何を切る?

何を切る? 2021年8月

第9期JPML WRCリーグ 決勝戦 2回戦 南4局 西家 小林正和プロ

 

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■Twitterで実施したアンケートの結果

 

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■OPENRECで実施したアンケートの結果

 

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■ニコニコ生放送で実施したアンケートの結果

 

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■プロ解答

六万切り

 

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二索切り

 

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二筒切り

 

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■実況・解説陣 (アンケート時)

 

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楠原「ただいまアンケートが締め切られました。それでは満を持して白鳥プロに解説していただきましょう!」
白鳥「六万を切るか二索を切るかの二択ですね。六万を切ったときのメリットは、七対子の1シャンテンに構えられること。ただ、白が暗刻になったり、ポンできたときの形が少し弱くなってしまう。二索切りはメンツ手で良い形が残るけど、七対子がなくなっちゃうのがデメリット。僕は七対子好きなので、六万切りたいんですけど、上家の捨て牌にソーズが高いこの場況だと二索を切りそうです。
楠原「ここはメンツ手に舵を切るということですね。」
白鳥「ピンズの形が二筒二筒三筒じゃなくて三筒三筒五筒とかなら六万を切ってメンツ手との両天秤にするんですけど、残った形にリャンメン形が2つあるので、この手はじゅうぶんメンツ手でいけるかなと。」

 

■プロの視点

小林正和プロ
「リーチで攻め立て、時には忍んで供託を拾ったり波に乗るイメージでフーロを入れたりと。今まで教えて頂いたアドバイスや自分なりに見て学んできたものを卓上に書き下ろすような気持ちで挑んだ決勝戦。

局面の焦点は“最速でのアガリ”でした。
ポイントは辻本プロとの間合い。1,300・2,600で着が入れ替わるという状況、自身にドラが2枚ある点と切り出しが六筒であるという2点から、ある程度は手牌構成が絞れそうだなという印象を持ちました。
また、この並びでは終わらせたくない森下プロからはこの後の展開で役牌が打ち出されるか不安であるのと、ホンイツやトイトイなどのタネの芽を摘む意味合いで発西という切り出しになりました。
そして次巡、ポン材になり得る一索を処理しようと考えていた所にブレーキをかけるツモ二索が今回の牌姿。

最初にも挙げたようにテーマは“最速でのアガリ”であるのでシャンテン数が進むこのツモは本来なら嬉しいはず。以前の自分なら1シャンテンキープとメンツ手とトイツ手の両天秤で六万を切っていたと思います。
しかし、ここで勝又プロからの助言が降臨してきました。

初めて戴冠した『第3期JPML WRCリーグ ベスト8』で同じような手牌をもらった時に両方の可能性を残す打牌をした事があったのですが、その際の勝又プロの解説席での一言が『両方を追ってしまったが為に苦しくしてしまっている。』でした。
ふと舞い降りたそのアドバイスを受けて再び【何を切る】へ。

親番の中プロは着落ちの可能性が極めて低いので攻め得な状況。リーチに向かって真っ直ぐ進めてくるはず。つまりそれは何を意味しているかと言うと、第一打の一万からの北発の順番から、一万二万三万は少なくとも持っていないと読めます。また、森下プロは分かりませんが辻本プロがソーズのホンイツであると仮定すると…“引き算打法”では山にはマンズの下目がかなり残っている事に。

ここまでは場や相手の心理状況を整理したもの。
次に自身の手牌へ視線を向けると、現状は七対子の1シャンテンではあるがリャンメンターツを2組含むメンツ手の2シャンテンでもあります。
仮にトイツ手を見るなら場に1枚切れの六万が自然。これならばメンツ手の可能性も残ります。
逆にメンツ手に進行した場合の打牌候補は三万一索二索、あるいは二筒などもあるでしょう。

もしかしたらテンパイが一番早いのは打六万かもしれません。しかし、今やるべき事はしっかりアガる事。キーとなるのは最終形をどのように想定するかでした。
自身が選択したのは白三万とのシャンポン待ちを想定とした打二索。多少ドラの白が打ち出されやすい状況とはいえ、確率的にはそこが残りやすい。
そして、その選択肢を選んだ大きな理由が雀頭候補の三万という尖張牌。横に伸びやすい性質であるのと、先程も整理したように山にはそれを促す牌がかなり残っているのが決め手となりました。
また、二索一索の切り順となったのは、巡目は早いが辻本プロが自身の上家にいるので仮にポンされた後にロンになりにくい方であるのと安全度を考慮してそうなりました。(※下家にいた場合は一索二索

想定していた形ではありませんでしたが、風が吹きこの選択が優勝に近づく大きなアガリへと繋がりました。

もし六万を切っていたら勝又プロが大きく手をバツとしていたのかが気になりますが…。

そして、このリードを逃げる為のポイントではなく踏み込む為のポイントとして強い気持ちで攻め切れたのが最終戦の瀬戸熊プロの代名詞“KKT”を意識した連荘となり優勝を決める事ができたと思います。」

 

■終局図

 

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