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中級/第136回:中級講座『攻めの一貫性』 浜上 文吾

麻雀ファンの皆様、こんにちは!
九州本部の浜上です。
~タイガー中島杯~第19期皇帝位戦九州リーグAリーグに今期より和久津プロが参戦していることをご存知だとは思いますが、第2節に早くも対戦が実現しました。
非常に楽しみにしていた対局で万全の準備で臨んだつもりだったのですが・・・
結果は3着3着1着4着で第2節は▲10.7Pとなりました。
 

 
今回は資料作成のために和久津プロの後ろにカメラを設置させてもらい撮影をしていました。
 

 
和久津プロの手牌と捨て牌が見えるくらいのサイズでの撮影でしたが、私の手牌も少し残っていました。
すべてを見返してみると、1回戦に気になる局がいくつかありましたのでそれを題材にしようと思います。
今回の対戦相手は安東裕允プロ、水町慎一プロ、和久津晶プロです。
1回戦(起家から、和久津・水町・安東・浜上)
東1局、水町が3,000・6,000をツモアガリからスタート。
苦しい展開ではあったものの、東3局に1,300・2,600をツモアガリ、2着目で迎えた最初の親です。
得点状況は
東家 浜上  33,500点
南家 和久津 20,700点
西家 水町  49,100点
北家 安東  16,700点
とだいぶ上下差が開いた状況で、私は原点から3,500点浮いており、この親では加点したいものです。
配牌は
東4局 東家 浜上 33,500点
二万五万六万七万八万三索五索八索五筒八筒東白発発  ドラ三筒
1メンツ完成しているもののまだターツも足りなくて少し重たい感じです。
ファン牌の発をうまく利用してマンズのホンイツにでもなるのが理想でしょうか?
手なりで手を進め、7巡目までのツモと捨て牌は
      四索六筒ツモ切りツモ切りツモ切り四万 
八索白八筒西九索九索
こうなりメンツ手の1シャンテンとなります。
二万五万六万七万八万三索四索五索五筒六筒東発発  ツモ四万  打二万
打点はさほど期待はできなさそうですが、良形のテンパイは組めそうです。
ダブ東がトイツになった場合の打点上昇も考えて二万を捨てます。
9巡目には六索ツモで三索と入れ替えて、高め456の三色が明確に見えてきて、攻める局だと判断します(テンパイしたらリーチ)。
10巡目にはドラ三筒をツモで悪いクセが出てしまいます。
四万五万六万七万八万四索五索六索五筒六筒東発発  ツモ三筒  
さてどう選択しましょうか?
三筒東の2択ですが、私は「ドラが重なれば良いな」とのんきな考えで東を捨てました。
これがなかなかテンパイせずにツモ切りが続き、ドラを捨てるタイミングを失いました。
14巡目には和久津プロからリーチを受け
南家 和久津 20,700点
四万五万六万三索四索五索六索七索八索四筒五筒七筒七筒  リーチ 
ドラを先に捌くことができなかった私は撤退を余儀なくされノーテンで親を落としてしまいます。
今局の反省ポイントを挙げるならば
①原点から浮いていることを考えれば、打点を求めるより、アガリやすい形を選択すべき⇒親はキープできるように頑張る
②中盤の10巡目ながらも仕掛けがはいってなくて、他家の情報がわかりにくいために積極的に局面をリードすべき(456三色も見えていて打点は望めそう)と親であるにも関わらず消極的な選択をしたのがこの後の展開を悪くしたと思います。
南2局には先制リーチをするも、安東プロに追いかけリーチを受け7,700放銃して、私の得点は21,700まで減ってしまいます。
このままではズルズル後退するだけですので少しギアチェンジです。
南3局 南家 浜上 21,700点 配牌
四万六万九万六索八索八索四筒六筒六筒八筒西白白  ドラ六万
7巡目までに七索三筒白八万とツモが効き以下の牌姿です。
四万六万八万六索七索八索三筒四筒六筒六筒白白白  
ラス親はあるものできれば打点が欲しいですね。
そう考えていると、親の安東プロから七万が捨てられます。
こういう牌姿で仕掛けたことはほとんどありませんが、これまでの展開を自分で悪くしたので打点よりスピードに重きを置き捌くことにします。
同巡、和久津プロもテンパイし、宣言牌の五筒をロンアガリ2,000点。
六索七索八索三筒四筒六筒六筒白白白  チー七万 左向き六万 上向き八万 上向き  ロン五筒
西家 和久津 22,000点 9巡目
三万三万三万六万六万一索二索三索五筒五筒六筒八筒九筒  ツモ七筒  打五筒
最後まで押し通すつもりでしたが・・・
結果はうまくいきました。オーラスの親に向けて頑張れそうです。
1回戦オーラスの得点状況は
東家 浜上  24,000点
南家 和久津 21,900点
西家 水町  47,600点
北家 安東  27,500点
こうなり、原点復帰のために親をキープすることが最優先課題です。
南4局 東家 浜上 24,000点 配牌
三万八万九万三索三索五索五索一筒三筒七筒北北白白  ドラ四索
1メンツもなく愚形残りの苦しい配牌です。それでもソウズのホンイツを狙いながら手を進めます。
5巡目までのツモと捨て牌は
      七索四万 ポン白二万
九万八万七筒       三筒一筒 
こうなり以下の牌姿。
二万三万四万三索三索五索五索七索北北  ポン白白白
マンズで1メンツ完成して理想通りとはいきませんでしたが1シャンテンとなります。
6巡目には二索をツモで少し受けが広くなり打三索
6巡目以降はツモ切りが続き、ようやく13巡目に和久津プロから北のリーチ宣言牌をポン。
東家 浜上 24,000点
二万三万四万二索三索五索五索  ポン北北北  ポン白白白  
と安いながらもようやくテンパイします。
浜上捨て牌
      七索四万 ポン白二万二索ツモ切りツモ切りツモ切りツモ切りツモ切りツモ切りツモ切り ポン北
九万八万七筒       三筒一筒三索八筒九索八筒五万二筒六筒西       七索 
一方、リーチの和久津プロの捨て牌は
西東白九筒 下向き五万 上向き五筒 上向き
六索 上向き二万 上向き三筒 上向き南四万 上向き八筒 上向き
北
勝負と考えていましたが、15巡目のツモ五索で長考します。
二万三万四万二索三索五索五索  ポン北北北  ポン白白白  ツモ五索  
ここでも先ほど反省したはずなのに悪いクセがでます。
捨て牌読みがさほど得意でない私が五索が暗刻になり、和久津プロの待ちを勝手に二索五索だろうと思いこんでしまったのです。
五索で放銃すればドラまたぎで打点もありそう、現物の四万を中抜きしてしまいます。
この思いこみがそもそも間違いで、最優先課題は親キープだったのにもかかわらず放銃してしまうかも・・・
と思った瞬間に思考停止して悪い選択をしてしまいました。
いざ開かれた和久津プロの手牌は
一万二万五万六万七万二索三索四索九索九索一筒二筒三筒
この形で五索はアガリ牌ではありませんでした。
結果的に五索で放銃になっていたとしても、親キープのための勝負での放銃は一貫性はあり、それ以降のブレが生じにくいと考えます。
最近では結果ばかり追い求めていて(放銃したくない、ポイントをまとめたい)、何か自分の麻雀の軸がブレているなと感じていました。
たまたま撮影したリーグ戦の映像を見て、私は勝負から逃げる悪いクセがあると気付かされました。
まとめてみますと攻めの一貫性は
・自分の状況を局単位で把握して最優先課題を見つける
・最優先課題をクリアできるリスク覚悟で勝負をする
ことが大事だと考えます。
この日以降、普段のトレーニングでは仕掛ける時には押し通す、押し通せないのであれば仕掛けない、と至って簡単な練習をしています。
簡単な練習が完全にできるようになったら少しずつ難しいことに取り組むと良いと思います。
それでは今回はこのあたりで失礼します。