中級

第108回:中級講座『構想~対応力~その弐』 山田 浩之

先月、序盤のポイントとしてお伝えしたように、アガリを逃さぬように目一杯に手を広げて次のような牌姿になりました。

四万六万七万一索二索三索四索五索七索五筒六筒西西  ツモ九索  ドラ四万

東3局 東家 7巡目(日本プロ麻雀連盟Aルール)

456と567の三色をねらっていたところ、ツモ九索でソウズの一通もみえてきました。
3つは天秤にかけられないので、どれか1つは諦めなければなりません。
さてどうしますか?

1)九索ツモ切り
2)四万切り
3)七万切り

シャンテン数を落とさずに手役を狙うのはこの3択です。麻雀力UPのためにもまず自分で考えてみてください。

まず理想形をイメージしてみましょう。

四万四万五万六万七万二索三索四索五索六索七索五筒六筒

四万五万六万一索二索三索四索五索四筒五筒六筒西西

四万五万六万一索二索三索四索五索七索八索九索西西

六万七万二索三索四索五索六索七索五筒六筒七筒西西

類似したパターンはまだまだありますが、このようなイメージはもてたでしょうか?
それでは各選択肢のメリットディメリットを考えてみましょう。

1)九索切り
これは456、567の三色が狙えます。跳満から倍満までMAXの打点が狙えることが最大のメリットですが、八索という裏目が存在することがディメリットになります。

2)四万切り
これは、567の三色と一通が狙えます。牌効率上ロスがないのですが、ドラを手放すので満貫までと打点が下がります。

3)七万切り
これは456の三色と一通が狙えます。これは三色と一通両方で跳満が狙えますが、四万六万七索九索という2つのカンチャンができ、形が悪くなるのが気になります。

これをふまえると1)が一番優秀だと思います。
ですが実際のリーグ戦では3)を選択しました。これは他者の河の情報があったからです。

南家
七索 上向き二筒 上向き一索 上向き八筒 上向き七筒 上向き東

西家
南九索 上向き一索 上向き西一万 上向き三索 上向き

北家
六筒 上向き八筒 上向き五筒 上向き四索 上向き七索 上向き九索 上向き

ドラがマンズということもありますが、極端にマンズが高いことがわかるでしょう。
しかも八索が使われていなそうなので山に残っていそうです。
七万切りで456の三色やドラの重なりの保険はかけていますが、一通に照準を定め、すぐに引かないかぎりは全部払っていくつもりでした。
実戦では狙い通り八索六索とツモり、一通確定のリーチを打ち、アガリをものにすることができました。

これはかなりうまくいった例ですが、中盤になると相手の河から得られる情報が増えていきます。
その情報をしっかり把握して、攻守にいかしていくことが大切です。

では逆にこのリーチを受けた子方の立場になって考えてみましょう。

捨て牌は以下
八筒 上向き二万 上向き中九万 上向き南東
七万 上向き六万 上向き四万 左向き八筒南はツモ切り)

まず一番のポイントは七万六万と両面を払っていることです。六万が手出しかどうかで意味が全く変わってくるので見落としは禁物です。
そして、下家がマンズのホンイツの可能性があるのに、七万六万と打ち出すということは全力でアガリに向かっていることがわかります。
打点のある好形1シャンテン以上とみて間違いないでしょう。テンパイが入っている可能性もあります。
ということは、よほどの手が入っていない限りはしっかり対応しなくてはなりません。
六万手出しをみたら、いつ親からリーチがきてもいいように準備する必要があるのです。
そうすることで失点をおさえることができます。

このように守備の面でも、相手の河や手出しなのかツモ切りなのかを見ることは大切になります。
そしてドラの四万切りリーチ。

点数がフラットな東場で、見た目上ドラターツを払ってのリーチ。
(二度受けの五万八万待ちの可能性はある)ということは相手が普通に打っているとすれば、待ちはわかりませんが打点のあるリーチだということは予測できます。
それに自分の手の価値、打点の高さや速度、形を踏まえて正面から戦うのか、まわりながら捌くことを目指すのか、しっかり受けるのか判断していかなくてはなりません。

次回は色(一色手)についてお伝えしたいと思います。
それではまた来月(^_^)/~