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第93回『勝てる!リーチ麻雀講座③牌効率編その1』 魚谷 侑未

【序章】

皆さんこんにちは。魚谷侑未です。
今回は牌効率について勉強して行きましょう。

[牌効率]という言葉は、皆さん馴染み深い言葉だと思いますが、その意味についてどう認識されていますか?
まずはお馴染みのWikipediaにて言葉の意味を調べてみましょう。

牌効率(はいこうりつ)とは、麻雀において、聴牌に至る確率・早さのことをいう。

Wikipediaでは、テンパイまでの効率を求めて行くことを牌効率と述べていますね。
一般的な認識もそれに近いと思います。

しかし、この講座では
【テンパイまでの速さとアガりまでの速さのバランスが最も良い選択をする事】
を、牌効率と述べていきます。

テンパイまでが速いだけでは駄目なんです。
何故テンパイまでの速さより、アガリまでの速さが重要かというと、麻雀で勝つために一番重要な事は「アガリによる加点」であるからです。テンパイ料だけで勝負を勝ち切る事は難しいでしょう。

しかし、テンパイまでが最速であるというのは、相手の攻撃を受けないための一番の武器であり最善手段ともなり得ます。先手が何故強いのかは、前回の記事でお話したのでそちらを参照して下さい。

今回の牌効率編では、基礎の部分は分かっていることを前提として、見落としやすい部分をピックアップしていこうと思います。

長い目で見ると、与えられた運の量は全員が等しいと私は思っています。
自分だけツイてないと嘆くのはやめましょう。
そりゃあ、1局、1半荘、1日、1週間単位で見たら、ツイてない日だってあるでしょう。
しかし、それはみんな同じ事です。逆に、ツキに助けられる日だってあるんです。

同じ状況下の中で、与えられた運を活かせるかどうかがその人の技量だと思います。
ツイていたとしても、それを活かす技術がなければチャンスは離れていくだけです。
そして、その技量が一番顕著に表れるのが牌効率です。
きちんと与えられた手牌を活かせるように勉強していきましょう!

 

【1章~素直に打とう~】

麻雀は素直に打つことが一番大切です。
そして、私は素直に打つことが一番の強さであると思い、日々麻雀に取り組んでいます。
しかし、この「素直に打つ」というのは簡単なようでいて、実はとても難しい事なんです。
実践でこれをきちんと活かし切ることはなかなか出来ません。
しかし、素直に打つことを心がけて打てば、良い方向に進んでいけると思います。

さて、ここまで散々「素直に打つ」と連呼してきましたが、「素直って何?」と思いませんか?
私の言う素直に打つというのは、「自分の手牌の事だけを考えて打つ」「自分の手牌に正直であること」という意味です。

① 変に迷彩を作って相手からの出アガリを期待したりしない。
待ちなんてバレバレでいいんです。

一万二万三万一索二索三索五索五索六索二筒三筒八筒八筒西

ここから五索を先切りしたりせず、リーチ宣言牌で自信を持って五索を切りましょう。
待ちになっている可能性が高いと読まれていても、他家も勝負の時はその牌を切ってきます。
五索八筒引きのテンパイを逃すのは、あまりにも痛すぎますよね。

また、分かりづらい待ちになっていても、ベタオリされたら出ません。
ぶっちゃけた話、出アガリを考える前にツモってしまえばいいんです。
出アガリを期待せずに、ツモアガリを自分の麻雀のベースにしていけば、素直に打つ事に一歩近づくはずです。

② 当たり前の手順で当たり前の手を作っていく事。
当たり前の手順、踏めてますか?
私は麻雀において物凄く重要であると感じているのが「普通の積み重ね」です。
人を驚かせるような奇手のアガリが10回に1回あることよりも、誰でも出来ることを間違わずに10回中10回出来る事が麻雀の本質の部分の強さであると考えます。
でもね、これって意外と難しいです。
麻雀中のミスというのは高頻度で発生しますし、自分自身のミスに気付けない事も多々あると思います。
そして、この自分自身のミスに気づかない事が、なかなか厄介なんです。

ではその、自分自身のミスに気付けるようになるためのお勧めの勉強方法は、
① プロの対局を観戦して、自分と違う部分を書き出して検証してみる(出来ればテレビ対局やニコ生などで解説があるものが望ましいです)
② ロン2で自分の牌譜を見直す(自分より雀力の高い人に一緒に検証してもらうと更に良いです)
これを繰り返す事によって、何が正しくて何が間違っているかの認識がついてくると思います。
これは雀力アップに直結する大切な事です。

素直に打つとは。
即ち、普通の事を当たり前に選択し続ける事。
口にすると凄く簡単そうですが、やり続けるのはかなり難しいです。
しかし、これを実践出来るようになった時には、あなたのレベルは飛躍的に上がっていることでしょう。

 

【2章~目一杯に構えよう~】

放銃が怖くて、安全牌を1枚持って打っていたりしませんか?
もちろん、状況や局面に応じて安全牌を持って打つ事もあります。

しかし、
[勝負手の時は安全牌を持たず、自分の都合で手牌をブクブクにしましょう]

1章の①の内容と少し被りますが、更に掘り下げて書いて行きます。
放銃って嫌ですよね。私も嫌です。
でも、アガリ逃しはもっと嫌です。

アガれる手(アガリたい手)の時には、放銃を恐れずに自分の都合で麻雀を打ちましょう。
オリる事なんて、他から先制をされた時に考えればいいんです。
「ブクブクにしてたらオリられないじゃんー!」
と思うかもしれませんが、意外にブクブクにしていてもオリ切る事って出来るものですよ。
それに、アガリに向かうべき局面では、オリる事はまずは考えずにに戦って欲しいです。

東1局南家6巡目

六万七万一索二索三索四索五索三筒三筒四筒九筒九筒九筒西ドラ九筒

両面2つ残りの1シャンテンなので、4種15牌の受入枚数があります。

この手はドラの九筒が暗刻の勝負手です。ここに場に3枚切れの安全牌の西を持ってきました。
四筒を切って両面2つ残りの1シャンテンにしてしまいがちですが、この手は西を切って目一杯に構えましょう。

二筒五筒を引くと、更に良い1シャンテンの形が出来るということを想定しておくと、この四筒は必要不可欠な牌になります。

この形のままの1シャンテン、両面2つ残りの1シャンテンからテンパイまでの平均巡目が、何巡かかるか知っていますか?
なんと、平均で8巡かかるという計算が出ています。

8巡も待っていたら、他家にアガリのチャンスを与えてしまいます。
この手をアガリ切るためにも、少しでも早くテンパイを組みたいですよね。
そのためにはどうすればいいのか考えましょう。

ピンズの三筒三筒四筒の部分で1面子出来る事によって

六万七万一索二索三索四索五索二筒三筒四筒九筒九筒九筒

10種33牌の受入枚数になりました。
最初の両面2つ残りの1シャンテンの時より、受入枚数が2倍になったということは、それだけテンパイする可能性が高くなったということですね。

麻雀で勝ち組になるためには、この1シャンテンから更に良い1シャンテンへの変化に敏感になりましょう。
更に良い1シャンテンへの変化がある時は、両面2つ残りの1シャンテンで十分形と考えないようにしましょう!

[アガれる手をきちんとアガること]
そのためには、どうすればアガリに一番近付けるのか考えながら打つ事。
これがとても重要になってくるのです。
手牌をブクブクにするのは怖い事でもありますが、攻撃すべき手牌では、目一杯に構えて最速のアガリを目指しましょう。

 

【3章~リャンカンの選択~】

リャンカンの選択で迷った事はありませんか?
どっちでもいいやーと、適当に選択していませんか?
リャンカンの選択にも答えがあります。
その答えをきちんと考えて、導き出せるように学んでいきましょう♪

まずは、テンパイしている時のリャンカンの選択の基本をいくつか挙げていきます。

① 手役が絡む場合。

二万四万六万二索三索四索七索八索九索二筒三筒四筒九筒九筒ドラ九索

はい、迷うことのないケースですね。
六万を切ってリーチでも良し。ヤミテンでも良し。
状況判断にお任せします。

② 状況判断がしにくいケース。

一万三万五万七万八万九万九万九万三筒四筒五筒五筒六筒七筒ドラ七筒

二万四万も場には1枚も見えていません。マンズの状況は良いとも悪いとも言えません。
こんな時は、思い切って五万を切ってリーチをしてみましょう。

リーチ宣言牌の筋牌は危険牌と認識され、そんなに簡単に出アガリ出来る牌とは言えませんが、それでも無筋よりは出てきやすい牌だと思っていいです。
そして、端に近い牌は他家にとって使いにくい牌になっている事も多く、3~7にかけての筋牌よりもアガリ易いです。

③ リーチを打ちたくないケース。

一万三万五万六万七万八万七索八索九索七筒八筒九筒九筒九筒ドラ白

リーチを打っても打点が安く、手替わると打点向上も見込めます。
形にまだ伸びを見たい時は、打一として手牌変化を見ましょう。
待ちを決めたい場合は、引っかけになる牌を切る、伸びを見たい時は、外側の牌を切って形の変化を待つというのがリャンカンの選択の基本になりますね。

続きまして、1シャンテンからのリャンカンの選択についてです。

① アガリ易い待ちを作る時。
1章で言った事と少し矛盾しているように感じられてしまうかもしれませんが、素直に打って出アガリし易い待ちに受ける事が出来るなら受けた方がいいと思います。
後々、待ちになる可能性のある部分に、布石を作っておくことは悪いことではありません。

一万三万五万七万八万九万三索四索五索六索六索八索中中ドラ八索

六索八索を切るという選択肢もありますが、少しアガリの早さや打点力は落ちます。
こんな時に五万を切ってみましょう。
リーチ宣言牌の筋牌はかなりケアされますが、それ以前に切られている筋牌は他家から見ると盲点になりがちです。つまり、出アガリがし易くなります。
もちろん、メンゼンテンパイをした場合は、即リーチを打ちましょう。

ただ、既に二万が1枚でも場に切れている場合は、もう1枚打たれた瞬間に、カン二万待ちが厳しい待ちになってしまいますので、その場合は、ゆとりを持って打一万の良形変化待ちでもいいと思います。

② 先々の伸びや変化を見たい時。

一万三万五万六万七万八万三索四索五索六索六索八索中中ドラ九万

この牌姿では一万を切ることをお勧めします。
① のケースと何が違うの?と思いますよね。

まずは、この手にはドラがないということ。
テンパイしたところで1,300点の愚形ではリーチが打ちにくいですよね。
五万を切ってしまうと、形がカンチャンの二万に固定されてしまいますが、一万を打つ事によってマンズの横の伸びが期待出来ます。

例えば、この形から六索を引いたとしても、焦らずにヤミテンに構えるのが基本になります。
メンゼンでのマンズの良形変化や、中を引いたりシャンポン待ちになってからのリーチ選択や、場合によっては中をポンして役ありに受けたりも出来ますね。

麻雀の基本はリーチだと思っていますが、その時の状況に応じて焦らずじっくり構えることも大切になってきます。

以上、リャンカンの選択の基本を書きました。
上記した事は、あくまで基本であるというだけなので、少しずつ応用してみてくださいね。

はい、今回は3つのポイントに絞ってお話していきました。
牌効率については、話したいことが多すぎて今回の講座だけでは足りませんでした。
残りの中級講座を全て使ってもお伝えし切れるかわかりませんが、次回も牌効率の章をお届けしたいと思います。

それでは、また次回『勝てる!リーチ麻雀講座③牌効率編その2』でお会いしましょう。