対局番組レポート

天鳳位vs.連盟プロ対抗戦 2nd season 第4節レポート:ケネス徳田

~条件戦特有の各々のテーマ~

 

半荘単位の麻雀というのは基本的にトップを目指し、終盤になると現実的な着順を狙いにいくもの。
しかしトータルポイントを競うリーグ戦形式では、その時点でのポイントがその半荘の打ち方を大きく左右する。

たとえばトータル10位の独歩さんはとにかくポイントを大きく伸ばさなくては話にならない。ASAPINさんと藤崎智プロは基本お互いの着順勝負。

逆に、上位3者は今あるポイントを減らさないように、もちろん伸ばせるには越したことはないが、大勝ちよりも確実なプラスを積み重ねることに主眼を置くもの。

難しい立場なのがいわゆる中位陣。最終的に上位4名にはいらなければならず、もちろんポイントの上積みは大事なのだが、その勝負所をどこに定めるかである。早々と勝負に行って大敗してしまうようだと、プレーオフが厳しくなってしまう。とはいえ保留をし続けても…。

~敗退ラインデッドヒート?~

16回戦ではASAPINさんと藤崎プロが同卓。東4局、北家・ASAPINさんが

二万三万一索二索一筒二筒三筒五筒南南  加カン東東東東  ツモ三索  ドラ三筒

テンパイで打ち出した五筒に就活生@川村軍団さんがロン。

 

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7,700のヤミテン。好調者と不調者の差が如実に現れた結果となる。そしてオーラスでもASAPINさんは瀬戸熊プロに5,200のヤミテンに放銃。

 

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ASAPINさんの1人沈み、しかも大きいマイナスを抱えてしまう。

 

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しかし18回戦では藤崎プロも苦難の半荘をむかえる。東1局でタンピンドラ1の先制リーチを打つも、すずめクレイジーさんに3,900の放銃。

四万四万五万六万七万五索六索七索三筒四筒  ポン二索 上向き二索 左向き二索 上向き  ロン二筒  ドラ四万

さらに東3局でもすずめクレイジーさんのヤミテン7,700に放銃。

 

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南3局で1,300・2,600のアガリで多少復活するも、結果は17,500持ちのラス。最終トータル成績は▲67.4Pで終了となる。

 

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~激戦の結果は?~

 

20回戦(予選最終戦)では現状9位(▲85.8P)のASAPINさんと、10位(▲92.4P)の独歩さんが同卓。2人ともただトップを取るだけではなく、最低藤崎プロを超えなければならない。

東3局、独歩さんが4,000オールを決めて持ち点が4万点を超える。

五万六万六万三索三索六筒六筒七筒七筒北北白白  ツモ五万  ドラ白

すると同1本場では全員テンパイの中、ASAPINさんが快心の3,000・6,000。

 

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2人とも様々な映像対局の経験があるだけに、そう簡単には敗退しない。

だがその様々な経験が逆に仇となるのが東4局。

 

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ASAPINさんが上家から出た三筒をチーして三筒3切り…御法度の現物食い替えをやってしまう。

競技麻雀のセオリーとして「一発裏ドラあり→食い替え無し」「一発裏ドラなし→食い替えあり」というのがあるが、その「食い替えあり」を誤って現物食い替えまで想定していたようである。

いずれにせよ現物食い替えはプロ連盟ルールでは即チョンボ、トータルポイント▲20Pのペナルティとなってしまう。

余談だが、他団体に比べるとプロ連盟のチョンボの規定は厳しい。アガリの誤発声に関して、一般的には倒牌していなければアガリ放棄ですむが、プロ連盟では誤発声の段階でチョンボとなってしまう。

また誤副露(誤った仕掛けでの打牌)に関しても、一般的にはアガリ放棄だが、同様にプロ連盟ではチョンボ(発声だけの空ポン、空チーはアガリ放棄)。

最高峰のA1リーグですら年に1~2度はチョンボが発生する。プロ野球選手ですら時にはアウトカウントを間違えて外野席に補給したボールを投げ入れたりする。

人間である以上、ミスは避けられないものである。

 

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これで実質ASAPINさんは役満条件。一方独歩さんはオーラスで現状41,900持ちの1人浮き。となると300・500か1,300のアガリで8位の藤崎プロをかわすことができる。

そこに立ちはだかるのが、東家・前田直哉プロからの先制リーチ。だが同巡、独歩さんがカン二万のチーテンを入れる。

 

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ドラの四万片アガリという非常に苦しい待ちだが、直後リーチの前田プロから四万が出てのアガリ。

五万六万七万八万九万一索一索二索三索四索  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ロン四万  ドラ四万

まさに後がないところからの奇跡のプレーオフ進出を決めた。

 

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これで8名のプレーオフ進出者が決定。

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 勝又健志 31.1 10.9 ▲ 12.3 11.5 7.2 20.3 17.0 18.3 104.0
2 前原雄大 37.4 8.8 ▲ 19.8 25.2 21.1 ▲ 5.6 ▲ 1.3 3.5 69.3
3 就活生@川村軍団
(9代目天鳳位)
17.6 21.6 5.8 55.6 ▲ 21.5 32.7 ▲ 23.5 ▲ 23.0 65.3
4 瀬戸熊直樹 12.0 ▲ 5.7 ▲ 10.1 22.0 ▲ 15.5 5.1 31.0 ▲ 4.7 34.1
5 すずめクレイジー
(4代目天鳳位)
▲ 2.0 ▲ 19.1 ▲ 14.1 ▲ 32.0 22.9 20.5 ▲ 6.2 19.1 ▲ 10.9
6 かにマジン
(8代目天鳳位)
▲ 22.4 ▲ 2.4 ▲ 30.4 11.8 36.8 ▲ 16.8 5.3 6.1 ▲ 12.0
7 前田直哉 ▲ 7.2 ▲ 21.8 2.4 15.0 26.6 ▲ 20.2 ▲ 4.7 ▲ 19.7 ▲ 29.6
8 独歩
(3代目天鳳位)
23.1 ▲ 16.5 ▲ 8.7 ▲ 59.0 ▲ 8.1 ▲ 24.4 1.2 26.9 ▲ 65.5
9 藤崎智 ▲ 4.5 ▲ 15.0 ▲ 27.1 ▲ 6.7 13.5 ▲ 9.2 2.1 ▲ 20.5 ▲ 67.4
10 ASAPIN
(初代・11代目天鳳位)
▲ 24.6 ▲ 37.2 17.8 10.9 ▲ 18.5 5.7 ▲ 39.9 ▲ 2.5 ▲ 108.3

 

プレーオフは各自半荘2戦。上位3者も決して安泰とはいえる成績ではない。果たして下剋上は成り立つのか!?

 

【スケジュール】
プレーオフ:4月15日(土)
決勝戦  :5月 4日(木)