十段戦 レポート

第40期十段戦決勝二日目レポート

【3度目の正直へ、三浦が大逃げの体勢に】

優勝予想で圧倒的に人気を集めた佐々木が初日で大きく出遅れ、衝撃の幕開けとなった第40期十段位決定戦。
2日目は5~8回戦の4戦が行われた。

 

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(5回戦・抜け番:佐々木)

初日4位の魚谷が反撃の狼煙を上げる。
東2局にタンヤオ・ピンフの三門張リーチをかけ、三色がつく高目の二筒をツモって3,000・6,000。

 

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このアガリが効いて今決定戦の初勝利を挙げる。

(6回戦・抜け番:浜野)

東2局に大きなヤマ場が訪れる。
既に絶体絶命の佐々木が親番でダブ東暗刻の六筒九筒待ちリーチ。
これに対し、5回戦トップの魚谷が、佐々木のアガリ牌六筒を2枚吸収してドラ2のチートイツテンパイを入れる。

 

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魚谷は熟考の末、河にはない四索待ちでリーチ。
ただ、この四索は三浦に3枚あって山になく、終盤に九筒を掴み、佐々木へ痛恨の放銃となる(7,700+1,000)。

 

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決定戦ならではのリーチにも見えたが、魚谷は対局後「勝負懸けが早すぎた。自分の雀風としては、リーチで追いかけちゃうのは、
ちょっと前のめり過ぎたなというのがある」と、このリーチを悔いた。
その後魚谷は連続のアガリで失点を回復し、接戦に持ち込むが、南1局1本場に三浦が値千金のリーチ・ツモ・チートイツ・ドラ2の3,000・6,000でここから抜け出す。

 

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その後は近藤の追い上げを振り切り、三浦が今決定戦2勝目。

(7回戦・抜け番:魚谷)

4者接戦で迎えた南1局・三浦の親番。
浜野・近藤がピンフのテンパイで迎えた終盤の15巡目に三浦がドラ1のペン三筒待ちリーチをかける。
浜野・近藤はテンパイを維持し、ホンイツ・ドラ2の佐々木も迫るが、三浦が海底で三筒をツモり3,900オール。

 

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このアガリがものを言い、三浦が6回戦から連勝。ここで決定戦の主導権を完全に握った。

(8回戦・抜け番:近藤)

三浦の勢いは衰えない。東1局に先手を取ってリーチをかけると、ドラ3で押し返しを狙うトータル2位の浜野から
5,800を直撃して優位に戦いを進める。

 

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東2局には後のない佐々木とのリーチ合戦に競り勝つと、南2局1本場には南発・ホンイツの2,000・4,000(+300)。
そして南4局にはチートイツ・ドラ2の6,400を再び浜野から直撃。

 

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東場の連荘で先行した魚谷にこのゲームトップは許したものの、2位との差をさらに広げることに成功した。

三浦は3年連続で十段位決定戦2日目を首位で通過。しかも今年は2位に94.1pもの大差をつけて最終日に向かうことになった。
三浦は2日目を「上出来でした」と振り返ったが、要所で効果的なアガリを取り続け、勝負強さが光った1日だった。

 

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初タイトル獲得へ残り3ゲーム(三浦は10回戦が抜け番)となったが、過去2年悔しい思いをした最終日をどう乗り切るか。
また、他の各選手は逆転へどんな筋道を立てるか。節目の第40期十段戦も、残すは最終日のみとなった。

 

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(文:梅中悠介)