十段戦 決勝観戦記

第36期十段戦決勝 二日目観戦記 猿川 真寿

初日終了時
伊藤+32.4P 内川+7.1P 杉浦+2.2P 沢崎▲20.2P 藤崎▲21.5P

初日、伊藤は首位で終わったものの、3回戦までは番手と50Pの差があったところから、4回戦終了時には約25ポイント差となった。この結果を本人はどう捉えているだろうか?

4回打てば1回ぐらいきつい半荘もあると思っているか?
初日の調子ならもっと稼がなければダメと思っているか?
最終日が終わったときに伊藤に聞いてみようと思っている。

いつでも聞けるが、思ったことを言葉に出すと責任が生まれる。麻雀に限ったことではないが、勝負師は繊細かつ大胆だと思っているので、なんとなく勝負のアヤをつけたくないなと私は思ってしまう。
そんなことを考えながら2日目を迎えた。

 

100

 

5回戦(親から内川、杉浦、藤崎、沢崎、抜け番伊藤)

トータルトップ目の伊藤が抜け番。個々のポイントを増やしたい半荘だ。
藤崎、沢崎としては伊藤との差は50ポイントぐらいで、半荘1回でも捲れる点差ではあるが、他者もいる勝負であるとともに優勝ポイントを想定するとこれ以上の失点はかなり苦しくなると言えるだろう。

内川の1,300オールで2日目はスタートした。
内川も選択の部分で杉浦に放銃してもおかしくないところと、藤崎のドラカンを潜り抜けてのアガリなので打点以上の価値はありそうだ。
1本場は杉浦がピンフを内川からアガる。

東2局。内川に6巡目テンパイが入るが、手役を狙ってテンパイはずしから、ピンフ三色テンパイに。
打点バランス的にリーチにいくと思ったが、ヤミテンを選択し藤崎から高めでアガる。

四万五万六万四索五索六索七索八索九索一筒一筒五筒六筒  ロン四筒  ドラ発

初日、かなり攻撃型に打っていた印象があったので少し意外だった。
伊藤がいればリーチの選択もあったのかも知れない。この半荘はとにかく浮きで伊藤にプレッシャーをかけたいというところか。
次局も七対子で沢崎から討ち取り、藤崎の勝負手をかわす。

南1局。7巡目に藤崎の珍しい仕掛け。

三万三万五万六万二索三索四索四索五索七筒八筒南南  ポン三万  ドラ四索

ここまでドラはよく手に入っているが、アガリまで結びついてないことからの仕掛けだと思うが、この牌姿で南六筒以外から仕掛けるのはなかなか勇気がいる。
アガリだけを目指すなら打南になりそうだが、藤崎は七筒八筒落とし。
自身の守備力と、相手に南を切らせて楽にさせないということだろう。

これを仕掛けた意味は、トップ目の内川が親ということも大きいだろうか。
アガれればラッキー、テンパイでも成功、流局でも内川が加点できなければ悪くない。ぐらいかと私なら考えてしまう。
この局面においては、藤崎の思考もほとんど一緒だったと思う。

この仕掛けで、内川、杉浦はかなり受けにまわされる。しかしなんとかテンパイ一番のりした杉浦だったが、打点もないため結局オリに。
この仕掛けが藤崎でなければ、二人の対応も全然違っていたかも知れない。

ここに対人ゲームの面白さがあると思う。
結果は、沢崎は終盤ドラをひいてリーチからの1人テンパイで流局。

南2局。4者とも配牌はまとまっているが、沢崎だけ少し遅そうな感じがある。
3巡目に内川がテンパイ。

二万三万四万四万一索一索二索三索四索七索八索九索七筒  ツモ一万  ドラ六筒

ここは一通とドラ引きをみて、打一索のテンパイとらず。
三万二万が1枚ずつ見えていなければ マンズのくっつきは優秀そうなのでとりあえずの仮テンもあったか。
次巡七筒を引くが同じ理由でツモ切り。
この時点で沢崎以外は1シャンテン。沢崎は七対子2シャンテンのメンツ手3シャンテン。
6巡目、杉浦が1シャンテンから1シャンテンの2枚目の白ポン。ピンズの形がまとまればいいか。

七万八万九万五索六索二筒三筒四筒四筒六筒北白白  ポン白  打北

この鳴きで内川が理想的な六筒ツモでリーチ。杉浦もツモ四索でドラ単騎テンパイに。
山には五筒八筒4枚、六筒1枚。藤崎はオリに。
9巡目にラス牌のドラが沢崎にいき内川は大チャンスに。

六万七万七万八万九索二筒三筒三筒五筒七筒南中中  ツモ六筒  打二筒

12巡目、杉浦も内川のアガリ牌の五筒を引き三筒六筒待ちに。ただ三筒もなく山にアガリ牌はない。逆に八筒が止まりづらくなったか。
14巡目に沢崎がまわりながらもテンパイしリーチ。

五万六万七万七万八万九万三筒三筒五筒六筒七筒中中

中は山に2枚。いい勝負か。同巡杉浦のツモは八筒

七万八万九万四索五索六索三筒四筒五筒六筒八筒  ポン白白白

現物は四索のみ。ツモは残り2回。
杉浦の選択はワンチャンスの三筒で沢崎のアガリとなった。残りの山の数と2人のアガリ牌から考えると、流局の確率は低く決着はつきそうな感じはする。杉浦も放銃にはなったが、どちらにツモられたとしても2,600以上の失点なので、数字的には同じといえる。ただ内川としては中が山に2枚残っていることは知らないので、少し嫌な感じは受け取っただろう。

 

100

 

南3局。七巡目に沢崎がオタ風の西をポン。 藤崎は絶好の七筒ツモ。

二万三万六万七万三索四索五索六索七索六筒八筒九筒九筒  ツモ七筒  ドラ一万

下家の沢崎は明らかにホンイツの捨て牌。ケアするなら三索切りもあるか。
三色になるには2種限定でドラが一万ということもあり、二万三万は沢崎のキー牌になりそうでマンズ落としは六万七万か。
と思っていたが、藤崎はノータイムで打三万。ここを勝負どころとふんだか。
これを沢崎がチーして1シャンテンに。

一万二万三万五万八万北北  チー三万 左向き一万 上向き二万 上向き  ポン西西西

10巡目に藤崎のテンパイ牌の五万を食い取り沢崎がテンパイ。
中々テンパイの入らない藤崎も、五筒五筒と引きタンピン三色の1シャンテンに。
15巡目に安めの二索を引きヤミテンにしたが、次巡ツモ四万でテンパイがばれているのでツモ切りリーチ。
山には五万北が1枚ずつ。かなり受けぎみに打っていた内川に、五万四万も通ったこともありテンパイでおいつく。

三万四万四万五万五万六万七万八万四筒六筒白白白  ツモ五万  打四万

次巡五筒で700・1,300のアガリに。
藤崎はかなり苦しく、内川にとっては大きなアガリとなった。

南4局は藤崎が七対子ドラドラをリーチするが、内川が沢崎からタンヤオ三色の5,200をアガリ1人浮きになり伊藤を0.1ポイント捲って首位に。

5回戦成績
内川+25.4P 沢崎▲2.9P 杉浦▲5.0P 藤崎▲17.5P

5回戦終了時
内川+32.5P 伊藤+32.4P 杉浦▲2.8P 沢崎▲23.1P 藤崎▲39.0P

 

 

6回戦(親から沢崎、藤崎、内川、伊藤、抜け番杉浦)

ここまでで抜け番が全員1回ずつ終わって、4者の戦いになるまで半分が経過した。 理論上、公式ルールは1半荘で50Pぐらいは変動するとはいえ、実戦的には優勝に60以上離れている沢崎、藤崎はかなり厳しいと思える。

ここまで、伊藤、沢崎はリーグ戦と同じようなスタンスで戦ってきていると思う。藤崎は4回戦はかなり相手(上位者)のやりにくいに方にシフトチェンジしてきた感じがする。
1人敗退まであと5回。

東1局、7巡目沢崎がピンフテンパイ。

四万五万六万一索二索三索五索五索七索八索二筒三筒四筒  ドラ北

ヤミテンを選択したが、内川、伊藤の手出しをみてか次巡ツモ切りリーチ。
3者の捨て牌的には、割りと六索九索はヤミテンなら拾えそうなのと、変則手模様なのでドラも考えると今後の勝負どころと捉えたのかも知れない。

結果うまくいき、1人テンパイで流局。
この局を足場に加点したいところだろう。

1本場、沢崎の手はかなり遅そうだったが、終盤テンパイするも、藤崎がツモ七対子ドラ2をアガる。
道中、メンツ手に進めそうなところをトイツ手に決めうち。藤崎は七対子が多いタイプだとは思うが、受けの七対子はあるがドラドラのときはメンツ手に向かうときのほうが多いタイプだと私は思っている。
初日、2日目と厳しい戦いを強いられているからの対策なのだろうか。

 

100

 

東2局、藤崎が高めをツモり4,000オールで突き放す。

七索八索九索九索  ポン西西西  ポン白白白  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ツモ九索  ドラ五筒

現状のポイントを考えると、さらに加点したい藤崎だったが、内川のリーチに果敢に押し返すも、内川の500・1,000のアガリで局が進む。

東3局。内川がピンフテンパイ。
9巡目に沢崎も追いつく。

五万六万七万三索三索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  ドラ六筒

ここは八索が2枚切れだからかヤミテンを選択。ただ沢崎の雀風を考えると、どこかでツモ切りリーチがありそうだ。
内川が五索をツモり二索と入れ替え、高めイーペーコーのリーチに。

二万三万四万三索四索四索五索五索七索八索九索西西

枚数的には互角だった。この局は内川の六索のツモアガリに。沢崎はこの決勝かなり厳しい。うまく凌いではいるが、高打点のアガリがなかなか出ない。

1本場は藤崎が内川から3,900のアガリ。

一万二万二万三万三万四万五万六万七万八万九万四索四索  ロン四万  ドラ五索

ヤミテンはいかにも藤崎らしいが、一万が山にありそうだったので少し勿体なくも思えた。ただ、アガリ逃しのほうを嫌ったということだろう。
このアガリで2着目とも点差を大きく離した。

東4局、各者打点はあるが手牌は重い。
テンパイ一番手は伊藤。
14巡目にリーチ。

三万四万五万三索三索五索六索四筒四筒四筒八筒八筒八筒  ドラ七索

四索は3枚切れだが親ということもあり、七索を引きアガッたときの打点からもリーチが普通だろう。
七索は山に1枚だが初日の感じだとアガれそうに思えるから不思議である。

次巡のツモが八索

これを沢崎が鳴くかと思われたがここは動かない。巡目と二索五索の切りにくさからチーが普通か。一索が通っていて四索はワンチャンス、放銃を避けた。

二万三万四万二索二索四索五索五索五索六索七索六筒七筒

最後のドラは沢崎の手に、二索は今通っているがここは中筋の五索切り。四索が自身からすべて見えているのでほとんど通る。
テンパイチャンスのなくなった藤崎からの二索をポンしてテンパイ。
ハイテイは伊藤に。ハイテイ牌はカンの出来ない八筒
なんと沢崎の7,700のアガリに。
全員のトータルポイントが一気に縮まった。
南1局、2局と小さく点棒が動き、南3局。 伊藤、内川のテンパイをかわし、藤崎が2,000・3,900のアガリで大トップに。

五万六万七万八万一筒二筒三筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ五万  ドラ五万

このアガリで藤崎が伊藤にトータルポイントを約2.0Pまで詰め寄り内川とも20P弱に。
伊藤も南4局、沢崎から5,800をアガリ2着まで5,500点差の位置に。
1本場、内川が9巡目にリーチ。

三万四万五万一索二索三索五索五索二筒三筒四筒五筒六筒  ドラ五索

これをアガれば浮きになり、伊藤ともかなりポイントを離すことができるが、ここは沢崎が追いつき、1,000・2,000のアガリ。

 

100

 

6回戦成績
藤崎+40.5P 沢崎▲6.2P 内川▲11.9P 伊藤▲22.4P

6回戦終了時
内川+20.6P 伊藤+10.0P 藤崎+1.5P 杉浦▲2.8P 沢崎▲29.3P

 

 

7回戦(親から内川、杉浦、藤崎、伊藤 抜け番沢崎)

伊藤は抜け番を挟んでの連続4着でこの辺でなんとかしたいところ。
藤崎は前回のトップでプラスになり、もう1回トップをとれれば、一気に暫定首位までいきそうだ。
内川、杉浦はトップはあまりないが、うまくポイントをまとめている印象。
沢崎は今回抜け番なので、出来るだけポイントが動かないほうが望ましいだろう。

東1局ドラドラの伊藤がくっつき1シャンテン。ドラを引きテンパイ。

四万五万六万七万三索五筒五筒五筒六筒七筒八筒南南  ツモ南  ドラ南

ピンズにくっつけば好形になるが三筒は切っている。マンズの四万七万は場に見えてないが、周りの牌は適度に切れているので四万七万待ちでリーチに。
杉浦が一万四万七万で追いつくが、伊藤が四万をツモで2,000・4,000。大きなアガリに。
東3局1本場。2,400を内川からアガッた藤崎がダブ東を仕掛けてから早々にテンパイ。

六万七万八万一筒二筒三筒九筒九筒発発  ポン東東東  ドラ中

11巡目に伊藤も高めの六万を引きリーチ。

四万五万六万一索一索四索五索六索四筒五筒六筒七筒八筒

九筒は山に2枚いるが、発は杉浦が持っているので伊藤の放銃はない。
藤崎ここはかなり押し返しそうな状況に思える。勝負の行方は。
藤崎はしばらく押し返していたが、2枚目の無筋でオリに。
伊藤のアガリ牌も山には残っていたが、ツモれず1人テンパイで流局。
藤崎をオロしたことと、1人浮きになったので嬉しくはないがまずまずというところか。
東4局2本場。伊藤が7巡目にヤミテン。

一万一万二万二万三万三万五索六索七筒八筒九筒中中  ドラ一万

杉浦の四索が直前に切られていて、3者ともに放銃してもおかしくない状況だったが、まず追い付いたのは藤崎。

一索一索一索二索六索七索八索二筒三筒四筒四筒五筒六筒

このリーチを打ったということは、伊藤のテンパイに気づいていない。
藤崎の捨て牌の一打目に四索がある。伊藤のチャンスが広がったと思われたが、伊藤は一発目二発目とツモは危険牌。
ツモ切りになったが、他者には1シャンテンの可能性もあるが、テンパイのほうが濃厚にうつっただろう。
終盤になり待ちは山に2枚ずつどちらが勝つかと思ったが、終局間際、まわりながらテンパイした杉浦の北単騎が一番早かった。掴んだのは藤崎。

一万二万三万七万八万九万北  チー五索 左向き三索 上向き四索 上向き  ポン西西西

藤崎がリーチを打たなければ、杉浦はマンズのホンイツだったので伊藤に四索を放銃していただろう。藤崎は放銃したものの助かったという感じだろうか。
南1局、杉浦がうまく3フーロできてチンイツの六万九万待ち。
山には6枚残りでさすがにアガリそうだと思ったが、三色は崩れたものの藤崎がピンフツモドラ1のアガリ。
さすが決勝というところか、なかなか簡単にアガリがつかない。不思議なものである。

 

100

 

南2局は伊藤の1人テンパイ。
点差を広げる。オーラス親番ということも考えると浮きは確保できそうだ。もちろんこのまま1人浮きが理想だろうが。

南3局、早々に藤崎がドラドラの1シャンテンになるが、テンパイが入らず。伊藤が少し遠いホンイツの仕掛けでうまくまとまり、500・1000のアガリに。1人浮きでオーラスを迎える。
こうなるとさらに加点したいところだったが、藤崎の6巡目リーチに伊藤が1,300の放銃で1人浮きで終了。
伊藤としては4着が続いていたところを大きなトップで捲りかえして、少し安心したところではないか。

7回戦成績
伊藤+25.3P 藤崎▲3.3P 杉浦▲6.9P 内川▲15.1P

7回戦終了時
伊藤+35.3P 内川+5.5P 藤崎▲1.8P 杉浦▲9.7P 沢崎▲29.2P

 

 

8回戦(親から杉浦、藤崎、伊藤、沢崎抜け番内川)

10回戦終了時に1人敗退になる。
今のところ伊藤を含め全員に可能性はあるが、伊藤以外は接戦のため少しでもマイナスを増やしたくないところだ。
特に藤崎は10回戦が抜け番のため8、9回戦でトータル4着以下にいるとポイントを合わせられる可能性があるので、悪くても現状維持ぐらいにしたいところだろう。

東1局は藤崎の1人テンパイで静かな立ちあがり。
東2局、加点したい藤崎は15巡目、沢崎のリーチに追っかけリーチ

四万四万七万八万九万一索二索三索四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ一索

絶好のテンパイに見えたが、山にはない。一方沢崎の待ちは残り2巡にも関わらず山に5枚。流局になるかと思われたが、藤崎、最後のツモは沢崎のアガリ牌の四索。失点はたいしたことないが、親番が維持できなかったのは痛い。

二索三索六索六索六索一筒二筒三筒四筒五筒六筒北北  ロン四索

東3局、全員ノーテンで流局。
今回の決勝では初めての重たい展開。抜け出すのは誰なのか。

東4局、沢崎にドラドラ。白が鳴ければ5,800のアガリはかなり近いように感じたが、藤崎、伊藤に握りつぶされる結果に。
1シャンテンまで早かったが、そのあとは自力では引けずノーテン。杉浦が終局間際テンパイして1人テンパイで流局。

南1局、伊藤が6巡目にリーチ。均衡を破れるか。

三万四万四万五万六万三索四索四索五索五索六索発発  ドラ三索

藤崎も次巡リーチで追いかける。

一万二万三万四万五万七索七索二筒二筒二筒五筒六筒七筒

伊藤から1,300のアガリ。まだ点差もなく誰でもひとアガリでトップになれる。
この半荘トップを取れた者はかなり優勝争いに絡む気がした。誰でも手が入ってアガれるときはトップがとれる。持論だが展開トップがとれるかとれないかが優勝に大きく関係すると思っているからだ。
沢崎が仕掛けると、すぐに九筒を引いてテンパイで先手をとる。ドラ表示牌待ちなので少し苦しいか。

一万一万二筒四筒四筒五筒六筒九筒九筒九筒  ポン南南南  ドラ四筒

残り3者も、形は悪くない1シャンテンだが、なかなかテンパイにならない。
12巡目にやっと藤崎がテンパイでリーチ。

五万六万七索八索九索一筒二筒三筒五筒六筒七筒白白

沢崎押し返すが藤崎がツモ。1,000オールながら大きなアガリ。差を広げる。
1本場もリーチでたたみかける。

二索四索四索五索六索八索八索二筒三筒四筒白白白  ドラ七万

これをツモれば打点的にも充分で、1人浮きにもなり大きなアガリになりそうだ。カンチャン待ちだが、自身の目から二索四索五索と1枚ずつ見えているので悪くない待ちに思える。
沢崎がジュンチャン三色の1シャンテンで押し返すもテンパイできず、山にはいたが藤崎もツモれず1人テンパイで流局。

2本場、藤崎が中を一鳴き。伊藤が12巡目にリーチ。

四万五万六万二索三索四索八索二筒二筒二筒五筒五筒五筒  ドラ八索

場況が変化ないときでも伊藤のこういうリーチは見たことがない。
それに、藤崎がホンイツ模様とはいえ、ドラドラの可能性も否定できないので、かなりの勝負リーチと言えるだろう。
伊藤の中でなにかリーチに踏み込むきっかけがあるのは確かだろう。
同巡、沢崎もテンパイ。

五万六万六万七万八万四索五索七索八索九索六筒七筒八筒  ツモ七万

悩ましいツモだ。現物は七筒四索九索
場には四索が2枚、四万が3枚、五万が1枚、七万が2枚見えてる。アガリだけをみるなら七万ツモ切りが有力そうだ。
とりあえずテンパイの三色変化もあるので打四索が普通そうだが、五索が切りづらいのでどうするか。沢崎の選択は九索切り。
三索六索も悪くないし六索引きのときは現物の四索切りで五索八索待ち。三索引きのときはドラ単騎で勝負か。打たれてみればなるほどの一打である。

八索は山にいたが王牌に眠っていた。
藤崎もギリギリまでテンパイを目指したが、まわり切れず。伊藤と沢崎の2人テンパイで流局した。

南3局3本場。2巡目に伊藤が1シャンテン。

五万七万七万八万九万二筒三筒七筒八筒九筒南中中  ドラ九筒

チャンタ手変わりもあるし楽しみな手牌。伊藤は同巡の中を二鳴きで1シャンテンから1シャンテン。一筒をチーしてテンパイ。
発に待ち変えをすると、藤崎が発を掴み5,800の放銃に。

後に藤崎が言っていたが、「伊藤が一鳴きだったら絞りきっていた。二鳴きで自身も1シャンテンなのであれぐらいは押したい。」

確かに藤崎の持ち点と伊藤のトータルポイントを考えると、藤崎の守備力を考慮すると珍しいなと思ったが、二鳴きの遠い仕掛けで連荘をとられるのもきついか。ターツ落としが無理やりホンイツに向かったようにも見えなくない。
結果は、藤崎にとっては最悪な、伊藤にとっては最高のアガリとなった。
供託も2本あり、伊藤がトップ目へ。

4本場、伊藤がドラ単騎から北単騎に待ち変えでリーチに。
北は1枚切れ、自身の捨て牌からみても有力そうだ。

一万二万三万四万五万六万七万八万九万四筒五筒六筒北  ドラ二筒

沢崎が宣言牌の二筒をチーしたら次巡のツモは北。伊藤から食いとった形だが、これは止まらず7,700のアガリ。
伊藤が3者を突き放し均衡を破った。

4本場は藤崎、杉浦がこれ以上は連荘されたくないと仕掛けて親落としに動く。杉浦が初めはこのテンパイ。

一索一索二索二索二索三筒四筒五筒六筒六筒  ポン白白白  ドラ四万

うまく手変りしていき、終局間際に僥倖の2,000・4,000。で伊藤を捲る。

一索一索二索二索二索五筒五筒五筒六筒六筒  ポン白白白  ツモ一索

南4局、藤崎のリーチに手詰まりの杉浦が北のトイツ落としで放銃に。

一万二万三万五万六万七万二索二索四索五索六索北北  ドラ六万

このアガリで藤崎も浮きに。トップは伊藤。沢崎は1人沈みで4着まで50ポイント差とかなり苦しいところに追い込まれた。
伊藤は2日目初戦は4着だったが、そのあと2連勝で他者を大きく離して最終日を迎えることとなった。

 

100

 

8回戦成績
伊藤+14.7P 杉浦+7.4P 藤崎+1.2P 沢崎▲23.3P

8回戦終了時
伊藤+50.0P 内川+5.5P 藤崎▲0.6P 杉浦▲2.3P 沢崎▲52.6P