十段戦 レポート

第33期十段戦 ベスト8A卓レポート 猿川 真寿

100

 

ここで負けるのが1番悔しいとある先輩は言っていた。
ベスト8、A卓の出場選手は木村、藤崎、櫻井、野方。
木村以外は去年のファイナリストである。3者ともトーナメント巧者であるということだろう。
去年の十段戦のことは、いまでも覚えている人が多いのではないだろうか。
藤崎、櫻井が同点トータルトップで最終戦オーラス。柴田が国士をツモアガリ。劇画のように幕を閉じた。
今年はどんなドラマが待っているのであろうか?

 

1回戦
東1局。起家の櫻井は苦しい配牌だったが、粘り強く東を重ねテンパイの入った藤崎から2,900の出アガリ。

四万五万六万五索六索白白  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き  ポン東東東  ロン七索  ドラ四索

1本場は櫻井、野方の2人テンパイ。
2本場、チートイで2,400は3,000。
3本場、500は800オール。

4本場、

七万八万五索五索六索七索八索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  ツモ九万  ドラ七万

2,600は3,000オールをアガリ、持ち点は52,200。大きなアドバンテージを取った。
2着には、被害が1番少なかった野方。

1回戦終了時
櫻井+49.0P 野方▲2.9P 木村▲18.0P 藤崎▲28.1P

 

2回戦


東1局に櫻井が2,000・4,000のツモアガリでリードを広げる。
東4局。現状ラス目の野方が木村から2枚切れのドラの南で8,000の大きいアガリをものにした。
木村も手がまとまっていただけに放銃もしかたないところか。

三万三万四万四万五万五万七万七万三索三索八筒八筒南  ロン南  ドラ南

南2局、親の藤崎が2,000は2,100オールをアガリ。

七万八万九万六索七索八索九索九索四筒五筒南南南  ツモ三筒  ドラ四万

次局、難しい選択が続く手だったがきれいにまとめてリーチ。

二万三万四万一索二索三索五索六索七索八索九索八筒八筒  リーチ  ドラ八万

しかし、これは流局。
そのあと細かいアガリをものにして、藤崎がトップをものにした。

2回戦終了時
櫻井+49.0P 藤崎▲8.6P 野方▲10.5P 木村▲37.8P

 

3回戦


4者が1歩も譲らない。流局が続く。
ただオリるのではなく、ギリギリまで押して、テンパイ、ノーテンで点差がつく展開。
木村だけは切りづらい牌が多くノーテンが続く。

東4局 トップ目は親の藤崎。
ここで野方が仕掛ける。

八万九万九万四索二筒六筒九筒東東北北白中  ドラ三万

ここから1巡目に九万をポン。親の藤崎を牽制の意味もあっただろうか。
この仕掛けが功を制し、3,000・6,000のアガリで1人浮きになる。

中  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ポン北北北  ポン東東東  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ツモ中

南2局、櫻井が木村から3,900をアガリ浮きにまわる。
南4局、親の藤崎がリーチして1,300は1,400をアガリ29700持ちに。

一索一索一索二索三索四索三筒四筒五筒七筒九筒南南  ツモ八筒  ドラ三万

浮きにまわりたかったが、2本場は櫻井がアガリ、トップ野方、2着櫻井の2人浮き。

3回戦終了時
櫻井+60.8P 野方+6.1P 藤崎▲13.9P 木村▲55.9P

 

4回戦


東1局親の藤崎にドラドラの勝負手。
この手を焦らず、手役を絡めて先行テンパイ。片アガリのヤミテンを選択。

七万八万九万九索九索九索一筒二筒三筒七筒八筒西西  ドラ西

同巡、野方にもテンパイが入り、リーチを選択。

一万二万三万四万五万六万六索七索八索六筒七筒八筒西  リーチ

しかし、直前に西は櫻井の手に入ったので野方の待ち牌はなし。
藤崎はツモ切り追っかけリーチに踏み込む。
流局かと思われたがハイテイ間際、藤崎のツモは高めの九筒
6,000オールで野方を大きく捲ったが、その後は点数を伸ばせずトップは取ったものの、最終戦は野方との一騎打ちになった。

4回戦終了時
櫻井+60.8P 藤崎+13.8P 野方▲1.9P 木村▲72.7P

 

5回戦(最終戦)

東1局は櫻井が野方から3,900。東2局、親の藤崎がリーチ。

一万二万三万六万七万二索三索四索四索五索六索一筒一筒  リーチ  ドラ八索

流局で1人テンパイ。トーナメントならではのリーチだった。
1本場、野方が1,300.2,600をツモリ微差のトップ目に立つ。

五索六索七索二筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒南南南  ツモ四筒  ドラ六筒

東3局、親の野方がリーチ。

一万二万三万六万六万六万七索七索八索九索九索九筒九筒  リーチ  ドラ六索

しかし、ピンフをテンパイしていた藤崎がツモり捲りかえす。
南1局、藤崎がリーチ。

一万一万二万二万二万五万六万七万四索五索六筒七筒八筒  リーチ  ドラ九筒

親の木村が追っかけリーチ。

二万三万四万三索四索九索九索二筒三筒三筒四筒四筒五筒  リーチ

このリーチに藤崎が高めの二索を放銃。

南4局、持ち点は、
木村39,000、藤崎16,800、野方28,800、櫻井35,400

現状は野方がトータル2着だが、藤崎は1,000点アガれば勝ち上がり。
親が櫻井なので1局勝負になった。

野方が

二万二万四万六万六万八万九万二索二索六索七索九索七筒  ドラ五筒

ここから二万をポンしてタンヤオにむかう。
1シャンテンまでいったが、ツモが効いた藤崎が野方からアガリ決着を決めた。

一万二万三万三索四索五索六索七索七索八索八索八筒八筒  ロン六索

 

決勝進出者 櫻井、藤崎