四国プロリーグ レポート

第5期 四国プロリーグ海皇位戦 第3節レポート

今年も夏のプロテストの時期が近付いてきた。

プロテストには、個人的にたくさんの思い出がある。

私は二度目のプロ活動のあと10年近く休会し、麻雀教室の講師をはじめ、アマチュア麻雀大会の主催者として50人近くのプロ業界入りに関わってきたのだが、実は自分自身4回も受験している。

1回目は24歳。他団体のプロテストを雑誌の一企画として受けたのだが、見事に不合格。筆記は好感触だったが、実技4回戦で▲100以上負けてしまった。

終了後、ツンツンにアタマを尖らせたヤツと話をしながら帰ったのだが、「最悪や! なんでこんな日に…」と大負けしてボヤいていた。彼はその数年後にマスターズを獲った。

2回目は半年後。今度こそと、しっかり準備して連盟のプロテストを受けた…はずだったが、まさかの当日40度の高熱(※)。ヘッドレスのリャンメンリャンメンでリーチしてしまい、試験官の伊藤優孝先生に「×」を付けられてしまった。
※30年前の自分に、「熱で辞退」という常識はありませんでした(すみません)

しかし、筆記が高得点で〝研修付き〟合格に。半年間、先輩方にご指導いただいて、念願のプロデビュー。同期には、新人ながらスター候補の二階堂亜樹や河野高志(現RMU/アマ時代にマスターズ連覇)らがいて、キラキラと輝いて見えた。

3回目は34歳。有名プロの活躍により、志望者が激増し始めた頃である。書類審査の通過者だけで90名近くが会場にひしめき合っていた。運良く実技の決勝卓4名に残れたが、越野智紀に跳満をツモられて1位通過を逃した。対面の学生っぽい子が悔しそうな顔をして河を見つめていたのが印象に残った。彼こそ、のちに鳳凰位を連覇する白鳥翔である。

4回目は47歳。四国支部設立を機に再審査を受け、東京本部所属プロとして復会が認められることになった(のちに四国支部へ移籍)。

私はやむを得ない事情でプロ活動を二度も頓挫してしまったが、少しずつ成長しながら、ひたすら麻雀道を歩んだ同期の仲間たちは、多くの者が華やかな舞台を一度や二度は経験し、何人かは堂々とタイトルを手にした。

間違いなく言えるのは、もしもプロになっていなければ、自分の人生を豊かにしてくれた「麻雀」の深淵を覗き込むことはできなかったし、愛すべき麻雀バカたちとの出会いもなかったということだ。

そんな世界に興味がある方は、こちらからプロテストの概要をご覧いただきたい。

さて、本題のリーグ戦。全10節のAリーグはまだまだ序盤戦だが、全5節のBリーグはすでに佳境とも言える段階に入った。

〈Aリーグ〉

【高知1卓】

久保隆徳×宮内こずえ×濱田将司×宗雪靖弘

暫定2位から一気に首位を狙いたい久保は、初戦のトップで波に乗るかと思いきや、2〜4回戦でポイントを大きく失い暫定6位へと後退。

1節未消化ながら、代わって暫定2位に踊り出たのは、高知出身プロのなかでも評価の高い濱田。渾身の1局として彼が挙げたのは、トップを獲った試合ではなく、1試合目のオーラスに浮きの3着に滑り込んだシーンだった。

南4局 ドラ五筒 5巡目

五万一索三索三索五索五索六索二筒二筒三筒四筒四筒五筒

ここから、
6巡目 五筒チー→打五万
7巡目 六索→ツモ切り
8巡目 三筒→打一万
11巡目 七索→打三索
13巡目 四索ロン

最終形
三索五索五索六索七索二筒二筒三筒四筒五筒  チー五筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ロン四索

久保から3,900点の和了で、プラスでスタートを切ることができた。

「自分から四筒が4枚見えていたので、ドラ色だが筒子が鳴きやすいと思っていた。それよりも、索子をどうすれば鳴きやすく、和了りやすくするかを考えて手牌進行した。最終手出しの三索二索五索待ちを意識させることができたのが和了りに繋がったと思う」(濱田)

1回戦で痛恨の一人沈みを喫した宗雪は、「手変わりが多く、リーチ判断に迷う手が多く難しかった」と振り返るが、何とかプラスで乗り切ることに成功した。

2節目を迎えた宮内支部長は、勝負手が和了れず、耐える一日となった。

【愛媛1卓】

松本京也×大伴翔太×西村和貴×平石洋輔

〝香川のプリンス〟大伴がキレのある麻雀を見せて見事3勝。暫定4位に浮上した。

しかし、同卓のハイライトは西村のこの和了り

3回戦 南4局 ドラ八筒

配牌

三万四万五万七万七万南南白白発発中中

最終系

三万四万五万南南南白白発発中中中  ツモ発

ラス目で迎えた親番6巡目、12,000オールで一発大逆転!!

現王者・平石は〝らしさ〟を垣間見せた場面もあったが、後塵を排する展開に苦しんだ。

【愛媛2卓】

渡邊亮×根越英斗×鵜野健一×福島清子

〝セピア渡邊〟が順調にポイントを積み上げて暫定首位をキープ。

福島は今期初のプラスで降級圏から脱出した。

今節最も苦しんだのは、ベテランの根越。関西本部とリーグ戦をWエントリーしている努力家だが、帰りは相当キツい長距離移動となったことだろう。まだ7節あるというのが唯一の救いか。

Aリーグ

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節
1 渡邊亮 118.6 77.8 ▲7.8 48.6
2 濱田将司 114.0 51.4 62.6
3 宗雪靖弘 52.9 33.9 16.0 3.0
4 大伴翔太 49.1 ▲14.1 30.3 32.9
5 長尾浩平 33.7 19.5 14.2
6 久保隆徳 31.5 63.5 3.2 ▲35.2
7 西村和貴 29.7 34.8 ▲22.5 17.4
8 宮内こずえ 26.7 57.1 ▲30.4
9 中岡博一 ▲4.6 11.0 ▲15.6
10 松本京也 ▲9.0 1.1 20.3 ▲30.4
11 福島清子 ▲28.1 ▲9.2 ▲51.7 32.8
12 鵜野健一 ▲36.3 ▲49.3 0.7 12.3
13 平石洋輔 ▲40.4 ▲78.1 57.5 ▲19.8
14 和田健一 ▲46.1 26.3 ▲72.4
15 櫛橋孝平 ▲88.9 ▲63.2 ▲25.7
16 長山朔弥 ▲110.4 ▲71.9 ▲38.5
17 根越英斗 ▲116.3 ▲55.5 33.9 ▲94.7

 

〈Bリーグ〉

【愛媛1卓】

川奥修二×村瀬寛哉×中原進二×永田泰志×山田陽斗

川奥が3節平均40Pを上回る好調ぶりで昇級ポジションを譲る気配なし。

「暫定3位・村瀬プロと暫定5位・中原プロとの直接対決。できれば2人を沈めつつ、自らはプラスを積み上げるのが目標でしたが、展開に恵まれて良い結果になりました」(川奥)

【愛媛2卓】

水都まりん×堀部雄太×高橋亮輔×渡邉博之×太田涼聖

2節を終えて▲100を超えていた太田が気を吐き、改心の巻き返し!

「今節は卓内トップ&大量ポイント獲得というテーマで、放銃による失点を抑え、勝負手は和了りを全力で目指しました」(太田)

大学生でプロになった彼は、これから多くの苦難に立ち向かうことになると思うが、それ以上の喜びが得られることを願ってやまない。

初のマイナスを喫した暫定首位の水都には珍しい出来事が…。最終戦、1副露の清老頭に放銃して首位陥落かと思いきや、すぐに国士無双を和了ってV字回復。これもスター属性の為せる業か?

【愛媛3卓】

山宮雅之×畑谷翔大×川合克久×小松翔一×宮本義章

Aリーグ昇級のため、大きくポイントを稼ぎたい宮本は、3戦目を終えた時点で上位を狙える位置まで伸ばしたが、4戦目のラスで失速…。2勝して勝ち頭にはなったものの、素直には喜べない結果と言えるだろう。

第3節までオールプラスを達成した畑谷は、先日行われた「第2期 昇龍戦」で、堀部とともにベスト8まで躍進した有望株。残り2節もプラスでまとめられれば、最後に大差しもあるかもしれない。

次節のBリーグは熱戦必至だ。

Bリーグ

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節
1 水都まりん 154.2 50.3 83.5 35.4 ▲15.0
2 川奥修二 123.1 39.5 51.1 32.5
3 村瀬寛哉 71.0 36.8 6.2 31.1 ▲3.1
4 山宮雅之 51.0 ▲33.8 99.9 ▲15.1
5 畑谷翔大 29.4 9.4 5.0 15.0
6 高橋亮輔 11.6 26.1 ▲55.8 41.3
7 永田泰志 8.3 ▲6.7 ▲0.7 15.7
8 中原進二 7.4 27.0 32.0 ▲51.6
9 宮本義章 7.1 20.8 ▲35.4 4.3 17.4
10 川合克久 ▲8.9 ▲1.5 0.9 ▲8.3
11 小松翔一 ▲21.8 8.0 ▲19.8 ▲10.0
12 太田涼聖 ▲38.0 ▲26.5 ▲82.1 70.6
13 堀部雄太 ▲51.2 9.0 ▲8.9 ▲51.3
14 山田陽斗 ▲61.2 ▲30.3 ▲37.4 6.5
15 渡邉博之 ▲76.8 ▲70.9 39.7 ▲45.6
16 楠木一朗 ▲178.8 ▲35.5 ▲53.4 ▲54.3 ▲35.6

(文・松本京也)