対局番組レポート

天鳳位vs.連盟プロ対抗戦 2nd season 第2節レポート:ケネス徳田

~プロ連盟Aルールの勝ち方とは~

 

『1st.season』では順位点が特徴的、いわゆる天鳳ルールで行われた。今回の『2nd.season』は一発裏ドラ無しのプロ連盟Aルールで行われる。

【プロ連盟Aルール】
・一発裏ドラ無し。カンドラ、カン裏なし。
・赤牌無し
・3万点持ち3万点返し。
・順位点は3万点を基準に浮けばプラス、沈めばマイナス。1人浮き(+12/▲1/▲3/▲8)、2人浮き(+8/+4/▲4/▲8)、3人浮き(+8/+3/+1/▲12)

おそらくほどんどの人はこのルールに馴染みがないと思われるが、やはり天鳳位たちも予想通り苦戦している。
「手役作って高打点目指せばいいんでしょ」と簡単に思う人もいるだろう。しかしそう口で言うほど簡単ではないのがこのルール。むしろ1,000点でもアガリたいのにアガれない局が続く…それがこのルールの怖さでもある。
この日の初戦、6回戦では勝又プロがひたすら我慢を続けさせられる。

 

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東3局、西家・勝又プロが5巡目で

二索三索六索七索七索四筒四筒南南北北西発  ツモ中  ドラ八筒

四筒を外してホンイツに行くも、危険牌の早切が間に合わず就活生@川村軍団さんに放銃してしまう。

 

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東4局、8巡目にテンパイが入る。

一万二万三万七万九万四筒四筒四筒四筒五筒七筒八筒九筒  ツモ九万  ドラ七万

ドラが出てしまうテンパイだがリーチにいった。結果は500・1,000のツモアガリ。たった500・1,000と思うかもしれないが、28,600点持ちというこの得点状況では決して小さくないアガリ。このルールでは原点の30,000点を超えることがまず第一目標なのである。なぜなら30,000点さえ超えていれば順位点はプラスになるからである。確実に浮きを守り、そして浮きが確定している位置からさらに素点を伸ばす。それがこのルールの戦い方なのである。

 

 

~リーチとヤミテンのセオリー~

 

6回戦南1局、11巡目に就活生@川村軍団にテンパイが入る。

 

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就活生@川村軍団さんは打四索でヤミテンに構える。1ハンアップの手替わりが3種類もある上、なかったとしてもピンフのみはヤミテンがこのルールのセオリーである。
同巡、北家・すずめクレイジーさんがリーチをかける。

六万七万八万二索三索四索六索七索八索二筒三筒四筒五筒  ドラ二筒

タンヤオ・ドラ1。打点効率的にはリーチがセオリー。しかもドラ受けならなおのことである。

 

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しかしリーチだからこそ、次巡就活生@川村軍団さんが二筒を掴んで…テンパイを崩した。ピンフのみでのヤミテンの最大のメリットを活かした形である。

 

 

~親番での強さ~

 

打点効率や局収支ベースを考えるのも重要だが、麻雀の基本である「親vs子」を念頭に入れた「親で稼いで子は相手の親番を流す」のがこのルールでのセオリーなのかもしれない。
特にこういった方々に親番をやらせると…

 

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ちょっとでも隙を与えるとたちまち追いつかれて、そして離されてしまう。

 

 

~浮きをさらに伸ばす戦い方~

 

7回戦の就活生@川村軍団さんがこのルールのお手本のような麻雀をみせる

 

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東1局、東家・就活生@川村軍団さんが上記の場面でソーズを落としてホンイツ狙い。*發をポンして5,800を確定させる作戦である。狙い通り2,000オールをアガって連荘。
普通のトップオカあり、順位点が大きいルールだとこの6,000を本能的に守りたくなってしまうもの。だけど就活生@川村軍団さんはこの6,000を武器に親番で攻め続け、6本場7万点近くまで稼ぎ出す。

 

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そして見事なのが親番が落ちても、戦い続けたことである。東3局、ピンフ・ドラ1テンパイ。ヤミテンでも十分だが、五筒八筒待ちが絶好と思いリーチでさらに素点を伸ばす。

 

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また、南3局では

牌の背牌の背牌の背牌の背  チー一索 上向き二索 上向き三索 上向き  ポン発発発  ポン東東東  ドラ八筒

この3フーローの東家・前原に対し

四万四万四索五索二筒三筒四筒五筒五筒五筒  チー六筒 上向き七筒 上向き八筒 上向き  ツモ六索

これで競り勝っている。素点を伸ばすのも大事だが、相手の親番を落とせるときにしっかりと落とすこと、これがこのルールで勝つ一番重要なことである。

 

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 就活生@川村軍団

(9代目天鳳位)

17.6 21.6 5.8 55.6 ▲ 21.5 79.1
2 前原雄大 37.4 8.8 ▲ 19.8 25.2 21.1 72.7
3 勝又健志 31.1 10.9 ▲ 12.3 11.5 41.2
4 瀬戸熊直樹 12.0 ▲ 5.7 ▲ 10.1 22.0 18.2
5 独歩

(3代目天鳳位)

23.1 ▲ 16.5 ▲ 8.7 ▲ 2.1
6 前田直哉 ▲ 7.2 ▲ 21.8 2.4 ▲ 26.6
7 すずめクレイジー

(4代目天鳳位)

▲ 2.0 ▲ 19.1 ▲ 14.1 ▲ 35.2
8 かにマジン

(8代目天鳳位)

▲ 22.4 ▲ 2.4 ▲ 30.4 11.8 ▲ 43.4
9 ASAPIN

(初代・11代目天鳳位)

▲ 24.6 ▲ 37.2 17.8 10.9 ▲ 18.5 ▲ 51.6
10 藤崎智 ▲ 4.5 ▲ 15.0 ▲ 27.1 ▲ 6.7 ▲ 53.3

 

【スケジュール】
第3節  :2月26日(日)
第4節  :3月20日(月)
プレーオフ:4月15日(土)
決勝戦  :5月 4日(木)