十段戦 レポート

第38期十段戦 ベスト16A卓レポート

今期の十段戦もいよいよベスト16になりました。
初段から残っていた笠原拓樹は九段戦で負けてしまい、低段位から勝ち上がっているのは三浦智博のみ。(B1リーグ、四段からの勝ち上がり)
その三浦以外は、十段位決定戦への進出経験があるのではないでしょうか?

 

 

1回戦こそ満貫級のアガリが飛び交うものの、2回戦以降は解説の柴田十段位の言葉を借りると「ねっとり」した展開。
2回戦は6,400点が1回。
3回戦は最高打点がなんと2,600点。
4回戦も7,700点が1回と、相手に主導権を握らせない戦いが続きます。
面白いのですが、レポート映えはしません(涙)。最終戦まで進めます。

4回戦終了時
内川+22.3P 沢崎+19.8P 荒+3.5P 藤崎▲45.6P

おおよその条件となりますが、
・内川と沢崎は着順勝負
・荒は内川か沢崎のどちらかを沈めて、約1万点の差
・藤崎は7万点超のトップ
といったところでしょう。

東1局
荒が4巡目にドラの一万を切ると…

 

 

前巡に中を重ねた親の内川がポン。
内川にとっては絶好のタイミングでした。

 

 

 

 


六万六万一筒二筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒 チー八索 左向き七索 上向き九索 上向き ドラ一万

内川
三筒三筒六索六索六索中中 ポン三万 上向き三万 左向き三万 上向き 加カン一万 上向き一万 上向き一万 上向き一万 左向き

残り1枚の中は沢崎の手に収まり、1枚の三筒を引き当てる争いとなりましたが、打点は大違い。
内川は通過がほぼ決定的になるのに対し、荒はそれを阻止するだけのアガリ。
やはりこの形では押し切れず、途中でオリることになります。

この三筒の行方ですが、思わぬところに落ち着きます。

 

 

 

 

 

 

一万を鳴いた時点では予想も出来なかった、藤崎のアガリ(7,700点)。
内川は通過を決めるどころか、ビハインドを背負ってしまうことになりました。
展開の利に、荒と沢崎は「藤崎、ナイス!」と思ったことでしょう。

このビハインドを取り返すべく粘る内川、南3局、親の藤崎の仕掛けにドラの八万を勝負。藤崎との2人テンパイ。

 

 

同1本場も、ドラ六万が出る入り目にいったん天を仰ぐも、再度読みを入れて勝負。(さらにリーチ)
藤崎・内川・荒の3人テンパイとなり、100点ですが逆転しました。

 

 

 

(このときの藤崎の待ちはカン五万。リャンメンが入ると放銃になっていたかもしれない。)

 

 

結果を見ているから感じるだけかもしれませんが、この半荘は、荒・沢崎の方に風が吹いていたように思えます。

南3局2本場、荒の早いテンパイに、飛び込んだのはやはり内川でした。
2,000+600の放銃で沢崎がトータル2着目になり、

三万 上向き四万 上向き六万 上向き七万 上向き八万 上向き四筒 上向き四筒 上向き七筒 上向き八筒 上向き九筒 上向き四索 上向き五索 上向き六索 上向き ロン二万 上向き ドラ九筒 上向き

オーラスも荒のアガリ。
4巡目のポンでテンパイ、6巡目ツモの高速決着でした。

二万 上向き二万 上向き七万 上向き八万 上向き九万 上向き五索 上向き六索 上向き白白白 ポン一筒 左向き一筒 上向き一筒 上向き ツモ七索 上向き ドラ七筒

 

 

(文:福光聖雄)