポン西西西

ドラのポンだから、白は出ない。八筒は残り1枚で、八万も残り1枚。
するとすぐに八筒を引き、八万のツモである。恐ろしい引きである。3,900は4,000点オールだ。この後は、吉田が2度アガって浮きを確保。1回戦の成績がこれである。どうした藤崎!

吉田 西川  古川 藤崎
+5,1 ▲8,8 +33,0 ▲29,3

 

 

2回戦。
出親は西川で順に古川、吉田、藤崎の並び。
東1局は、藤崎が古川に1,000点の放銃。そして、東2局である。
藤崎の手が6巡目でこうなった。

二索二索二索二索六索七索四万四万四万五万七万五筒五筒  ドラ二索

ドラの二索を暗カンしないのは、自分へのマークを避けるためだ。それは分かる。
しかし問題は、下家の西川から9巡目に2枚目の五筒が出ると、これをスルーしたことだ。なぜだろう、ここはポンして打七万が正しい応手に見える。

二索二索二索二索六索七索四万四万四万五万  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 左向き

これなら警戒されても、両面と3メンチャンでアガリが十分期待できる。この後、マンズかソーズが出たならチーして打二索。ツモでテンパイなら二索の暗カンである。ツモを増やし、リンシャンを狙う。案の定だ、この後の西川のツモが六万八索五筒を鳴けば、アガリだったのだ。
この後、藤崎が暗カンに出たがリンシャン牌は二万だった。これをツモ切ると、直前にテンパイを張った吉田の手が開いた。

一万三万七万八万九万七索八索九索七筒八筒九筒九筒九筒

吉田の入り目は八索で、五筒のポンなら吉田はテンパイすらできなかったのである。
満貫のアガリが満貫の放銃、この出入りは大きい。これはこの日、藤崎が初めて見せた隙だった。
この後、単打が続き点棒が大きく動いたのは南2局からである。

古川の親番。ドラ九索
発ポン、九筒ポンと古川の早い仕掛け。

牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ポン発発発

またか、と思っても河がいいから油断はできない。

(古川の河)
二索 上向き三万 上向き中七筒 上向き

しかし、手の内7枚はこれである。

七万九万九索西西白発

これでは、テンパイもほど遠い。これがサーフィン打法か。いや、違うだろう!
しかし、相手の手を曲げる効果はあるかも知れない…と思ったら違った。仕上がりがこの形だ。観戦している方だって、呆れる。

七万八万九万九索九索西西  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ポン発発発  ツモ九索

これで4,000点オールとは、これいかに。こんなアガリをされると、相手はグッタリと疲れる。観戦している方だって、呆れる。
この親を、吉田が蹴って3本5本。何をされるかわからないから、懸命に落とすのだ。

 

100

 

南3局 ドラ七万
その甲斐あってか、親の吉田にチャンス手が舞い込んだ。8巡目、不調の藤崎のリーチに追いかける。

一万二万三万七万八万七索七索八索八索九索九索五筒五筒

出ても11,600だ。藤崎の麻雀は、強くて華麗だ。ファンも多い。吉田も尊敬しているはずだ。しかし、今は勝負だ。出る杭は打たねばならない。
どれ、藤崎の手はどうだ。ありゃ!

四万五万六万七万七万六索六索七索七索八索一筒二筒三筒

なんと八索を引けば、跳満の勝負手だった。しかし、勢いの差で軍配は吉田に上がる。九万を引いて4,000点オールだ。
1本場は、1,000・2,000をツモって古川が落とす。この時点で4者の持ち点はこうだ。

西川 古川 吉田 藤崎
22,5 42,7 44,3 10,5

このまま終われば、古川と藤崎との差は100Pになる。これでは優勝は難しい。だが、藤崎もこのままでは終わらなかった。ラス親を迎え、16巡目にリーチを放つ。

三万四万五万三索四索七索八索九索三筒四筒五筒八筒八筒  ドラ九索

そして2巡後、見事ラス牌の五索を引き当てたのだった。6,000点オールだ、まだ浮かないが、大きなアガリだ。1本場は古川が2,600点を和了して、2連勝。

2回戦の結果。
西川   古川 吉田  藤崎
▲21,5 +17,6 +12,3 ▲8,4

これで4人の総合成績こうだ。
古川+50,6P
吉田+17,6P
西川▲30,3P
藤崎▲37,7P

異常気象、荒れる予感は本当だった―。

 

 

3回戦。
親は古川で順に吉田、藤崎、西川の並び。
また西川が古川の上家で、苦しい展開。点棒が大きく動いたのは、東2局だった。
まず、先制リーチが西川。

一万一万二万二万一索七索七索五筒五筒西西中中  ドラ一索

五索 上向き三筒 上向き南八万 上向き七万 上向き発

河から七対子は予想できるが、されてもいいのだ。待ちまでは分らない。
このリーチに、勝負を挑んだのが古川。追いかけリーチだ。一索は残り1枚。

三万三万四万四万五万一索二索三索六索六索三筒四筒五筒

今日のできの善し悪しから、勝負はあったのも同然。もちろん、古川が断然有利だ。しかし、流局間際一索を掴んだのが古川だった。リーチ棒込みで9,000点。高い山を削れたのだから、これはみんなの喜び。だが、誰も顔には出さない。いたずら小僧め…やっと捕まえたか、である。

東4局 ドラ三万
9巡目、藤崎の先制リーチが入った。

南二索 上向き二筒 上向き一筒 上向き北七索 上向き
九索 上向き九索 上向き九万 左向き

その手の内は、こうだ。

三万四万六万七万八万六筒六筒七筒七筒八筒八筒西西

入り目が八筒だから、手応え十分。12巡目、西川が追いついた。

一索一索二索二索三索三索四索五索六索七索九索北北

八索は2枚切れだ。しかし、藤崎は、すぐに五万を引いて2,000・4,000点。この日、初めてのトップ先行である。風は藤崎に吹き出した。後は得点をどこまで伸ばせるか、が鍵となる。

 

100

 

南1局ドラ八万
古川の親番。その古川から、7巡目にリーチが入った。

西東八筒 上向き白中八索 上向き
九筒 左向き

この河では、待ちは読みようがない。その、手の内はこうだ。

六万七万六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒南南

ドラは八万だが、これを引かれたらガクッンとなる。五万ツモなら、まだ許せる。流局でも結構だ。実戦は後者で、吉田もテンパイだから古川は500点にしかならなかった。3人とっては、古川がラスのままで終わることが一番なのだ。

南1局1本場。ドラ二万
今度は、藤崎の配牌が軽い。2巡目でこうだ。

三万四万五万六万七万八万二索四索四索五索七索南発

6巡目でこう。

三万四万五万六万六万七万八万二索二索四索五索七索七筒  ツモ六索

そして、7巡目の最終形がこうだ。

三万四万五万六万六万七万七万八万二索二索四索五索六索

もちろんテンパイ、即リーチだ。すぐに八万を引いて2,000・4,000点。リーチ棒と積み場で、9,300点の収入。古川が親番で、大きく差が開いた。

しかし、古川もこのままでは終わらなかった。
南4局1本場。ドラ三索
10巡目、東家の西川からリーチがかかる。

二万三万四万四万五万六万三索四索五索五索五索四筒六筒

待ちはカンチャンだが、引けば3,900点オールだ。一気にトップに立てる。
しかし流局寸前、アガったのは古川だった。

一筒一筒二筒二筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒六筒七筒八筒  ツモ二筒

4,000・8,000点で、浮きの2着に浮上。
古川を追いかける3人はガックンである。上家のツモを飛ばし、鳴きで相手を翻弄する。そして、面前の高打点もある。憎まれっ子…世に憚る、とはこのことだ。古川強し!

 

100

 

第3戦の結果。
藤崎  西川  吉田  古川
+17,8 ▲10,0 ▲17,0 +9,2

4者の総合得点が、これである。
古川+59,8P
吉田+0,4P
藤崎▲19,9P
西川▲40,3P

 

 

第4戦。出親は藤崎で、順に西川、吉田、古川の並び。

西川は、やっと古川の上家から解放された。代わり上家に座ったのが、吉田だ。大丈夫か?
東1局0本場。ドラ一索
13巡目、両面で藤崎が動いた。

四万五万六万一索一索一索三索四索四索六索七索東東

上家の切った、八索を鳴いたのだ。

四万五万六万一索一索一索四索四索東東  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き

ドラが暗刻で、ダブ東の後付け。なりふり構ってはいられない。慌て者がいれば、出てくる可能性があるのだ。実際は吉田と古川の手に、1枚ずつもたれていた。しかし、手にならずノーテンだから出るはずも無い。藤崎の1人テンパイだ。

東1局1本場。ドラ一索
またしてもドラが一索。早い巡目に、古川のチーが入った。その鳴きで、有効牌を引いた藤崎が、13巡目にテンパイを果たす。

一万二万三万七万八万一索一索二索北北北白白  ツモ白

藤崎は、二索を切ってしっかりヤミテン。高目の九万は、河に3枚出ているから当然だ。9,600は9,900点。これは痛い。しかし、この時点で古川の手はこうだ。

八万九万三索五索一筒三筒七筒八筒九筒白  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き

九索が4枚目であったとはいえ、何をかいわん。不幸の鳥は、古川の上家。今度は、吉田の頭上に舞い降りた。吉田もピンフのテンパイなので、この六万は止まらなかった。偶然とはいえ、古川の上家は鬼門である。
2本場は、西川が落とす。七対子のみだが、打ったのは吉田だった。

東2局。ドラ八索
11巡目、吉田が南を切る。すると、親の西川からロンの声。

二万二万三万三万五万五万七万七万八索八索四筒四筒南

またしても9,600点。このとき古川は、面前だった。だからと言って、無罪とは限らない。吉田の体に、毒がまわったのだ。3度の放銃で、持ち点は7,300点。まだ、東2局だ。頑張れ、吉田!

東2局1本場。ドラ六筒
6巡目に吉田のリーチ。

一筒 上向き一万 上向き西八筒 上向き東七索 左向き

二万二万四万四万七万七万八万八万二索二索六索六索六筒

六筒はドラだから、出ても跳満。しかし、この時点で六筒は空テン。流局して、吉田の1人テンパイ。

東3局3本場。ドラ発
7巡目、好調の藤崎のリーチだ。

三万四万五万七万八万四筒四筒四筒五筒六筒七筒中中

14巡目、親の吉田が追いかける。

一万一万二索二索八索八索八索九索九索九索七筒八筒九筒

ツモれば、三暗刻。しかし、アガリは藤崎で九万のツモ。
これで、藤崎の持ち点は47,900点。

次は、古川の親。これも藤崎が早い仕掛けで捌いて、2,000点で落とす。打ったのは吉田。後は小場で流れた。

南2局1本場。ドラ一索
やっと、吉田のアガリが出た。

四万五万六万一索四索五索六索一筒二筒三筒四筒五筒六筒  ツモ一索

ヤミテンで、これを引いて2,000・4,000点(+300)。
後は、小場で流れて終了。
4回戦の成績がこれ。初めて古川が沈んだ。

藤崎  西川  吉田  古川
+26,3 +6,4  ▲26,1 ▲6,6

そして、初日の総合成績がこうである。
古川 +53,2P
藤崎 +6,4P
吉田 ▲25,7P
西川 ▲33,9P

この日は、古川の強さが光った1日だった。藤崎の巻き返しも見事。
もちろん、勝負はこれからだ。吉田と西川にも、優勝のチャンスは十分にある。
次が楽しみだ!

第34回静岡リーグ(プロアマ混合)最終節レポート

第34回静岡リーグも最終節を迎えた。

静岡リーグは1節4回戦の計5節を行い、上位5名で決勝戦を行うシステムとなっている。
そして予選通過1位から順に、+40・+30・+20・+10ポイントのアドバンテージが与えられる。

連盟公式ルールでのこのアドバンテージは大きく、優勝を狙うには、ただ予選通過するだけではなく、1つでも上の順位を目指したいところ。

この日は決勝進出を目指す者達は当然のことだが、下位に沈んでいるアマチュアの選手達も、昨年度から行われている年度末の静岡プロアマチャンピオンシップの出場権をかけて、最後まであきらめることなく熱い闘牌を見せてくれた。
最後の最後までもつれた決勝進出争いを制した5名は以下の通り。

1位通過 鈴木郁孝プロ(静岡支部)

最終節も持ち味の攻撃力で攻め切り、見事首位での通過となった。
記憶にも新しい昨年度の静岡プロリーグの決勝では悔いの残る結果となっただけに、今回は自分の麻雀をやりきって、悲願の初タイトルを獲得していただきたい。

2位通過 高木翔太プロ(静岡支部)
静岡支部に移籍してからは苦しい戦いが続いていたが、今期は全節プラスと安定した戦いで決勝の椅子を勝ち取った。
得意の仕掛けで先手を取れるようならチャンスはあるだろう。
個人的にはキーになる選手だと思っている。
高木プロの仕掛けに、他4者がどのように対応するかで展開は大きく左右されるだろう。

3位通過 舟橋晃さん(一般参加)
過去2度の優勝の実績を持つ、静岡のアマチュアを代表する選手。
安定感があり、打点力もある。
残念ながら今回で静岡リーグの参戦は最後になりそうとの事。有終の美を飾れるか?

4位通過 松清一樹さん(一般参加)
第32回の静岡リーグに続き、早くも2回目の決勝進出となった。
前回の決勝では緊張した様子も見られたが、早めに対局に集中できればチャンスはある。まだ若く、とても研究熱心な選手なので、これからどんどん成長していくだろう

5位通過 望月雅継プロ(静岡支部長)
最終戦でトップを取り、滑り込みで最後の椅子をもぎ取った。正直アドバンテージの差は大きいが、混戦に持ち込めるようなら、昨年の静岡プロリーグ決勝で見せた勝負強さが物を言うだろう。

展開予想としては、先手を取りに来る鈴木プロ・高木プロに対し、舟橋さん・松清さんの高打点のカウンターが決まるか、そして近年スタイルを変えているかのような望月プロが今回はどういった麻雀を見せるのかといったところか。

決勝は2/16(日)の13時から行われる。
観戦は自由となっているので、是非多くの方に会場に足を運んでいただきたい。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 鈴木郁孝 プロ 5.0 77.0 32.0 24.7 63.2 201.9
2 高木翔太 プロ 54.1 58.0 24.9 23.5 12.0 172.5
3 舟橋晃 一般 12.9 9.2 20.9 70.3 45.3 158.6
4 松清一樹 一般 4.5 60.5 63.6 ▲ 12.1 10.6 127.1
5 望月雅継 プロ 31.0 ▲ 35.5 56.0 61.3 9.8 122.6
6 鈴木貴仁 一般 ▲ 24.6 114.5 32.3 45.3 ▲ 55.0 112.5
7 杉村泰治 プロ ▲ 2.0 27.9 23.3 31.5 26.2 106.9
8 平田拓也 一般 47.5 37.5 ▲ 28.4 ▲ 19.6 62.2 99.2
9 西田孝志 一般 51.6 2.9 33.8 ▲ 35.3 42.9 95.9
10 山本拓哉 プロ 72.7 27.3 ▲ 33.1 ▲ 14.3 39.4 92.0
11 土屋幸弘 プロ 21.4 ▲ 30.3 6.6 28.6 62.0 88.3
12 大橋幸正 プロ ▲ 25.1 9.7 15.6 38.6 47.8 86.6
13 高橋孝基 一般 ▲ 10.4 37.6 38.0 ▲ 4.7 13.5 74.0
14 大月れみ プロ ▲ 2.9 ▲ 4.5 ▲ 40.7 ▲ 5.2 123.9 70.6
15 小山剛史 一般 ▲ 7.9 31.1 ▲ 11.5 23.6 32.9 68.2
16 白井健夫 一般 5.9 37.7 ▲ 25.0 ▲ 11.9 53.0 59.7
17 深見翔 一般 13.6 66.8 ▲ 17.5 59.0 ▲ 62.6 59.3
18 田中寛治 プロ 36.8 ▲ 14.3 0.0 ▲ 6.8 36.6 52.3
19 平野敬悟 プロ 25.8 ▲ 23.6 42.1 0.8 4.2 49.3
20 都築友和 プロ 38.8 ▲ 26.4 ▲ 6.0 49.6 ▲ 6.9 49.1
21 片山一哉 一般 ▲ 4.6 ▲ 50.5 6.9 58.9 38.2 48.9
22 岡本和也 プロ 78.3 ▲ 49.9 7.2 ▲ 19.6 31.5 47.5
23 藤島健二郎 プロ ▲ 11.6 2.0 1.3 67.1 ▲ 15.1 43.7
24 大谷数則 一般 35.7 ▲ 1.3 ▲ 56.1 7.4 54.8 40.5
25 本田真之 一般 76.4 ▲ 57.4 4.7 5.5 9.9 39.1
26 中寿文 プロ ▲ 59.2 50.3 10.8 34.5 1.4 37.8
27 伊藤真 一般 16.9 9.0 26.2 ▲ 59.4 44.6 37.3
28 北川光 一般 72.9 ▲ 11.3 ▲ 46.1 ▲ 4.0 14.8 26.3
29 原佑典 プロ

▲ 40.8 ▲ 16.8 58.6 48.8 ▲ 28.8 21.0
30 坂本彰光 一般 ▲ 59.7 98.5 6.6 19.9 ▲ 45.4 19.9
31 渡辺洋巳 プロ 17.3 5.2 3.6 ▲ 24.2 17.1 19.0
32 藤井太郎 一般 ▲ 6.1 ▲ 13.9 ▲ 46.9 17.2 61.5 11.8
33 川崎義之 プロ 15.2 ▲ 52.2 37.1 ▲ 22.5 32.4 10.0
34 牧野卓人 一般 22.8 3.1 ▲ 30.9 0.0 0.0 ▲ 5.0
35 渡部文也 一般 63.4 ▲ 44.9 ▲ 4.0 8.7 ▲ 31.2 ▲ 8.0
36 井上一雄 一般 ▲ 27.4 ▲ 5.0 36.0 ▲ 29.5 14.5 ▲ 11.4
37 宮地孝尚 一般 59.6 ▲ 53.3 ▲ 4.3 ▲ 23.3 7.1 ▲ 14.2
38 北島武弘 一般 56.6 ▲ 3.1 ▲ 20.8 ▲ 24.1 ▲ 23.7 ▲ 15.1
39 青嶋宏樹 プロ ▲ 41.9 31.1 57.5 ▲ 28.4 ▲ 33.5 ▲ 15.2
40 八木寛大 一般 ▲ 34.0 ▲ 55.1 48.8 50.6 ▲ 39.6 ▲ 29.3
41 堀孔明 一般 4.4 54.6 40.7 ▲ 52.0 ▲ 77.2 ▲ 29.5
42 阪本恭郎 一般 35.5 ▲ 32.5 16.1 6.4 ▲ 57.4 ▲ 31.9
43 安藤銀一 プロ 11.7 15.2 ▲ 61.2 13.4 ▲ 17.9 ▲ 38.8
44 鈴木博直 一般 ▲ 52.5 67.1 41.4 5.7 ▲ 100.9 ▲ 39.2
45 鈴木雅人 一般 13.5 ▲ 82.8 ▲ 2.7 2.7 28.6 ▲ 40.7
46 斉藤隆 プロ 13.8 ▲ 24.2 ▲ 23.6 7.3 ▲ 17.7 ▲ 44.4
47 久保田和治 一般 9.4 11.3 17.2 ▲ 38.5 ▲ 44.7 ▲ 45.3
48 安藤真由美 一般 ▲ 66.6 14.6 22.3 32.5 ▲ 48.3 ▲ 45.5
49 大橋義一 一般 ▲ 57.0 0.0 0.0 0.0 0.0 ▲ 57.0
50 源馬健太 一般 ▲ 9.9 ▲ 30.4 ▲ 19.3 3.6 ▲ 4.1 ▲ 60.1
51 小倉雨 一般 ▲ 15.7 40.6 ▲ 0.4 ▲ 69.3 ▲ 17.3 ▲ 62.1
52 蓮沼友樹 プロ ▲ 3.5 37.9 ▲ 60.2 ▲ 24.1 ▲ 13.6 ▲ 63.5
53 中野妙子 プロ ▲ 58.8 1.4 10.6 ▲ 21.3 ▲ 1.2 ▲ 69.3
54 服部哲也 一般 ▲ 64.7 26.3 1.2 ▲ 37.2 0.0 ▲ 74.4
55 福井弘人 一般 ▲ 28.1 ▲ 47.2 0.0 0.0 0.0 ▲ 75.3
56 加藤拓 一般 ▲ 65.3 ▲ 19.9 ▲ 19.9 13.8 6.5 ▲ 84.8
57 石津寿人 プロ ▲ 18.2 50.7 ▲ 44.7 ▲ 61.6 ▲ 16.2 ▲ 90.0
58 松永誠 一般 ▲ 22.6 35.9 0.2 ▲ 39.6 ▲ 64.6 ▲ 90.7
59 山内紀博 一般 ▲ 76.6 ▲ 7.3 ▲ 2.4 13.3 ▲ 23.1 ▲ 96.1
60 渡会拓人 一般 ▲ 50.9 ▲ 25.8 8.4 6.0 ▲ 44.6 ▲ 106.9
61 京平遥 プロ ▲ 61.6 ▲ 43.2 26.0 ▲ 16.0 ▲ 16.4 ▲ 111.2
62 影山恒太 一般 ▲ 35.7 ▲ 32.2 ▲ 9.4 ▲ 21.7 ▲ 12.6 ▲ 111.6
63 太田昌樹 プロ ▲ 87.8 2.0 ▲ 29.1 30.4 ▲ 32.5 ▲ 117.0
64 中野一男 一般 ▲ 4.2 6.8 ▲ 21.1 ▲ 58.3 ▲ 40.7 ▲ 117.5
65 村瀬光佳 一般 ▲ 22.0 ▲ 71.7 ▲ 61.9 34.3 ▲ 21.8 ▲ 143.1
66 鷲見隼人 プロ ▲ 56.3 ▲ 39.0 ▲ 48.6 1.2 ▲ 5.8 ▲ 148.5
67 鈴木秀幸 プロ 6.2 ▲ 26.8 ▲ 66.2 ▲ 58.3 ▲ 4.9 ▲ 150.0
68 牧野光治 一般 ▲ 51.9 ▲ 11.3 ▲ 16.9 ▲ 14.0 ▲ 64.8 ▲ 158.9
69 伊藤裕美子 一般 ▲ 11.8 ▲ 61.4 10.9 ▲ 55.2 ▲ 47.3 ▲ 164.8

第7期JPML WRCリーグ 優勝は真鍋明広!

100

優勝:真鍋明広 準優勝:中野妙子 第3位:伊藤優孝 第4位:ダンプ大橋

最高位戦日本プロ麻雀協会主催 第28期發王戦 優勝は白鳥翔!

100

第15期 静岡プロリーグ 最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 田中寛治 ▲ 12.1 54.5 18.3 47.2 53.4 8.1 ▲ 17.7 ▲ 2.8 7.3 25.1 181.3
2 原佑典 38.6 65.1 ▲ 13.4 ▲ 28.8 12.9 ▲ 22.5 87.9 ▲ 34.9 ▲ 6.6 39.8 138.1
3 川崎義之 ▲ 7.5 38.4 24.7 ▲ 28.7 55.0 ▲ 11.8 84.6 ▲ 43.5 11.1 5.6 127.9
4 中寿文 43.7 ▲ 13.0 ▲ 5.1 28.1 7.7 ▲ 8.8 52.8 39.7 ▲ 24.1 6.4 127.4
5 青嶋宏樹 15.7 ▲ 55.3 49.0 43.5 53.1 ▲ 5.8 22.0 ▲ 24.9 ▲ 9.9 33.9 121.3
6 太田昌樹 11.5 ▲ 24.7 76.2 45.3 ▲ 29.9 ▲ 11.1 7.5 ▲ 3.6 ▲ 4.7 18.7 85.2
7 杉村泰治 ▲ 36.1 5.5 ▲ 15.8 82.5 ▲ 40.9 18.2 89.2 ▲ 3.4 ▲ 2.7 ▲ 28.9 67.6
8 岡本和也 29.9 ▲ 4.1 29.4 ▲ 8.2 ▲ 18.9 56.8 0.7 22.0 ▲ 46.1 1.6 63.1
9 藤島健二郎 ▲ 51.1 2.6 ▲ 27.4 14.5 91.6 17.4 ▲ 30.6 18.3 ▲ 4.9 31.7 62.1
10 大橋幸正 34.8 ▲ 33.9 ▲ 34.2 ▲ 13.4 ▲ 41.2 59.7 49.3 10.9 30.8 ▲ 4.5 58.3
11 岩井健太 2.3 5.3 21.9 55.8 5.4 42.5 ▲ 30.4 ▲ 25.6 14.1 ▲ 46.9 44.4
12 京平遥 ▲ 20.2 ▲ 24.8 20.6 ▲ 16.8 2.2 26.2 43.4 15.8 24.4 ▲ 37.0 33.8
13 鈴木郁孝 ▲ 1.8 27.9 30.4 ▲ 33.9 ▲ 14.7 70.2 ▲ 25.8 2.4 ▲ 5.3 ▲ 15.8 33.6
14 山本拓哉 3.9 ▲ 5.6 38.2 41.1 13.4 29.8 ▲ 20.7 ▲ 64.9 ▲ 18.5 6.6 23.3
15 望月雅継 41.9 21.2 1.5 28.4 ▲ 45.7 ▲ 49.8 ▲ 37.7 65.7 ▲ 52.4 38.9 12.0
16 平野敬悟 ▲ 41.1 6.4 23.1 ▲ 19.2 45.4 ▲ 13.5 ▲ 32.0 ▲ 6.5 8.8 27.3 ▲ 1.3
17 岡田智和 ▲ 69.4 ▲ 24.2 ▲ 6.5 29.7 18.6 35.2 4.6 11.0 10.7 ▲ 13.3 ▲ 3.6
18 蓮沼友樹 ▲ 2.2 1.1 ▲ 1.7 ▲ 41.4 ▲ 32.0 18.1 20.3 ▲ 35.5 63.1 4.8 ▲ 5.4
19 都築友和 ▲ 30.4 ▲ 55.1 ▲ 8.1 ▲ 4.4 28.8 33.9 51.8 ▲ 11.3 2.1 ▲ 25.0 ▲ 17.7
20 中野妙子 ▲ 58.9 32.3 ▲ 32.2 47.7 ▲ 2.1 ▲ 20.1 ▲ 36.6 38.9 2.5 9.4 ▲ 19.1
21 土屋幸弘 ▲ 3.8 30.4 ▲ 22.9 41.1 9.4 ▲ 20.2 ▲ 33.6 ▲ 13.6 4.1 ▲ 53.1 ▲ 62.2
22 大月れみ 4.6 22.1 40.2 ▲ 40.9 ▲ 5.6 ▲ 64.4 ▲ 60.6 ▲ 21.3 ▲ 7.1 54.9 ▲ 78.1
23 鈴木秀幸 ▲ 12.3 ▲ 31.2 63.9 ▲ 79.3 12.2 ▲ 32.5 ▲ 56.1 72.5 ▲ 17.7 ▲ 11.3 ▲ 91.8
24 渡辺洋巳 ▲ 2.0 9.4 ▲ 17.5 ▲ 26.1 ▲ 42.1 ▲ 15.4 ▲ 18.2 12.5 44.4 ▲ 70.9 ▲ 125.9
25 藤本哲也 15.1 10.1 ▲ 6.0 ▲ 62.3 1.2 35.1 ▲ 41.0 ▲ 119.2 7.9 26.0 ▲ 133.1
26 斉藤隆 ▲ 27.9 ▲ 58.3 2.1 7.7 ▲ 68.6 ▲ 56.3 7.9 16.9 ▲ 13.8 39.2 ▲ 151.1
27 後藤咲 11.7 ▲ 54.4 ▲ 23.2 ▲ 22.3 ▲ 23.1 8.9 ▲ 62.1 24.2 ▲ 29.1 17.3 ▲ 152.1
28 鷲見隼人 28.9 35.7 ▲ 79.3 ▲ 68.1 29.2 ▲ 30.6 ▲ 68.5 49.4 ▲ 45.0 ▲ 46.5 ▲ 194.8
29 高木翔太 ▲ 3.2 ▲ 0.4 ▲ 65.0 ▲ 15.5 ▲ 32.2 ▲ 109.5 8.6 ▲ 20.2 35.6 ▲ 36.0 ▲ 237.8

第34回静岡リーグ(プロアマ混合)最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 鈴木郁孝 プロ 5.0 77.0 32.0 24.7 63.2 201.9
2 高木翔太 プロ 54.1 58.0 24.9 23.5 12.0 172.5
3 舟橋晃 一般 12.9 9.2 20.9 70.3 45.3 158.6
4 松清一樹 一般 4.5 60.5 63.6 ▲ 12.1 10.6 127.1
5 望月雅継 プロ 31.0 ▲ 35.5 56.0 61.3 9.8 122.6
6 鈴木貴仁 一般 ▲ 24.6 114.5 32.3 45.3 ▲ 55.0 112.5
7 杉村泰治 プロ ▲ 2.0 27.9 23.3 31.5 26.2 106.9
8 平田拓也 一般 47.5 37.5 ▲ 28.4 ▲ 19.6 62.2 99.2
9 西田孝志 一般 51.6 2.9 33.8 ▲ 35.3 42.9 95.9
10 山本拓哉 プロ 72.7 27.3 ▲ 33.1 ▲ 14.3 39.4 92.0
11 土屋幸弘 プロ 21.4 ▲ 30.3 6.6 28.6 62.0 88.3
12 大橋幸正 プロ ▲ 25.1 9.7 15.6 38.6 47.8 86.6
13 高橋孝基 一般 ▲ 10.4 37.6 38.0 ▲ 4.7 13.5 74.0
14 大月れみ プロ ▲ 2.9 ▲ 4.5 ▲ 40.7 ▲ 5.2 123.9 70.6
15 小山剛史 一般 ▲ 7.9 31.1 ▲ 11.5 23.6 32.9 68.2
16 白井健夫 一般 5.9 37.7 ▲ 25.0 ▲ 11.9 53.0 59.7
17 深見翔 一般 13.6 66.8 ▲ 17.5 59.0 ▲ 62.6 59.3
18 田中寛治 プロ 36.8 ▲ 14.3 0.0 ▲ 6.8 36.6 52.3
19 平野敬悟 プロ 25.8 ▲ 23.6 42.1 0.8 4.2 49.3
20 都築友和 プロ 38.8 ▲ 26.4 ▲ 6.0 49.6 ▲ 6.9 49.1
21 片山一哉 一般 ▲ 4.6 ▲ 50.5 6.9 58.9 38.2 48.9
22 岡本和也 プロ 78.3 ▲ 49.9 7.2 ▲ 19.6 31.5 47.5
23 藤島健二郎 プロ ▲ 11.6 2.0 1.3 67.1 ▲ 15.1 43.7
24 大谷数則 一般 35.7 ▲ 1.3 ▲ 56.1 7.4 54.8 40.5
25 本田真之 一般 76.4 ▲ 57.4 4.7 5.5 9.9 39.1
26 中寿文 プロ ▲ 59.2 50.3 10.8 34.5 1.4 37.8
27 伊藤真 一般 16.9 9.0 26.2 ▲ 59.4 44.6 37.3
28 北川光 一般 72.9 ▲ 11.3 ▲ 46.1 ▲ 4.0 14.8 26.3
29 原佑典 プロ ▲ 40.8 ▲ 16.8 58.6 48.8 ▲ 28.8 21.0
30 坂本彰光 一般 ▲ 59.7 98.5 6.6 19.9 ▲ 45.4 19.9
31 渡辺洋巳 プロ 17.3 5.2 3.6 ▲ 24.2 17.1 19.0
32 藤井太郎 一般 ▲ 6.1 ▲ 13.9 ▲ 46.9 17.2 61.5 11.8
33 川崎義之 プロ 15.2 ▲ 52.2 37.1 ▲ 22.5 32.4 10.0
34 牧野卓人 一般 22.8 3.1 ▲ 30.9 0.0 0.0 ▲ 5.0
35 渡部文也 一般 63.4 ▲ 44.9 ▲ 4.0 8.7 ▲ 31.2 ▲ 8.0
36 井上一雄 一般 ▲ 27.4 ▲ 5.0 36.0 ▲ 29.5 14.5 ▲ 11.4
37 宮地孝尚 一般 59.6 ▲ 53.3 ▲ 4.3 ▲ 23.3 7.1 ▲ 14.2
38 北島武弘 一般 56.6 ▲ 3.1 ▲ 20.8 ▲ 24.1 ▲ 23.7 ▲ 15.1
39 青嶋宏樹 プロ ▲ 41.9 31.1 57.5 ▲ 28.4 ▲ 33.5 ▲ 15.2
40 八木寛大 一般 ▲ 34.0 ▲ 55.1 48.8 50.6 ▲ 39.6 ▲ 29.3
41 堀孔明 一般 4.4 54.6 40.7 ▲ 52.0 ▲ 77.2 ▲ 29.5
42 阪本恭郎 一般 35.5 ▲ 32.5 16.1 6.4 ▲ 57.4 ▲ 31.9
43 安藤銀一 プロ 11.7 15.2 ▲ 61.2 13.4 ▲ 17.9 ▲ 38.8
44 鈴木博直 一般 ▲ 52.5 67.1 41.4 5.7 ▲ 100.9 ▲ 39.2
45 鈴木雅人 一般 13.5 ▲ 82.8 ▲ 2.7 2.7 28.6 ▲ 40.7
46 斉藤隆 プロ 13.8 ▲ 24.2 ▲ 23.6 7.3 ▲ 17.7 ▲ 44.4
47 久保田和治 一般 9.4 11.3 17.2 ▲ 38.5 ▲ 44.7 ▲ 45.3
48 安藤真由美 一般 ▲ 66.6 14.6 22.3 32.5 ▲ 48.3 ▲ 45.5
49 大橋義一 一般 ▲ 57.0 0.0 0.0 0.0 0.0 ▲ 57.0
50 源馬健太 一般 ▲ 9.9 ▲ 30.4 ▲ 19.3 3.6 ▲ 4.1 ▲ 60.1
51 小倉雨 一般 ▲ 15.7 40.6 ▲ 0.4 ▲ 69.3 ▲ 17.3 ▲ 62.1
52 蓮沼友樹 プロ ▲ 3.5 37.9 ▲ 60.2 ▲ 24.1 ▲ 13.6 ▲ 63.5
53 中野妙子 プロ ▲ 58.8 1.4 10.6 ▲ 21.3 ▲ 1.2 ▲ 69.3
54 服部哲也 一般 ▲ 64.7 26.3 1.2 ▲ 37.2 0.0 ▲ 74.4
55 福井弘人 一般 ▲ 28.1 ▲ 47.2 0.0 0.0 0.0 ▲ 75.3
56 加藤拓 一般 ▲ 65.3 ▲ 19.9 ▲ 19.9 13.8 6.5 ▲ 84.8
57 石津寿人 プロ ▲ 18.2 50.7 ▲ 44.7 ▲ 61.6 ▲ 16.2 ▲ 90.0
58 松永誠 一般 ▲ 22.6 35.9 0.2 ▲ 39.6 ▲ 64.6 ▲ 90.7
59 山内紀博 一般 ▲ 76.6 ▲ 7.3 ▲ 2.4 13.3 ▲ 23.1 ▲ 96.1
60 渡会拓人 一般 ▲ 50.9 ▲ 25.8 8.4 6.0 ▲ 44.6 ▲ 106.9
61 京平遥 プロ ▲ 61.6 ▲ 43.2 26.0 ▲ 16.0 ▲ 16.4 ▲ 111.2
62 影山恒太 一般 ▲ 35.7 ▲ 32.2 ▲ 9.4 ▲ 21.7 ▲ 12.6 ▲ 111.6
63 太田昌樹 プロ ▲ 87.8 2.0 ▲ 29.1 30.4 ▲ 32.5 ▲ 117.0
64 中野一男 一般 ▲ 4.2 6.8 ▲ 21.1 ▲ 58.3 ▲ 40.7 ▲ 117.5
65 村瀬光佳 一般 ▲ 22.0 ▲ 71.7 ▲ 61.9 34.3 ▲ 21.8 ▲ 143.1
66 鷲見隼人 プロ ▲ 56.3 ▲ 39.0 ▲ 48.6 1.2 ▲ 5.8 ▲ 148.5
67 鈴木秀幸 プロ 6.2 ▲ 26.8 ▲ 66.2 ▲ 58.3 ▲ 4.9 ▲ 150.0
68 牧野光治 一般 ▲ 51.9 ▲ 11.3 ▲ 16.9 ▲ 14.0 ▲ 64.8 ▲ 158.9
69 伊藤裕美子 一般 ▲ 11.8 ▲ 61.4 10.9 ▲ 55.2 ▲ 47.3 ▲ 164.8

第1期中部リーグ(プロアマ混合)第4節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 岡田智和 プロ +17.7 93.7 ▲ 39.8 147.5 219.1
2 まさみ 一般 ▲ 49.4 69.8 48.6 92.1 161.1
3 堀孔明 一般 +28.3 85.3 ▲ 43.6 76.9 146.9
4 大橋幸正 プロ +59.9 88.7 54.6 ▲ 89.4 113.8
5 村瀬寛光 プロ +62.9 37.3 ▲ 46.9 54.2 107.5
6 小暮優真 一般 +165.5 7.7 34.7 ▲ 107.9 100.0
7 木田智晴 一般 ▲ 3.5 113.7 ▲ 13.5 ▲ 13.3 83.4
8 山本真一 一般 +86.4 43.2 ▲ 66.7 19.4 82.3
9 段谷昭夫 一般 ▲ 9.3 78.3 ▲ 44.2 50.3 75.1
10 おっくー 一般 +3.4 33.6 7.4 27.1 71.5
11 YT-89 一般 ▲ 4.8 58.0 77.5 ▲ 60.3 70.4
12 奥潤次 プロ +6.8 ▲ 56.3 54.9 46.8 52.2
13 ハウアー・ヤマジ 一般 +35.0 26.5 19.6 ▲ 30.8 50.3
14 都築友和 プロ ▲ 28.0 ▲ 30.4 58.5 31.1 31.2
15 大口伸也 一般 ▲ 101.5 40.2 ▲ 22.6 90.9 7.0
16 坂本彰光 一般 +8.4 ▲ 34.8 ▲ 70.2 78.1 ▲ 18.5
17 おにぎり 一般 +4.5 ▲ 4.0 21.8 ▲ 43.7 ▲ 21.4
18 金平裕樹 プロ ▲ 17.0 ▲ 2.5 38.9 ▲ 64.7 ▲ 45.3
19 林俊宏 プロ +31.0 ▲ 69.6 48.4 ▲ 57.8 ▲ 48.0
20 石田進矢 一般 +35.5 ▲ 66.2 ▲ 69.4 19.5 ▲ 80.6
21 中山賢次 一般 +31.4 ▲ 80.5 78.9 ▲ 117.5 ▲ 87.7
22 村瀬光佳 一般 ▲ 45.8 ▲ 6.5 ▲ 107.1 19.2 ▲ 140.2
23 おだたかし 一般 ▲ 126.5 ▲ 49.5 ▲ 15.6 22.1 ▲ 169.5
24 影山恒太 一般 ▲ 10.3 ▲ 63.8 ▲ 4.5 ▲ 100.9 ▲ 179.5
25 Tommy 一般 ▲ 71.6 ▲ 91.8 ▲ 25.6 ▲ 8.5 ▲ 197.5

第27期特別昇級リーグ 決勝レポート 阿久津 翔太

鳳凰位決定戦が行われている中、若手麻雀プロにとってとてつもなく熱い戦いである特別昇級リーグの決勝戦が行われた。
鳳凰位になるには、A1リーグまで昇級しなければならず、その道のりは果てしなく長い道のりであるが、それをジャンプアップできるのがこの特別昇級リーグである。
主に、リーグ戦での上位の昇級や、タイトル戦で決勝に残るなどの活躍をした選手に資格が与えられ、1位になるとB2リーグ、2位になるとC1リーグ、3位になるとC2リーグに昇級できる。
ただし、今回は暫定首位である今泉がリーグ戦でマイナスし、特別昇級の権利を失ってしまったが、優勝すれば来期の特別昇級リーグに参加する権利が得られるので、優勝して来期に望みを繋げたいところである。

今回決勝に残ったのは以下の5名である。※カッコ内は所属リーグ

今泉誠一  +210.0P (C2)
瀬下勝也  +145.3 P (D1→C3)
松田彩花  +81.5P (D2)
宮崎皓之介 +73.9P (C1)
浜野太陽  +70.8P (D2)

瀬下は優勝を目指しつつ、状況次第で2位死守。宮崎は、C1リーグにいるため優勝以外昇級できないので優勝を目指したい。松田、浜野は3位を狙いつつ大きくプラスしたら2位以上を狙いたい。

 

【1回戦】(起家から宮崎・瀬下・松田・浜野)
流局と安手でゆっくりと局が進む中、宮崎が仕掛けを駆使して点数を稼いでいく。

東3局に瀬下がドラトイツの3面張リーチをかけてツモり、2,000・3,900のアガリ。

・東4局 ドラ五筒
親番の浜野が好配牌をもらって、3巡目で以下の形に。

二万三万四万五万五万五万七万五索七索一筒一筒四筒五筒  ツモ六索

七万を切ってのリーチがシンプルだが、浜野はまだ3巡目ということで打一筒を選択。
たしかにここは満貫クラスが欲しいところである。

同巡、ここまでかなり厳しい手牌続きだった松田も勝負手に。

四索八索八索八索二筒三筒四筒五筒六筒六筒白白白

優秀なくっつきの1シャンテンだが、先にテンパイしたのは浜野。

二万三万四万五万五万五万六万七万五索六索七索四筒五筒  リーチ

テンパイ外しからリーチが打てて、後はアガれるかどうか…と思ったのも束の間。
すぐに松田にもテンパイが入るが、持ってきたのは七筒

四索六筒も両無筋だが、後の変化と、リーチ宣言牌が八筒であること(浮き牌で持っていた)を加味して打四索
引いた牌次第では六筒が出るかもしれない…と思っていたらそのまま松田が六筒をツモって1,300・2,600のアガリに。

さっきまで熱に満ちていた浜野の目は、すぐそこにあるが手の届かない六筒を見つめていた。

・南1局 ドラ二万
南家の瀬下に好配牌。

二万二万三万五万八万八万五索八索八索三筒五筒八筒南南

2巡目でダブ南をポンして満貫に向かって一直線。
だが、先にテンパイしたのは8巡目に宮崎。

一万二万三万四万五万六万五索六索六筒七筒八筒白白  リーチ

瀬下もすぐに追いつく。

二万二万三万四万五万六万八索八索一筒三筒  ポン南南南  ツモ八索

宮崎の河に九万があるので六万をプッシュ。
浜野、松田もそこそこ整った手が入っていたが、さすがに危険な状況でやむなくオリに。
宮崎と瀬下の勝負となり、11巡目に宮崎が四索をツモって2,000オールのアガリ。

南1局1本場は松田がヤミテンを入れて、9巡目に浜野から1,000は1,300のアガリ。

・南2局 ドラ七索
親番の瀬下が第一打に一索を切ったものの、ソウズが伸びてホンイツへ。

12巡目に南をポンして、

四索五索五索六索六索七索八索北中中  ポン南南南

この1シャンテンに。
宮崎がすかさずカン四万をチー。

三索四索二筒二筒三筒四筒五筒六筒六筒六筒  チー四万 左向き三万 上向き五万 上向き

15巡目で瀬下が八索を引いて、中八索待ちのテンパイを入れる。
宮崎が中を引いてツモ切り。瀬下への12,000の放銃となった。

最終手出しが北であること、第一打が一索であること、これらを加味すると中を止めるのは難しい。
しかし、地道に加点してきた宮崎にとっては大きな痛手となってしまった。

・南2局1本場 ドラ四筒
親番の連荘力を意識しているという瀬下が7巡目に先制リーチを打つ。

九万九万二索二索三索三索四索四索五索六索七索三筒五筒  リーチ

すぐに四筒をツモって、3,900は4,000オールの大きい追加点を決める。
抜け番の今泉の心拍数が上がる…

・南2局2本場 ドラ白
松田が2巡目に早くもテンパイ。

一万二万三万七万八万八万八万九万二筒三筒四筒五筒七筒

次巡五筒を引いて七筒を切るも、ここからなかなか変化せず、その間に瀬下が発をポン。
11巡目でようやく松田が九万を引いて打八万で役有りに。
その後、瀬下の手牌が以下の形に。

四万四万四万五万五万六万九万九万五筒六筒白  ポン発発発

ここから瀬下はドラの白を切り、その白を浜野がポンするも、瀬下が九万ポン打六万でテンパイし、七筒をツモって700は900オールのアガリでさらに連荘。

・南3局3本場 ドラ六万
この局も瀬下は積極的に前に出ていき、11巡目でこの手牌。

二万三万四万六万八万八万二筒三筒四筒八筒九筒  ポン東東東

ドラの六万を切ってペン七筒のテンパイ。この六万を松田がチー。

五万五万五万六万六万四索三筒五筒六筒六筒  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き

四索を重ねて打三筒
四筒をチーしてテンパイ。

五万五万五万六万六万四索四索  チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き

どちらも自分から1枚ずつ見えていて苦しい待ちだが、今までの我慢が報われるかのような四索ツモで2,000・3,900は2,300・4,200のアガリに。

・南3局 ドラ七万
宮崎が3巡目でドラを暗刻にしてリーチをかける。

二万三万四万七万七万七万三索三索七索九索六筒七筒八筒  リーチ

あまりにも早い勝負手。

自分が一番早いと思っていたらリーチが来てしまった浜野。

二万三万五万五万三索四索五索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒

当然ペン七索を落としていき、宮崎への8,000の放銃に。
浜野はこの半荘あまりにも苦しく、3,400点まで点棒を減らしてしまった。
しかし、オーラスの親番を迎えた浜野の目はまだ死んではいなかった。

・南4局 ドラ東
親番の浜野が3巡目で以下の形に。

三万五万六万七万三索五索七索八索九索一筒一筒三筒四筒五筒

足止めリーチに逃げはしない。浜野は自分を信じて打六万
瀬下が二索を二連打していて、カン四索がほんのちょっぴり良いこと、31,400点持ちの松田に対して、流局だと条件を押し付けられないが、3,900オールをツモれば一応浮くための条件を押し付けられること。
この2つが浜野の背中を後押しし、魂の一打に応えるように10巡目に四索を引いてリーチ。

おそらくプロになった当時の浜野はテンパイしてすぐにリーチをしていたと思う。
公式ルールをたくさん打ち、研究して、迷いながら今の麻雀になった。

「見ててくれ…これが進化した俺の麻雀だ…」

リーチ発声にそんな思いが込められているような気がしてならなかった。

13巡目、浜野はそっと四万を手元に置いた。
東場での悔しさを晴らす、3,900オール。

南4局1本場は宮崎がドラドラの先制リーチ。
安全牌が無くなった松田が5,200は5,500の放銃となった。

1回戦結果
瀬下:+37.0P 宮崎:▲3.1P 松田:▲11.0P 浜野:▲22.9P

トータル
今泉:+210.0P 瀬下:+182.3P 宮崎:+70.8P 松田:+70.5P 浜野:+47.9P

瀬下が今泉に大きく迫る。浜野はラスを引いてしまったものの、3,900オールをアガったのが大きく、差はそこまで開かずに済んだ。

 

 

【2回戦】(起家から今泉・浜野・松田・宮崎)
・東1局 ドラ三筒
松田が序盤に2フーロでテンパイを入れる。

四万四万二索二索中中中  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き

ドラがトイツの宮崎は果敢に役牌を押していく。
だがこの男も黙っていない。10巡目に今泉がテンパイ。

五万五万五万一索三索四索五索五索六索七索八索九索八筒八筒

五索を切って一気通貫のリーチに。

松田が八万を加カンし、宮崎も追いついてリーチに。

三索四索六索七索八索三筒三筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  リーチ

いきなり全員の勝負手が激突。

軍配が上がったのは松田。
二索をツモって、1,600・3,200のアガリとなった。

・東2局 ドラ六筒
序盤で親番の浜野が中を暗カン。

公式ルールにおいて役牌の暗カンはかなり迫力がある。
6巡目で宮崎がテンパイ。

二万三万四万六万七万八万五索六索七索三筒四筒四筒東東

二筒五筒が2枚見えていて、宮崎は三筒を切ってのリーチを選択した。
親の中カンは怖いが、ポイント状況的にヤミにしている余裕も無い。
このリーチに対しうまくまわってテンパイを入れたのが今泉。

四万五万二索三索四索六索七索八索五筒六筒七筒七筒七筒

六万が宮崎の現物でヤミに。そして親番の浜野もまたヤミテンを入れる。

三万四万五万二索三索六筒六筒八筒八筒八筒  暗カン牌の背中中牌の背

またしても手がぶつかりあったなか、アガったのは宮崎。

東をツモって1,000・2,000のアガリ。

東3局は浜野2フーロしてホンイツのテンパイ。すぐに1,000・2,000のツモとなった。

・東4局 ドラ三万
この局も浜野は軽快に仕掛けていく。

一万三万五万六万七筒八筒東  ポン南南南  ポン発発発

ここに二万を引いて打七筒としホンイツへ。
しかし、最初にテンパイしたのは配牌で789の三色が完成していた松田。

二万三万四万七万八万九万二索七索八索九索七筒八筒九筒

一筒を引いて一筒待ちに。
浜野は五万を引いて五万をポンして打六万とし、東待ちのテンパイに。
すぐに東をツモって、2,000・4,000のアガリに。

・南1局 ドラ二万
ここまで手は作れているも、アガリに辿りつけてない今泉の親番。
配牌からトイツであった発をスルーしてリーチに辿り着く。

三索三索三索六索七索八索一筒二筒三筒八筒八筒発発  リーチ

手詰まった浜野から発が出て3,900のアガリに。
落ち着いた発スルーが光った。

・南1局1本場 ドラ六筒
3巡目に浜野がテンパイ。

二万三万四万六万七万八万一索二索三筒五筒六筒七筒八筒八筒

浜野は一索を切ってテンパイを外す。

五万を引いて打二索五索を引いて三筒

どんどん形は良くなるが、そうこうしているうちに全員が1シャンテンに。
最初にテンパイしたのは親番の今泉。

二万三万四万四万五万六万二索三索四索七索七索七筒八筒  リーチ

浜野も追いつく。

二万三万四万五万六万七万三索五索五筒六筒七筒八筒八筒

四索が今泉の現物でヤミを選択。
すぐに浜野が四索をツモって1,000・2,000は1,100・2,100。

・南2局 ドラ九万
1回戦とは変わって調子の良い浜野の親番。

そんな浜野にあっさりと6巡目リーチが入る。

一万二万三万四万五万九万九万三索四索五索七筒七筒七筒  リーチ

七筒を暗カンし、三万をツモって4,000オールのアガリに。
1回戦のマイナスを取り返した。

南2局1本場 ドラ九万
親番浜野に好配牌。

一万二万三万六万二索三索七索八索九索一筒三筒北発発

チャンタ三色の1シャンテン。打北
3巡目に五万を引いてツモ切り。リャンメン落としを見せることに。

それを見た松田は、安全牌を抱えるか少考するが、強気に安全牌を切っていく。
その強気に呼応するかのようにスイスイと手牌が進んでいき、ピンフのテンパイを入れるが、ここでドラをトイツにしていた浜野が九万をポン。

一万二万三万二索三索七索八索九索発発  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き

さらに発を引いて三索を切るが、これが松田への1,000は1,300の放銃となった。

・南3局 ドラ七万
9巡目に松田が先制リーチ。

二万二万九万九万九万四索五索六索七索八索九索三筒三筒  リーチ

五万を先に切っていて、リーチ宣言牌が六筒なのでどちらも引っかかっている。
序盤で中を仕掛けていた浜野に勝負手が入る。

一万一万二万三万三万四万四万五万六万七万  ポン中中中

しかし、またしても松田が浜野の勝負手をかわす。
今泉から2,000のアガリ。

南3局1本場は松田がリーチをかけ、今泉のリーチと浜野の仕掛けをかわし、今泉から2,000は2,300をアガってさらに連荘。

・南3局2本場 ドラ南
浜野が自風の北をポンして中盤にテンパイを入れる。

三万四万一索二索三索五索五索  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ポン北北北

そして浜野がツモ切ったドラの南を親番の松田がポン。
さらに南を加カンしてついに浜野に追いつく。

六万六万一筒二筒三筒五筒六筒  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き  加カン南南南南

一歩も引かなかった浜野が松田から1,000は1,600のアガリ。

・南4局 ドラ五万
ここまで耐えてきた宮崎に親番で好配牌が来るも、最初にリーチしたのは浜野。

四万五万六万三索四索五索五索六索七索二筒二筒六筒七筒  リーチ

宮崎も必死に食らいつきテンパイを入れるが、浜野に7,700の放銃となってしまった。

2回戦結果
浜野:+37.8P 松田:+7.3P 宮崎:▲20.4P 今泉:▲24.7P

トータル
今泉:+185.3P 瀬下:+182.3P 浜野:+85.7P 松田:+77.8P 宮崎:+50.4P

1回戦苦しんだ浜野がトータル3位に。

 

 

【3回戦】(起家から瀬下・宮崎・今泉・浜野)
東1局はドラの中が暗刻の浜野が2つ鳴いて宮崎から7,700のアガリ。
東2局は瀬下が先制リーチを打ち、宮崎から3,200のアガリ。

・東3局ドラ中
まずは宮崎が2フーロでテンパイを入れる。

二索三索四索四筒四筒四筒五筒  チー五索 左向き四索 上向き六索 上向き  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き

しかし、親番の今泉も追いついてリーチに。

三万四万四万五万五万五索六索七索七筒七筒八筒八筒八筒  リーチ

リーチ宣言牌のドラの中を瀬下がポンしてテンパイ。

一万一万三万四万五万四索五索六索七索八索  ポン中中中

瀬下が六万で今泉に3,900の放銃。

・東3局1本場 ドラ八万
最初にテンパイしたのは浜野。

六万七万七万八万八万九万六索七索八索八索五筒六筒七筒

直前に八索が切られていて、より良い待ちを探すことに。
1枚切れの字牌も3種あり、それらを引いてもリーチするだろう。

7巡目に宮崎が動く。

三万三万一索一索三索五索五索五索二筒三筒四筒中中

ここから一索をポンして中バックのテンパイ。
これを見た浜野はツモ切りリーチをするも、すぐに宮崎が中をツモって400・700は500・800のアガリに。
宮崎の状況判断が光った。

・東4局 ドラ七索
2回戦では落ち着いた打ち回しを見せた今泉が、この局は積極的に3フーロ。

五索五索九筒九筒  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き  ポン中中中

ここに浜野が追いつく。

二万三万四万七万七万四索五索三筒四筒五筒  暗カン牌の背六筒 上向き六筒 上向き牌の背  リーチ

さらにすぐ宮崎もリーチ。

二万三万四万二索三索四索八索九索二筒三筒四筒九筒九筒  リーチ

一瞬テンパイを入れた瀬下がオリ、今泉はドラの七索を引いてノーチャンスの打九筒
浜野、宮崎の2人テンパイで流局。

・東4局1本場 供託2 ドラ三万
最初にテンパイしたのは今泉。

一万二万三万二索二索四索五索三筒四筒五筒  ポン東東東

供託を回収できれば大きいが、ここに宮崎が追いついてリーチ。

二万三万四万五万六万七索八索九索一筒二筒三筒西西  リーチ

瀬下も仕掛けてテンパイを入れるが四万を掴んでオリに。

事前インタビューで、大胆に攻め、丁寧にオリたいと語っていた瀬下。
1回戦では大胆な攻めで大きく加点したが、ここでは丁寧な守りで失点を抑える。

宮崎が七万をツモって、1,000・2,000は1,200・2,200のアガリ。

南1局 ドラ三筒
宮崎が七対子の1シャンテンから上手くメンツ手に渡ってリーチ。

四万四万四万四索五索六索八索八索六筒七筒七筒八筒八筒  リーチ

六筒をツモって2,000・3,900のアガリに。
丁寧な手順で大きなアガリをものにした。

南2局 ドラ二筒
浜野がピンズ、瀬下がマンズに染めている中、今泉がリーチ。

三万三万一索一索三索三索五索五索八索八索九索六筒六筒  リーチ

しかし、瀬下が1,300・2,600をアガリきる。

六万七万九万九万九万北北中中中  チー二万 左向き三万 上向き四万 上向き  ツモ五万

南3局は再び、浜野のホンイツが再び炸裂。
2,000・4,000のツモアガリで大きくリード。

南4局は、今泉のリーチに瀬下がギリギリまで粘るも押しきれず、今泉の1人テンパイで終局。

3回戦結果
浜野:+16.3P 宮崎:+5.0P 瀬下:▲8.5P 今泉:▲13.8P

トータル
瀬下:+173.8 今泉:+171.5P 浜野:+102.0P 松田:77.8P 宮崎:+55.4P

ついに瀬下が今泉を逆転した。

 

 

【4回戦】(起家から浜野・瀬下・松田・今泉)
流局を挟みながら進んでいき、大きく動いたのが東4局。

東4局1本場 ドラ九万
瀬下が中盤でかなりの勝負手に。

一万三万九万九万一筒二筒三筒八筒九筒九筒中中中

カン二万をチーして打九筒とし、ペン七筒のテンパイ。
ここに松田が7,700は,8000の放銃。
対局後、戒め日記と書かれた松田のnoteにはこの放銃が取り上げられていた。

おそらく1回戦に同じ状況になったら松田は七筒を切らなかったと思う。
自分の人生を変えることになるかもしれないこの戦いで、ずっと我慢の展開が続き、じわじわと離されていく差を感じ、その焦りがこの1牌を打ち出してしまったのだと思う。
プレッシャーの恐ろしさが結果に出た1局となった。

南1局は親番の浜野が打点にかなりこだわり、3,900オールの大きなアガリをものにする。

南1局1本場 ドラ二索
11巡目で2つ仕掛けた瀬下がテンパイ。

三索四索五索六索七索九索九索  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  ポン中中中

松田も追いつき、リーチをかける。

五万六万七万八万八万八万二索三索五索六索七索六筒六筒  リーチ

瀬下が五索をツモって2,000・3,900は2,100・4,000のアガリ。

南2局は浜野のリャンメンターツ落としに対応して、役無しのヤミテンを入れていた今泉が300・500のツモ。

南3局 ドラ南
浜野が一索ポンから仕掛け、そこに対し親番の松田はドラの南を切り、手を進めていく。
もうこの親番は落とせない…そんな思いが通じ、15巡目にリーチ。

六万六万七万七万八万八万四索五索五索六索七索二筒二筒  リーチ

巡目は遅いが場況が良く、三索六索は山に4枚。
しかし、残り3回のツモでそのチャンスを掴むことはできず、1人テンパイで流局。

南3局1本場 供託1 ドラ一索
前局は勝負手が空振りに終わった松田の配牌。

四万一索一索一索四索四索五索六索八索一筒一筒四筒北北

配牌でドラが暗刻。今度こそものにしたい。
高鳴る心臓の鼓動を抑えるようにゆっくりと八索を切った。

松田は2枚目の北をポンして、ホンイツへ路線変更。
これが上手くいき、2フーロして2枚切れの東タンキのテンパイを入れる。

一索一索一索四索五索六索東  チー三索 左向き二索 上向き四索 上向き  ポン北北北

さらに六索を引いて打東三索六索待ちに。
しかし、その前からテンパイを入れていた浜野が同じくテンパイを入れた瀬下から1,300は1,600をアガる。

手役作りに命をかけているという松田。
この2局はそんな松田が魂で作り上げた大きなチャンスだったが、あと一歩…アガリには届かなかった。

南4局は親番の今泉がヤミテンを入れ、浜野から3,900のアガリ。

南4局1本場は浜野が仕掛けて松田から1,000は1,300をアガって終局。

4回戦結果
瀬下:+17.8P 浜野:+9.2P 今泉:+3.3P 松田:▲30.3P

トータル
瀬下:+191.6P 今泉:+174.8P 浜野:+111.2P 宮崎:+55.4P 松田:+47.5P

 

 

【5回戦】(起家から今泉・宮崎・松田・瀬下)
東場は小さいアガリと流局で進んでいき、あっという間に南場へ。

勝負が動いたのは南1局2本場 供託3 ドラ三索
中盤で瀬下がドラ暗刻のヤミテンを入れる。

三索三索三索六索七索八索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒

アガれば優勝はほぼ確定するといっても過言ではない。
しかし、そこに宮崎が追いつく。

二万二万二万六万七万八万六索七索二筒二筒六筒七筒八筒  リーチ

瀬下にやってきたのは二筒
当然3面張変化で打八索としたが、これが宮崎へ8,000は8,600の放銃となってしまった。
ここまでいくつもの勝負手を決めてきた瀬下だったが最後に試練が訪れる。

・南2局 ドラ一筒
7巡目で親番の宮崎がリーチ。

二万三万四万八万八万八万六索七索八索四筒五筒七筒七筒  リーチ

松田がテンパイ。

五万三索四索五索六索八索一筒二筒三筒三筒三筒三筒六筒六筒

無筋の五万を押してヤミに。
瀬下も続けてテンパイ。

一万二万三万四索四索一筒二筒四筒五筒六筒  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き

松田、六筒を引いて八索切りリーチ。2人の欲しい三筒六筒を使い切った。
数巡後、松田は三索をツモって1,300・2,600のアガリとなった。

三索四索五索六索一筒二筒三筒三筒三筒三筒六筒六筒六筒  ツモ三索

南3局は親番の松田が先制リーチを入れ、1,000オールのツモアガリ。

南3局1本場 ドラ三筒
親番の松田が6巡目にまたも先制リーチ。

三万四万四万五万五万六万七索八索三筒三筒三筒八筒八筒  リーチ

六索をツモれば6,000は6,100オールの超勝負手。
しかし、今泉が粘る。

一万二万五万六万四索五索五索六索六索七索九筒九筒九筒  ツモ西

10巡目で生牌の西を引いた今泉は現物の打一万
そして次巡で七万を引き、西を押して二万タンキのテンパイを取った。
次の今泉のツモは二万。400・700は500・800のアガリとなった。

松田は4回戦で苦しい思いをしてなお、またこの5回戦でも苦汁を飲む展開となってしまった。
麻雀という競技の残酷さに内心泣き崩れていたかもしれない。

それぞれが様々な思いを抱え、ついに最終戦のオーラスを迎える。

・南4局 ドラ中
現状、瀬下は今泉まで2.7P必要で、親番でアガリやめがないことを考えると、できるだけポイント差をつけて、どこかでノーテンで伏せる必要がある。

つまり、実質で最低でも6.7P差分を稼ぐ必要がある。
今泉は当然、アガれば優勝。

先にテンパイを入れたのは今泉。

五万六万七万四索四索七索八索一筒二筒三筒五筒六筒七筒

次巡の瀬下の手牌が以下の形。

二万二万四万四万五万六索七索一筒三筒四筒五筒六筒六筒  ツモ五筒

2枚切れの打四万。テンパイまではまだ時間がかかりそうだが追いつけるか…

ツモ三万、打一筒
ポン二万、打五筒でついに追いつく。

三万四万五万六索七索三筒四筒五筒六筒六筒  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き

そこに瀬下は六索を引いて手が止まる。

安全度では七索のほうが安全である。
しかし、瀬下は自身のコンセプトである大胆な攻めを貫き、六索のツモ切りを選択。

今泉のアガリで優勝が決まった。

5回戦結果
宮崎:+18.6P 松田:+9.9P 今泉:+1.0P 瀬下:▲29.5P

トータル
今泉:+175.8P 瀬下:+162.1P  浜野:+111.2P 宮崎:+74.0P 松田:+57.4P

優勝した今泉はリーグ戦でマイナスしたため特別昇級することはできないが、来期また特別昇級リーグに出場する権利を獲得した。
2位の瀬下はC1リーグに昇級、3位の浜野はC2リーグに昇級した。

それぞれ様々な思いが残った特別昇級リーグだったが、やはりこういう場での戦いはいろんな思いが激突し、いろんなドラマが誕生する。
今日戦った5人がこれからどう活躍していくか、来年の特別昇級リーグは誰が勝ち残るのか。

これから生まれるドラマを楽しみにせずにはいられない。

何を切る? 2020年2月

第14期女流桜花 9回戦 南1局2本場 南家 古谷知美プロ

 

 

 

 

 

 

■ Twitterで実施したアンケートの結果

 

 

 

 

■プロ解答

九筒切り

 

 

六筒切り

 

 

二筒切り

 

 

 

 

■プロの視点
古谷知美プロ
「2番手で迎えた最終日、攻め続けなければ勝てないと思っていました。この場面、武石プロが南ポンでドラの三筒切り。ほぼテンパイですが、一色手には見えず打点は安そう。この三筒を仕掛けてもアガリまでは苦しいと思ったのでスルーしたのですが、六索引きでタンヤオが濃く見えたので、七対子の1シャンテンを維持しつつ仕掛けていける形を取れる打二筒としました。この手でオリる気は全くなく、タンヤオで前進できる牌は全て仕掛けるつもりでした。この手をアガリ切ることができて、今日も悪い日ではなさそうだなと思いました。」

 

 

■終局図

 

 

日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちらから
FRESH!<PC版>
ニコニコ生放送<PC版>

ロン2カップ2020winterレポート 松田 彩花

皆さんこんにちは!

今回のロン2カップwinterは、松田彩花がレポートを担当します!
どうぞよろしくお願いします!

 

 

そもそもこのロン2カップとは‥
日本プロ麻雀連盟公式オンラインサイト『ロン2』がプロデュースする麻雀イベントです。年4回開催される大人気のイベントとなっております。
そして、なんとこのロン2カップの様子は、日本プロ麻雀連盟チャンネルで生放送されちゃいます!
ロン2内の予選を勝ち抜いた一般ユーザーの方と、日本プロ麻雀連盟の人気プロ達が熱い闘いを繰り広げます!

《ロン2カップのシステム&ルール》

まず、システム説明から!
予選はABCの3つの卓に別れて行います。
予選終了後は
各卓1位の方→決勝卓にGO!
各卓2位の方→準決勝にGO!
各卓3位の方→FRESH LIVE、ニコニコ生放送で行われる視聴者投票へ、1位を取ると準決勝卓にGO!
各卓4位の方→残念ながら敗退‥
という流れになっております。
準決勝卓で1位を取った方が決勝卓に進出。
決勝卓で1位をとれば優勝です。

もちろん今年もアシスタントの大庭三四郎さんが作ったルール説明動画もありますので、詳しくはそちらをご覧ください!

ルールは抜け番のあるロン2カップ三人麻雀ルールです。
一発裏ドラカンドラ赤ドラあり
70分プラス1局の時間打ち切りありとなっております!

それでは、説明はこのくらいにして、
ロン2カップwinterでの真冬を感じさせない熱い闘いをレポートしていきます!!

まずは予選A卓から
メンバーはこの4名です。

 

 

A卓は一般ユーザーさんが2人入った卓です。
夢未来さんはなんとロン2カップの優勝経験者でもあります!
そんな夢未来さんですが、今回のロン2カップは苦しい時間が続きます‥
メンゼンチンイツテンパイもアガれず‥勝負手がなかなか決まりません。

一方グレート・宗さんは、好調な様子。
印象に残ったのはこの場面。
西2局4巡目グレート・宗さん親番 ドラ五索

五索五索八索九索三筒四筒四筒五筒六筒七筒八筒南南  ツモ七索

南とドラの五索のシャンポン待ちテンパイを一旦外して打南
(実際南は東城と持ち持ちでした。)
その後九筒を引き

五索五索七索八索九索三筒四筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒

この形でのリーチ。
結果は東南と仕掛けを入れていた東城プロからの出アガリという結果になりました。

A卓は序盤からリードを持っていたグレート・宗さん瑠美の一騎打ちか?!
と思いきや終盤に東城が魅せます。
西2局3本場に東城は現状2着目の瑠美から16,000点の直撃をし、準決勝進出の光が見えてきました。

そして時間制限で迎えた最終局。
倍満ツモが必要なこの場面で東城の手がこちら
西3局1本場12巡目ドラ白 親:瑠美

二索三索三索四索五索五索六索八索八索八索南南白  ツモ九索

解説室からは、南を切ってチンイツまたはドラの白引いて一発または裏条件、なんていう声も聞こえてきましたが、ここはストレートに白切りとした東城。
その後、南も落としていきチンイツに仕上げ、ツモれば条件クリアのリーチをかけます!!
が、結果は‥ツモることはできず、予選A卓が終了となりました。
予選A卓は
決勝進出:グレート・宗さん
準決勝進出:二階堂瑠美プロ
投票戦:東城りおプロ
敗退:夢未来さん
という結果になりました。

続きまして、予選B卓は、dTVさん、モンド麻雀チャンネルさんで配信中の麻雀BRチームチャンピオンシップでロン2チームとして活躍中の女流プロ3人に一般ユーザー代表のラサールさんを加えた4人での対局ということになりました。

 

 

ロン2内ではプロと一番対戦し、
一番勝っている!と自信の表情を見せるラサールさん。
プロ3人に勝ち決勝卓に進むことができるのでしょうか?!

東場は3人麻雀にしては高打点の少ない状況が続きましたが、南2局にここまで息を潜めていたラサールさんの高打点が決まります。

南2局2巡目ドラ六筒親番:山脇
ラサールさんの手牌

一索三索三索三索一筒三筒六筒七筒七筒八筒九筒白白  ツモ二索

2巡目にして白のポンテンが取れる手です。
5巡目に親の山脇から白が打たれますが、ラサールさんは微動だにせず‥
その後自身で白を引き入れリーチ!!!一発で八筒をツモアガリ、裏が3枚乗ってなんと倍満に仕上げたのです!!!

 

 

このアガリには解説席の山田さん東城さんはもちろん私も大盛り上がりでした。
終盤、仲田、宮内の追い上げがあと少しのところまで迫りますが、ラサールさんがこのリードを守りきり1位通過で決勝進出となりました。

予選B卓からは
決勝進出:ラサールさん
準決勝進出:宮内こずえプロ
投票戦:仲田加南プロ
敗退:山脇千文美プロ
という結果になりました。

予選最後の卓は、連盟が誇る三人麻雀の猛者達の戦いです。
対戦メンバーはコチラの4名。

 

 

ロン2内では日本プロ麻雀連盟に所属して、ロン2でプレイしているプロのプロフィールを見ることができるのですが‥

森山会長のプロフィールにこんな言葉が書いてありました。
『一番好きな手役はホンイツです。二番目は三色です。安い手は少ないので気をつけてね!』と。
そして、今回のロン2カップでの会長の超高打点テンパイを画像にしてみました。

 

 

一色のリーチが2回。
そして、国士無双が2回。
アガリまで結びついたのは1回だけなのですが‥同卓している人達はリーチが来たら気が気じゃないですよね‥!
皆さんロン2で森山会長と同卓した際は高打点リーチに気をつけてくださいね!

と、ロン2のプロフィールの話はここまでにして予選C卓のレポートを再開します!

予選C卓では、灘、猿川が東場、南場はリードを持って西場をむかえます。
滝沢は勝負手がなかなか決まらず、苦しい展開が続いていましたが、西2局の親番でアガリを決め、さらに西4局に、メンホンリーチをツモると一気に猿川を抜き2着目につきます。

しかしその後、追い詰められた猿川が3,900、4,000オールとアガリを決めると、トップ目の灘まであと一歩のところまで迫り寄ります。

時間打ちきりの最終局、
条件をクリアするテンパイをしていた猿川がアガリきり序盤からトップを走っていた灘を捉えると、猿川、ロン2カップ初の決勝進出をきめました。

予選C卓は
決勝進出:猿川真寿プロ
準決勝進出:灘麻太郎プロ
投票戦:滝沢和典プロ
敗退:森山茂和プロ
という結果になりました。

と、次は準決勝の前に投票戦になりました。
滝沢和典プロ「好きな人に入れてください!」
東城りおプロ「勝ったらモノマネします!!」
仲田加南プロ「一票でも入れてくれたら嬉しい!」
とコメントをいただきました。

 

 

結果は‥滝沢和典プロの勝利〜!
ということで、準決勝は各卓2位の選手に滝沢和典プロを加えた4人で闘います!

準決勝は投票戦での勝ち上がりを決めた滝沢、休憩中もロン2の三人麻雀で練習をしてきたという瑠美、3位を見事回避し準決勝に残った宮内、鋭い麻雀で準決勝に駒を進めた灘、以上の4名での闘いになります!

 

 

東1局12巡目ドラ一索親番:灘
瑠美の手がコチラ

一索一索三索七索八索九索九索東西白白中中  ツモ一索

親の灘が九筒三筒と仕掛けを入れているということもあり、生牌の東を切らずに打五索としてメンホン七対子などを狙っていましたが、ここでメンツ手の可能性も残し、打西とします。
その後

一索一索一索七索八索九索九索東北白白中中  ツモ北

この形になっても、やはり東は切らずに打九索としましたが、親番の灘から打ち出された白をポンして打東

一索一索一索七索八索九索北北中中  ポン白白白  ツモ一索

4枚目の一索を持ってくるとこれをカンし、自身で中をツモり8,000オールのツモアガリとなりました。
瑠美にとって大きなリードを得られたかと思いましたが、その後、滝沢の6,000オール、宮内の9,000オール、9,300オール、そして滝沢の6,600オール、と高打点が飛び交います。
1人、苦しい位置に立たされた灘は3人のスピードになかなか追いつかず加点に繋がりません‥

宮内は東場で大きな加点を重ねトップ目に立っていましたが、西場で瑠美が6,000オールをツモると再度トップ目が瑠美に代わります。そんなトップ目に立って迎えた親番、瑠美の手牌がコチラ。

西2局ドラ東 親番:瑠美

一索一索一索五索六索七索七索八索九索九索東白白  ツモ八索

絶好の八索を引き入れ打東
すると、同巡にテンパイを入れた宮内が四索を放銃。この放銃で宮内は3着まで順位を落とします。
そしてここまで丁寧な打ち回しで2着の位置につけた滝沢がここで高打点の狙える配牌を手にします。

西3局ドラ七筒滝沢の配牌

三索四索七索八索一筒六筒八筒南南南白白発発

ここから打一筒。次巡ドラの七筒を引くと三索四索のターツを払っていき、発をポンして現状5,200のテンパイ。
瑠美からこれを直撃すると、トップ目の瑠美まで10,000点差まで差を縮めます!

そして、滝沢がその後満貫をツモり、一旦は瑠美を逆転しますが、最終局はいち早く条件を満たすテンパイを入れた瑠美がアガリを決め決勝進出を決めました。

準決勝から決勝戦進出を決めたのは二階堂瑠美プロとなりました。

これで決勝メンバー出揃いました!
決勝戦のメンバーはプロキラーのラサールさん、手役派守備型のグレート・宗さん、初のロン2カップ決勝進出を決めた猿川プロ、そして準決勝から勝ち上がりを決めている瑠美プロの4名となりました。

 

 

では決勝戦早速見ていきましょう!!
まずこの半荘、最初に大物手テンパイを入れたのはグレート・宗さん!
東2局2巡目ドラ東 親番:瑠美

一索四索七索七索九索西西北北白白中中  ツモ四索

この手で九索を切りリーチ。
南家でホンイツのテンパイを入れていたラサールさんから出アガると、裏が2枚乗り16,000点の加点に成功しました。
その後も大きな失点をせずに打ち回し、南2局でまたも宗さんにチャンス手がきます。

南2局西家3巡目ドラ南

二索四索四索五索六索七索七索二筒二筒三筒六筒八筒北  ツモ赤五索

ここで打二索としその後数巡でこの手が

四索四索赤五索五索六索六索七索七索二筒二筒三筒赤五筒六筒

こうなり、次巡五筒を持ってくると

四索四索五索赤五索六索六索七索七索二筒二筒三筒赤五筒五筒

一旦三筒単騎のヤミテンに構えますが、白単騎に変化するとリーチとします。
白を一発でツモると、裏を2枚乗せて今半荘2度目の8,000オールのツモアガリを決めました。

このまま守備が強い宗さんのリードで優勝が決まるのかと思ったその時、瑠美が七対子をツモアガリ、トップ目の宗さんまであと100点のところまで詰め寄ります。

残り数局のアナウンスが流れた時、ここまで耐えに耐えてきたラサールさんが底力を発揮します。
〔点棒状況〕
瑠美58,700
猿川34,600
ラサールさん6,300
宗さん60,300
3着目の猿川まで31,700点差で迎え、トップ目までは57,000点差、時間打ち切りもあるので、出来るだけ高い手を作りたいラサールさんの手牌がコチラ。
2週目の東2局1本場 南家ドラ二筒

二索三索四索四索五索五索一筒三筒三筒四筒赤五筒五筒七筒  ツモ八筒

自身で九筒を切っていることもあり、ここでは打八筒とする。
その後六索を引き打一筒。そして、次巡

二索三索四索四索五索五索六索三筒三筒四筒赤五筒五筒七筒  ツモ三索

ここで打六索とし、リャンペーコーなど手役を強く意識した一打を選択します。
そして終盤待望のテンパイが入りリーチ。

三索三索四索四索五索五索二筒三筒三筒四筒四筒五筒赤五筒

跳満以上確定という手に仕上げてみせました。
結果は猿川から高めの二筒を出アガリ、このアガリが決め手となり、3着目で最終局を迎えます。
最終局は宗さんと瑠美はアガリトップ、ラサールさんは役満条件となりました。

結果は‥7巡目にはやくもテンパイを入れていた二階堂瑠美プロがアガリを決め、5年振り二度目の優勝となりました。
おめでとうございます!!

 

 

この、人気プロと放送対局で対戦できるロン2カップの予選は2月もまだまだ行われていますので、皆さんぜひチャレンジしてくださいね。

 

 

レポート、最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、またロン2でお会いしましょう!

第204回:プロ雀士インタビュー 古谷 知美  インタビュアー:中山 奈々美

「第14期女流桜花優勝は古谷知美!悲願の初タイトルとなりました!」

令和元年12月20日。その日新しいタイトルホルダーが生まれた。
ともちんの愛称で親しまれ「鋼鉄の箱入り娘」である彼女はどんな気持ちで決勝3日間を闘い抜き、優勝を手にしたのか。プライベートでも大の仲良しである私、中山奈々美が女流桜花獲得までのプロセスや古谷プロの素顔に迫っていこうと思います。大好きなともちんの大好きなところがたくさん伝えられるように。そんな願いを込めて気張って臨みますので、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。

 

【女流桜花のお話】

あまりお酒を呑まない私たちらしくケーキとオレンジジュースを挟んでのインタビュースタートです。ともちんケーキ似合うね。上品な桜花様を是非ご覧ください。

 

100

 

中山「ともちん、女流桜花獲得本当におめでとう!!」

古谷「ありがとう~」

中山「早速だけど女流桜花をとった時の気持ちを教えて!」

古谷「嬉しい!(笑)このメンバーで優勝できると思ってなかったから本当に嬉しい。」

中山「そうだよね。このメンバー相手に優勝ってすごすぎるよね!」

念のため”このメンバー”を説明しておきましょうか。
問答無用の強さで女流桜花最多獲得、3連覇中だった仲田加南プロ。1年間安定したプラスの成績を収め随所に工夫が光る武石絵里プロ。そして言わずと知れたともちんの同期で女流桜花決定戦の超常連、Mリーグでも活躍中の魚谷侑未プロ。
つまり、順当に勝ち上がってきた超強い人たちである。

古谷「最終局が終わって集計して挨拶したあとに、みんなにおめでとうって言ってもらえて女流桜花優勝したんだって実感湧いてきてグッときちゃった」

中山「見たよ~そのシーン!ともちんが泣いているところ初めて見たから私もグッと来た。。」

そうなのだ。この古谷知美という人は全然泣かない。十年近い付き合いでともちんの色々な人生の局面に立ち会ってきたけれど、どんな時も凛としている。そのともちんが泣いているんだから、一ともちんファンである私が感じるカタルシスもすごかった。

古谷「女流桜花優勝って連盟に入った時から目標にしていたし、大事なタイトルだったんだけど、Aリーグに上がってから軽々しく言えなくなってたの。その女流桜花を優勝できたって本当に嬉しいよ」

うんうん、手が届きそうだからこそのプレッシャーと言葉の責任ってあるよね。

中山「インタビューで1日目を見て反省したって言っていたけど、具体的にはどのように修正をしたの?」

古谷「1日目を見てこれじゃ全然ダメだって思って、2日目からは意識して攻めるようにしたよ!簡単にオリない、テンパイ料も積極的にとりに行く。これを徹底したかな」

中山「簡単にオリないって決めていても難しいことだよね。怖くなっちゃう瞬間もたくさんあったでしょう?」

古谷「あるよー!でもね、テンパイしてから危険牌を持ってきたときに通ってないスジを数えて4スジ以上あるなら押すとか自分なりのルールを作って押すようにしていたよ!勿論例外のケースとか色々あって判断基準は変わるんだけど、そういう数字の積み重ねで自分を納得させればたとえ放銃しても攻め続けられるから」

勝利を掴むのはこんな風にひとつひとつ積み上げていくもので、怖くてもめげそうでも掴んだのならそれを決して離さない、そんな覚悟に今回の結果がついてきたんだなと思った。

中山「今回の決定戦の勝因はズバリどこにあったと思う?」

古谷「11回戦目にトータル2着目の武石さんが50,000点以上もっていてトータルトップの自分が38,000点もち2着目の状況があったの。このときトータルで私が50ポイントリードしていたんだけど、武石さんから親リーチが入って現物の二索を切ればイーペーコー、ドラ1のテンパイ。通ってない三索を切れば、ピンフ、イーペーコー、ドラ1のテンパイっていう局面。」

 

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古谷「私は三索を切ってリーチしたの」

中山「すごい・・・!現状トップなら勝負を見送ってしまいそうだけど、それよりも戦う選択をしたんだね!」

古谷「今戦わなくてもいずれ戦わないといけないって思ったから。7,700の両面だから勝負になる!って覚悟を決めました。その局でアガれたのが勝因だと思ってる!」

 

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決定戦でのともちんは自分の培ったシステムできちんと攻め続け、リードに甘えることなく勝負する場面ではきちんと勝負し本当にかっこいい麻雀を打っていた。
仲田プロと決定戦最終日の直前に話す機会があったのだが「ともちん、1日目と2日目別人みたいだった。すごく強くなっていた」と言っていた。この最後の最後の瞬間まで、いやむしろ女流桜花を獲った今でさえも、変わり続けるともちんは本当にすごい。まさに”Still Canging”。これこそがともちんの良さであり強さなんだろうなと改めて実感した。

 

 

【ともちんのプロフィール】

中山「麻雀の話はこのくらいにして、次はともちんのプロフィールを根掘り葉掘りきいていこうと思います!全部正直に答えてね!(笑)」

古谷「大丈夫、嘘ついたりしないよ!なんでもきいて♪」

中山「プロ歴はどのくらいですか?」

古谷「10...何年だっけ?(笑)」

中山「私より1年先輩だから11年...かなぁ?」

古谷「そっか。もうそんなにやってるんだね」

中山「長くやってると忘れてくるね(笑)」

私たちは記念日を大事にしない系雀士らしい。

中山「趣味、特技を教えてください!」

古谷「趣味はアニメを観ることとゲームをすることかな」

中山「わかってはいたけど私たち、趣味全く一緒だね♪ふふふ」

好きなアニメがあったら報告して共有して、ゲームも頻繁にマルチプレイで遊んでいる。

中山「一緒にやってるゲームも私が紹介したんだよね!ともちん上達するの早くてこれがゲーマーか。。。って思った(笑)」

古谷「そうなの。昔から1つのことをやり込んで研究するのが好きなんだ」

それは趣味でもあり、とっても素敵な特技だ。麻雀もたくさん研究してきて、やっと女流桜花優勝という栄光に結び付いたのだろう。

中山「特技は?なにかある?」

古谷「うーん…泳ぐことが実は得意かな。私と一緒にプールにいったらビックリするかもよ!」

中山「そうなんだ!私も水泳は中学上がるまで選手育成コースでバリバリやってたよ!(白銀)さきちゃんも高校で水泳部だったらしいからみんなで行こう!!」

古谷「え、そんなにガチじゃない~!!!(笑)じゃあ特技スピードにする!」

中山「え?トランプの??」

古谷「うん!これはガチだよ!!頑張りすぎて流血騒ぎ起こすかもしれないけどかかってきなさい!」

大人になってスピードが特技って可愛すぎるでしょ。小学生の特技欄でしかみたことないですよ(笑)

中山「じゃあ好きな食べ物は?」

古谷「すき焼き!」

中山「これも私と一緒だ~!冬はよく一緒に食べに行ってるもんね」

古谷「うん!すき焼き最高だよね!!」

皆さん、ともちんへの差し入れはすき焼き弁当いかがでしょうか?ってどこにでも売っているわけじゃないし難易度高いか(笑)

中山「子供の頃の夢を教えてください」

古谷「小学生の頃ね~雪印工場の運転手になりたかった!」

中山「え!!?なに!??」

古谷「社会科見学で雪印工場にいったの。そのときいいなぁって思って♪」

これは私と全然違うな。。(笑)子供の頃ってケーキ屋さんとかCAさんとか可愛い職業に憧れるもんじゃないの。ともちんの独特の感性が昔から好きだ。
ちなみに私はセーラームーンになりたかったです。

 

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【これからの麻雀の話】

中山「ともちんはどんな麻雀プロになりたい?」

古谷「人に教えられるくらい強くなりたい!」

中山「女流桜花優勝したし、もう十分強いよ!私も教えてほしいもん!」

古谷「ありがとう~♪でももっと強くなって、麻雀の普及活動に貢献したいなって思ってるんだ」

OLという二足のわらじを履きながらこの志の高さ。ともちんアッパレである。

中山「これからの目標は?」

古谷「特昇リーグやグランプリMAXや色々なシードをもらえたので、それを活かして結果を残したい!あと、もちろん女流桜花連覇!かなさんの三連覇を超えたいなって思ってる!」

成長し続けるともちんなら、その夢も成し遂げられそうだね。

中山「ではこれから女流桜花を目指してくる女流プロに一言お願いします!」

古谷「私はずっと落ちこぼれだったんですけど、こんな私でも女流桜花になれたので諦めないことが大事だと思います!」

中山「そこはかかってきなさい!とか全員ぶっ潰す!とかじゃないの?(笑)」

古谷「無理無理~!!かなさんくらい連覇してたら言えるんだろうけど、まだ言えないです(笑)」

堅実で謙虚で勉強熱心。私はともちんのこと落ちこぼれなんて思ったことはないけれど、強気なともちんが見られるのはもう少し先になりそうだ。

中山「最後に。ともちんの初めてのインタビュー記事になりますが、アピールしてほしいことはある?」

古谷「えっと。私コミュ障なんですけど、嫌いとかじゃないので失礼な態度をとっていたらすみません。。。いや、やっぱりコミュ障です!すみません!!」

中山「なにそのアピール!暗すぎるわ!!(笑)」

古谷「じゃあ桜花の話に戻っちゃうけど、今はいろんな麻雀番組があって素晴らしい解説もついていて、麻雀を勉強するにはこれ以上ない環境が整っていると思います。いつでも見返せたり、動画で研究するのは自身のためになったなって思ってます」

中山「たしかに、すごい好環境だよね!」

古谷「そう、だから麻雀勉強するなら連盟チャンネルがオススメです!!」

中山「すごい宣伝アピールきたね(笑)」

このインタビューを通じてわかったことが1つある。私はともちんがやっぱり大好きだ。
インタビューという名のこのラブレターを皆さんが読んで、ともちんを今よりもっと好きになってくれたのなら筆者としてはこの上ない幸せです。

「鋼鉄の箱入り娘が箱から出た!!!」

これは桜花決定戦の最中にコメント欄に書かれていたことなのだが言いえて妙だなと、このフレーズがとっても気に入っている。箱から飛び出た箱入り娘はこれからどんな麻雀をみせてくれるのだろうか。箱入り娘の躍進劇にこれからも目が離せない。

鋼鉄の箱入り娘の勇姿はぜひ連盟チャンネルで!私もともちんの志を汲んで連盟チャンネルの宣伝をしてこのインタビューは幕を閉じたいと思います。
最後までお付き合いくださった皆様ありがとうございました。新しい時代の新しいクイーンの活躍を一緒に見守りましょう。

 

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第14期女流桜花決定戦 最終日観戦記 柴田 吉和

9回戦(起家から、仲田・古谷・武石・魚谷)

8回戦終了時
仲田+59.6P  古谷+42.1P  武石▲21.6P  魚谷▲80.1P

どの決定戦でも選手・スタッフは最終日ドキドキしながらスタジオに向かうが、スタジオに入った途端、いつも以上にピリッとした空気が流れているのを感じ、胸のドキドキが一気に引き締まる思いにさせてくれる、最終日開始前独特の緊張感が私は好きだ。
泣いても笑っても残り4半荘、14期女流桜花は誰の手に。

東1局

 

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親仲田の14巡目リーチに対し、魚谷が七対子二筒単騎でトータルトップ仲田から8,000の直撃に成功。

一万三万一索一索一索六筒七筒七筒八筒八筒白白発発

11巡目、ドラ三万だがノータイムで打一万。最高四暗刻まで見据えた高打点を逃さない秀逸な選択だ。ポイントは離れているが、諦めの気持ちなど1ミリも感じさせない。

 

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東2局

 

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連続の高打点で先制リーチを打った魚谷だったが、親番古谷が追いつき追い越しての2,600オール。

南1局2本場

 

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武石6巡目ツモ一索でホンイツ移行も見えたが、仲田の親落としに比重を置きツモ切り、次巡南ポン打ドラ三筒でカン四万のテンパイを入れる。

三万五万一索二索三索四索四索四索五索五索  ポン南南南

 

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それを受けてドラドラのチャンス手が古谷。八索が2枚一筒が2枚二筒1枚見えでの選択。
七対子とメンツ手を天秤に掛けるならば六筒、タンヤオを強く見て鳴きを視野に入れた九筒と選択が分かれそうだが、古谷は打二筒としてメンゼンでの進行を強く意識した。

 

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ツモ六万四万三万五万で武石への放銃を回避しつつ、最速テンパイからの見事なツモアガリ。
二筒時に六筒九筒を選択していると、四万での放銃または八索でやっとテンパイの未来だった。

南2局1本場

二万二万三万四万五万一筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四筒  ドラ八索

武石2,000・4,000は2,100・4,100

高打点ツモの応酬。一方仲田はたまったものではない。テンパイ料の1度すら加点させて貰えずノーホーラの1人沈みでの半荘終了となり、トータル首位古谷と一気に50.1Pのビハインドを背負わされた。

9回戦成績
古谷+29.0P  武石+ 6.2P  魚谷+ 3.4P  仲田▲38.6P

9回戦終了時
古谷+71.1P  仲田+21.0P  武石▲15.4P  魚谷▲76.7P

 

 

10回戦(起家から、仲田・武石・古谷・魚谷)

現在首位を走る古谷からの点差
仲田 50.1P
武石 86.5P
魚谷 147.8P

東1局

 

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武石残り3半荘で首位古谷まで86.5P差。現実的には自身3連勝で古谷を沈めるイメージでやっと追いつける点差。贅沢を言えば、古谷からの直撃とツモアガリを繰り返してトップラスの関係を作りたいので、安めだがこの満貫ツモスタートは非常に嬉しく大きなアガリだ。
一方古谷の考え方は、各半荘で無理にトップを目指す必要はなく、大きく素点を減らさず原点キープを繰り返したいので、仲田、武石への高打点の直撃だけは避けながらの局回しがテーマとなりそうだ。また2人は初優勝に向け、所々で襲いかかってくる強烈なプレッシャーと自分自身との闘いも始まっている。

東2局 親:武石

四万五万六万二索二索二索四索五索五筒五筒五筒六筒六筒  ロン三索  ドラ五索

仲田から武石3,900

東2局1本場

 

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現状2番手の親武石が41,900まで積み重ね、13巡目リーチと古谷を苦しめる。
同巡、古谷もツモ八筒九万で役有りテンパイを入れノータイムで、すっとヤミテンを選択したが、次巡のツモ八筒で自身を奮い立たせる様に空切りリーチで勝負に出た。
武石に12,000と言われれば振り出しに戻りかねないと思う弱気な思考と、この手を高目でアガる事ができれば決定打になるうる打点だと、1巡の間に自身の中で揺れ動く想いが駆け巡った事だろう。
他人から見ればたかが1巡だが、優勝が数字として現実味を帯び始め、極限のメンタルの中で自身のプレッシャーと葛藤している決定戦終盤特有の思考が垣間見える場面だった。

 

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東3局

 

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5巡目に親古谷が、珍しくメンツ無しの遠い仕掛け出し。テンパイできないまま、終盤に仲田のリーチを受けリーチ宣言牌になった一筒をポンして待ち選択。もちろん打三筒は打点が付いてくるが裏スジにもなっており危険牌、さらに場面的に仲田のリーチは間違いなく打点が伴っている事や、北が山に残っている情報が少ないという理由で、通りやすそうな打四筒で親権維持が無難かと見えたが、古谷は三筒を打ち切った。一筒を鳴くからには勝負という考えかもしれないが、この場面で三筒を打ち切れるハートの強い選手は中々いないだろう。それも初の決定戦でだ。
ここまでに前に出て強く闘える彼女を支えているもの何か?対戦相手の研究・絶え間ない稽古量が彼女の自信になり、自身を奮い立たせる事に繋がっているのだろうか。1つ言える事は、彼女が女流桜花を掴み取る為に、陰で人一倍努力してきた事は間違いない。

 

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南1局1本場

 

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今日の仲田は当たり牌を掴みまくる辛い展開が多く、展開・流れを変えようと必死にもがくが中々実らない。今局を迎えた時点では首位古谷に94Pまで広げられていたが、ようやく初アガリが出た。とうとう仲田反撃開始かと思われたが…、今日の仲田に二の矢三の矢を放つ力は残っていなかった。

南4局2本場R2

 

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武石もそうそう簡単に諦められる訳がない。
オーラス渾身の3,000・6,000。古谷を沈める事まではできなかったが、1局で17.8P縮める強烈なアガリだ。

10回戦成績
武石+30.6P  古谷+ 7.5P  魚谷▲10.4P  仲田▲27.7P

10回戦終了時
古谷+78.6P  武石+15.2P  仲田▲ 6.7P  魚谷▲87.1P

 

 

11回戦(起家から、古谷・魚谷・武石・仲田)

現在首位を走る古谷からの点差
武石 63.4P
仲田 85.3P
魚谷 165.7P
これを入れて残り2半荘。現実的には最終半荘に向け、首位古谷に武石、仲田のどちらが挑むことができるか挑戦権をかけた争いである。
 

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東2局

 

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ドラ一筒を重ねリーチに出た魚谷から、武石が5,200のアガリ。

東4局

 

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親仲田がダブ東トイツで選択があったが、足止めを兼ねた即リーチを打つ。受けて武石は親リーチに臆する事なく役有りで追いかけリーチに出て、見事に1,300・2,600のツモアガリ。

南1局

 

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武石、仲田からすればどうしても沈めたい古谷の親番。しかしそれをあざ笑うかの様に力強くアガリきり突き放しにかかる。

南2局1本場R2 ドラ三万

一万二万三万四万五万七万七万四索五索六索七筒八筒九筒

6巡目、武石が高目ドラ待ちの先制リーチ。

三万四万五万七索七索一筒二筒三筒四筒五筒六筒八筒九筒

6巡目、親魚谷が7,700のヤミテンを入れていたが、8巡目ツモ切りでリーチと行く。

一万一万三万六万六万三索三索六索六索西西白白

10巡目、仲田も追いつきドラ単騎でリーチ。

 

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古谷への挑戦権を賭けたリーチ3者の捲り合い、結果は武石の頭ハネ決着となった。

南3局

五万五万五万八万八万九万九万三索四索五索五索六索七索  リーチ  ツモ九万  ドラ四索

まだまだ素点が欲しい武石。8巡目打点を見てテンパイ外しもある手牌だったが、即リーチを選択して見事一発ツモの2,600オール。2局連続での高打点を決め古谷を急追。
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南3局1本場

 

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俄然分からなくなった47.2P差。
10巡目またも親武石から先行リーチが入った同巡、古谷が役ありテンパイ。現在の持ち点であれば原点キープで半荘を終えられそうであり、何よりトータル2番手の武石の親リーチに高打点を直撃されたくないという思考から、自身リーチ発声の声が出なそうだが、ここでも古谷はノータイムで腹を括って強く闘う三索切りリーチ選択をした。闘う意思を貫き通す、良い言葉が見つからないが本当に強い人だ。

 

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大勝負に出た結末は、武石からの直撃で自身がトップになるという最高の結果となり帰ってきた。

11回戦成績
古谷+26.8P  武石+16.0P  仲田▲13.4P  魚谷▲29.4P

11回戦終了時
古谷+105.4P 武石+31.2P  仲田▲20.1P  魚谷▲116.5P

 

 

最終戦(起家から、武石・仲田・魚谷・古谷)

日本プロ麻雀連盟の公式規定で最終戦の座順が決まっている。
古谷、武石が74.2P差。最終戦は数字上消化試合かにも見えるが、古谷は初タイトル獲得の重み・難しさを味わう事となる。

東1局 親:武石

二索三索三索四索四索五索一筒一筒二筒三筒白白白  ツモ四筒

ツモ500オール。

東1局1本場

 

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武石が4,000オールのツモアガリで1人浮き。39.8P差。

東1局3本場

 

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2本場は全員テンパイで流局し3本場。最後の六を引き寄せ2,000は2,300オール。
最終戦開始時、古谷にしてみれば武石の2回の親を流してしまえば勝てると思っていたはずだが落ちない親。更に点数状況的に仲田、魚谷は早々親をサバキには行ってくれず、自力で落しに行かなければならない事もプレッシャーになっているはずだ。
4本場も親武石の1人テンパイで流局。74.2P差で始まった最終戦、僅か4局で47.6P詰められ26.6P差。現状6,000オール一発で並びの点差である。

東1局5本場

一万二万六万七万八万一筒二筒三筒九筒九筒  ポン中中中  ロン三万

古谷から仲田1,000は2,500。
1,000点の放銃で武石の親は落ちたが、5本場と古谷がラスへ転落し順位点▲4Pが加算。20.1P差。

東2局

一万二万四万四万三索三索三索七索七索七索二筒二筒二筒  ロン三万

古谷から仲田4,800

東2局1本場

四万五万六万七万八万九万四筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒  ロン九筒

古谷から仲田1,500は1,800。
古谷3局連続放銃。止まらない失点。進まない局。

東2局2本場

四万四万六万七万四索五索六索二筒三筒四筒  チー五万 左向き六万 上向き七万 上向き  ロン八万

魚谷から武石1,000はリーチ棒付きの2,600加点して、とうとう14.9P差だ。

東4局1本場

 

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74.2P差でスタートした最終戦も、ここまで差を詰められプレッシャーも極限状態であろう。
親番古谷に大チャンス。あと1回あと1回アガリ切れれば決定打になる。リーチを打って早く楽になりたい。それが人の心情というものだろうが、古谷はここでも自分を見失わず冷静にヤミテンを選択するのだ。彼女にプレッシャー・欲など存在しないのか?ここまでスタジオのモニターに表示されている得点表を見て、一切点差を確認しない事も印象的だった。

 

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決定打とも思えた大きすぎる5,800は6,100。ラス抜けにも成功し28.0P差。決まったと視聴者誰もが思ったはずである。

東4局2本場

 

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どれだけ神様は古谷に初タイトルの試練を与えるのか。まさかの跳満親被りで、ラスを押しつけられた上に、仲田が沈んで武石の1人浮き。またもや17.0Pまで急接近。

南1局

 

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古谷にとって最後の試練、武石最後の親番。
武石13巡目リーチ、古谷同巡にヤミテン、仲田15巡目高打点リーチの熱いめくり合い。

 

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勝負の神様は古谷に微笑んだ。第14期女流桜花はこれにて決着、古谷が涙の初優勝となった。最後まで攻めきっての勝利は、観る者を魅了した素晴らしい闘いだった。今回古谷の麻雀を最後まで見せて頂いて、勝ち取った一番の勝因を考えたら、日頃の稽古努力のたまもの・積み重ねだと思う。
話が脱線してしまい申し訳ないが、最近の後輩・新人を見ていると、男女問わず稽古不足で麻雀への努力を疎かにしている者が多すぎる。連日欲に負け遊び呆け、いつ稽古をしているかも分からない者が、堂々と麻雀プロを名乗っている者がいるのも事実だ。そのくせ試合で結果が出ないと一丁前に悔しいなんて言い出す始末。稽古努力を疎かにして、自分の欲に負け遊び散らかしておいて、挙げ句の果てには口先だけで鳳凰位になりたい女流桜花獲ります、なんじゃそりゃである。
麻雀プロとは、筆記試験で良い点数が取れて与えられるだけの麻雀プロライセンスの略ではない。そんな物何の意味も価値も無い。麻雀プロとは、麻雀のプロフェッショナルを指す。プロ野球選手は、成績を残せないと球団からクビを言い渡されプロ生活を失う。将棋のプロ棋士は、何歳までに何勝・何段かを乗り越えなければプロライセンスを剥奪される厳しい世界だそうだ。その点麻雀プロは、どんなに弱くとも、どんなに成績が残せず負け続けてもプロライセンスを剥奪される恐れのない、引退は自主性に任せている緩い世界だ。だからこそ、努力しないものは圧倒的に置いて行かれるし、実績は明白に差が付いていく世界だとも思う。何故自身が麻雀のプロフェッショナルをやっているのか、負けて悔し涙を流せる資格がある程努力をしているのかをもう一度真剣に考えて欲しい。
桜花決定戦の様な大舞台に立てる者は、自分に厳しく競技麻雀を努力し続けてやっと上がれる特別な舞台なのだ。今回遅咲きの大輪を咲かせた古谷も日々の努力あっての事。その彼女達に追いつき追い越すには、彼女達の2倍3倍の努力をしなければ到底追いつく事ができない事を自覚して欲しい。
古谷桜花に挑むべく、桜咲く季節に向け努力を惜しまないベテランプロ達の研究調整はもう始まっているのだ。新たに昇級した新芽達の稽古の日々も始まっている。来年もこの舞台で闘う4名は、今年同様にプロフェッショナル意識の高い麻雀道を歩む4名での決定戦を強く望む。
古谷さん本当におめでとうございます!

 

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第203回:プロ雀士インタビュー 森下 剛任  インタビュアー:岡本 和也

森下プロとの一番初めの出会いと言えば、静岡支部主催の静岡リーグが初めてであったと記憶しています。
振り返ると9年前、私がプロ1年目の駆け出しの頃で、まだまだプロ連盟のプロもあまり知らない時期であり、その当時は顔を合わせれば挨拶をする程度の、そんな浅い間柄だったと思います。

静岡リーグで森下プロと同時期に参加していたのは1期(半年間)だけだったと思いますが、「中部本部には森下剛任プロが居るんだ。下の名前は、そのまま『ごーにん』って言うのかな?」、そんなイメージでした。

それから数年が経ち、森下プロは第39期王位戦優勝、続いて2014年麻雀最強戦全日本プロ優勝と華々しい活躍をしていたのは、所属している場所は違えど、同じ麻雀プロとして尊敬せずにはいられませんでした。

その後も、大会やタイトル戦で顔を合わせれば挨拶する程度でしたが、大きく転機を迎えたのは1年半前。三重県四日市市にある森下プロが経営している麻雀店に誘われ、そちらで私が働くことになってから、公私に渡って付き合うようになりました。

プロに成りたての頃には今の姿など欠片も想像も付きませんでしたが、「合縁奇縁」とは良くいったもので、このような経緯で私がインタビュアーを務めさせて頂くことになりました。

前置きが長くなってしまいましたが、最後までお付き合い頂ければ幸甚です!

◇◆◇◆◇◆◇

岡本『森下さん、二度目の王位戦優勝、本当におめでとうございます!』
(普段の会話では、「森下さん」と呼ぶことが多いです)

 

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岡本『色々と聞きたい事はありますので、順番に話を伺いますね。まずは3年連続の王位戦準決勝進出でしたが、一昨年、昨年と決勝を目前にしての敗退。今年の準決勝ではどのような気持ちで対局に臨みましたか?』

森下「今年こそはまず決勝に乗ろう!その気持ちが一番だったよ。あとは、去年も菊田プロと同卓し、競り負けて決勝を逃しているから、今年こそはポイント的にも菊田プロに絶対に負けないようにしようと思っていたよ。(準決勝の)最後の方は必死だったからあまり覚えてないけど、決勝戦進出が決まった時は本当に嬉しかったし、ホッとしたね。」

森下「とにかく、準決勝は自分に『油断するな!油断するな!』って思いながら戦っていたよ。」

岡本『確かに、準決勝でヤミテンの2,600点をアガった時に、解説陣から「キャッチフレーズ詐欺ですね(笑)」なんて言われてましたもんね(笑)。」

※ちなみに森下プロは強く攻める雀風から、「東海一の押し麻雀」というキャッチフレーズが付いています。

 

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3度目の正直で、決勝戦まで勝ち進んだ森下プロでしたが…

森下「決勝戦の1回戦・2回戦ともに、正直な話、麻雀の内容は悪かったよ。」

岡本『それでも、3回戦の東場の親番、ドラのカン三筒ツモの3,900オールからの怒涛の攻めは凄かった!!』

■3回戦 東4局(親番)

 

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■3回戦 南1局

 

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■3回戦 南2局

 

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森下「あの3,900オールをアガれた事で、この半荘で大きなトップを獲ろう!と意識したね。この親番で決めよう!と思っていたのに、酷い配牌(笑)。親番を続けるために、九索ポンから入ったね。」

■3回戦 東4局3本場

 

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岡本『あれはシビれました(笑)。どっから仕掛けを入れてるの??って(笑)絶対にマネできません!』

森下「1回戦・2回戦の皆の対応を見ながら、あのようなアクションを起こした時に、周りが受けてくれるイメージはあったよね。でも、相手が受けてくれないようなら素直に頭を下げようと思っていたよ。まあ、あの九索ポンの仕掛けも普段の勉強会でやっているから出来たんだよね。」

 

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(普段の勉強会風景。左から中部本部所属:奥潤次プロ、私、森下剛任プロ、中部本部所属:中谷彰吾プロ)

森下「3回戦で大きく加点できたおかげで、4回戦からは自分の中で局のテーマ(親の局流し)がはっきり持てて、その通りに戦えたかな。トップ目に立ってから、頻繁に仕掛けたわ(笑)。」

4回戦ではオーラスに林プロをかわしてトップ目に立ち、2度目の王位戦優勝を手元まで手繰り寄せた森下プロ。しかしながら、最終戦では一般代表の柴田さんにあと一歩という所まで肉薄される。

岡本『最終戦での柴田さんの追い上げが凄かったですね。』

森下「トータル2位の林プロの親番を流せば、だいぶ楽になると思っていたけど、柴田さんの4,000オールで目が覚めたね。」

岡本『あと、柴田さんのドラ一万が暗刻のペン三索待ちリーチで三索を持ってきたあの局。1分以上の長考の末に、しっかり止めた時には本当にカッコ良かった!あそこで柴田さんに打ち込んでいたら、2度目の王位戦優勝は無かったかもしれませんからね。』

森下「あれね。巡目が終盤に近くて本当に助かったよ(苦笑)。』

 

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あの極限の状況で、当たり牌をしっかり止められる読み・勝負勘があってこその2度目の王位戦優勝なのだと自信を持って頷ける。

 

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岡本『2度目の王位戦優勝も果たして…、今後の目標は!?』

森下「まずは鳳凰戦リーグだね。鳳凰戦リーグに出ている以上は鳳凰位が目標だから、Aリーグに上がること!直近の目標で言えば、WRCリーグやグランプリMAXも今年はチャンスだから、このチャンスを活かして、もう一つタイトルが獲れるように頑張るだけ!』

◆第45期王位戦を振り返って◆

2度目の王位返り咲きの瞬間、森下プロの経営する麻雀店ではスタッフ・お客様含めて一同歓喜となった事は言うまでもありません。厳つい見た目とは裏腹な、どこか不器用で人懐っこい喋りをする森下剛任プロの更なる活躍に期待して頂きたい!

お見掛けの際には、「ごーにん」と呼びかけることもお忘れなく(笑)

–インタビューオフショット–

 

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仕事終わりにお店のスタッフと将棋を指す森下プロ。ただし、棋力は低い。

 

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勉強会後のお疲れの様子。

戦術の系譜3 滝沢 和典

【痛恨のオリ打ち】


今回は1月17日の第1戦から。
西家スタートの東1局は、テンパイ2番乗りでピンフドラ1のリーチ。

 

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早い段階で仕掛けた北家松本選手はリーチを受けて迂回、ドラ2枚が内蔵された1シャンテンの親・茅森選手から8,000点を出アガることができました。

 

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所謂「手なり」で打つことができれば簡単なアガリですが、まだ東1局。このリードを生かして更に加点していきたいところです。

東2局
と思った矢先、早速茅森選手にオリ打ちで8,000点を返してしまいます。
配牌は悪くない。4巡目に攻守兼用の発が重なり、更に戦いやすい手格好になりました。

 

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北家茅森選手のリーチを受けたのは10巡目、2シャンテンでリーチに対して仕掛け返すほどの手牌ではないため発のトイツ落としを選択すると、不要な数牌を連続で引いてしまい、完全なベタオリに。
さらに14巡目、目立つ牌を打っていなかった親の小林選手から追っかけリーチが飛んできて、16巡目に完全に手詰まってしまいました。

 

100

 

親小林選手のリーチに対して完全に通る牌は七索のみ。割と通りそうなのは八筒
常識的に考えれば、選択肢はこの2牌でしょう。
河から読み取れる情報は何かないか?
光っているのは松本選手が打った赤五索です。

赤五索を打ったということは、その周辺をシュンツで持っていることはないということです。
たった2枚ですが、壁に当たる七筒六索のうち、少なくとも松本選手が持っている可能性が高いのは六索ではなく七筒の方。というわけで打八筒を選択すると、先制リーチ茅森選手に放銃となってしまいました。

 

100

 

そもそも守備的に構えておけば、と後悔するも、

 

100

 

この時点では更なる加点を意識して手を組もうと思ったわけで、それが裏目に出ただけだと処理することしかできません。残り局数が少なければ序盤から手の組み方が違ってきますが、まだ東2局だからなあ…
ちなみに赤五索を打った時の松本選手の手牌はこちらでした。

 

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共通の安全牌がないなら放銃率が高くても、暗刻牌やトイツを打てなんて話も聞いたことはありますが、2件リーチで次巡に安全牌が増える可能性も高いので却下。
結局、この2つの選択肢以外から選んだことはなく、ここで、ウソかホントかわからない理論を持ち出して打牌しなかったことは精神が弱っていない証拠だ(ということにしておくしかない)
つまり展開が良くない、運が悪い。
こんな身も蓋もないようなことを言ったら怒る人もいるか…

いや待て、前原選手や瀬戸熊選手ならド真っすぐ打ち抜いている可能性がある。
と思って、とにかくアガリに向かって真っすぐ打った場合に並べ替えてみたら、放銃をすり抜けて局はまだ続いていましたわ。
そういうことかもしれないなあ。結果論かもなあ。

 

 

【丁寧さと大胆さ】


続いては1月20日1戦目、東1局。
6,000オールをツモった沢崎選手の親が続いているところ、早々に九万をポンしたのは親の沢崎選手。
主導権を取りにくるケースが多い沢崎選手ですが、基本的には高い仕掛けが多いです。しかし、仮に遠い仕掛けだった場合は若干のスキが生まれることもあり、毎回おろされるわけにはいきません。

とはいえ私の手牌は現状とても戦えない手牌。

 

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沢崎選手は捨て牌から察するに、おそらく一色手でしょう。
この時、相手がノーテンの可能性は高いのですが、何でも打って良いわけではありません。例えばこの手牌なら、ポンされやすい字牌と一万だけは打たずに進めていくのが良いと思います。数牌に関しては一万九万に近い牌ほどポンされやすいので、それ以外を打ちつつテンパイに近づけていく、または安全牌をかかえるべきだと考え、打七万を選択しました。

沢崎選手の手牌は、

 

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遠い仕掛けだろうとアタリをつけて危険牌を先切りして一気に攻め込む場合もありますが、自分の手牌の価値が低いのであれば、基本的には真面目に対応しようというのが私の流儀です。この場面では、6,000オール分のビハインドがあるとはいえまだ東1局、沢崎選手に決め手となるアガリを決めさせないよう丁寧に、じっくり打つのが得策でしょう。

東2局親番
配牌で三元牌2種とドラの二筒がトイツ、チャンス手をもらいました。

 

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満貫クラスを目指すなら、第一打に選択すべき牌は中です。
特に私は役満を目指すイメージがついていると思うので第一打に中を打っておけば、その後の白発が仕掛けやすくなります。
しかし、今回はまた三元役の可能性を残すため中を手牌に残しました。これで、この先どのタイミングで中を打とうが、白発のトイツを想定されてしまいますが、跳満、さらには役満の大物手を狙うことができます。
アガリ率と引き換えに打点力をとっているイメージです。
ドラが少ない設定の麻雀だと、かなり工夫しないと相手に絞られて終わってしまいますが、赤入りルールの麻雀では、赤なしの麻雀と比較して他家が勝負手になっていることが多い、且つ最近流行?の場に出ていない役牌を先に打ち出していくスタイルの打ち手が多いことなどから、わりとアガリやすいイメージもあります。
この選択は、チームポイントや評価の対象となる残りゲーム数を加味して選択すべきだといます。

このように、第一打から大きな選択があったわけですが、この後はアガリをものにするためには、工夫が必要となります。
勝負手となっている人の手に三元牌が行けばわりと簡単に出てきますが、そうならなかった場合は大切なチャンス手を棒に振ることになってしまいます。
なるべく相手を脅かさないよう、ひっそりと読みを狂わせることが大事なのです。

例えばこの場面。

 

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西家の瀬戸熊選手から発を仕掛けています。
捨て牌は一色手風ではないため、中を打ち出すと高いバージョンとして真っ先に想定されるのはドラ、赤が固まっているパターンで、三元役なのか、ドラなのかどちらか判別できない状態にしておいた方が次は仕掛けやすくなるのです。
というわけで私が選択したのは打八筒
特に今回はトップ目の沢崎選手が上家にいるので、がっちりとガードされてしまうことでしょう。

 

100

 

次のツモ四万では打中とします。
ここでピンズのターツ落としを見せると早そうな捨て牌に見えてしまいます。しかも六筒を後で手出しすることによって五筒六筒六筒などのターツを連想させることもできます。
危険度の高い六筒を残したのは八筒六筒で打つための布石です。
この先の局で赤3枚+表ドラ4枚、計7枚のうち、5枚を手牌で使っているときも、できるだけおとなしい捨て牌になるよう打牌をチョイスしているので興味がある方はご覧になってください。

 

 

【再び痛恨の放銃】


先ほどの三元牌の局は、1シャンテンの段階で西家瀬戸熊選手からリーチを受けます。
もちろん私も引く気はないので、無筋を連打して応戦します。そして12巡目にようやくテンパイ。

 

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打点ならシャンポン、待ちの強さならリャンメン。
打ったときに失点するリスクは高いですが、瀬戸熊選手のリーチに対抗するため待ちの強さを優先して打二筒とすると、

 

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8,000の放銃。
痛い…
安全牌の発より後に八筒切りリーチ、開いた手を見て、

三筒四筒四筒五筒六筒八筒

多分1シャンテンはこうかな?

「あーーあるある、よくある」
「裏乗らなくてよかった」「痛い」

まあ、発を仕掛けたのも瀬戸熊選手からだし、手が入っているのは明らかだったんですけど、すでにドラがあるから攻めてきたのでは?とかごちゃごちゃ考えて打ちました。
そもそも1シャンテンの段階で分岐点がありました。

 

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アガリを目指すなら、ドラの二筒打ち。打点を見るなら打三筒
このとき私は間違いなく瀬戸熊選手をマークしていたのですが、その間をとる打六万を選択しました。
六万の危険度の高さは二筒と大差ありません。仮に七万を引いたら再び二筒を打ってフリテン3メンチャンを残して、迂回気味の上家から仕掛けることも想定していたのです。
バランスが良い一打っていうのは、意志の弱い一打と紙一重になっちゃっていますね。
解説の寿人選手はさぞかし気持ち悪かったでしょう。

ただ、一貫性というのも考えもので、上の画像の場面で打点か?アガリか?の2択だけで選ぶのはプロとしては浅すぎるような気もしているのです。
1シャンテン当時は、リーチはかかっておらず、仮に瀬戸熊選手が途中で諦めた場合はベストな選択になっていたかもしれません。
普段ギリギリまで強めの打牌をしてくる瀬戸熊選手のイメージが打牌選択に影響を及ぼしてきたのは間違いありませんが、それが勝因になることもあるし、逆に敗因になることもあります。

だらだらと好きなことを書いてきましたが、私にバシッとした答えはまだありません。もしかしたら一生答えはでないかもしれませんが、それでもいいのかなとも思っています。

次回以降ですが、白鳥選手、佐々木選手に編集部が依頼しているようですが、二人とも難色を示しているそうです。
忙しいふりは良くないと思います。その辺で遊んでいる姿を見かけたら編集部まで連絡をお願いいたします。
それではまた。

編集部より
次回は、連盟鳳凰リーグの最高峰である、A1リーガーの前田プロに戦術を書いてもらうことが決定しました。
お楽しみに!!

第14期女流桜花決定戦 二日目観戦記 柴田 吉和

5回戦(起家から、仲田・魚谷・武石・古谷)

4回戦終了時
仲田+21.6P  古谷+ 0.6P  魚谷▲ 4.0P  武石▲18.2P

東4局

 

100

 

ここまでトータルトップを走る仲田。
今局好配牌に恵まれ早くも決断を迫られるが、リーチ宣言はせず四万を縦に置いた。
ダブリー宣言の時点で、待ちは悪くとも出アガリ8,000の打点がある事が決め手で私はリーチ宣言してしまいそうだが、ダブリーしなくても、発ポンからドラ一万単騎仮テンからのホンイツ移行で、容易に満貫は確保できそうな手牌でダブリーするしないの意見が分かれそうだ。

 

100

 

配牌からのイメージ通りに、4巡目に魚谷の発にポンを入れドラ一万単騎テンパイ。更に2巡後ツモ白で小三元に待ち変え後、更に2巡後絶好のツモ四索。待ってましたとばかりにノータイムで5メンチャンに待ち変えをすると思いきや、仲田はノータイムで四索をツモ切り白単騎を続行した。これには驚いた。
白が3巡前に武石から切られているとはいえ、その後二万一万とドラのターツ外しが強烈に見えており、他家からははっきりと高打点、最高大三元がある事が見えているだけに、そうそう切っては貰えない三元牌待ちでの12,000。何よりも5メンチャン待ちでツモアガリできそうな8,000が魅力的すぎるからだ。

 

100

 

しかし結果は仲田にとって最高のものとなった。
らしくないのは放銃の魚谷だ。自身役ありテンパイ・武石のリーチに対して現物とはいえ、ノータイムで白を切り出している。武石がリーチ宣言するという事は、中を持っているはずと信頼の読みが入ったか?仲田の手出し牌が少なすぎて、打点が安いテンパイもあると読んだか?決定戦仕様で、ただ単にトータルトップを走る仲田のアガリを阻止したかっただけか?いずれにせよメンタル強者の魚谷にとっても、ぐっとくる放銃になったのは間違いない。
この放銃を機に、魚谷は苦しい1日を送る事となる。

 

100

 

南2局1本場

 

100

 

親魚谷が6巡目に打ドラ八筒後、14巡目七万にチーを入れテンパイ濃厚だ。
一方古谷は6巡目に発の片アガリヤミテンを入れており(二索は空切り)13巡目、仲田が六万チーを入れた事を機に次巡ツモ切りリーチへ踏み切った。
仲田視点で見ると、親の魚谷は高くても2,900程の打点で連荘狙いか。古谷は切り出しが変則で、ドラ絡みか手役で打点がありそうな捨て牌。そこに仲田がツモってきたのが発
放銃になるとしたら古谷、そして間違いなく打点もつきそうだが、仲田は発を勝負した。
2日目終了後のインタビューで、古谷に放銃になれば打点があると分かっていたが、魚谷の親落としを優先したと仲田は話した。また、魚谷をマークしていたともありのまま話した。
4期連続での対決となる仲田魚谷。今決定戦に限らず、お互いに彼女には負けられないとうプライドも少なからずあるはずだ。
3連覇中の仲田とて、やはり魚谷の存在は宿敵であり脅威なのだろうと伝わってくる場面であった。

 

100

 

5回戦成績
仲田+20.2P  古谷+14.2P  武石▲12.7P  魚谷▲21.7P

5回戦終了時
仲田+41.8P  古谷+14.8P  魚谷▲25.7P  武石▲30.9P

 

 

6回戦(起家から、古谷・仲田・魚谷・武石)

東1局

 

100

 

起家古谷、隠れドラ3で待ち選びも成功し、武石から11,600の先制。

東1局1本場

 

100

 

親古谷、ツモ六索九索四筒であれば迷わずリーチになりそうで、ツモ一筒だけ判断が難しく意見が分かれそうだなと見ていた所にツモ一筒。安めドラ・高めチャンタのリーチ選択。古谷はノータイムでリーチ発声をした。
初日の古谷は、こういった難しい判断に迫られた時、手迷いが多くまだ決定戦の闘い方が固まっていない様に私には映ったが、今局ノータイムでのリーチ宣言は「今日は逃げず立ち向かって強く闘う」という意思が見て取れ、古谷の中で決定戦の闘い方が決まったんだなと強く感じ取る事ができた。今2日目の古谷は、このノータイムリーチ選択の様に、初日とは別人と見違えるほどに闘う姿勢を貫き通す1日となる。

 

100

 

だが相手も強い。親リーチの現物待ち・タンヤオやドラ振り替えを考えヤミテンにしてしまいそうな所だが、アガリを逃さない絶妙な追いかけリーチで追加点を許してもらえない。

南2局2本場

 

100

 

11巡目に親仲田からのリーチを受けた魚谷の手牌。完全安全牌も無い事からこの形で五筒五索二筒と押してアガリを目指したが、16巡目ツモ七索で残り巡目との兼ね合いもあり打六筒で降りを選択した。

 

100

 

がしかし、これぞ不調者と言わんばかりの局面になって全員へ通りそうな八筒でヤミテンへ高打点放銃。仲田への現物は一索八筒での選択だが、武石は12巡目の初牌の発は強いものの、その後は共通安牌を切っており、そこまで目立ってはいない。一方古谷の打ち出した二索二万六筒はいずれもスジとはいえ危険牌を3枚押している事からテンパイ濃厚で、さらに最終手出し二索、魚谷としては八筒を選択する事は必然であり、この防ぎ様のない放銃は観ている側も泣けてきてしまう。
私の主観かもしれないが、点数申告の際、珍しく魚谷の顔が歪んだのが印象的だった。

南4局

 

100

 

オーラス(古谷34,000・仲田31,600・魚谷27,400・武石27,000)
全員原点付近で浮き確保を目指す場面、古谷が手牌にも恵まれ、あっさりと2,000・4,000。
3巡目仲田の七筒チーで打北だったが、

一索一索一索二索四索四索四索五索南南西北北

この形でも1枚目の北には見向きもせず、落ち着きを見せる。
何よりこの満貫のツモアガリで、トータルトップを走る仲田の原点を割った上に、1人浮きトップに成功する。

6回戦成績
古谷+24.0P  仲田▲ 1.4P  魚谷▲ 7.6P  武石▲15.0P

6回戦終了時
仲田+40.4P  古谷+38.8P  魚谷▲33.3P  武石▲45.9P

 

 

7回戦(起家から、古谷・仲田・武石・魚谷)

全12回戦の折り返し6回戦を終え、ハッキリと上下2名ずつに分かれる展開となった。
武石は首位仲田まであと6半荘で85Pと言うとそれ程遠くは感じないが、間にいる同ポイントを持っている古谷も交わさなければいけない。頭取りにしか意味のない決定戦の難しい所だ。
そんな下位2名が差を詰めたい状況だが、それをあざ笑うかの様に上位2人のアガリ合戦が始まる。

東1局 親:古谷

二万二万六万七万八万五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ四索  ドラ三筒

古谷6巡目リーチで、10巡目に2,600オール

東2局2本場R1

五万六万八万八万一筒二筒三筒  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  ポン発発発  ロン四万  ドラ八万

魚谷から古谷3,900は4,500(+1,000)

東3局1本場R1

一索二索三索五索六索七索八索九索西西  ポン南南南  ロン四索  ドラ八索

魚谷から仲田7,700は8,000(+1,000)

東4局1本場R1

三万四万六万七万八万西西  加カン発発発発  ポン南南南  ツモ二万  ドラ三万

仲田2,000・4,000は2,100・4,100(+1,000)

南1局

 

100

 

先制テンパイは親古谷。絶好のドラ六万を引き入れ選択。
安目七索での3,900出アガリが不満という理由でリーチを選択しそうだが、古谷は手堅くヤミテンを選択した。

 

100

 

しかしこの古谷のヤミテン選択は、仲田への放銃という最悪の結果となってしまう。
古谷が11巡目即リーチをしていたら、仲田が五索六索を切れるのかいう論点になるが、トイツ二万が現物になっている為、真っすぐにはソーズは打てずトイツ落としになりそうなので、役ありテンパイはストレートには組めそうになかった。また魚谷の追いかけリーチのペン三筒待ちはリーチ時点ですでに純カラで、山に残り2枚の6,000オールをツモれるかの勝負に持ち込めていた。
もちろんアガリ牌は紙一重・1牌の後先、ヤミテンにして四索が山に浅くすぐに12,000を出アガリできる事もあるので、結果論だけたどっても意味のない事なのだが、今まで見てきた古谷は、好形の勝負手はリーチでツモリに行く事が多かった様に思うので、この高めをヤミテンで拾いに行く判断は古谷のスタイルではない様に私には映った。

南3局

五索六索七索七索八索二筒二筒二筒三筒三筒  ポン南南南  ロン九索  ドラ七索

古谷から仲田3,900

南4局

 

100

 

2人のアガリ合戦の終演は古谷。武石・魚谷と大物手でぶつかったが、見事に押し切り、またもや逆転トップを鮮やかに決め2連勝を飾ったと同時に、トータルポイントでも首位に躍り出た。

 

100

 

7回戦成績
古谷+21.7P  仲田+14.0P  武石+ 3.7P  魚谷▲39.4P

7回戦終了時
古谷+60.5P  仲田+54.4P  武石▲42.2P  魚谷▲72.7

 

 

8回戦(起家から、武石・古谷・仲田・魚谷)

東1局

 

100

 

上下が約100P差がついてしまい、残りこれを入れて5半荘。もう後がない下位2名は、多少のリスクを伴ってでも打点をつけながら、前のめりに踏み込まなければならない状況になっている。
それを象徴しているかの様な今局魚谷の選択打九筒だ。ツモ三索でリーチを打てば3,900の中級打点テンパイだが、満貫級のアガリが見込めそうな手牌はテンパイ取らずの高打点狙い。しかも親がダブ東をポンしている状況での大リスクを背負っての選択だ。
この選択は、百戦錬磨の魚谷といえど、これ以上の点差は自身優勝不可能をはっきり意識している証明でもある。

 

100

 

100

 

一方で点数を持っている仲田は、跳満1シャンテンの手牌でもダブ東が鳴かれている状況ならば、四筒七筒チーテンの3,900で万々歳だ。画像でも分かるように、四筒七筒チーシフトになっていた。この手牌を魚谷にそっくり渡したならば、終盤までチーの選択など1ミリも考えない事だろう。

南3局1本場R1

 

100

 

古谷うまく七対子に決め打ちし7巡目ドラ五筒単騎リーチ。
驚いたのは、仲田がこのリーチ宣言牌四筒をこの形から食い延ばしのチーだ。自身手牌がチーして現物六万だけ・手牌パンパン・メンツなし!しかも真っ直ぐ手を進めない打六万!正直観ている側は、なんじゃそりゃと声が出かかった、本能で鳴いたとしか思えないもの凄い勝負感。

 

100

 

2巡後、古谷の3,000・6,000ツモ喰い取り!

 

100

 

次巡三索チーを入れると、挙げ句の果てにはアガリまで成就した。
麻雀って怖い…。心底そう感じた。

南3局2本場

 

100

 

今日1日通して苦しかった武石だったが、久々に高打点を決めトップ終了となる。
これで武石は、トータルトップ仲田まで残り4半荘で約80P差、僅かな希望の光が見えてきた。

 

100

 

8回戦成績
武石+20.6P  仲田+ 5.2P  魚谷▲ 7.4P  古谷▲18.4P

8回戦終了時
仲田+59.6P  古谷+42.1P  武石▲21.6P  魚谷▲80.1P