何を切る? 2019年5月

第36期鳳凰戦A1リーグ第1節A卓 1回戦 東2局1本場 南家 伊藤優孝プロ

 

 

 

 

■ Twitterで実施したアンケートの結果

 

 

 

■プロ解答

七万切り

 

 

 

五筒暗カン

 

 

 

五索切り

 

 

 

五筒切り

 

 

 

八筒切り

 

 

 

■プロの視点
伊藤優孝プロ
「ここはカンの一手。というのも、この開幕戦はよーいドンで打ち込みから始まってなんとなくイマイチな感じだった。もちろん、三色を狙って五筒を留めて七万を外していく打ち方もある。ドラを使い切るといって五索を切る手もあるけどこれはやりすぎ。ここはアガリの点数よりも、自然な手牌進行に重きを置いてアガリ切って親を引きたい。この後ダイレクトに六万を引く以外は、ひとまずヤミテンにして様子を見る。」

 

 

■終局図

 

 

 

■実況・解説陣

 

 

吉田「僕七万ですかねー。」
古橋「五筒暗カンです。」
白鳥「僕五索。」

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第32期中部プロリーグ 第3節レポート

Aリーグ:斎藤寛生

私が連盟員になったのは2010年であるが、当時の中部プロリーグ戦の会場に見学者の方が来ることはほぼ無かったが、ここ数年の中部本部における様々な広報活動が奏功したのか、最近は必ずと言っても良いくらい見学者の方にお越しいただいている。
中部プロリーグを見学する上で是非とも参考にしていただきたく、今回はリーグ戦開催日のおおまかな流れをご紹介させていただきたい。
中部プロリーグ戦開催日は13時から事務局による進行が始まるので、その2~30分前には会場に集まり、各自受付を済ませた上で同卓者4人が揃った卓から牌確認をする、それが終わると13時になるまでは各自自由に行動をとる。談笑する者もいれば席で集中する者もいたり、トイレや喫煙所に行ったりするなどリーグ戦に備えて各々準備をする。定刻になると事務局による進行が始まり、中部本部に所属する連盟員のタイトル戦の結果や、タイトル戦プロ予選・地方予選の案内、ルール改正があった場合の説明やプロテスト・地方イベント等の事務局からの案内があり、それら事務局からの案内の次に木村本部長からの挨拶が行われ、それが終わると準備のできた卓から対局が開始される。

第3節の組み合わせと各卓の結果は、以下のとおり。
1卓 伊藤・都築・清水・堤
暫定首位の伊藤と暫定2位の清水がぶつかったこの卓では、清水に軍配が上がる。1回戦に6万点超えの1人浮き、3回戦に5万7千点持ちのトップで+65.0P、一気に暫定首位に立つ。清水の爆発の影響を受けた3名であったが、4回戦でトップを取った堤が+10.8Pとプラスに転じ、伊藤・都築は最後まで苦戦を余儀なくされた。

2卓 掛水・森下・寺戸・斎藤
今期のAリーグで2度目となる役満をアガったのはまたもや寺戸。1回戦第1局、終盤に親の寺戸が倒牌するとそこには暗刻が並び、同卓者3名は開局直後から大きなビハインドを背負うこととなった。これにより目標修正を迫られることになったが、夫々どのように目標値を修正したのであろうか。私は2回戦終了後のポイントが▲49.1Pとマイナスが膨らんでしまったが、3、4回戦の親番で本手を手中に収め、命からがら▲7.7Pまで回復できた。掛水は役満の煽りを受けながらも1回戦は浮きの2着で、最終的には+1.1Pとプラスで終えた。森下は終始苦しい戦いであったか、▲33.8Pと沈んでしまった。次節以降、第39期王位の意地を見せることができるか。

3卓 小野・加藤・林・村瀬
村瀬が3、4回戦に大きなトップで連勝し、+68.8Pと暫定12位まで順位を上げ、前節の大敗を大勝で取り返した。次節に向けて弾みをつける。村瀬が大勝する陰で浮きの2着を確保していた小野は+39.5Pで、トータルポイントが100を超え暫定2位についた。林は▲82.8Pと、これまでの貯金を吐き出してしまったが、これをバネにして躍進に繋げられるか。

4卓 土岐・三戸・朝岡・長谷川
この卓の勝ち頭は③②②②でトップ0回の三戸。+21.4Pで暫定3位についた。1、2回戦で連勝した長谷川がその後のマイナスを最小限に留め+12.6P。土岐と朝岡はそれぞれ4着が2回であったが、4回戦で大きなトップを取った朝岡が▲4.2Pまで取り戻した一方、4回戦で大きく沈んでしまった土岐は▲29.8Pと苦杯を喫する。

対局終了後は、リーグ戦の結果を成績表に記入し、それを事務局に提出する。ここまでがリーグ戦当日のおおまかな流れである。ご興味のある方は是非とも会場までお越しいただきたいと思います。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 清水 哲也 28.2 61.8 65.0 155.0
2 小野 雅峻 74.8 ▲ 4.8 39.5 109.5
3 三戸 亮祐 25.7 34.1 21.4 81.2
4 寺戸 孝志 0.8 29.6 40.4 70.8
5 伊藤 鉄也 64.4 35.6 ▲ 40.4 59.6
6 土岐 雄太 30.0 52.8 ▲ 29.8 53.0
7 掛水 洋徳 ▲ 28.9 34.0 1.1 6.2
8 朝岡 祐 ▲ 26.6 22.9 ▲ 4.2 ▲ 7.9
9 長谷川 弘 1.7 ▲ 47.3 12.6 ▲ 33.0
10 林 俊宏 40.8 ▲ 4.3 ▲ 82.8 ▲ 46.3
11 都築 友和 ▲ 37.2 23.9 ▲ 35.4 ▲ 48.7
12 村瀬 寛光 ▲ 25.0 ▲ 106.3 68.8 ▲ 62.5
13 加藤 泰史 ▲ 66.9 18.3 ▲ 27.5 ▲ 76.1
14 堤 文吾 ▲ 16.3 ▲ 75.2 10.8 ▲ 80.7
15 斎藤 寛生 ▲ 11.0 ▲ 65.4 ▲ 7.7 ▲ 84.1
16 森下 剛任 ▲ 54.5 ▲ 9.7 ▲ 33.8 ▲ 98.0

 

 

Bリーグ:大橋幸正

第32期中部プロリーグは、Bリーグ以下はちょうど折り返し地点の第3節が行われた。第2節を終えた時点で、私は+60.2Pの3位と好位置につけており、今節は昇級に向けて、非常に大切な対局となった。
対戦者は、山本(拓)・佐藤・木村。
3者とも一癖二癖もある打ち手で、非常にゲームプランが立てづらい組み合わせであり、私にとって、最大の山場となる節であると、対戦前感じていた。
中でも意識する相手は山本(拓)で、中部プロリーグでこそ初対戦となったが、他の公式対局などで何度も対戦経験がある数少ない苦手意識のある相手である。

1回戦、私は気持ちこそ落ち着いていたものの、アガリと放銃を繰り返す、かなり不安定な麻雀となっている中、山本(拓)が随分とおとなしい。最近、調子を崩している様子なので、その影響か?と思っていたが、南3局に佐藤から入った親リーチにぶつけ、3,000・6,000のツモアガリを皮切りに、2回戦目の大爆発へと繋げていく。

2回戦、開局親番で大きく点数を叩いた山本(拓)は、東場が終わった時点で70,000点を超えていた。対する私は10,000点代前半のラス目と非常に苦しい状況。
この時点でトータルポイントも山本(拓)に捲られており、このままいくと、+100Pオーバーを叩かれる節となりそうな感じであった。
この苦しい状況の中、私の考えていたことは、もちろん、マイナスを取り返して昇級争いに留まりたいという思いもあったが、『今後、山本(拓)とは長くプロ活動を共に歩んでいくであろう。今期、静岡プロリーグでも同卓するし、タイトル戦など大きな舞台で対戦するかもしれない。目先のことだけを考えず、とにかく、結果は別として、「大橋は怖い相手だ。」という印象を与える必要がある。』と考えていた。
一つ例を挙げると、3回戦オーラス、親の山本(拓)は31,900点の2着目、対する私は42,600点のトップ目。私の手牌は以下の牌姿のイーシャンテンとなる。

四万五万四索五索四筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒西  ドラ六索

上家から切られた三万のチーテンは取らなかった。自分の目先だけを見た場合、喉から手が出るほど欲しいトップであったが、仮にチーテンを取って、1,000点のアガリを拾った時、浮きをキープできる山本(拓)も嬉しいアガリとなってしまう。また、目先のトップ欲しさの焦った仕掛けをしているようでは、昇級できないのでは?と感じた。
結果から言うと、この局は1,000・2,000をツモアガリ、1人浮きのトップ。4回戦も大きなトップを取ることができ、終わってみれば、2回戦目が終わった段階では考えられなかった卓内トップの+50.4P。
第3節を終え、私はついにただ1人+100Pを超える首位となった。まだまだ、残り2節あり、決して楽な状況では無いが、間違いなく、風は私に吹いている。ポイントを持った戦い方は、もちろん意識はするが、更にポイントを伸ばそうとする心意気で、次節以降も臨みたいと思う。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 大橋 幸正 52.9 7.3 50.4 110.6
2 金平 裕樹 40.0 31.0 5.1 76.1
3 太田 充 58.8 ▲ 41.8 43.8 60.8
4 大高坂 松城 60.5 13.3 ▲ 15.8 58.0
5 越川 清一 21.5 7.2 26.5 55.2
6 山本 拓哉 ▲ 17.2 ▲ 3.8 45.4 24.4
7 富村 つぐみ ▲ 41.1 40.0 23.8 22.7
8 高橋 侑希 ▲ 20.4 27.3 ▲ 3.1 3.8
9 杉村 泰治 11.0 ▲ 6.4 ▲ 4.9 ▲ 0.3
10 木村 東平 34.6 ▲ 2.0 ▲ 40.9 ▲ 8.3
11 杉浦 勘介 ▲ 0.1 ▲ 22.8 10.1 ▲ 12.8
12 佐藤 あいり 4.7 29.9 ▲ 54.9 ▲ 20.3
13 青山 大 ▲ 9.0 ▲ 30.6 ▲ 3.4 ▲ 43.0
14 大町 篤志 ▲ 2.8 ▲ 74.2 15.7 ▲ 61.3
15 古川 孝次 ▲ 102.1 ▲ 16.1 44.0 ▲ 74.2
16 日下 健司 ▲ 37.2 0.9 ▲ 46.5 ▲ 82.8
17 安藤 大貴 ▲ 54.1 40.8 ▲ 96.3 ▲ 109.6

 

 

Cリーグ:岡田智和

中部プロリーグもいよいよ折り返しの第3節。2節を終えた時点での上位を確認していこう。
首位を走るのは2年目の鈴木涼太(+75.0P)。その背中にピタリとつけているのは河合慎悟(+72.9P)。続いて田村良介(+43.8P)、太田峻也(+41.0P)―ここまでが昇級となる。
私は+34.0Pの5位で第3節を迎え、同卓者は家田みゆき・池沢麻奈美・太田峻也であった。
昇級ボーダーにいる太田峻也との同卓は当然意識するのだが、ベテラン家田みゆき、各地で活躍を見せる池沢麻奈美も手強い相手だ。

私は1回戦・2回戦と連続トップで、太田峻は1人沈みの連続4着。だがこのままでは終わらないのが太田峻の強さだ。3回戦に入り怒涛のアガリで63,400点の1人浮きの大トップ。
前半2回戦のマイナスを一撃で取り戻した。4回戦は池沢と太田峻の一騎打ちとなり、両者同点トップ。私は前半のプラスを全部吐き出してしまった。卓内トップは終始冷静かつ丁寧に手を仕上げた池沢(+24.8P)。続いて太田峻(+1.5P)、岡田(▲3.8P)、家田(▲22.5P)。
独走できる状況にありながら自らそのチャンスを手放してしまった感があり、反省しかない第3節となった。

今節は別卓の一部選手からコメントをもらったので紹介していきたいと思う。

鈴木涼太…「今日はポイントを伸ばして首位を維持するつもりで対局に臨んだ。自分の打ち方で素直にリーチをし、勝負手を8割以上アガることができた。このまま最終節まで独走したい。」
鈴木涼は+90.4P(トータル+165.4P)で独走状態―見事有言実行してみせた。末恐ろしい新人だ。

日髙志穂…「実力不足もありますが、終始苦しい対局でした。後半戦頑張ります。」
日髙は「実力不足」と言っているが、その実力は十分にあることを全国に示した逸材だ。
その日髙も中部プロリーグでは苦戦しており、▲48.4P(トータル▲89.5P)14位で第3節を終えた。

大滝聡…「2回戦0点寸前で大きくマイナスした。本来オリることができたはずの牌で放銃した11,600は反省。」
大滝はAリーグ経験もある実力派。今節も順調にスコアを伸ばして卓内トップ。+16.7(トータル+43.8P)4位につけた。

菅野直…「2半荘目調子が良く、もっとアガれた気がする。」
菅野の強さは中部本部の皆が認めている。そう言っても過言ではない実力派菅野がまさかのマイナス。これだから麻雀は恐ろしい…。▲18.3P(トータル▲14.0P)10位で第3節を終えた。

山本美文…「リーグ最下位なので、ギリギリ浮けて良かった。次節以降も耐えられるようにしたい。」
今期の山本美は日髙以上に苦しそうに思えた。日髙は話すこと自体辛そうで、皆それぞれ背負
うものがあり、志を持って対局に臨んでいるのだとコメントを通じて痛感した。

このまま鈴木涼が独走するのか、大逆転劇は起こるのか…。終盤戦に差し掛かる第4節、ますます昇級を意識した激戦になることは間違いない。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 鈴木 涼太 73.8 1.2 90.4 165.4
2 田村 良介 ▲ 6.0 49.8 57.4 101.2
3 河合 慎悟 61.2 11.7 ▲ 13.4 59.5
4 大滝 聡 ▲ 30.5 57.6 16.7 43.8
5 太田 峻也 38.4 2.6 1.5 42.5
6 岡田 智和 22.8 11.2 ▲ 3.8 30.2
7 池沢 麻奈美 ▲ 28.7 14.2 24.8 10.3
8 岡本 丈司 ▲ 50.9 47.4 7.0 3.5
9 若松 正和 ▲ 10.3 3.0 0.8 ▲ 6.5
10 菅野 直 16.1 ▲ 11.8 ▲ 18.3 ▲ 14.0
11 中谷 彰吾 14.1 ▲ 43.3 11.7 ▲ 17.5
12 家田 みゆき ▲ 24.2 9.8 ▲ 22.5 ▲ 36.9
13 鈴木 淳 ▲ 28.8 ▲ 14.0 ▲ 16.0 ▲ 58.8
14 日髙 志穂 ▲ 23.2 ▲ 17.9 ▲ 48.4 ▲ 89.5
15 山田 まさとし 16.5 ▲ 50.8 ▲ 88.7 ▲ 123.0
16 山本 美文 ▲ 61.3 ▲ 72.7 0.8 ▲ 133.2

 

 

Dリーグ:近藤美香

新元号も決まり、改元まで後わずかとなった暖かな春雨が煙る日、平成最後の中部プロリーグ戦第3節が行われました。
Dリーグは奇しくも3卓ともが1人大きく沈むという同様の結果となりました。

13卓 終始強気な攻めをみせる後藤に確実に勝負手を決める杉浦(貴)のペースで対局は進みました。この日杉浦(貴)は+47.2 合計ポイントでも+117.5と1人大きく抜け出しました。
私は本手がすべて安目ツモか流局。かわし手と判断し鳴いた後は杉浦(貴)の本手に放銃。
終了してみるとオールラスの▲64.0Pという結果でした。

14卓 私と同じく▲66.0Pという大きなマイナスの加来に対局後感想を聞きました。ドラもなく、手も作れず、4回戦とも何もできずに終わってしまった。本当に悔やまれる。しかし来節は今日のマイナス以上にプラスできるよう頑張っていきたい。と前向きなコメントを残してくれました。

15卓 トップラスで出入りの激しい羽川でしたが、1人浮きトップ2回の大きなプラスで+41.3P。順位も大きく伸ばしました。そこに実力者の鈴木(雄)が安定の+15.7Pでまとめ、大西が1人沈みの▲66.1Pという結果になりました。
折り返し地点の第3節が終了し残り2節。3分の1の昇級枠をかけて私も加来と同じよう、巻き返しを図りたいと思います。

Dリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 杉浦 貴紀 45.1 25.2 47.2 117.5
2 平野 祥太 40.8 3.2 24.4 68.4
3 浅野 文雅 90.2 ▲ 90.4 40.8 40.6
4 羽川 えりか 25.2 ▲ 34.0 41.3 32.5
5 鈴木 雄介 ▲ 24.6 36.9 15.7 28.0
6 後藤 咲 2.4 ▲ 18.3 27.9 12.0
7 原田 知彦 ▲ 1.8 3.9 ▲ 0.2 1.9
8 田中 寛治 ▲ 10.6 1.7 9.1 0.2
9 近藤 美香 6.0 30.1 ▲ 64.0 ▲ 27.9
10 加来 千香子 15.6 21.4 ▲ 66.0 ▲ 29.0
11 中垣 元 ▲ 48.9 13.9 ▲ 11.1 ▲ 46.1
12 大西 義則 ▲ 81.6 37.5 ▲ 66.1 ▲ 110.2
13 鈴木 基芳 ▲ 15.5 ▲ 33.1 ▲ 100.0 ▲ 148.6

第18期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第1節レポート

Aリーグ第1節:高谷圭一

皆さんこんにちは!
今期関西Aリーグのレポート書かせて頂きます高谷圭一です。
1間宜しくお願い致します。

第17花岡章生プロが見事3覇を達成し、新たに3月より花岡太閤位への挑戦権をかけた戦いがはじまりました。
開幕戦卓組は以下のとおりとなります。

1卓 佐々木・藤川・米川・辻本
2卓 横山・勝間・坂本・城
3卓 吉本・宮田・稲岡・高谷

私が戦う3卓は偶然にも昨年と一昨年の昇級者同士の組合せとなり、まさに新人Aリーガーによる戦い?さらに1卓は今や関西Aリーガーの象徴というべき人同士での戦いという開幕戦からおもしろい卓組となっています。
なお2卓は別日対局となっています
今回は3卓での対局レポートを書かせて頂きます。

3卓1回戦(起家から、稲岡・吉本・宮田・高谷)
開局早々、起家の稲岡が先制リーチをし、2,600オールのツモアガリで主導権をにぎる。
東4局に吉本が西ドラ3の7,700点を高谷より出アガリ。
さらに南2局親番では、先に先制リーチをかけていた稲岡の現物である⑨で高谷よりピンフ、イーペーコー、ドラ2の11,600点を出アガリ一気にトップに浮上した。
対して、高谷は箱下までいきかなり苦しい状況となった。

次局も吉本が連荘をして更リード広げる中、劣勢の高谷にチャンス手が入る。
12巡目にホンイツテンパイ。

南2局 2本場

一万三万四万五万六万六万七万七万八万八万九万九万中中  ドラ中

河に二万六万中は見えていない。九万は河に1枚切られている状況化で、一万を切れば一通はなくなるが六万九万中の変則3面待ち、六万を切れば倍満確定のカン二万待ち。
高谷は打一万のヤミテンを選択。
次巡ツモってきたのは無情にも二万、その後五万をつもり打三万四万七万待ちに変化させたもののそのまま流局となってしまった。
この半荘は吉本が逃げ切り、稲岡もぎりぎり原点をキープしてプラスとした。

3卓2回戦。
1回戦同様吉本が好調である、東4局吉本親番で、

高谷の手牌
二万三万三万五万六万七万八万  ポン北北北  ポン白白白

さらに三万をポン

五万六万七万八万  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き  ポン北北北  ポン白白白

五万八万のノベタンでの満貫をテンパイするが、ツモってきたのは二万
その直後、吉本がカン六万を567三色含みの3,900オールを力強くツモリあげた。
吉本のトップで向えた南3局、高谷に再びチャンスがめぐってきた。

南3局 親、高谷配牌。

四万八万九万一索二索三索四索四索七索八索九索南南発  ドラ南

ドラ2を含む配牌1シャンテンからの打四万。3巡目に五索をつもり、打八万を切りホンイツに向います。
数巡後、下家の吉本からドラ南が切り出され、それを高谷が仕掛け南ホンイツドラ3の跳満1シャンテンとなるが、吉本がすぐさま一通含みの三筒六筒九筒待ちの六筒をツモアガリ。
親の跳満のチャンスを阻止する形となり、吉本が2回戦もそのままトップを守りきりました。

3回戦は一転して1・2回戦好調の吉本が苦戦をしいれられる展開に。
序盤高谷がリードするが、南2局に宮田が三暗刻含みの6,400を高谷から出アガリ、宮田がトップに浮上。
吉本1人沈みでの浮き3人が接戦で迎えたオーラス(親番稲岡)、全員がトップを目指しアガリに向かうが宮田がこの局アガリきりトップで終える。

4回戦、東場宮田先行リードからの南1局ラス目で迎えた親番を高谷はタンヤオドラ2をトップ目宮田から7,700出アガリ、一気にトップに浮上する。
しかしオーラス、それまで沈黙を保っていた吉本が親番でアガリトップ浮上し、最後は宮田がアガリ対局終了となりました

宮田はかろうじて今節プラスで終え、吉本が4半荘中3半荘トップを取り、太閤位決定戦に向けて好発進です。
稲岡、高谷はマイナス発進となり来節以降での巻き返しを図る形となりました。

 

 

Bリーグ第1節:丸山直

今期Bリーグのレポートを務める丸山です。よろしくお願いします。
今節、都合により5人打の3卓で開始となったBリーグ。

1卓 (川上・山中・筒井・中川 ・仁科)
開始前より+100とると宣言していた中川が、それに届かずとも4回(トップ2回、2着2回)全て浮きで卓内トップになれば山中が大きく沈む。
5回戦に筒井が6,100オールを決め、4回戦までの負債を無くすかと思われたが、終わってみれば4,600点プラスの小さなトップに。

2卓 (長尾・音羽・福原・山室・辻井)
この卓も全て浮いた長尾が卓内トップ。山室は3連続ラス(内2回が1人沈み)となるも、抜け番を挟んで5回戦目にトップをとり、なんとか一矢報いた感じです。

3卓 (稲垣 ・大橋 ・上村・ 貫上・ 丸山)
1回戦で123の三色2,000・4,000

2回戦では

一万二万四万五万六万東東  ポン南南南  ポン発発発  ツモ三万

この4,000オールなどのアガリを見せた貫上が、最後は微差でラスを引くものの卓内トップ。

5回戦
ここまで3戦マイナスで苦しい上村が、東3局のリーチからのツモ、東4局大橋からドラ2の7,700をアガると、そこからオーラスまで小場が続き、

南4局
(親 上村39,000 大橋28,100 貫上26,100 稲垣26,800)

11巡目

四万五万六万六万七万八万九万七索八索六筒七筒発発  ドラ六索

ここにドラでない九索を持ってきた大橋はリーチとし、2巡後に八筒をツモ。
上村がトップとなり、大橋は100点浮きになって、厳しい勝敗にピリオド。
1節からキツイ戦いになった、気の緩みが痛手になりそうな戦いがまだまだ続きそうです。

 

 

C1リーグ前期第1節:根越英斗

今期C1リーグのレポートを書かせていただきます、根越英斗と申します。よろしくお願いいたします。
さて、時代は平成から令和へと変わります。しかし皆様、正直まだピンとこないのではないでしょうか?
新たな時代が始まろうとするとき、古き時代が記憶からなかなか消えないのは世の慣わし。このC1リーグも新世代と旧世代が入り混じり、新たな戦いを見せてくれることを期待しています。

1卓は根越、行野の33期新世代に、昨期最後まで昇級争いを繰り広げた34期期待の星、松尾。そして経験も多彩な上村の対戦となりました。
上村・根越が苦しい戦いを強いられ、行野・松尾が良い展開で半荘を進めていくものの、終わってみれば上村の1人勝ちでフィニッシュとなり、さすがという貫録を見せつけるところとなりました。
苦しいのは松尾。滑り出し好調も終わってみれば大きくはないものの、マイナス発進となりました。しかし地力のある松尾。
このままでは終わらないと信じています。

2卓は、元覇王でありC2より勝ち上がってきた秋山と、原田・木下・山神の対戦。
木下が+42.2Pと大きくポイントを叩いてのフィニッシュとなった。木下は今期覇王でもベスト8に駒を進め、好調を維持しています。今後に期待をしたいところです。

3卓はC2リーグより勝ち上がってきた中島が、吉田哲・高橋・辰巳の3名に立ち向かう構図となりました。
軍配は辰巳に上がりました。辰巳も今期こそBリーグと虎視眈々と上を睨む1人ですので、辰巳の爆発には期待したいところです。

4卓は中野・後藤・吉田圭・掛樋の対戦ですが、春の嵐が爆発した対局となりました。
嵐の中心は『牌に愛されし雀士』の異名を持つ掛樋。
掛樋は4回戦中3トップであり、5万点オーバーのトップに1人浮きのトップと大暴れで、終わってみれば+75.1Pと大きくポイントを伸ばしてフィニッシュとなりました。

春は桜の季節。桜が咲いた人もいれば、桜が散った人もいるかもしれませんが、リーグはまだ始まったばかりです。
長い道のりの第一歩をみんなが踏み始めたばかりですので、まだまだどんな美しい花に出くわすかはわからないところです。
次節以降も新世代・旧世代ともに素晴らしい対局を見せ、素晴らしいハーモニーを奏でてくれることを期待したいと思います。

 

 

C2リーグ新人紹介コーナー

今回よりC2リーグは新人の紹介をさしていただきます。
①氏名
②年齢
③何期生
④好きな役
⑤好きなプロ
⑥プロになろうと思ったきっかけ
⑦麻雀に思うこと、どうなれば良いかなど 自由に。

以上を書いてもらいました。
100

① 藤根 梨沙(とうね りさ)
②  20歳
③  35期
④  三色同順、七対子
⑤  白鳥翔プロ
⑥  様々なプロの対局などを見ている中で、自分も同じ場所に立ってみたい、戦いたい、強くなりたいと思ったからです。
⑦  麻雀プロとしてタイトル獲得など結果を残せるように、そして先輩方に少しでも追いつき、追い越せるように、麻雀と真剣に向き合い、努力していきます。応援して頂けると嬉しいです。よろしくお願い致します。

 
100

① 濱中 真志
② 37歳
③ 35期
④ 三色同順
⑤ 特にいません
⑥ 年齢制限になる前にやってみようというのと、一度は挑戦してみようという想いからです。
⑦ 麻雀が世間で思われている様なマイナスの感じではなく、素晴らしいコミュニケーションをとったり出来るものであるという事や、麻雀を通して色々な事を伝えられるようになりたいと思っています。

第3期北陸プロリーグ 第1節レポート

4月14日(日)、第3期北陸プロリーグ第1節が行われました。
今期の開催地は富山市、そして決勝戦は今年もあの「夏目坂スタジオ」にて全国配信予定であります。
今期は誰の元に栄冠が輝くのでしょうか?

●A卓(阿戸、荒谷、安城、里木、南)

荒谷・安城の中堅と若手3人の対決。
安城は第1期・第2期と連続で決勝進出しており、今期こそ初優勝を果たしたいという強い気持ちで挑む。
しかし、開幕ダッシュを決めたのは荒谷。
①②①②と連対率10割でトータルトップスタートとなった。
本人曰く、キーポイントになった1局。

2回戦、東4局1本場、ドラ発

八万八万四索五索三筒四筒五筒六筒七筒八筒発発発  ツモ三索

「削られて1人沈みの形になりかけたところでの上記のアガリは、点数的にもメンタル的にも楽になれました。」

との事。オールプラスの荒谷だが、実は満貫以上をアガれたのは上記の1回のみ。リーチを打ったのも2回だけで、決して調子は良くなかったが、上手くまとめた模様。
荒谷は22期生、同期の後藤プロが第1期優勝、1つ下の23期生の木戸が第2期優勝と、同じ中堅どころとしては負けられず、本人にも強い対抗心があるのは間違いない。
先ずは初の決勝進出を目指したい。

プロリーグデビュー戦となった新人の阿戸。
緊張もあったかもしれないが、トータルポイントをプラスで終え、次回以降上位を目指す。

●B卓(梅本、浦田、木戸、獅坂、藤本)

前回決勝戦メンバー木戸、浦田、藤本の3人が対決となる、いきなり激しい組み合わせ。
木戸は連覇を目指し、浦田・藤本はリベンジに燃えていて、早くも互いに火花をちらす。
これに獅坂、そして新人の梅本が向かっていくカタチとなった。

結果は藤本が勝利。
②①①と順調にポイントを伸ばし、向かえた最終戦オーラス親番、10巡目の手牌。

二筒二筒二筒三筒三筒三筒四筒四筒四筒九筒北北北  ドラ八筒

なんとメンホン四暗刻タンキのテンパイ。
この日の態勢の良さを物語るような手だが、ここは梅本が捌き、惜しくも成就ならず。
しかしトータル2位と3期連続決勝進出に向けて好発進を果たし、今期も優勝大本命である事は間違いない。

好調の藤本とは対照的に乗り切れないのが、ディフェンディングチャンピオンの木戸。
③③④とマイナスを重ねていってしまう。

2人の態勢を象徴するような局が、4回戦オーラスの1局。

東家 木戸 +6.3P
南家 藤本 ▲1.3P

4回戦目にしてやっとトップ目に立った木戸、最後の親で更なる加点をしたい。
8巡目にして下記の手牌。

六索一筒二筒五筒六筒七筒北北白白  ポン南南南  ドラ北

役牌南を鳴いていて、ドラ北がトイツの大物手の1シャンテン。
既に捨て牌に九筒が切られていて、ホンイツの匂いも少し消されている。
この時点で、少し沈み3着目の藤本の手牌。

二索二索三索三索四索四索二筒四筒七筒八筒九筒北発

こちらも1シャンテン、イーペーコーが出来ているが、生牌のドラ北発が浮いており、いかにも木戸に打ちづらく苦しいカタチ。
ここに木戸の上家から白が出て当然のポンテン。

一筒二筒五筒六筒七筒北北  ポン白白白  ポン南南南 

すると下家の藤本に流れた牌がなんとドラの北
そして次のツモが木戸と同テンの三筒

二索二索三索三索四索四索二筒四筒七筒八筒九筒北北  ツモ三筒

木戸が白をスルーすれば親の跳満をアガっていたことになり、勿論白ポンは当然の仕掛けではあるが、木戸にとってはトップを藤本に明け渡し、なんとも悔しい結果となった。

落ち着いてポイントを重ねたのが新人の梅本。
ベテランのリーチや仕掛けに対し臆する事なく勝負を繰り返し、2回のトップを奪取、堂々トータル4位につける。
今後も上位を目指して、阿戸同様、初出場初決勝を目指してほしい。

●C卓(後藤、志多木、成田、本田、前田)

第1期初代チャンピオンの後藤、今年こそ初の決勝進出を目指す4人の対決。
卓内トップで勝ち名乗りをあげたのは成田。①②②①と連対率100%で、トータル3位となった。

最終戦オーラス2本場
東家 志多木  +13.0P
南家 成田 +4.5P
西家 本田 ▲2.3P
北家 前田 ▲15.2P

好調の成田は5巡目にして早くも下記のテンパイ。

一万二万三万五万五万二索二索三索四索四索三筒四筒五筒  ドラ二索

トップまで8,500点なのでリーチを打てば誰からでも逆転可能だが、リーチを打って万が一本田へ4,500(3,900の手)の放銃をすると原点を割るので、ここはしっかりとヤミテンに構える。
そし9巡目にしっかりとツモアガリ、逆転トップ。磐石に仕上げる事に成功した。

思い通りに開幕戦を終えた者、逆に悔しい思いをして消化不良の者、結果は悲喜こもごもではありますが、闘いはまだ始まったばかり。
栄冠に向けて厳しい道のりを突き進み、その頂きを目指して行きます。

第9期麻雀グランプリMAX決勝観戦記 第3章:山田浩之【あとひとつ】 古橋 崇志

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18年前、当時24歳の若者に敵はいなかった。
花の17期と呼ばれる中でも誰もが認めるトップクラスの雀力を持ち、僅か3年でA2リーグへ、そして第23期A2リーグを優勝し若干30歳でA1リーガーとなる。
しかしタイトル戦ではチャンピオンズリーグを獲得するものの、G1タイトルにはなぜか縁が無かった。
ここ1年ではリーチ麻雀世界選手権、麻雀マスターズと決勝に進むも惜敗。A2リーグでもあと一歩届かずにA1への切符を逃してしまう。
同い年の吉田直が鳳凰位を獲得し、ベスト8ではその吉田を破っての決勝進出。
この麻雀グランプリMAXへ懸ける思いは誰よりも高いはずだ。

山田の麻雀は門前高打点に寄ってはいるが、状況・場況などに合わせて柔軟に手牌を動かしていく。

 

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開局の6巡目、高打点を狙うのであれば五万切りの一手であるが、山田の選択は打二万
ドラが無ければ打五万となりそうだが、ドラ1あるので素直に良型を求める一打である。

 

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打点に折り合いをつけて2枚目の発をポン。
藤崎・柴田の2件リーチを受けるが五索をツモ和了り上々のスタートだ。

南2局1本場、山田に難題が。
親のダンプにダブ東をポンされている6巡目。

 

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テンパイまでの効率なら打五万であるが、山田の選択は打九万
ドラドラの勝負手であるからこそ、和了りやすい形を求めていく。
10巡目、狙い通りマンズが伸びテンパイ、待ち取りは同じ5枚見えながら一筒四筒を選択。

 

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そして3巡後ツモ二万と来たところで山田の手が止まる。

 

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5面張のテンパイであるが、三万四万は目に見えて0枚。そしてフリテンである。
小考後、意を決した山田は四筒を切ってフリテンリーチを敢行する。
親のダンプは中の後に一索の手出しが入っているのでピンズの混一では無さそうだが、
ピンズが高く、そして何よりも自身の待ちも五万八万は山に残っている可能性がある。
山田の読み通り五万八万は2枚ずつ、そしてドラの二万も1枚残っていたが、無情にもツモ筋にいたのは一筒のみであった。

 

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勝又健志は「いくらマンズの場況が良くても八万切りのところでピンズを払っていくのは至難の技」と解説したが、山田本人はそれが出来たのではないか?と思っていたに違いない。

この局の加点のチャンスを逃してしまった事が尾を引いたのか1・2回戦まさかの連続ラスと山田にとって厳しいスタートとなってしまった。

3回戦東3局
1回戦の東1局以来和了りが出ない山田に久しぶりのチャンス手が。

 

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タンピン三色が見える手牌であるが、ドラが七筒なので悩みどころだ。
三筒が一番手広い事は百も承知だが、山田の選択は打九筒
ここまで和了りが遠のくとまずは和了りを、その為にはテンパイを、となってしまいそうだが、そうならない所が山田の強さである。
ここまで言ったからにはタンピン三色が決まったと思われそうであるが、次巡のツモは八筒・・・
裏目の中の裏目である。

 

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裏目を引いたものの、その後は柴田の仕掛けに丁寧に対応しつつの1人テンパイ。
1・2回戦は1度の選択ミスで他家に和了りが生まれていたが、潮目が変わったように見えた。

次局親番を迎えると7巡目にダブ東ポンテンの一筒四筒七筒待ちテンパイ。

 

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これが柴田から打ち出され2,900、実に25局振りの和了りとなった。

その後は拮抗した展開で迎えた南3局。
親のダンプの先制リーチを受けたもののチンイツテンパイ。

 

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現物待ちとなっていたところに一向聴の柴田が飛び込み12,000の大きな和了り。
この和了りが決定打となり3回戦は待望の初トップとなる。

このまま勢いに乗りたい山田であったが4回戦は沈み、そして5回戦東4局、ダンプ無双の親番が始まる。
ダンプは29,000点持ちで親番を迎えたが、9本場開始時には78,800点持ちと実に5万点近くの加点に成功した。
そんな嵐の中を山田は僅か5,900点の失点で抑え、更には

 

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この和了りで何と原点復帰。
そして、迎えた親番で2万点を加点し大きな2着となった。

連荘中の親に対して無理に向かわず、戦える時にしっかりと手を組むという山田の経験値の高さを伺い知る半荘であった。

5回戦の浮きでトータルポイントが初めてプラスになり、6回戦も更に得点を伸ばす。
しかし7回戦では痛恨の4着、迎えた最終8回戦、ダンプとの差は丁度60ポイント。
トップラスで4万点差と公式ルールではかなり厳しいポイントである。ダンプ優勝の雰囲気が漂う中、山田が優勝への執念を見せる。

東1局1本場、13巡目山田の手牌。

 

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四暗刻への渡りを見るならば打二索、6,000オール狙いならば打三索のリーチ。
しかし山田はダンプの4巡目に捨てられたドラの二索、そしてその後の手出し六万四万を見て安全度も考慮した打五索のリーチとする。
自身の手に溺れずに冷静な判断を下した山田の元には四索が舞い降りた。

 

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反撃の狼煙には十分の4,000オール。

1,500の和了りで繋いだ3本場、タンヤオドラ2のテンパイ。
柴田のリーチを受けるものの、押し切って3,900オール。

 

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4本場はきっちり高目をツモって2,000オール。

 

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何と東1局でトータルポイントでダンプを交わして山田が首位に立った。
親番が流れた後、山田は点数を減らすもののトータルトップ目でオーラスを迎える。
山田が和了るか、ダンプがノーテンならば山田の優勝である。

 

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形は悪いが二向聴である。形が悪いと言ってもライバルのダンプの配牌に比べたら十分だろう。
しかし、「麻雀は配牌よりもツモ次第」と小島先生が言っていた通り、先制テンパイはダンプ。

 

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山田も次巡の無筋でオリを選択。流局で勝負は次局に持ち越しとなる。

オーラス1本場

 

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白が鳴けるか暗刻になればのまずまずな配牌。だが、ダンプの配牌が速度・打点共に上回っていた。

 

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しかし「配牌よりもツモ次第」という麻雀あるあるがここでも当てはまり、4巡目でダンプは全てツモ切り、山田は両面2つの一向聴となった。
山田は役無しテンパイならばリーチと行くだろうし、ダンプは降りられない。
山田の優勝も秒読みかと思われたがダンプのツモが突然効き始める。

 

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7巡目にダンプが先制リーチ。
山田も無筋を切り飛ばし全面対決だ。
ダンプはカン五索なだけに長引くかと思われたが、意外にもあっさり勝負が付いた。

 

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大きすぎる3,900オール。
3本場、倍満ツモ・ハネ満直撃条件となった山田に逆転する力は残されていなかった。

あとひとつだけ、一牌だけ、どこかで引く事が出来れば山田の優勝であった。
今から十数年前、シルバーコレクターと言われ数多のタイトル戦決勝に進出するも優勝が出来ないともたけ雅晴が初めてのタイトル、鳳凰位を獲得した。
優勝が決定した瞬間に呟いた「やっと勝てた」と言う一言が未だに私の脳裏に焼き付いている。
その場にいた観戦者は皆、目頭が熱くなったであろう。

誰もが「山田はそのうちタイトルを取るだろう」と口を揃えて言う。
山田にもその時が来るだろうか?期待に応えてくれるだろうか?
きっと近い将来その時が訪れると私は信じている。

巣鴨本部道場 2019年4月度プロアマオープン大会成績表 最終結果(プラス者のみ)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 葭葉 26 352
2 住吉聡 68 244.1
3 ぽいすけ 42 232.5
4 岡本浩一 39 229.6
5 厚地 29 219.6
6 塚田悠介 34 213.7
7 藤原隆弘 38 207.7
8 菱村彰久 24 196.5
9 シマカタ 26 185.3
10 篠田拓郎 36 179
11 金山 30 175.4
12 丹野賢一 34 172.7
13 タカトシ 40 168.3
14 西角健二 56 167.6
15 くまお 34 153.4
16 小林泰士 31 144.1
17 浜正彦 18 143.7
18 齋藤麻衣子 35 143.4
19 立岩知朗 66 142.6
20 ナベキヨ 31 139.5
21 藤次祐紀 81 128.8
22 水野裕来 39 127
23 大澤達弘 26 127
24 中谷あずさ 18 119.6
25 稲熊勝明 38 118.7
26 柴田太一 17 117.3
27 松村祐輔 60 117
28 冨田久志 16 116.3
29 木本一郎 30 113.7
30 岡野 63 112.3
31 Andy-San 46 110.9
32 カズ 16 110.6
33 有田将之 28 105.2
34 たまがわ 20 91.1
35 青木保則 27 90.3
36 ケンタ 27 85.3
37 小泉忠 31 82.3
38 杉山俊彦 29 75.8
39 蛇ノ目誠司 18 70.6
40 中村 94 62.3
41 カオリンゴ 38 59.8
42 金沢武芳 16 58.8
43 25 58
44 イガラシ 18 44.5
45 美子 21 43
46 テツ 18 42.5
47 太田久雄 17 41.3
48 さえり 23 38.3
49 木澤謙 18 28.8

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 小林泰士 17 166.1
2 篠田拓郎 21 150.6
3 菱村彰久 23 129.2
4 中村 20 98.5
5 岡野 15 91.3
6 筒井克晶 8 90.6
7 山田浩之 12 89.3
8 水野裕来 13 86
9 岩沢和利 10 84.7
10 佐藤妙子 10 81.4
11 小笠原和彦 8 81.3
12 葭葉 9 69.9
13 市川幹人 15 65
14 シマカタ 11 51.3
15 グレート宗 8 37.9
16 ひろりん 12 35.3
17 もと 10 32
18 Andy-San 9 29.9
19 丹野賢一 12 24.7
20 冨田久志 10 20.2
21 中谷あずさ 15 17
22 くまお 8 15
23 佐藤好子 8 13
24 小泉忠 16 4
25 金沢武芳 9 1.8

 

 

 

 
道場ポイントランキング

順位 名前 2WRC 2公式 3WRC 3公式 4WRC 4公式 5~7 合計
1 丹野賢一 400 47.5 113 25 119 28   732.5
2 ぽいすけ 140 75 85 25.25 250 24   599.25
3 中村 84 23.5 300 50 78 50   585.5
4 松本裕也 71 0 400 21.25 55 0   547.25
5 篠田拓郎 99 30 100 100 140 75   544
6 岡本浩一 86 0 250 0 200 0   536
7 葭葉 0 0 97 0 400 29.75   526.75
8 住吉聡 115 0 95 0 300 0   510
9 水野裕来 112 29.75 114 75 100 40   470.75
10 立岩知朗 111 100 87 42.5 112 0   452.5
11 Andy-San 170 45 79 28 87 28.25   437.25
12 金山 78 28.25 160 28.5 120 20   434.75
13 藤原隆弘 100 0 115 23 170 23.75   431.75
14 小林泰士 87 37.5 55 28.25 115 100   422.75
15 藤次祐紀 85 24.5 140 23.75 101 20.75   395
16 しーら 250 0 78 0 61 0   389
17 ナベキヨ 150 0 99 17.5 111 0   377.5
18 岡野 116 28.5 73 16.75 92 47.5   373.75
19 稲熊勝明 160 0 116 0 97 0   373
20 齋藤麻衣子 200 0 58 0 113 0   371
21 くまお 93 29 82 18.25 116 25   363.25
22 厚地 69 0 94 0 190 0   353
23 西角健二 118 0 118 0 117 0   353
24 うりぽたん 300 0 49 0 0 0   349
25 小泉忠 80 40 93 29.5 81 24.5   348
26 シマカタ 82 0 86 0 150 29.25   347.25
27 塚田悠介 72 0 59 0 180 20.25   331.25
28 ミヤ 97 28 200 0 0 0   325
29 松村祐輔 120 0 101 0 95 0   316
30 浜正彦 0 0 180 0 114 0   294
31 有田将之 95 0 65 28.75 85 0   273.75
32 カズ 119 0 67 0 86 0   272
33 木本一郎 117 0 57 0 93 0   267
34 太田久雄 94 0 80 24 67 0   265
35 佐藤妙子 98 24.75 0 47.5 53 35   258.25
36 さえり 73 0 119 0 66 0   258
37 中谷あずさ 70 29.25 0 35 98 25.25   257.5
38 松岡光成 81 0 170 0 0 0   251
39 114 0 61 0 71 0   246
40 大澤達弘 79 0 68 0 99 0   246
41 山田侑輝 113 0 70 0 58 0   241
42 カオリンゴ 58 0 66 20.5 73 20.5   238
43 後藤竜也 65 0 81 29.25 59 0   234.25
44 小笠原和彦 59 24 53 18 46 30   230
45 テツ 66 0 96 0 68 0   230
46 菱村彰久 0 0 0 0 160 62.5   222.5
47 青木保則 0 0 92 21.5 83 23.5   220
48 杉山俊彦 0 0 83 45 80 0   208
49 石橋和也 0 50 120 37.5 0 0   207.5
50 江田源太郎 0 0 150 0 56 0   206