何を切る?

何を切る?2012年5月

Aリーグと各リーグのプロに出題して、解答を比較し、
各リーグのプロがその一打を深く解説し、掘り下げていくコーナーである。

問題作成者:山田 浩之(六段)
nanikirugraph_201205

日本プロ麻雀連盟Aルール(一発、裏ドラ、カンドラ無し。12P加減方式)
東1局、東家。西家からリーチが入ったところです。

Aリーグ
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Bリーグ
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Aリーググラフ
六索切り 12人、八万切り 8人、七索切り 2人、七筒切り 1人

Bリーググラフ
六索切り 7人、八万切り 5人、七索切り 2人、九筒切り 2人、七筒切り 1人

【Aリーグ回答】

六索切り
板川和俊 遠藤啓太 老月貴紀 金子貴行 近藤久春 白鳥翔 ダンプ大橋 中村毅 古川孝次 右田勇一郎 望月雅継 四柳弘樹

・古川孝次(AⅡ)
西家のリーチは四索七索待ちがあり得るので現物の六索をおとなしく切る。
一通確定の九万引きのカン八筒待ちは現物で、他家からこぼれるかもしれないからヤミテン。
安目の三万六万引きはリーチを打つ。

八万切り
伊藤優孝 勝又健志 黒沢咲 猿川真寿 柴田弘幸 朝武雅晴 仁平宣明 前原雄大 山井弘 吉田直

七索切り
荒正義 沢崎誠

・荒正義(AⅠ)
親なので強気に手広く構えます。
一通は崩れる公算大。五索八索八筒はいい待ちに見える。
カン八筒テンパイなら追いかけリーチを打つ。

七筒切り
二階堂亜樹

・二階堂亜樹(AⅡ)
かなり悩ましい牌姿ですが、打牌候補は七筒九筒六索七索一万八万。この中でリーチがかかってなかったら切るのは自分なら八万
まあ、現実はリーチが入っているので、マンズ以外になるでしょうから、裏目がまだ痛くないピンズを払っていきます。
比較的切りやすく裏目の八筒は現物なのと、ドラそばを切るのが嫌なのと、ソーズの下をケアするためです。
また、ピンズの下ケアで打九筒もありますが、攻める意味では九筒の重なりが期待できるのと、守る意味ではカン七筒は無さそう。
三筒六筒九筒待ちはあるかもしれないので七筒から切ります。

【Bリーグ回答】

六索切り
内川幸太郎 太田昌樹 杉浦勘介 鈴木雄介 西島一彦 麓征生 吉沢康次

・内川幸太郎(B1)
これ僕の牌姿じゃないですか!王位戦決勝開局のものです。
西家の滝沢さんからリーチが入ったのですが、全て勝負するつもりでした。
打牌候補は六索八万あたりで、待ちがカン八筒になってもぶつけにいくつもりでした。
一番手広い現物の六索を切って、マンズの一通になれば最高だなと思いました。
結果は、テンパイ打牌の八万が南家に放銃になりました。

八万切り
岩井健太 佐々木寿人 仲田加南 藤島健二郎 柚木正仁

・佐々木寿人(B1)
狙いはマンズの一通だが、ここでは雀頭を固定せず、ストレートにカン八筒が埋まるか、
ピンズが雀頭に潰れてくれればよいという構えをとりたい。
捨て牌の状況からカン八筒受けは良く映るので、三万六万が先埋まりでも即リーチする。
九万引きだけはヤミテンとして、六筒引きのピンフ変化を待ちたい。
八万後のドラ引きは再度八万を切ってのドラ固定とする。

七索切り
滝沢和典 松崎良文 吉田幸雄

・滝沢和典(B1)
王位戦決勝の内川プロの手牌ですね。ちなみにリーチをかけたのが私です。
牌譜を見て「打六索はリスクも無くて無難だけど、ちょっと弱いかな」なんて話しました。
確かにリーチはタンピン形の捨て牌模様で怖いけど、まずは自分の手牌を優先しなければならない。
親でもあるし、勝負手と言って良い手恰好です。
一通もありますが、自然に狙えるのはタンピン形ではないかと思います。
このような場面では、「とりあえず」という考えが頭をよぎると無難な牌に手をかけてしまいます。
強い気持ちで勝負打牌を選択するべきだと思います。

九筒切り
斉藤等 西岡慎泰

七筒切り
刀川昌浩