十段戦 レポート

第40期十段戦 五段戦Selectレポート

【第40期十段戦 五段戦Selectレポート】
<鈴木が剛腕を見せつけ圧勝!萩原の猛追及ばず中川も勝ち上がり>

今期の十段戦はまだ前半戦だが、38・39期に続き、今期も五段戦Selectとして放送対局が組まれた。
対戦メンバーは五段戦Select3年連続出場となる萩原聖人に加え、鈴木秀幸・末続ヒロトシ・中川基輝の4人。
半荘4回を戦い、上位2人が六段戦へ勝ち上がる。

 

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1回戦。満貫放銃スタートの中川が南4局親番で大物手。
四暗刻手替わりもある発・三暗刻・ドラ3の18,000を萩原から仕留める。

 

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中川は1本場でさらに加点を目指し、4巡目にリーチをかけるが、
この時点で六万六万八万四筒四筒七筒七筒八筒三索四索五索八索中
と苦しい手牌だった鈴木の手が伸び、13巡目に
四筒四筒七筒七筒七筒二索三索四索五索六索七索八索九索 リーチ五索で追いかける。
高目の一索は河に3枚切れていたが、4枚目を中川が掴み、8,000(+1,300)のアガリ。

 

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鈴木は貴重な浮きに回り、中川が痛恨の沈みとなった。

すると2回戦は鈴木の剛腕が炸裂。
東2局1本場に中川とのリーチ対決を再び制して12,000(+1,300)をものにすると、
親番の東3局には中川のリーチをかいくぐってタンヤオ・ツモ・ドラ2の3,900オール(+1,000)。

 

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2本場にはタンヤオ・ピンフ・三色の11,600(+600)を末続から。

 

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5本場には愚形をもろともせずリーチ→次巡ツモの2,000オール(+1,500)。

 

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このゲーム81,800点1人浮き(+63.8P)の大トップで大きく抜け出す。

3回戦。1回戦トップだった末続が、東2局に発・ドラ3の8,000を鈴木からアガるが、
東4局に中川のリーチ・ピンフ・三色に捕まり、中川がここでトータル2位へ。

 

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中川は南2局3本場にもリーチ・三色・ドラの8,000(+900)を末続から仕留めると、
南4局には親の萩原とのアガリ競争をタンヤオ・トイトイの1,300・2,600で制し、
このゲーム1人浮きで勝ち抜けへ大きなアドバンテージを得る。

迎えた最終4回戦。南場に入って萩原が魅せる。
ライバル中川の親を落として迎えた南2局に、山に1枚しかない三万をツモアガって、
リーチ・ツモ・南八筒暗槓)の1,600・3,200で望みをつなぐ。

 

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すると南3局に、ピンフ・ドラ2・高目タンヤオの三筒六筒九筒待ちリーチ。
高目ならトータル2位浮上できる大勝負を迎えた。

 

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ただ、リーチ後に七万を掴むと、南を仕掛けていた鈴木からロンの声。

 

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萩原に役満を放銃しても自身に敗退の危機がなく、なおかつ局消化ができるためアガリに向かっていた鈴木が、結果萩原の逆転手をつぶすことになった。

南4局は親の萩原がテンパイできず、勝ち上がりは鈴木秀幸・中川基輝の2人に決まった。

萩原はこの前日にMリーグの2022-23シーズン全日程を終え、ハードなスケジュールの中での参戦となった。
苦しい展開を耐え、通過まであと一歩まで追い込みながら敗れたものの、試合後には、自身も面白いと感じて打っている連盟公式ルールの面白さをもっと広められたらと話した。

 

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(文:梅中悠介)