対局番組レポート

天空麻雀15 男性大会決勝レポート 福光 聖雄

目を瞑って想像してみてほしい。

学校の教室よりは広い部屋。そう、バスケットボールのコートくらいの広さ。
天井は高い。目測10メートル。

その真ん中には麻雀卓が一台。
広い部屋に、たったの一台。

自分はその一角に、やや強張った顔つきで座っている。
見上げれば目の前は荒正義。左は滝沢和典。右に灘麻太郎。

外界からは遮断されていて、何一つ外の音は聞こえない。
打牌音がパーンと響く空間は、初めてだが心地よい。
牌をかき混ぜる音がこんなにも耳障りだったかと疑問に思う。

 

 

 

 

 

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灘 麻太郎
75歳を超えた今でもそのカミソリが錆びることはない。
より磨きがかかっているかと錯覚することすらある。
「福光君は何の仕事をしているの?へー、パソコン関係なんだ。難しいかい?
パソコンはよく知らないんだけど、今から学びだしても成功できると思うよ。」

『使える』ではなく(事業として)『成功できる』という好奇心に
「いやいやご冗談を」ではなく、「この人なら本当に成功させそうだ」と思う何かがある。

 

 

 

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荒 正義
昨期は鳳凰位を手放すことになったが、今期もA1リーグでは鳳凰位決定戦圏内と健在。
いや、健在という表現は誤りだろう。
未だ連盟を代表するトッププロとして君臨、という表現が適切だ。
ブログからはウィットに富んだお茶目な印象を受けるが、卓につくと途端に別の顔。
対峙する身としては『怖い』の一言。

 

 

 

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滝沢 和典
滝沢の麻雀は美しい。
フォームの美しさも相まって、ある種の芸術性さえ感じる。
美しさは手順の正確さ、お手本のような押し引き、的確な状況判断からくるのだろうか?
滝沢の打牌は、何時も正解を指していると思えてくる。
ただ同時に、正解を打ち続けなければならない、という期待を背負っているようにも感じる。

正解を打つということは対局者からすると、読みやすい。
仕掛けてくれば、早いか高い。攻め返してくれば、攻め返す理由がある。
とはいえ、これは滝沢の背負った宿命。

 

 

 

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福光 聖雄
そして、私。自分の紹介は甚だ困る。
2月に行われた「天空への道」という選抜戦で1席を勝ち取り(最後には字一色・小四喜もアガリ)、
この天空麻雀では予選を3着、準決勝を2着と、狙ったかのようなギリギリの勝ち上がり。
来るべくしてこの場に立っているのか、たまたまこの場まで勝ち上がってしまったのか。
その判断は観ていただいた皆様にお任せしたい。
ただ、本人がたまたまと思っていたとしたら、ここでの勝利は期待できない。

 

 

前置きが長くなったが、これが『天空麻雀15(決勝戦)』の大舞台だ。
自分なりのイメージが想像出来ただろうか?
他人が羨むこの舞台で、自分が麻雀を打つ姿を想像出来ただろうか?

ここで解説席も紹介したい。
MCはナレーターの伊藤裕一郎さん。
ナビゲーターは第1回リーチ麻雀世界選手権チャンピオンの山井弘。
解説は森山茂和会長と藤崎智鳳凰位。
単なる平面での解説ではなく、対局者の麻雀観も把握したうえでの解説と、
解説席にも一流が揃っている。

そして、収録に関わっていただいたスタッフの方々。
映像やTV番組には詳しくなく説明できないのがもどかしいが、
20名近くはこの番組の制作にかかわっていたと思われる。
彼ら無しではこの一流の舞台は成しえない。

さて舞台に戻ろう。
今回の主演男優は4人か?
ここが高校野球、甲子園の決勝であれば、勝ったチーム、負けたチームともに主役かもしれない。
試合後には両者ともに大きな拍手を受ける。

この舞台はどうか?
負けた者に温かい拍手はあるか?
勝負の世界に筋書き、台本なんてものは存在しないが、主役は1人に決まる。
残酷にも最後に。
ベテランか若手か、実績があるのかないのか、は何一つ関係ない。
この右腕で勝利を掴んだものが主役だ。

主役は、乱打戦を制した灘か?
主役は、固い守りで投手戦を制した荒か?
主役は、先制、中押し、ダメ押しと理想の試合展開を進めた滝沢か?
主役は、「?」なプレーもあるも、最後は満塁ホームランの福光か?

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決勝の最終戦は、8/20から絶賛放送中。
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