第26期特別昇級リーグ 決勝レポート 小林 正和

平成から令和へ元号が変わり世間は新時代の幕開けとなった。麻雀界も昨年度からMリーグが始まるなど今まさに変遷の時期を迎えている。そんな淘汰される時代において必要不可欠要素の一つに若手の台頭が挙げられるだろう。次世代のニュースターによる新陳代謝なくしてはより良いものは生まれない。

26期目を迎えた特別昇級リーグはそんな若手が檜舞台に立つ為の近道。決勝メンバーは以下の通りとなった。※カッコ内はプロリーグ最終成績

+291.5P(▲45.5P) 阿久津 翔太(23) O型 34期前期(2年目) D1
+132.3P(▲13.9P) 伏見 誠一郎(32) O型 32期前期(4年目) C3
+114.3P(▲11.2P) 厚谷 昇汰(27) A型 29期前期(7年目) C3
+105.0P(▲32.9P) 蒼山 秀佑(28) A型 28期前期(8年目) C1
+97.5P(+26.6P) 菊原 真人(33) O型 32期前期(4年目) C2
昇級権利があるのは菊原のみ。(※優勝B2準優勝C1)

 

【1回戦】(起家から菊原・厚谷・蒼山・伏見)
■東1局ドラ四索
最初のテンパイは厚谷

三万五万四索五索六索七索七索八索八索八索四筒五筒六筒

そこに伏見が一筒北をポン、親の菊原がダブ東と456三色を絡めた六筒チーで応戦する。結果はヤミテンを入れていた蒼山に軍配。

三万三万三万一索一索一索二索二索二索三索四索五索西

15巡目に菊原が掴み6,400の放銃。4者がぶつかる立ち上がりとなった。

■東2局ドラ発
いきなりの失点で挽回したい菊原、7巡目でこの形

七万八万九万一索一索四索五索六索七索八索七筒九筒北

しかしなかなかテンパイできない。先制は14巡目に伏見

六万七万八万四索五索六索四筒五筒六筒六筒八筒八筒八筒  リーチ

これをあっさり七筒をツモリ1,000・2,000。

■東3局ドラ二索
菊原はタイトルこそないが4年目という浅いキャリアにおいて決勝はこれで4回目(他はWRC、新人王、特別昇級リーグ)という実績があり、状況に応じて打ち方を変える雀風。そんな菊原が迷わずに

一万一万二万三万四万二索四索六索七索八索五筒五筒五筒  リーチ

親の蒼山のテンパイ打牌を逃さず2,600の出アガリ。このあたりの打点・待ちの範囲の広さは菊原らしい。

■東4局ドラ二索
8巡目の厚谷

四万五万六万九万九万二索二索一筒二筒三筒三筒四筒五筒  リーチ

12巡目に菊原が追いつく

一索二索三索四索五索六索七索七索三筒四筒五筒東東  リーチ

結果は菊原がハイテイで東をツモリ2,000・4,000。

■南1局ドラ三索
ここまでアガリの遠い南家の厚谷に再度チャンス手が入る。12巡目でこの形

三索三索一筒二筒三筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒南南

14巡目に七筒をチーするがこれをペン七筒で鳴く。

三索三索一筒二筒三筒五筒六筒七筒南南  チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き

現状ダブ南バックだが四筒を引くと一通確定の形へ。そこに蒼山が追いつく

七万七万七万七万八万九万一索一索七索八索九索七筒九筒  リーチ

2人に合わせるように親の菊原も仕掛け形式テンパイへ向かう。

二万三万四万四筒五筒六筒南  チー二万 左向き三万 上向き四万 上向き  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き

終盤まで決着がつかず迎えた菊原のハイテイ牌は八筒。蒼山のリーチの河には4巡目に五筒が捨てられている。菊原が選んだのは八筒を切って親番を維持する事だった。蒼山に8,000の放銃とはなるが決してサボらないのが菊原の良さでもあるのでこの結果は本人も受け止めているだろう。一方で厚谷が五筒六筒七筒で鳴いていたら違う結果になっていたかもしれない。

■南2局ドラ二筒
再三チャンス手を逃している親の厚谷の配牌。

五万五万六万七万五索六索七索八索一筒二筒三筒五筒七筒南

3巡目テンパイ

五万六万七万五索六索七索八索一筒二筒三筒五筒六筒七筒  リーチ

それに対して菊原が9巡目に仕掛けて追いつく。

三索四索四索四索五索二筒二筒三筒三筒四筒  チー七万 左向き六万 上向き八万 上向き

片アガリだが四筒は現物待ち。ちなみに厚谷がヤミテンにしていると5巡目に西タンキに変わりすぐに菊原から出アガリしていたが、結果はマンズのメンホン1シャンテンとなった蒼山が前に出て厚谷に高め八索で12,000の放銃。

■南2局1本場ドラ一索
またしても親の厚谷に勝負手が入り9巡目でこの形。

一万三万九万九万一索九索一筒九筒南西白発中

しかし最初のテンパイは菊原

四万五万六万七万八万四索四索五索六索七索四筒五筒六筒

一手変わり三色だが九万がフリテン
選択肢が色々ある中、菊原が選んだのはリーチ。北が場に4枚切れてしまったので厚谷は撤退。一人旅となった数巡後に菊原が三万をツモリ1,300・2,600は1,400・2,700。

■南3局ドラ南
親の蒼山が567含みのメンタンピンの手で先にドラの南切り。
これを菊原が仕掛ける。

一万二万三万三万三万五万六万二筒三筒四筒  ポン南南南

あっさり四万をツモリ2,000・3,900。

■南4局ドラ白
5巡目6巡目とたて続けに菊原が仕掛けてこの形。

九万九万三筒四筒五筒八筒八筒  ポン南南南  ポン発発発

8巡目にツモ七筒で待ち変えからすぐに蒼山から六筒が出て3,900の出アガリ。そして1回戦目が終了する。

1回戦結果
菊原+21.5P、厚谷+6.3P、伏見▲7.4P、蒼山▲20.4P

トータル
阿久津+291.5P、伏見+124.9P、厚谷+120.6P、菊原+119.0P、蒼山+84.6P

 

 

【2回戦】(起家から厚谷・阿久津・蒼山・菊原)
■東1局ドラ二万
4巡目に西ポンしている蒼山が6巡目でテンパイ。

一万二万三万五万六万七万三索四索二筒二筒  ポン西西西

菊原から二索がこぼれ2,000の出アガリ。

■東2局ドラ三筒
親の阿久津はまだ2年目にしてこの決勝の舞台に上がってきた若手のホープ。プロ入り後は2期連続で昇級しWRCリーグや十段戦なども惜しい所まで勝ち上がっている。初の決勝が昇級権利なしの2位と150P以上離したトップという難しい位置ではあるがしっかり優勝して来期の特別昇級リーグの権利を勝ち取りたい所だ。4巡目の阿久津。

一万一万三索三索四索四筒四筒七筒八筒九筒西西西  ツモ五索

迷う事無く打四筒でテンパイ取らず。非常に落ち着いた入りでこの一打だけでも雀力の高さが垣間見れる。
すぐに三索ツモで、

一万一万三索三索三索四索五索七筒八筒九筒西西西  リーチ

これを一発で六索をツモリ1,300オール。

■東2局1本場ドラ四索
10巡目親の阿久津。

四万四万七万七万七万二索三索四索四索五索六索六筒七筒

これをヤミテンから15巡目に五筒ツモ3,900は4,000オール。いくら2位と離れているとはいえこのアガリで本人はかなり落ち着いた事だろう。逆に4者にとっては厳しいアガリとなった。

■東2局2本場ドラ四索
厚谷が阿久津の連荘を止める。

一万二万三万四万五万六万二索二索北北  ポン東東東

8巡目にツモ二索で400・700は600・900。

■東3局ドラ五索
中盤の菊原はこの形。

二万四万六万七万四索四索五索三筒四筒九筒南白中

ここから五万を両面でチーを入れ打二万とする。結果は厚谷のツモアガリとはなるが、このあたりの駆け引きも菊原らしい。相手にプレッシャーを与える事も麻雀なのである。

厚谷
六万六万八万八万三索三索八索八索四筒四筒九筒九筒中  ツモ中 800・1,600。

■東4局ドラ七索
親の菊原が中盤に、

四万四万三索三索三索二筒二筒四筒五筒六筒中中中  リーチ

しかし序盤にポンテンを入れていた阿久津がかわす。

四万五万七万七万七万四索四索六索七索八索  ポン六筒 上向き六筒 上向き六筒 上向き

ツモ三万で500・1,000。阿久津の冷静なプレーが光る。

■南1局ドラ西
阿久津が第一打にドラの西。西家の蒼山がそれを仕掛けこのテンパイ。

三索三索四索五索六索七索八索  ポン西西西  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き

厚谷から三索が出て7,700のアガリ。完全に阿久津が局を回す。

■南2局ドラ六万
中盤の菊原

三万四万八索八索六筒七筒八筒  ポン白白白  チー六万 左向き四万 上向き五万 上向き

そして蒼山

一索一索二索二索三索四筒四筒  明カン南南南南  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き

菊原が二万をツモリ500・1,000。

■南3局ドラ三万
8巡目の菊原

三万四万二索三索四索一筒一筒四筒五筒五筒六筒七筒九筒

ここからツモ二筒で打九筒。12巡目にツモ三筒で打五筒でヤミテン。しかし次巡ツモ切りリーチとする。

三万四万二索三索四索一筒一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ

厚谷も追いかける。

三万三万四索四索二筒二筒三筒三筒四筒七筒七筒発発  リーチ

2人勝負手の中、16巡目に菊原が静かに二万を引き寄せ3,000・6,000のツモアガリ。

■南4局ドラ白
5巡目に阿久津が動く。

二万二万六万八万三索五索四筒五筒五筒南  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き

その後、厚谷にドラの白ポンが入ると親の菊原が速度を合わせて、

五万七万四索五索六索二筒二筒五筒六筒七筒  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き

そしてツモ六万で500オールをアガリ連荘に繋げる。

■南4局1本場ドラ四万
10巡目またしても阿久津が動く。

四万五万五万六万七万二索三索八索八索南  チー五筒 左向き四筒 上向き六筒 上向き

この仕掛けにより場が動く。

11巡目に蒼山が、

五万六万六万七万八万五索五索一筒二筒三筒三筒四筒五筒  リーチ

12巡目に厚谷が追いかける。

三万四万五万二索三索四索七索七索七索一筒一筒発発  リーチ

16巡目に蒼山が高めの四万ツモアガリ1,300・2,600は1,400・2,700で2回戦が終了する。

2回戦結果
阿久津+19.3P、菊原+6.1P、蒼山+2.2P、厚谷▲27.6P

トータル
阿久津+310.8P、菊原+125.1P、伏見+124.9P、厚谷+93.0P、蒼山+86.8P

 

 

【3回戦】(起家から阿久津・伏見・蒼山・菊原)
■東1局ドラ四万
蒼山が局を流す。

六筒六筒中中  ポン西西西  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  チー四万 左向き三万 上向き五万 上向き

ツモ六筒で700・1,300。

■東2局ドラ四索
伏見は32期生であるがこの期はデビュー1年目でタイトルを取った庄田や藤井、あるいは2年連続十段戦準優勝の上田、そして対戦相手の菊原など多く活躍している期でもある。伏見本人も今回の優勝には並ならぬ熱い思いがある事だろう。
その伏見の親番。

二万二万六万七万五索六索七索四筒五筒六筒七筒八筒九筒

ヤミテンからの厚谷から八万で出アガリ1,500、連荘へ。

■東2局1本場ドラ中
親の伏見にチャンス手。

二万三万五万六万七万三筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒  ダブルリーチ

これを一発で高めの四万をツモり6,000オールは6,100オール。阿久津にプレッシャーを与える。

■東2局2本場ドラ七索
6巡目親の伏見。

七万八万二索二索七索八索九索四筒五筒六筒八筒九筒中

このチャンス手。しかし蒼山がかわす。

三万三万八万八万八万三索四索五索六筒六筒  チー五万 左向き四万 上向き六万 上向き

阿久津から六筒を出アガリ1,000は1,600。

■東3ドラ四筒
10巡目親の蒼山。

四万五万六万二索二索四索六索一筒二筒三筒  チー五筒 左向き四筒 上向き六筒 上向き

そこに菊原が参戦する

四万五万六万一索二索三索三索四索五索四筒五筒六筒東  リーチ

生牌の東タンキを蒼山から一発で出アガリ2,600。

■東4局ドラ白
伏見が局を流す。

三万四万五万三索四索六索七索八索一筒一筒  ポン中中中

菊原から五索で出アガリ1,000。

■南1局ドラ三万
中盤の阿久津。

四万五万二索三索四索七索七索七索八索三筒四筒東東

ツモ六万で打東テンパイ取らずから二筒を引き入れて3面張でリーチ。そこに追いついたのが蒼山。

三万三万五万六万七万三索四索五索六索七索七筒七筒七筒  リーチ

結果は2人テンパイで流局。

■南1局1本場ドラ三筒
4巡目に親の阿久津がポン南で動く中、またしても蒼山が前に出る。

四万四万四万五万六万二筒三筒四筒四筒五筒六筒白白  リーチ

これを一発で白をツモリ2,000・3,900は2,100・4,000の供託2本付。

■南2局ドラ八万
親の伏見がドラドラのチャンス手だが先制は7巡目に菊原。

三万四万五万三索四索五索一筒一筒二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ

しかし阿久津がかわす。

四万五万四索五索六索一筒一筒発発発  チー九万 左向き七万 上向き八万 上向き

菊原から三万ロン2,000の供託1本付。

■南3局ドラ五索

蒼山
五索五索二筒三筒四筒六筒八筒  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  チー八万 左向き六万 上向き七万 上向き

伏見
一索一索二索三索四索六索八索九索南南  ポン白白白

阿久津
三万三万五万六万七万五索六索三筒四筒五筒  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き

制したのは阿久津。七索ツモで500・1,000。

■南4局ドラ三索
10巡目の伏見。

二索三索四索五筒五筒七筒八筒中中中  暗カン牌の背七索 上向き七索 上向き牌の背  リーチ

そこに親の菊原が追いつく。

五万五万五万六万六万五索五索六索六索四筒五筒六筒六筒  ツモ五索

静かに時間が流れる中、菊原が選択したのは打六筒リーチ。しかし無情にも伏見から声がかかり7,700の放銃で3回戦が終了する。

3回戦結果
伏見+31.7P、蒼山+9.3P、阿久津▲13.0P、菊原▲28.0P

トータル
阿久津+297.8P、伏見+156.6P、菊原+97.1P、蒼山+96.1P、厚谷+93.0P

 

 

【4回戦】(起家から厚谷・伏見・菊原・阿久津)
■東1局ドラ五筒
厚谷は元々は北海道本部出身で、数年前から東京本部に移籍してきた経歴を持ち、昨年度は麻雀最強戦プロ代表戦で活躍するなどブレイクしそうな若手の1人。また独特なファッションでも有名だ。そんな厚谷の親番

五万六万七万二索三索二筒三筒四筒六筒六筒七筒八筒九筒

ヤミテンからの阿久津から四索で出アガリ1,500。

■東1局1本場ドラ白
5巡目の親の厚谷

五万六万七万八万八万五索六索七索七索八索六筒七筒八筒

ヤミテンからの今度は菊原から九索で出アガリ1,500は1,800。

■東1局2本場ドラ七索
菊原が連荘を止める。

四索四索五索六索四筒五筒六筒  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き

ツモ七索で500・1,000は700・1,200。

■東2局ドラ七筒
2巡目に親の伏見が仕掛ける。

一筒一筒三筒五筒六筒八筒八筒東北五索  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き

それに合わせるかのように菊原も仕掛ける。

二万二万一索二索二索六索七索白白中  ポン南南南

親の上家の厚谷は絞り、菊原は色違いの親からアシストを受けるという構図の中、巡目が進み先にテンパイは伏見。

三筒三筒五筒六筒七筒八筒八筒  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き

一方菊原はまだ1シャンテン。

一索二索二索二索七筒白白  ポン南南南  チー五索 左向き六索 上向き七索 上向き

菊原の捨て牌には六索が余っておりかつ字牌は親の伏見にも鳴かれる牌。そのせいもあってか、周りからアシストはなく伏見が押している状況。気合の二筒押しもあっさり伏見が三筒ツモの6,000オールを決める。振り返るとこの局を阿久津は菊原にアシストすれば良かったと後悔していたが、なかなか難しい判断ではあったように思う。

■東2局1本場ドラ二万
一気にポイントを伸ばして阿久津にプレッシャーをかけたい伏見だったが、ドラドラの手が伸びずテンパイできない。一方で菊原が最後のツモでテンパイ。

一万二万四万四万六万六万六万七万八万九万六索発発  ツモ三万

阿久津もテンパイしていたがハイテイで発を掴み冷静にオリを選択する。菊原の1人テンパイで流局。

■東3局2本場ドラ五筒
12巡目、親の菊原がメンツ手から上手くトイツ手に切り変えて最速テンパイ。

四万四万五万五万四索四索一筒一筒五筒五筒七筒七筒白  リーチ

次巡、厚谷が追いつく。

一万一万五万六万七万二索三索四索五索六索七索五筒六筒  リーチ

結果は2人テンパイで親連荘。

■東3局3本場ドラ東
厚谷ドラの東をポンしてカン五万待ちでテンパイしている所に伏見が追いつく。

五万六万五索六索七索四筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒  リーチ

これを安めだが四万をツモリ1,300・2,600は1,600・2,900の供託2本付で5,2900まで持ち点を伸ばす。

■東4局ドラ三万

厚谷
二万三万四万五万二索三索五索五索六索二筒三筒白白  ツモ一万

何切る問題に出てきそうな牌姿だが、厚谷は白のトイツ落としを選択。しかしこの後が伸びない。また国士無双狙いの伏見が1シャンテンで牌が余り場に重い空気が漂う。チャンス手の厚谷も終盤に対応し全員ノーテンで流局。

■南1局1本場ドラ四筒
4巡目の菊原

五万七万五索六索七索一筒二筒三筒五筒六筒七筒発発  リーチ

これを9巡目にツモリ2,000・3,900は2,100・4,000。

■南2局ドラ南
ドラの南を持ち合って全員ノーテンで流局。

■南3局1本場ドラ七万
親の菊原

四万六万七索八索九索五筒五筒  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン発発発

厚谷から五万で出アガリ1,500は1,800。

■南3局2本場ドラ七万

阿久津
七万七万八索八索八索三筒三筒  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き

これを厚谷から三筒で出アガリ3,900は4,500。

■南4局ドラ発
3巡目の伏見。

七万八万九万六索六索六索三筒四筒五筒七筒八筒九筒発  リーチ

4巡目に菊原も追いかける。

三万三万三万四万四万二索三索三索四索五索南南南  リーチ

すぐに阿久津が伏見の現物一索を切って菊原に3,200を放銃して4回戦が終了。阿久津の落ち着いた判断が際立つ。

4回戦結果
伏見+27.8P、菊原+13.6P、阿久津▲17.1P、厚谷▲24.3P

トータル
阿久津+280.7P、伏見+184.4P、菊原+110.7P、蒼山+96.1P、厚谷+68.7P

 

 

【5回戦】(起家から阿久津・伏見・厚谷・蒼山)
■東1局ドラ四索
蒼山は今期の決勝メンバーの中では比較的経験のある選手。タイトルこそないが特別昇級リーグにおいては3回連続で決勝に進出している。
その蒼山

一万二万三万五索五索六索七索八索二筒二筒白白白

ヤミテンからの厚谷から二筒で出アガリ1,300。

■東2局ドラ四筒
親の伏見が4巡目に、

三万三万四万五万六万一索一索一索七索八索四筒五筒六筒  リーチ

九索をツモリ2,000オール。

■東2局1本場ドラ八索
10巡目の蒼山。

四万四万三索四索五索三筒四筒五筒五筒六筒白白白  リーチ

14巡目親の伏見。

一万二万三万六万七万七万八万九万五索六索八索九索九索

ここから八万をチーして形式テンパイ取るが直後に蒼山が七筒をツモリ1,000・2,000は1,100・2,100。

■東3局ドラ八万
親の厚谷。

一万一万四万五万六万七万八万二筒三筒四筒六筒六筒六筒  リーチ

伏見
二万二万六万八万二索三索四索六索七索八索  暗カン牌の背九索 上向き九索 上向き牌の背

2人テンパイで親連荘。

■東3局1本場ドラ六索
8巡目親の厚谷。

二万三万四万六索七索八索九索九索四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ

13巡目に三筒をツモリ2,600は2,700オール。

■東3局2本場ドラ八筒
親の厚谷が5巡目に、

五万五万六索七索八索四筒五筒六筒北北  ポン東東東

次巡北ツモで1,300は1,500オール。

■東3局3本場ドラ九索
13巡目親の厚谷。

三万四万五万四索四索四索三筒四筒六筒六筒  ポン東東東

ツモ五筒で1,000は1,300オール。

■東3局4本場ドラ一万
ここにきて連荘を重ねる厚谷の5巡目。

六万七万七万三索三索七索七索白白中  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き

しかし途中で役牌が東白に絞られ手が動かない厚谷。この局は東が暗刻の蒼山のアガリとなった。

四索五索六索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒東東東

ヤミテンからの阿久津から八筒で出アガリ1,300は1,500。

■東4局ドラ白
9巡目の伏見。

三万四万五万六万七万八万三索四索六索七索八索中中  リーチ

一発で五索をツモリ500・1,000。

■南1局ドラ一筒

厚谷
六索六索六索二筒二筒六筒七筒八筒南南  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き

蒼山
四万五万六万七万八万九万五索五索六索七索八索五筒六筒

2人テンパイで流局。

■南2局1本場ドラ発
親の伏見の配牌。

一万二万二万三万三万七万九万四索七索二筒五筒八筒白中

ここから打五筒と高打点の手組とする。途中で蒼山が仕掛け出しドラの発も切って局を流してくる。それを受けて伏見が対応する中、蒼山の手牌は、

五索六索七索二筒二筒二筒三筒三筒四筒六筒  ポン西西西

結果はハイテイで蒼山が八索のスライドで五索を打ち厚谷に6,400は6,700放銃。

五万五万六万六万八万八万四索四索五索四筒四筒七筒七筒  ロン五索

伏見がもし真っ直ぐ手を組んでいたら、

一万二万二万三万三万四万七万七万八万九万九万北北

これでテンパイ。昇級権利がない伏見だった為、まっすぐ優勝を狙うかとおもったがここは手堅い選択をする。

■南3局ドラ九索
8巡目の蒼山

四万五万六万一索二索三索二筒三筒四筒八筒八筒中中  リーチ

これを厚谷から中で出アガリ2,600。

■南4局ドラ四万
親の蒼山1人テンパイ

一索二索三索三筒三筒六筒七筒  ポン中中中  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き

■南4局1本場ドラ西
8巡目の伏見。

三万三万五索六索六索七索八索八筒八筒八筒  チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き

これに阿久津が四索で放銃1,000は1,300で最終半荘が終了する。

5回戦結果
厚谷+22.1P、蒼山+5.1P、伏見+1.7P、阿久津▲28.9P

トータル(最終結果)
阿久津+251.8P、伏見+186.1P、菊原+110.7P、蒼山+101.2P、厚谷+90.8P

第26期特別昇級リーグは終始安定してポイントを積み重ねた阿久津の優勝となった。阿久津は条件を満たさなかった為、昇級とはならなかったが、来期の特別昇級リーグの権利を再度獲得したので今後の活躍にも注目したい。またその他の選手も昇級とはならなかった。冒頭にも言ったように、これからは連盟の看板を背負うぐらいの新しい選手が出てこないといけない。自身を含め、どれだけ危機感をもって麻雀に取り組めるか、それが僕ら若手の課題なのである。

第18期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第5節レポート

Aリーグ第5節:高谷圭一

関西リーグもちょうど折り返しとなる第5節の組合せは以下の通りとなります
1卓 辻本・横山・吉本・稲岡
2卓 勝間・米川・佐々木・藤川
3卓 高谷・宮田・坂本・城

2卓の組合せは関西を代表するAリーガー同士の激突となった。
1回戦ここまでトータル成績が大きくマイナスしている勝間が奮闘しトップを取るが、続く2回戦、勝間は箱下寸前の大きなラスをとってしまい暗雲が立ち込める。
しかし、3回戦再び勝間がトップを取り2回戦までのマイナスを返済した。
対して、2回戦までプラスだった佐々木が3回戦目で▲30P程のマイナスをしてしまい今節マイナスに転じてしまった。

4回戦(起家から米川・藤川・佐々木・勝間)
東2局 親(藤川) ドラ八索
ここまで苦しい展開で1万点前半まで持ち点を削っていた勝間が、ドラ含みの跳満をツモりあげる。

三万四万五万八万八万八索八索八索四筒四筒四筒五筒五筒  ツモ八万  ドラ八索

常に冷静なうち回しの印象深いのがこの勝間である。
ここまで得点が削られてしまった場合、得点を取り返そうと焦ってリーチをかけてしまい他家に交わされてアガリを逃してしまう場面を過去によくみている。
しかし、この勝間はどんな状態になってもぶれずに自分の麻雀を打ち切っているように感じる。
簡単なようでこれが一番難しいと感じるし、下のリーグと上のリーグの差にこういったところにあるように思える。

東3局 親(佐々木) ドラ発
藤川が中巡に以下の役なしテンパイをいれるが、ヤミテンを。

二万四万六万七万八万六索七索八索二筒三筒四筒発発

数巡後、五万を引き入れ打二万の三面待ち変化でリーチを打つ。

四万五万六万七万八万六索七索八索二筒三筒四筒発発

佐々木も一気通貫の変化をみてヤミテンをしていたが、藤川に先制リーチをいれられたこともあり以下の牌姿で追っかけリーチをいれる。

二万三万四万五万五万七万八万九万三索三索三筒三筒三筒

数巡後、藤川が佐々木のあたり牌である五万を掴み、軍配は佐々木にあがった。
三索がノーチャンスでかなりよく見え、佐々木が親番ではあるが、このリーチを何人の人がいれられるのだろう?
この1局に佐々木の強さを感じられた。
しかし、この後佐々木は展開に恵まれずマイナスの3着で終了となるが、この半荘の丁寧なうち回しと豪快な部分が見られ、引き出しの多さを感じ取れた。

3卓
1回戦東場は、城が3連続アガリを決め一気に加点をして40,000点オーバーのトップに立つが、南場で7,700、5,200点の放銃をしてしまい、この回は原点を割りマイナスの3着となる。
対して、高谷は南場の7,700点のアガリが決め手となりこの回1人浮きのトップを取ると、続く2回戦、3回戦も連続トップを取り、今節40Pのプラスを叩きだすフィニッシュとなるが、これで今節までの借金を全て返済し次節以降での決定戦進出に望みを繋げている。

城も2回戦、3回戦と安定した打ち回しでプラスを重ねると4回戦目で60,000点近い1人浮きのトップを取って、今節大きくプラスとし今節リーグ戦の暫定首位に立ち決定戦進出に向けて大きく躍進した。
対して、宮田と坂本の2人が今節一度も原点キープできずに大きくマイナスをしてしまう。
坂本は降級圏内に入ってしまったが、次節以降奮起し必ずや挽回してくることだろうと思う。

Aリーグの対局を重ねるごとに、こんな凄いところで戦わせて貰っているという思いが強くなっていく。
だからこそ、このAリーグでもっともっとたくさん戦いたいと思うとともに、なんとか食らいついて太閤位決定戦進出のチャンスを伺えたらと思う。
今期Aリーグ初参戦の城が首位に立ち大健闘している中、前期太閤位決定戦に進出した勝間と辻本が降級圏内に入ってしまうという波乱の中、いよいよ次節後半戦に突入し前半戦以上に熱い戦いになるのは間違いないと思われる。

 

 

Bリーグ第5節:丸山直

前半戦の最後となる第5節。ここが終われば折り返しとなる。現在マイナスの者は、ポイントの如何によって後半戦の戦いが苦しくなるのでなんとかプラスしたいところ。

1卓(川上・山室・仁科・稲垣)
稲垣、川上が大きくポイントを伸ばす。仁科、山室は大きなマイナス。

2卓(杉田・大橋・筒井・辻井)
激しくぶつかり合う展開となった。
3回戦 南2局 持ち点17,100の杉田だったが、5巡目に2をチーするとすぐに筒井から

三索四索四索四索五索五索五索六索七索  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き  ロン五索

と、速攻のチンイツ。

オーラス ドラ七筒
2着の大橋が34,000、辻井が39,200。
杉田が3巡目に東をポンし筒子の混一色模様。9巡目、

四万五万六万六索六索七索七索八索六筒七筒白白白

ここから九索を引いた大橋。七索を切ってリーチとし、2巡後、杉田がピンズを仕掛けるが大橋がツモ、トップをもぎ取った。

4回戦、 杉田

一万二万三万三万三万四万五万六万八万八万  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き

このテンパイだったが、切った六索

七万七万三索四索四索五索五索一筒二筒三筒四筒五筒六筒  ロン六索

筒井に放銃。
東2局は前局アガって勢いに乗る筒井が

三索三索四索四索五索七索八索九索三筒三筒三筒六筒六筒  ドラ三筒

ドラ暗刻のリーチを打つも空振り。
東4局1本場では、大橋と杉田からリーチが入るが、筒井が大橋から7,700。
南2局 ドラ八筒
辻井が2巡目に以下の形でリーチ。

五万六万七万六索七索八索一筒一筒四筒五筒六筒白白

これに真っ向勝負の下家の大橋。3巡目に四万をチー、5巡目に辻井から切られた八筒をポン。その後、筒井から、

三索三索三索四索五索六索六筒六筒六筒東東中中

このリーチが入るが。

四万五万二筒三筒四筒七筒七筒  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ロン四万

先制リーチの辻井から7,700。

南3局 ドラ南
辻井が7巡目にリーチ。
捨牌 一索 上向き白中五万 上向き五筒 上向き三筒 上向き一筒 上向き
ここに筒井が飛び込んでしまう。

三万三万四索四索二筒二筒七筒七筒南南西北北  ロン西

4回戦は辻井がトップとなり、卓内では大橋と辻井が大きくプラスとした。

3卓(貫上・福原・上村・山中)
全ての半荘で3万点台の浮きとした上村が卓内トップとなった。
3回戦まで厳しい福原であったが、

一万二万三万四万五万六万四索五索六索七索七索五筒六筒七筒

このアガリの形から一万切りのフリテンリーチとし、高目の七万をツモ。これが功を奏したか4回戦はトップを取った。

4卓(長尾・丸山・中川・音羽)
1、2回戦は長尾、丸山がそれぞれトップと2着を取り合う。3回戦は中川が逃げ切りトップ。
ここまで▲49.4Pと苦しい音羽だったが、4回戦開始早々

一万一万二万三万四万四万四万七万八万九万発発発  ツモ一万  ドラ一万

この倍満が炸裂。道中点棒が削られるが、オーラスには

一万二万三万四万五万四索五索六索四筒五筒六筒九筒九筒  ツモ六万

これをアガリトップで今節の負債を減らした。

 

 

C1リーグ第5節:根越英斗
夏本番、関西C1リーグの最終節が行われました。
これから暑さが厳しくなるこの季節、一足先に熱気が最高潮になっていました。
さて、4節までの上位陣の成績はこちらでした。

吉田哲史+113.0P
中島+105.0P
辰巳+47.7P
根越+46.0P
木下+42.7P
吉田圭吾+23.3P

現実的に昇級の2枠に届きそうなプラス域の方の成績はこちらですが、吉田哲史、中島の両名が頭2つほど抜けています。
最終節は、順位卓組となっていますので直接対決とはいえ、団子状態となっている2番手軍団の辰巳、根越、木下は戦い方が難しいところ。
直接対決なので点差は縮めやすいところですが、連盟公式ルールはポイントそのものが小さいので、50Pの差を縮めることは中々骨の折れる作業です。

中島・根越・吉田圭吾・山神での対戦。
1半荘目、上位の中島を落とさないと話にならない3者は、当然のことながら中島に辛く打ちます。
それが功を奏し、点棒をもぎ取ることに成功しました。
しかし、2半荘目以降はさすがここまでプラスを積み重ねてきた中島。必死で体勢を立て直してきます。

吉田哲史・辰巳・木下・松尾の卓組。
こちらの卓でもやはり吉田哲史が辰巳、木下、松尾の3者の包囲網に苦しんだようで、3半荘を終えてトータルポイントはこのようになりました。

中島+68.3P
吉田哲史+67.8P
根越+67.6P
木下+56.7P
辰巳+52.7P

上位5名が約18ポイント差であり、上位3名に至っては0.7ポイント差の中にひしめいております。
この中から2名しか昇級出来ないという過酷な状況。まさにデッドヒート、勝負熱は最高潮に達していました。

運命の最終半荘、中島・根越の対決です。着順が上の方が昇級ランプの色濃く点灯しそうな状況です。
ここで腹をくくった中島は小気味よくアガリを拾い、根越を突き放します。
ここまで根越は突き放されまいと必死で食らいつくもここで力尽く。
バランス良くポイントを稼ぎ、そして最後まで攻めの姿勢を崩さなかった中島が、最終半荘をトップで終え、昇級を確定させました。
別卓では辰巳が最後に吉田哲史をまくりきって最終半荘をトップで終え、2枠目の昇級枠を見事にもぎ取りました。
最後の最後まで誰が昇級しても不思議ではない、非常に熱く、おもしろい前期最終節のC1リーグが終了いたしました。
中島プロ、辰巳プロはBリーグでの活躍に期待したいです。
最後になりましたが、拙い文章を毎月ご拝読いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも関西リーグに所属するプロ一丸となり盛り上げてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 

 

C2リーグ前期5節

C2リーグは新人を紹介しています。
以下の項目書いてもらいました。

①氏名  ②年齢  ③期
④好きな役  ⑤好きな雀士
⑥プロになろうと思ったきっかけ
⑦麻雀に思うこと、リーグに参加して感じたこと、これからどうなれば良いかなど自由に書いて下さい。

100

 

①桑田 憲汰(くわた けいた)
②24歳
③35期
④国士無双、タンヤオ、ピンフ、役牌
⑤松永侑己さん、佐々木寿人さん
⑥松永侑己さんや佐々木寿人さんの全ツッパの麻雀に憧れてプロ麻雀連盟を選びました
⑦全ツッパの麻雀で結果が残せるように頑張っていきたいですC2リーグは新人の紹介をしています。

 

 
100

 

①北村祐二(きたむら ゆうじ)
②25歳
③34期生
④ホンイツ、トイトイ(勿論、七対子も狙います。)
⑤同期である関西本部34期生全員
⑥好きなこと、やりたいことを極めたいと思ったから。
⑦私は、常にNo.1よりonly.1を志しており、良くも悪くも、多くの方々の印象に残る、「一風変わった面白い雀士」になることを目指しております。
その為にも、実力を向上させるだけでなく、他の見本となる所作・マナーを心がけ、「魅せる麻雀」を打てるよう、日々努力してまいります。
また、最後には、「麻雀プロになって良かった。」と思いながら、プロ人生を終えられるよう、1日1日のプロ活動を大切に取り組んでまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

第32期中部プロリーグ 第6節レポート

Aリーグ:大橋幸正


今期A・Bリーグのレポートを担当させて頂きます33期生の大橋幸正です。拙い文章になるかもしれませんが、読み応えのあるレポートを作成していきたいと思っています。半年間、どうぞ宜しくお願い致します。
第32期中部プロAリーグは第6節を迎え、いよいよ後半戦に突入した。第5節を終えた時点で、上位、中位、下位が割としっかり表れる結果となっている。各選手、決勝進出を目指すのはもちろんだが、16名中4名と4分の1が降級するという非常にシビアな戦いである。現状1位の清水、2位の小野は降級の心配をする必要が無いであろうが、3位の三戸以下は残留も意識して戦う必要がある。
第6節が行わる日の数日前、前中部プロリーグ優勝者の伊藤(鉄)と話をさせて頂いた。現状4位の伊藤(鉄)は決勝進出圏内にいる。しかし、伊藤(鉄)は下位の選手相手に厳しく打つと話をしていた。その言葉の意図する所は、下位の者を上位に浮上させない、つまりは決勝争いをする者を増やさないと同時に、自分が降級争いに巻き込まれないようにするということである。上位リーガーであればあるほど、このような駆け引きを意識して打っているように思う。その辺も注目しながら、対局を見ていこうと思う。

第6節の組み合わせは以下の通り。
1卓 清水・朝岡・林・村瀬
現状ダントツで首位を走る清水、朝岡、林は決勝を見据えながら残留も強く意識しなければならないポジション、村瀬は降級圏内におり、なんとしてもプラスにしたいポジションにいる。
対局開始前に清水に後半戦に向けてのコメントを聞いてみた。
「たぶん、大丈夫だと思うので、普段通り打ちます。」と回答。
非常に楽観的に聞こえるが、自信があるのだなと感じた。
結果は清水、朝岡、村瀬の壮絶なせめぎ合いとなり、3者ともプラスで終えた。割を食う形となったのは林。この日、オール逆連対で▲56.7Pと手痛いマイナスとなった。林は終始落ち着いて打っており、しっかりと手を組み、本手が入った時はぶつけるスタンスを取り続けていたが、私が見た限りだと、本手は1回もアガれず、3者のファインプレーに阻まれる形になってしまった。非常に良い内容の麻雀を打ち切っていたように見えたので、比較的スピード重視と攻め気の強い3者と噛み合わなかったとしか言いようが無い。内容が良くても結果がなかなかついてこないのが麻雀の難しい所である。
村瀬は嬉しい卓内トップで降級圏内を脱出に成功した。

2卓 小野・土岐・加藤・堤
1回戦、東場で落ち着いたゲームメイクをし、見事な1人浮きのトップを取った土岐のワンサイドゲームになるかと思ったが、それに待ったをかけたのは現在2位の小野。親番の優位性を上手く使い、3回戦目、4回戦目に大きくポイントを稼ぎ、+28.9Pの卓内トップとなった。トータルポイントも+158.6Pまで伸ばすことに成功。残り4節、大崩れをしにくい選手なだけに、決勝進出は安泰と見て良いだろう。堤は4回戦目のオーラス親番の大連荘で一気にプラスし、降級圏内を脱出、加藤は卓内ラスとなってしまい、降級圏内に入ってしまったが、まだまだ2者にとって、苦しい戦いが続くであろう。

3卓 三戸・寺戸・長谷川・斎藤
現在最下位の斎藤にとって、踏ん張り所の一戦となった。1回戦、2回戦とマイナスをしてしまい、いよいよ崖っぷちに追い込まれたが、3回戦目、4回戦目と大物手を何回もアガリきり、終わってみれば、+55.9Pの1人浮きの卓内トップとなった。対局終了後、斎藤に話を聞いてみた。
「他の選手のことは考えず、上だけを見て戦った。だからと言って、前のめりになり過ぎない様に注意しました。」と回答。焦らず、落ち着いてプレイできたことが勝因であろう。一方、マイナスをしてしまったが三戸のポイントを守ろうとせずに叩きにいく姿勢、寺戸の卓上を支配しようとする積極性が印象的であった。残り4節でどう決勝進出争いを進めていくか注目したい。

4卓 伊藤(鉄)・掛水・都築・森下
現在15位に低迷している森下にとって、やりにくい卓組に思い、苦戦必至かと予想したが、そんなの関係ないとばかりに森下の気迫が全面に出た対局となり、復活の+47.0Pの嬉しい卓内トップとなった。掛水も地力を見せつけ、3位まで駆け上がった。伊藤(鉄)は牌勢が悪く、苦しい試合となったが、さすが前中部プロリーグ優勝者、きっちりとプラスで終えることに成功した。対して、格上3人との対戦となった都築は4ラスの▲94.5Pと手痛い結果となってしまった。格上相手に気持ちでも負けてしまった感がある。残り4節、気持ちを切り替えて戦って欲しい。

第6節が行われる前日、第36期プロテストが中部地区で行われた。そこで合格した者は、9月より中部プロリーグ(Dリーグ)に参加することが決定している。これから入ってくる後輩になるであろう者達、また、連盟公式ルールを上達したい人達に伊藤(鉄)の印象的な1局を紹介したい。南場の北家5巡目に伊藤は以下の牌姿

六万七万四索五索六索一筒二筒三筒七筒八筒南白発発  ドラ南

南白を切れば1シャンテンであるが、伊藤(鉄)は七筒切りを選択。
リャンメンリャンメンの好形の1シャンテンであるが、南白と切り出し、すんなりテンパイをしても役が無い。そのテンパイに南白を場に打ち出す価値が無いと判断をし、1シャンテン取らずに構えた。連盟公式ルールは手役を作る価値が高く、また、ドラの価値が非常に高い。伊藤(鉄)は場に出た発をポンとし、南を使い切る手組を目指した。何気ない1局であったが、思考を参考にしていただけると良いと思う。また、東京本部所属現女流桜花Aリーグ2位の武石絵里プロが観戦に訪れていた。1回戦から4回戦まで食い入るように真剣に観戦する姿は、是非、見習って欲しい。強い打ち手のほとんどは他の麻雀をたくさん観戦しているのである。
今節の結果を受け、各々、自分のやるべきことがより明確になってきた。激しい決勝進出争いはもちろんのこと、残留争いにも注目して、今後も見ていこうと思う。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 清水 哲也 28.2 61.8 65.0 12.8 31.8 6.1 205.7
2 小野 雅峻 74.8 ▲ 4.8 39.5 0.7 19.5 28.9 158.6
3 掛水 洋徳 ▲ 28.9 34.0 1.1 31.9 8.5 41.5 88.1
4 伊藤 鉄也 64.4 35.6 ▲ 40.4 12.6 ▲ 9.2 6.0 69.0
5 三戸 亮祐 25.7 34.1 21.4 ▲ 18.6 12.6 ▲ 10.3 64.9
6 朝岡 祐 ▲ 26.6 22.9 ▲ 4.2 29.2 6.3 12.9 40.5
7 寺戸 孝志 0.8 29.6 40.4 57.4 ▲ 77.8 ▲ 21.4 29.0
8 土岐 雄太 30.0 52.8 ▲ 29.8 6.9 ▲ 18.8 ▲ 21.7 19.4
9 林 俊宏 40.8 ▲ 4.3 ▲ 82.8 30.2 39.7 ▲ 56.7 ▲ 33.1
10 村瀬 寛光 ▲ 25.0 ▲ 106.3 68.8 ▲ 45.1 33.5 37.7 ▲ 36.4
11 長谷川 弘 1.7 ▲ 47.3 12.6 0.4 ▲ 2.0 ▲ 25.2 ▲ 59.8
12 堤 文吾 ▲ 16.3 ▲ 75.2 10.8 ▲ 39.5 4.5 25.6 ▲ 90.1
13 加藤 泰史 ▲ 66.9 18.3 ▲ 27.5 27.8 ▲ 10.6 ▲ 32.8 ▲ 91.7
14 森下 剛任 ▲ 54.5 ▲ 9.7 ▲ 33.8 3.3 ▲ 51.5 47.0 ▲ 99.2
15 斎藤 寛生 ▲ 11.0 ▲ 65.4 ▲ 7.7 ▲ 47.5 ▲ 36.0 55.9 ▲ 111.7
16 都築 友和 ▲ 37.2 23.9 ▲ 35.4 ▲ 62.5 48.5 ▲ 94.5 ▲ 157.2

 

 

Bリーグ:大橋幸正


いよいよ第32期中部プロリーグ後期Bリーグが開幕した。6月に前期が終了し、そこで私は昇級を決めたわけだが、もう随分と前の出来事のように感じる。個人差はあるとは思うが、Bリーグを戦う選手も同じ様に感じ、気持ちを新たにリセットし、この日のための準備をしてきているであろう。
開幕を前に各選手に後期に向けてのコメントを頂いた。その中で印象に残った選手のコメントを紹介していこう。

・木村「みんなと麻雀をできる喜びを持って、頑張ります。」
・古川「降級しない様に頑張ります。」
・杉浦(勘)「鳳凰位戦でA2リーグへ昇級を決め、半年間、鳳凰位戦は休みとなったので、今期から中部プロリーグに参加できたことは、良い刺激になり、本当に良かったです。鳳凰位戦と同じ気持ちで、Aリーグ昇級を目指して、頑張りたいと思います。」
・太田(充)「前期最終節で集中力が欠けてしまった時があったので、今期は集中力を高めて、頑張ります。」
・杉村「ボーダーラインを常に意識しながら、昇級を目指して頑張ります。」
・佐藤「Aリーグを降級して1年半が経過しましたが、内容が非常に悪く、結果に繋がらない現状があります。きちんと自分を見つめ直し、昇級を狙いたいです。」
・富村「ずっと3~5位と昇級一歩手前で終わってしまい、昇級を逃しているので、今期は昇級できるよう頑張ります。」
・高橋「リーグ戦を戦うにあたって、私には克服しなければならない欠点がある。それはポイントを大きく稼ぐのが苦手ということ。大きくプラスできそうなチャンスが訪れた時も上手く活かすことができず、自分から勢いを殺してしまっていることも多い。今回はチャンスを見極め、きちんと捉えていきたいと思う。」

その他の選手もほとんどが昇級を狙うと力強いコメントを頂いた。そんな中、大ベテランの木村、古川はコメントを見てもわかるように、酸いも甘いも嚙み分けるような様子で笑顔でコメントをしてくれた。対局の様子を見ると、まだまだ元気で、他の選手の大きな壁となるであろう。
女流プロ3名は、しっかりと自己分析ができており、今期どういった戦いを見せてくれるか楽しみである。中部プロリーグ歴代優勝者に女流がいないのはおろか、現在Aリーグに女流は1人もいない。女流3名の中から昇級者が出るのか、大注目である。
第1節で好スタートを切ったのはCリーグを1位通過で昇級してきた河合。杉浦(勘)、杉村といった卓越した選手を相手に力強い麻雀を見せ、+40.7Pとこの日のトータルトップとなった。前期昇級してきた勢いがあるので、この先もその勢いを殺さずに戦い抜く姿に期待する。対して、オール逆連対で▲47.3Pと洗礼を浴びた形となった鈴木(涼)だが、対局終了後、同卓した先輩に積極的に話を聞いている姿が印象的だった。まだまだ若く、今は伸び盛りの時期。どんどん吸収すれば良い。
第1節で大きくポイントを叩けた選手はいなく、おそらくは大混戦になるであろう今期のBリーグ。この先も激戦必至の熱い戦いをしっかりとお伝えしていこうと思う。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 河合 慎悟 40.7 40.7
2 太田 充 27.3 27.3
3 大高坂 松城 21.1 21.1
4 杉村 泰治 20.1 20.1
5 日下 健司 19.0 19.0
6 木村 東平 16.1 16.1
7 山本 拓哉 6.7 6.7
8 高橋 侑希 0.0 0.0
9 佐藤 あいり 0.0 0.0
10 岡本 丈司 0.0 0.0
11 太田 峻也 0.0 0.0
12 古川 孝次 ▲ 5.5 ▲ 5.5
13 杉浦 勘介 ▲ 13.5 ▲ 13.5
14 金平 裕樹 ▲ 28.5 ▲ 28.5
15 鈴木 涼太 ▲ 47.3 ▲ 47.3
16 富村 つぐみ ▲ 56.2 ▲ 56.2

 

 

Cリーグ:越川清一


今期Cリーグのレポートを担当します24期越川清一です。よろしくお願いします。前期の結果を踏まえ新たな気持ちで今期に臨む選手たち。そんな選手たちをより知ってもらうために毎節2名ずつ注目の選手を紹介していきたいと思います。
まず1人目は29期池沢麻奈美。18才で麻雀を覚えアマチュア時代に夕刊フジ杯で個人優勝。鳴り物入りで連盟の門を叩き2年目には第13回野口恭一郎賞を受賞する。そこから最強戦、女流モンドへの道が開け第15回女流モンド優勝と輝かしい実績を持つ。

今期の意気込みを聞くと、「いつも通り」とのこと。見た感じのまま、ほんわか系女流雀士である。そんな池沢の戦いを後ろで観戦する。
池沢に麻雀のスタイルを聞くと以前は守備型だったが今は攻めに重きを置いているとのこと。それが垣間見えた局があった。上家の5巡目リーチに自身は平和のみの手だが無筋を4枚ノータイムで切り飛ばしリーチといく。これはアガれなかったがこの戦う姿勢には感心させられた。私はノータイムという言葉が好きである。全ての結果を受け入れる覚悟が感じられるから。
ただそんな池沢の気になった局がある。

1回戦東3局南家

二万三万四万一索二索三索四索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  ツモ一索  ドラ一索

この3,000・6,000をツモアガった次局の親、6巡目

三万四万八万六索八索七筒八筒九筒白発発中中  ドラ六索

ここから上家から切られた1枚目の発を鳴く。
麻雀に流れはあるという池沢ならば、最高の状態でむかえた親はできるだけ面前にこだわるべきである。
結果は、同巡南家西家からリーチが入り、食い下げた六索を南家にツモアガリされてしまう。流れ論者の私からすると必然の結果と思う。
この局をどう捉えるか、池沢には今後の課題としてほしい。

2人目は35期新人平野祥太。
前期Dリーグで全節プラスでの1位昇級。そんな平野に今期の意気込みを聞くと、「自分のスタイルは守備型でラスをひかない麻雀です。Dリーグでは20戦でラスは1回だけでした。今期も全節プラスして昇級を狙いたいと思います。」と力強く語ってくれた。目標とするプロを聞くと「二階堂瑠美プロです。」と答えてくれた。手役派でもあるのだろう。
平野の戦いを後ろで観戦する。打牌リズムがよく、判断も速い。ただ東1局からの1,000点の仕掛けや、他家の仕掛けに対応しての中盤での親での形テンには守備型としては違和感を感じた。
3回戦を終えて大きくマイナスしてしまうが4回戦大きなトップをとりマイナスを40まで減らすことができたのだが、私が気になった局がひとつ。

南2局南家10巡目 持ち点48,100

二万二万三万三万三万六万六万三索三索四索五索四筒四筒四筒  ドラ八索

ここからテンパイとらずの五索切り。
ここまでのマイナスポイントを考えれば、気持ちはわかるがこれはやりすぎだろう。場にそぐわないと感じる。
結果は二万をポンしての1人テンパイで流局するのだが、こうしたのなら二万ポンせずのノーテンの方が私は強さを感じる。

平野には苦い第1節となってしまったが、まだ始まったばかりである。ここからの巻き返しを期待したい。
第1節の結果を踏まえ、選手それぞれが課題をもってしっかりと次節に臨んでほしいと思う。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 安藤 大貴 64.5 64.5
2 中谷 彰吾 36.5 36.5
3 大滝 聡 32.3 32.3
4 池沢 麻奈美 22.1 22.1
5 山田 まさとし 18.9 18.9
6 浅野 文雅 0.3 0.3
7 青山 大 0.0 0.0
8 田村 良介 0.0 0.0
9 杉浦 貴紀 0.0 0.0
10 後藤 咲 0.0 0.0
11 岡田 智和 ▲ 11.9 ▲ 11.9
12 菅野 直 ▲ 19.1 ▲ 19.1
13 大町 篤志 ▲ 24.5 ▲ 24.5
14 若松 正和 ▲ 29.1 ▲ 29.1
15 平野 祥太 ▲ 40.3 ▲ 40.3
16 家田 みゆき ▲ 49.7 ▲ 49.7

第6期JPML WRCリーグ ベスト8A卓レポート 優月 みか

このベスト8A卓では、鳳凰位吉田直、十段位内川幸太郎、マスターズ連覇白鳥翔という連盟を代表するスター選手。そしてもう1席は今期麻雀プロ入りを果たした、声優としても大きく活躍している伊達朱里紗という非常に濃厚なメンツで対局が行われた。

タイトルホルダー同士の戦いも非常に注目する点である。だがそこに入るプロ歴半年、紅一点の伊達朱里紗は、この3人を相手にどう戦うのか。

1回戦目
起家から伊達→吉田→内川→白鳥

東3局1本場

7巡目に白鳥が七対子発タンキで先制リーチを打つ。
捨牌は 六筒八筒二筒九筒五筒五筒 宣言牌一索二筒のみツモ切り)

白鳥
五万五万七万七万九万九万一筒一筒東東北北発  ドラ西

このリーチを受けて同巡、親番の内川も七対子のテンパイを入れる。

内川
二万二万四万四万八万八万二索二索四索四索八索九索九索六筒

ここから一発目に八索を押し、白鳥の現物六筒単騎のヤミテンを入れる。
次巡、七筒を引き入れ打六筒と待ちを変え、下家の白鳥から七筒が打ち出される。
内川、2,400点と打点は少ないながらも見事な手順で先制リーチをかわし、加点を決めた。

東4局では、伊達が8巡目に高め三色の一索四索七索待ちという勝負手をリーチにいくも白鳥の2,000オールツモアガリとなる。
その後もメンピンドラドラの勝負手が白鳥への放銃になるなど、伊達にとっては苦しい展開が続き、1回戦目が終了した。

1回戦終了時トータルポイント
吉田直 +28.4P
内川幸太郎 +10.5P
白鳥翔 ▲7.4P
伊達朱里紗 ▲31.5P

 

 

2回戦目
起家から内川→白鳥→吉田→伊達

東1局、親番内川の先制リーチに対して15巡目に吉田がドラの白を勝負してリーチ。
これを吉田がハイテイでツモアガリ、1,000・2,000のアガリ。
その後も初戦トップをとった吉田が、自身のリードに甘えることなく押し続けるという強靭な精神力を見せつけた。

南1局では白鳥の繊細な手順が光る1局が見られた。

2巡目、

白鳥
五万五万六万七万七万八万二索六索八索八索二筒四筒五筒六筒  ドラ六筒

この手牌、三筒引きで3面張の形になる為、形で打二索となりそうだ。
だが白鳥は親の2打目の二索を見てソウズの下に手応えを感じ打二筒とした。

この繊細な選択が見事功を奏し、三索六万と連続で引き入れ4巡目に最速かつノーミスのリーチ。
このリーチにも押していった吉田がここはアタリ牌を掴み、白鳥へ8,000点の放銃となった。

五万五万六万六万七万七万二索三索八索八索四筒五筒六筒  リーチ  ロン一索  ドラ六筒

 

100

 

白鳥は一歩リードを決めるが、南3局吉田の親番。
ここでも吉田が強靭な精神力を発揮。
先制リーチにも臆することなく押して押して、吉田の親番は4本場まで続いた。そして6万点を超える大きなトップ、2連勝を掴み取り2回戦目が終了した。

 

100

 

2回戦ポイント
吉田直 +45.3P
白鳥翔 ▲0.5P
伊達朱里紗 ▲14.0P
内川幸太郎 ▲30.8P

2回戦目終了時トータルポイント
吉田直 +73.7P
白鳥翔 ▲7.9P
内川幸太郎 ▲20.3
伊達朱里紗 ▲45.5

 

 

3回戦目
起家から伊達→内川→白鳥→吉田

南1局まで親の連荘なし、流局1回、最高打点が伊達の700・1300と小場で進んでいった3回戦目。

大きく点棒が動いたのは南2局、内川の親番だ。
2巡目にトータルポイントで1人大きくプラスをしている吉田から中のポンが入る。

親番の内川は吉田の仕掛けをうけて3巡目にこの形になる。

三万三万五万六万四索四索五索六索六筒七筒発発中  ドラ二索

吉田からの仕掛けを受け、この手牌は親番であることもあり発は仕掛けていくであろうと予想される。
だが内川は、5巡目に白鳥から打ち出された発を仕掛けずに見送った。

9巡目には手牌をメンゼンテンパイまで育ててリーチにいった。
このリーチへ吉田から一発でアタリ牌が打ち出され、内川7,700点のアガリとなる。

三万三万三万六万六万四索五索六索六筒七筒八筒発発  リーチ  ロン発  ドラ二索

 

100

 

南4局では内川が白鳥から満貫の手をアガリ、最大のライバルである白鳥へ44.9P、伊達には52.7Pの条件をつけ、最終戦へと向かう。

3回戦終了時トータルポイント
吉田直 +63.7P
内川幸太郎 +11.3P
白鳥翔 ▲33.8P
伊達朱里紗 ▲41.1P

 

 

4回戦目
起家から内川→吉田→白鳥→伊達

いよいよ決勝戦への権利を賭けた最終戦が始まった。
ポイントとしては、吉田が+63.7Pと1人抜けていて、開始時トータル2位の内川と3位白鳥との差が44.9P。内川と伊達の差が52.7P。
白鳥は内川とトップラスで14,900点の点差を作ること。伊達は内川とトップラスで22,700点差、さらに白鳥よりも上の着順にいないといけない。となりそうだ。

東1局、白鳥が中トイツ、ドラの北トイツの手を仕掛けて伊達から3,900点のアガリを決めた。
まずは堅実に素点を稼いでいく。

東2局では、フリテンながらタンヤオの3面張テンパイを入れた吉田からドラの発が打ち出され、白鳥がポン。テンパイを入れるもここに伊達がピンフドラ1でリーチをぶつけた。
制したのは伊達、1,300・2,600のアガリを決めた。

東3局、白鳥の親番では内川が仕掛けたトイトイ、2,600を吉田からアガリ、白鳥の親を落とす。

局面が大きく動いた東4局1本場。親番は伊達。

5巡目白鳥の手牌

一万二万三万六万二索五索五索九索九索九索二筒三筒六筒  ドラ五筒

この形に九索をツモり暗カンを入れる。
リンシャン牌から、新たにドラになった六筒を引き入れ、満貫の1シャンテンの形にした。

そして9巡目、暗カンを入れた白鳥が満貫以上確定のリーチにいく。

一万二万三万四索五索六索二筒三筒六筒六筒  暗カン牌の背九索 上向き九索 上向き牌の背  リーチ  ドラ五筒六筒

白鳥からのリーチを受けた次巡、内川も高め三色のタンヤオテンパイを入れる。

四万五万六万八万八万四索五索六索八索八索八索四筒五筒

そして10巡目、内川は白鳥のアタリ牌である一筒を掴んだ。
白鳥への直撃はかなり痛い。仕掛けている吉田もいる。だがここの手をアガリ切れば決まり手となる。
長考の末、一筒が打ち出され白鳥の8,000点のアガりとなった。

このアガリにより、白鳥と内川はトップラス、満貫の直撃によりトータルポイントでも白鳥が上となる。だが内川としても、着順をひとつ上げればまた逆転。そして伊達は白鳥をまくりトップになれば勝ち上がりと、誰が通過するか目が離せない戦いが始まった。

南4局 親番 伊達

ここまで苦しい思いをしてきた。丁寧で慎重な打牌を続けてきた。先制リーチがアガれない事が続いた。そんな伊達にこの勝負所でこの配牌が。

二万四万五万六万二索五索一筒一筒二筒三筒三筒四筒五筒西  ドラ三筒

ドラを2枚使った2メンツと、マンズで1メンツが完成している。
2,600オールをアガると勝ち上がりの条件を達成する伊達。

3巡目に三万を引き入れ、さらに好形の手になる。
さらに4巡目に二筒をツモり、この形

二万三万四万五万六万六万一筒一筒二筒二筒三筒三筒四筒五筒  ドラ三筒

二万三筒六筒待ちのヤミテンに構えた。

条件的にはツモアガリが1番価値がある状況。
ヤミテンにするもアタリ牌は出てこない。

13巡目、伊達は小考の後ツモ切りリーチにいった。

そして15巡目、六筒のツモアガリ6,000オールと大きな大きなアガリを決めた。

三万四万五万六万六万一筒一筒二筒二筒三筒三筒四筒五筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ三筒

 

100

 

このアガリで、内川は満貫ツモ、白鳥は跳満ツモとライバル2人に条件を突き付けた伊達。
そして南4局1本場では吉田がそっと三色のヤミテンをアガリ、この大接戦のWRCベスト8A卓は伊達の大逆転で幕を閉じた。

勝ち上がり
吉田直、伊達朱里紗

巣鴨本部道場 2019年8月度プロアマオープン大会成績表 最終結果(プラス者のみ)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 ケンタ 38 267.4
2 藤次祐紀 92 248.2
3 MICHAEL 18 235.1
4 岡本浩一 48 228.4
5 西角健二 57 226.3
6 葭葉 43 214.7
7 太田久雄 23 211.6
8 青木保則 41 210.2
9 丹野賢一 37 207.8
10 厚地 35 196.9
11 藤原隆弘 38 194.2
12 金山二郎 27 190.2
13 中村 97 180.1
14 杉山俊彦 21 179.1
15 有田将之 21 179
16 イガラシ 16 177
17 稲熊勝明 41 165.7
18 住吉聡 30 162
19 岡野 71 157.9
20 塚田悠介 32 150.5
21 佐藤好子 32 146.3
22 Andy-San 69 142.3
23 浜正彦 24 141.2
24 シマカタ 35 136.3
25 ダニエル・モレノ 27 135.6
26 森屋稔 23 133.5
27 高橋大輔 18 126.8
28 タク 51 122
29 蛇ノ目誠司 16 113.4
30 けーすけ 27 98.9
31 西原貞子 36 88.7
32 加藤はるみ 46 81.5
33 後藤竜司 22 80.9
34 松村祐輔 49 72.5
35 立岩知朗 51 72
36 中村健二 18 67.9
37 菱村彰久 19 67.3
38 小泉忠 20 66.9
39 小林泰士 41 66.2
40 カズ 16 49.9
41 松本裕也 24 41
42 KinyanLui 20 36.9
43 篠田拓郎 31 35.2

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 阿部信一 15 137.2
2 藤次祐紀 27 122
3 岩崎健太 12 113.6
4 小泉忠 18 103
5 ぽいすけ 21 98.2
6 広瀬 10 94
7 小笠原和彦 14 87.4
8 厚地 13 83.9
9 荒川純男 10 83
10 小林泰士 17 82.6
11 内藤幸子 8 75
12 植村和彦 13 73.1
13 石田寛教 9 71.7
14 西角健二 10 70.6
15 Andy-San 17 69.8
16 江田源太郎 12 66
17 岡野 21 63.2
18 シマカタ 9 60.5
19 ダニエル・モレノ 27 54
20 綴木慎介 8 52.8
21 茶谷正人 8 52.2
22 金山二郎 9 51.3
23 菱村彰久 8 50.3
24 葭葉 13 49.5
25 太田久雄 28 45.9
26 由布弘子 11 42.1
27 中谷あずさ 13 40.5
28 丹野賢一 15 39.1
29 もと 18 35.1
30 加藤はるみ 16 34.6
31 極楽7 11 34.5
32 中村 22 33.1
33 青木保則 8 32.3
34 高橋大輔 12 30
35 塚田悠介 11 29.7
36 木梨祐輔 12 22.8
37 篠田拓郎 15 20.5
38 水野裕来 16 19.5
39 大高 12 18.7
40 なーこ 16 14.9
41 冨田久志 16 10.1
42 宮澤 8 8.5
43 ひろりん 22 7.5
44 グレート宗 9 7.3
45 市川幹人 12 4.2
46 岩沢和利 10 2.5

 

 

道場ポイントランキング

順位 名前 8WRC 8公式 9WRC 9公式 10~1 合計
1 ケンタ 400 0       400
2 藤次祐紀 300 75       375
3 MICHAEL 250 0       250
4 西角健二 190 29.25       219.25
5 葭葉 180 24.5       204.5
6 岡本浩一 200 0       200
7 太田久雄 170 24.25       194.25
8 青木保則 160 21.25       181.25
9 厚地 140 40       180
10 丹野賢一 150 23.5       173.5
11 金山二郎 119 25       144
12 岡野 112 28.5       140.5
13 中村 118 21.5       139.5
14 有田将之 116 16.25       132.25
15 塚田悠介 111 20.75       131.75
16 小泉忠 80 50       130
17 Andy-San 100 29       129
18 シマカタ 98 28.25       126.25
19 ダニエル・モレノ 97 28       125
20 藤原隆弘 120 0       120
21 杉山俊彦 117 0       117
22 高橋大輔 95 21       116
23 イガラシ 115 0       115
24 ぽいすけ 67 47.5       114.5
25 稲熊勝明 114 0       114
26 小林泰士 79 35       114
27 浜正彦 99 14.5       113.5
28 住吉聡 113 0       113
29 加藤はるみ 86 23       109
30 菱村彰久 81 24.75       105.75
31 佐藤好子 101 0       101
32 阿部信一 0 100       100
33 松村祐輔 84 15.25       99.25
34 森屋稔 96 0       96
35 小笠原和彦 52 42.5       94.5
36 タク 94 0       94
37 蛇ノ目誠司 93 0       93
38 けーすけ 92 0       92
39 篠田拓郎 71 20.25       91.25
40 西原貞子 87 0       87
41 後藤竜司 85 0       85
42 立岩知朗 83 0       83
43 カオリンゴ 69 13.75       82.75
44 中村健二 82 0       82
45 カズ 78 0       78
46 松本裕也 73 0       73
47 くまお 59 14       73
48 KinyanLui 72 0       72
49 宮脇香苗 70 0       70
50 バードマン 68 0       68

第6期JPML WRCリーグ 優勝はダンプ大橋!

100

 

決勝 吉田直 vs 伊達朱里紗 vs 杉山俊彦 vs ダンプ大橋

 

優勝:ダンプ大橋 第2位:吉田直 第3位:杉山俊彦 第4位:伊達朱里紗