四国プロリーグ レポート

第5期 四国プロリーグ海皇位戦 第2節レポート

1980年、宮内こずえは愛媛県松山市で生を受けた。

男の子と木に登ったり、ドッジボールなどで体を動かしたりするのが大好きな、活発な女の子だった。

中学生のとき、男友達の家で麻雀と出会い、ゲームを買って独学でルールをおぼえた。

お花屋さん、漫画家、女優…。なりたいものはたくさんあったが、最終的に選んだのは「麻雀プロ」だった。

新人時代から順調にキャリアを重ね、付けられた二つ名は〝純白の牌奏者〟。二階堂姉妹、和泉由希子らと並んで「連盟女流四天王」とも呼ばれ、2015〜16年には女流桜花・プロクイーンを2冠同時に獲得した。2021年の麻雀最強戦では、オーラス1本場まで、いや、瀬戸熊直樹が裏ドラをめくるまで「最強位」を手中にしていたのは、未だ記憶に新しいところだろう。

2022年、そんな宮内に四国支部長就任のオファーが舞い込んだ。「自分の生まれ育った場所には『愛』しかありません」という彼女に、断る選択肢はなかった。

そして、四国プロリーグ5期目となる今シーズン、ついに宮内の参戦が実現した。所属団体リーグ戦&タイトル戦、他団体交流戦、チーム戦、各種放送対局…という過密日程の合間を縫って移動しなければならないため、コンディションを整えるだけでも至難の業。東京での試合にも少なからず影響は出るはずだが、もちろん覚悟の上である。

「初代海皇位は、私が獲るーー」

〈Aリーグ〉

【高知1卓】
宮内こずえ×福島清子×松本京也×櫛橋孝平

初戦は櫛橋の一人浮き。

宮内は4着からのスタートとなったが、2回戦に超弩級のダブリーが入る。

東3局
二索二索二索三索三索四索四索七索八索九索東東東  ドラ東

さらに中盤、4つ目の東を引いて暗槓。ド高めの三索四索ツモで数え役満だが…追っかけリーチの松本にかわされ、成らず。嫌なイメージが頭をよぎる。

しかし、切り替えて攻め、初トップ。三者が横並び一線に。

ここから、宮内劇場が始まる。

東4局1本場
一万二万一索二索三索四索四索六索七索八索一筒二筒三筒  リーチ  ロン三万(松本→7700+300)

東4局2本場
一万一万二万三万四万四万五万六万二索三索四索二筒四筒  ツモ三筒
ダマテン(3900ALL+600)

東4局3本場
二万四万四万四万四万五万六万  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン東東東  ロン二万(櫛橋→12000+900)

ドラ無しながら、怒涛の高打点3連荘で、持ち点は一時6万点を超えた。

ラス前、瀕死の松本が逆襲の和了り!

東東東南  ポン北北北  チー七筒 上向き八筒 上向き九筒 上向き  ポン西西西  ツモ南(8000・16000)

オーラスは無風で宮内がトップ。最終4回戦も5万点オーバーの危なげない展開で見事3連勝を飾った。

【愛媛1卓】
西村和貴×根越英斗×久保隆徳×中岡博一

暫定2位の久保が好調の滑り出しを見せたが、勢いに乗って前に出たところを根越につかまり、2回戦はラス。最終的には好位置をキープしている。

西村・中岡は終始苦しい展開。経験値から弾き出される戦略がうまくハマった根越が、卓内トップとなった。

【愛媛2卓】
和田健一×鵜野健一×長尾浩平×平石洋輔

1回戦オーラス、下記の並び。

東家/平石 28400
南家/和田 30500
西家/鵜野 30600
北家/長尾 30500

鵜野・長尾が早々に仕掛けている状況で、平石の手牌↓

南4局 ドラ三索

四万五万六万七万七万三索七索九索一筒二筒三筒六筒七筒八筒

圧力をかけたいところだが、我慢の打九索。2巡後にドラ三索を引き、シャンポンリーチに。終盤、七万をツモって会心の3900オール。

この局が引き金となり、続く2回戦を一人浮きで連勝。第2節を全連対で終え、早くも開幕戦の負債を7割以上返済した。もはや〝全員抜き〟の視界は開けたか。

【愛媛3卓】
長山朔弥×渡邊亮×宗雪靖弘×大伴翔太

攻撃型の長山・渡邊、守備型の宗雪・大伴という構図の対戦となった同卓は、かわし手が制する場面が多く、後者2人に軍配が上がった。

勝ち頭は大伴。若手ながら、周囲の評価はかなり高い。

宗雪も大きな放銃をすることなく、本手で得た点棒を守ってプラス終了。

ポイントを少し減らした渡邊だが、暫定首位はキープ。

長山はマイナスを3桁に乗せてしまったが、「2年に1回のペースで天和・地和を和了る豪運の持ち主」と語る爆発力に期待したい。

Aリーグ

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節
1 渡邊亮 70.0 77.8 ▲7.8
2 久保隆徳 66.7 63.5 3.2
3 宮内こずえ 57.1 57.1
4 濱田将司 51.4 51.4
5 宗雪靖弘 49.9 33.9 16.0
6 長尾浩平 33.7 19.5 14.2
7 松本京也 21.4 1.1 20.3
8 大伴翔太 16.2 ▲14.1 30.3
9 西村和貴 12.3 34.8 ▲22.5
10 中岡博一 ▲4.6 11.0 ▲15.6
11 平石洋輔 ▲20.6 ▲78.1 57.5
12 根越英斗 ▲21.6 ▲55.5 33.9
13 和田健一 ▲46.1 26.3 ▲72.4
14 鵜野健一 ▲48.6 ▲49.3 0.7
15 福島清子 ▲60.9 ▲9.2 ▲51.7
16 櫛橋孝平 ▲88.9 ▲63.2 ▲25.7
17 長山朔弥 ▲110.4 ▲71.9 ▲38.5

 

〈Bリーグ〉

【高知1卓】
高橋亮輔×畑谷翔大×中原進二×太田涼聖×山宮雅之

特筆すべきは4回戦。親の山宮が、何と〝12本場〟まで積み上げる大連荘!!

山宮「親で0本場から12本場まで連荘したのは初めてで、途中緊張で指が震えましたが、しっかり呼吸して普段通り打つことを心がけました。12本場の局で10巡目に平和・ドラ2をリーチしたのですが、5800+3600点と考えると、ダマテンが良かったかもしれません」

同試合の最終持ち点は93300点。同卓者には、2試合にも3試合にも感じる長い時間だっただろう。

暴風を巻き起こした山宮は+99.9Pを荒稼ぎし、下位から昇級が狙える位置までジャンプアップした。

【高知3卓】
永田泰志×小松翔一×宮本義章×村瀬寛哉×堀部雄太

今期デビューの宮本が、1・2回戦の連勝で+50Pオーバーと圧倒していたが、3回戦で痛恨の一人沈み…。大きくポイントを吐き出してしまう。

入れ替わりで波に乗ったのは、2年目の村瀬。

とくに最終戦は判断が冴え渡った。

東3局 ドラ八索

六万七万八万二索三索四索五索六索七索八索九索一筒一筒  ロン一索
ダマテン(7700)

南1局 ドラ八索

二万三万四万四万五万六万四索四索五索六索七索七索八索  リーチ  ツモ六索(2000・4000)

南4局 ドラ四万

三万四万五索五索七索八索九索六筒七筒八筒南南南  リーチ  ツモ二万(3900ALL)

この試合を5万点オーバーで終えた村瀬。あと少しで昇級が手の届くポジションに着けた。

【愛媛3卓(第4節分)/別日対局】
水都まりん×宮本義章×村瀬寛哉×楠木一朗

開幕戦で上々の出だしを切った水都が、3連勝(2着1回)と猛威をふるって大きく飛び抜けた形に。

全5節のBリーグ。A昇級へのカウントダウンが始まった。

Bリーグ

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節
1 水都まりん 133.8 50.3 83.5
2 川奥修二 90.6 39.5 51.1
3 村瀬寛哉 74.1 36.8 6.2 31.1
4 山宮雅之 66.1 ▲33.8 99.9
5 中原進二 59.0 27.0 32.0
6 畑谷翔大 14.4 9.4 5.0
7 堀部雄太 0.1 9.0 ▲8.9
8 川合克久 ▲1.5 ▲1.5
9 永田泰志 ▲6.7 ▲6.7
10 宮本義章 ▲10.3 20.8 ▲35.4 4.3
11 小松翔一 ▲11.8 8.0 ▲19.8
12 高橋亮輔 ▲29.7 26.1 ▲55.8
13 渡邉博之 ▲31.2 ▲70.9 39.7
14 山田陽斗 ▲67.7 ▲30.3 ▲37.4
15 太田涼聖 ▲108.6 ▲26.5 ▲82.1
16 楠木一朗 ▲143.2 ▲35.5 ▲53.4 ▲54.3

 

(文・松本京也)