中級

第147回:中級講座『内切り・外切り②』 森下 剛任

第1回目の中級講座では、「内切り・外切り」について簡単に触れましたが、第2回目では深く掘り下げて紹介したいと思います。

まずは、内切りのメリット・デメリットについて紹介します。

① 内切りのメリット
(1) 危険度の高い内側の牌から切り出すため、手牌の安全度が上がる。

② 内切りのデメリット
(1) ターツを取りこぼす可能性がある。
(2) 捨て牌で情報を与える可能性がある。

続いて、外切りのメリット・デメリットについて紹介します。

③ 外切りのメリット
(1) ターツの取りこぼしを防ぐことができる。
(2) 捨て牌で情報を与えづらくなる。

④ 外切りのデメリット
(1) 危険度の高い内側の牌が残るため、手牌の危険度が増す。

内切り・外切りのメリット・デメリットを箇条書きで紹介しましたが、内切りのメリットと外切りのデメリットはコインの表裏のように同じ内容の表裏であり、外切りのメリットは内切りのデメリットの内容の表裏になります。
但し、常に内側の牌が外側の牌より危ないわけではないので注意が必要です。

それでは、実際の牌姿を用いて説明したいと思います。

二万四万六万七万三索四索六索七索二筒三筒五筒五筒六筒  ツモ一筒

234の三色同順もタンヤオにもならない、あまり嬉しくない一筒のツモですが、567の三色を残すためにも二万四万のカンチャンターツを払いたい所です。
巡目が進んでからの危険度を考えれば、四万から切りたい所ですが、四万二万という切り順(内切り)だとマンズの待ちが残った際に五万八万待ち(もしくは、六万九万待ち)が読み筋に残ります。
二万四万という切り順(外切り)であれば、内切りの時と同様に五万八万待ちという読み筋は残りますが、六万九万待ち以外に三万も読み筋に残ります。

他家に放銃しないように手牌の安全度を取るか(内切りのケース)、他家に与える情報を少なくして自分のアガれる可能性を少しでも高めるか(外切りのケース)、選択となります。

南場の西家配牌で、

三万四万七万七万九万六索八索南南白白発発  ツモ北

ホンイツのチャンス手です。あなたなら何から切りますか?
候補としては、おもに六索八索北があるのではないでしょうか?

私は八索を切ります。

メンホン七対子を見つつ、六索八索のターツ外しより八索六索のターツ落としのほうが捨て牌がおとなしくなり、情報を与えにくいと思うからですが、これよりも大事だと思うのは、北の切り時です。
この手はメンホン七対子より役牌×2・ホンイツを見て、打八索の後に役牌が鳴ければ打北とし、その後打六索と行くとホンイツに見えにくくなり、次の役牌や、マンズの牌が少し鳴きやすくなると考えるからです。

ではこの手が7巡目ならどうでしょう?

相手の捨て牌にもよりますが、危険度の高い打六索と切る事が多くなると思います。
但し、常に内側の牌が外側の牌より危ないわけではないので注意が必要です。

例えば、親の捨て牌が、

ドラ二筒
一索 上向き九索 上向き中四索 上向き東三筒 上向き
南 

六索八索のターツ外しをするとき、親には六索よりも八索のほうが危険度が高いと思います。

このように、内切り・外切りの使い方は、自分の手型と巡目や相手の進行速度によって使い分けることが大事だと思います。

序盤:外切りベースでアガリをこぼさないように、中盤:内切り外切りを使いわけて、終盤:押し引きを考え、終局までを考える。
但し、4巡目でも中盤・終盤の時はもちろんありますし、10巡目でも序盤のような時もありますので注意が必要です。

次回は手牌と捨て牌の関連性について書きたいと思います。