中級

第99回『さよなら勝てる!リーチ麻雀講座⑨仕掛け編その2』 魚谷 侑未

皆さんこんにちは、魚谷侑未です。
長い間連載させて頂きましたこちらの中級講座も今回が最終回となりました。
今回は仕掛け編その2になります。
最後までしっかりと学んでいきましょう。

【2章~アガリトップに強くなろう~】
仕掛けの一番の利点は何か?
それは、テンパイやアガリまでのスピードがアップする事です。
では、仕掛けの技術はどんな時に役に立つのでしょう?

①アガリトップや局回しが有効な時。
②交わし手でアガリたい時。
③自分で引けない可能性の高い急所の牌が場に打たれた時。

この3つがメインとなりますが、この中でも最も重要なのが①です。
オーラスや南場に入ってからのトップ目の早くアガるための技術は、成績にそのまま直結すると言っても過言ではありません。

『アガリトップに強いのは強者の証です』

仕掛けの技術をしっかり学んで強者を目指しましょう。

〔メンゼンでの手組と仕掛け前提での手組の違い〕
メンゼンで手を進める時と、仕掛け前提で手を進める時の手組は違う所が多々あります。
これから出す例題は全てアガリトップ想定となります。

例1〕タンヤオを基本に。

三万三万五万七万一索一索三索六索七索七索二筒二筒四筒八筒
→打一索
愚形が多く、トイツ手も見えますが、タンヤオを見て一索を切りましょう。
ここで、両面待ちを決める七索を切ったり、トイツ手を見て八筒を切るよりも、先の形を見据えて柔軟性のある一索切りをお勧めします。

タンヤオを確定してしまえば、仕掛けていく選択もし易くなります。
一度トイツを嫌ったからといって、七対子の可能性もなくなるわけではありません。
アガリトップの時は普段以上にどんな伸びにも対応出来るように、そして仕掛けられる形を想定しながら柔軟な形に構えましょう。
普段よりもタンヤオを強く意識しましょう。

例2〕視野を広げて鳴く選択を入れましょう。

一万二万三万三万六万七万五索七索二筒二筒四筒八筒八筒

この手で五万八万以外の鳴ける牌が場に打たれた場合、思い切って仕掛けてみましょう。

え?一万二万三万のメンツを崩すの?
と思われるかもしれませんが、この手牌は愚形が多くメンゼンでのテンパイはなかなか苦しいです。
更に、テンパイしたとしても愚形待ちになる可能性が非常に高いです。
それならばいっその事、他の人の協力を得やすいようにするために、鳴ける形に変化させてしまいましょう。

二万三万三万六万七万五索七索二筒二筒四筒八筒八筒西

初めからこの形であったと仮定して、愚形を捌いてアガリに向かうと考えれば分かりやすいですね。
前回、遠くて安い鳴きはNGと書きましたが、自力で決めないといけないアガリトップの場面などではこういった鳴きも必要となってきます。
テンパイやアガリに最も近い形にするために、牌姿を柔軟に捉えていきましょう。

例3〕役牌バックも恐れずに。

一万一万二万八万八万五筒六筒七筒七筒八筒九筒白白

この手で3巡目に一万が打たれました。
→ポンしましょう。
あくまで、アガリトップのこの局面でだけこの鳴きは強く推奨しますが、他の場面では推奨しません。
(こういうのを鳴くと押し引きのバランスが難しいので。押し引きが得意な人は鳴いてもいいです)

オーラスというのは、それぞれ条件があり、その条件に向かって各々が手を進めます。
つまりは、役牌が危ないとわかっていても、周りは切らざるを得ないのです。
役牌を全て止めていては勝負になりませんからね。
これが、八万のポンなら役牌バックと特定されにくく、更にアガリ易くなります。

一万なんて鳴いたら絶対白は出ないから…」

と、決めつけはやめましょう。
相手が前に出ざるを得ない状況では出てくるものです。
状況に応じて役牌バックも使っていきましょう。

仕掛けは、凄く難しいです。
アガリまでのスピードと引き換えに、打点が下がり、守備力が落ちます。
なので、仕掛けをするタイミングを少し間違うと大変な事になってしまいます。
それでも、仕掛けの技術を磨く事により、大切な局面でのスピードを手に入れる事も出来るので、どんどん試していって欲しいです。
この中級講座でお伝え出来る事には限りがありますが、この講座を軸に皆さんの麻雀が進化していって下さる事を願っています。

皆さん、長い間私の中級講座にお付き合い下さいまして、本当にありがとうございました。

麻雀ライフ、楽しんでいますか?
勝てなくてイライラしたり、嫌な思いをして麻雀が嫌になったりする日もあるかもしれません。
でも、麻雀を心から「楽しむ事」を一番大切にして欲しいです。

精一杯やって勝てなかったら、相手を讃えましょう。
そして、また麻雀の勉強を頑張りましょう。
麻雀が強くなるには日々の少しずつの努力が大切です。

人間同士が対決するゲームですから、対戦相手に嫌な感情を抱く事もあるかもしれません。
その時は、反面教師だと思って、自分は色んな人に優しく出来る人間で在ろうって思いましょう。
優しさはいつかきっと形を変えて返ってきます。
麻雀を愛する人を、麻雀を愛する自分を大切にしてあげて下さいね。

麻雀を好きで居てくれる皆さんが、明日も笑顔で麻雀が出来ますように。
それではまたどこかでお会いしましょう!
ここまで読んで下さった皆様に感謝の気持ちを込めて。

魚谷侑未