JPML WRCリーグ 決勝観戦記

JPML WRCリーグ 決勝観戦記/第3期JPML WRCリーグ 決勝観戦記 福島 佑一

平昌オリンピックで日本人のメダルラッシュに沸く中、夏目坂スタジオで熱い戦い繰り広げられた。
まずは選手紹介から
 
 
清原継光
25期 39歳
第40期王位
 
100
 
「緊張していますが緊張に負けないで、いままで培ったものがだせれば」
 
 
 
中川基輝
31期 31歳 
第2回WRC覇者
 
100
 
「全力をつくして、連覇を目指します」
 
 
 
小林正和
31期 31歳
 
100
 
「教えてもらったことをいかして、攻めるとこは攻めて守るとこは守って頑張ります」
 
 
 
ケネス徳田
29期 41歳
 
100
 
「目先にとらわれないで新しいセオリーをつくる」
 
 
100
 
1回戦(小林・ケネス・中川・清原)
東1局
半荘4回の短期決戦、できれば先手とりたいところで5巡目に中川がリーチをうつ。
一万三万三万四万五万一索一索二索三索四索  暗カン牌の背七索 上向き七索 上向き牌の背  ドラ一万
そこにケネスが2つ鳴いて追いつく。
三筒三筒九筒九筒白白白  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き
勝ったのは中川、ケネスの放銃で2,600、安いがまず先手をとる。
東2局
小林に大物手が入る。
四筒四筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒北北  ドラ九筒
そこにまたケネスが放銃してしまい高めで12,000、親番の1シャンテンで1巡残したドラがつかまってしまった。親番だけに目一杯にうける選択もあっただけに手痛い放銃になってしまった。
東3局
親番の中川がいろいろな選択があるなかで、一番速く一番高い手でアガリきる。
二万三万四万七万七万二索三索四索二筒二筒三筒三筒四筒  ツモ一筒  ドラ五筒
一発で6,000オール。
東3局 1本場
二万三万四万三索四索四索五索五索五索二筒四筒八筒八筒  ドラ七万
10巡目、親の中川がこの形から二索をしかける。これは意外だった。前回の決勝では自分に流れがきたとき中川はメンゼンを貫き仕上げていた。あとで聞くと「本当に流れがきたと思ったらメンゼンでいくが、まだだと思った」と言っていた。流れや体勢の考え方は人それぞれ違い、経験によって培っていくものだと思う。この鳴きの是非は難しいが結果は六索三筒と食い下げアガリのがし、テンパイで連荘するも次局で親番をおとしてしまう。
東4局 5本場
親番の清原にテンパイが入る。
二万三万二索四索五索七索七索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  ツモ四万  ドラ五索
なんとここでドラ五索をきってリーチにいく、清原は「このリーチをみせることでこの後の戦いできいてくるかなと」確かに相手には強烈な印象は与えただろうが、この局の結果は六索をツモってきてのアガリのがしで流局。
南3局
親番の中川が3巡目でこの形。
二万二万七万八万八万八索八索九索九索九索四筒五筒六筒  ツモ六筒  ドラ三索
六筒をきるのもあるが打点をみて七万切り、これがうまくいき六筒暗刻にして八索をポンして二万をつもり4,000オール。
南4局
中川に4巡目にテンパイが入りヤミテンにかまえ、変化したところで
三万三万七万七万二索三索三索四索四索五索一筒二筒三筒  ツモ五万  打三万 左向き  ドラ七万
すぐにつもり2,000・4,000、1回戦は中川がトップをとる。
中川+44.2P 清原+14.6P 小林▲9.2P ケネス▲49.6P
 
2回戦(清原・小林・中川・ケネス)
 
1回戦大きなラスになってしまったケネスとしては、なんとしてもプラスで終わらなければ優勝が厳しくなってしまう。清原、小林としては中川より上の着順で終わりたいところだろう。
東1局
まず、清原の先制リーチからスタートする。
四万五万六万七万八万二索二索四索三筒四筒五筒七筒八筒  ツモ六筒  打四索 左向き  ドラ六索
ここにとびこんでしまったのがケネス。安めの九万ながら裏がのって5,800。
東1局 2本場 ドラ四索
なんとか立て直したいケネスがアガる。
三万四万一索二索三索四索五索六索二筒三筒四筒五筒五筒  ツモ二万
リーチにいくかと思ったがここは冷静にヤミテン、まだまだあせりはないようだ。
東2局
ここで3者がぶつかる最初はケネス。
二万三万四万三索四索五索五筒五筒七筒八筒八筒九筒九筒  リーチ  ドラ七万
そこに中川。
一万二万三万七万八万九万六索七索四筒五筒六筒白白  リーチ
そして親の小林も追いつく。
四万五万五万六万六万七万一索一索六索七索二筒三筒四筒  リーチ
結果はケネスが五索をつかみ頭ハネで小林に放銃、裏が1つのり12,000。
ケネスは前局のアガリからつなげていきたかったが手痛い放銃になってしまった。
東3局
中川が親で主導権をとりにいく。
一索ポン 南ポンして
五万三索四索四索六索九索西  ポン南南南  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ドラ八筒
この形。この後ツモがきき、
二索三索四索六索七索九索九索  加カン南南南南  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  カンドラ三索
こうなり、ケネスもおいつく。
七万九万一筒二筒三筒八筒八筒発発発  ポン中中中
そこに小林も参戦し、1シャンテンで五索をつかみ中川に7,700の放銃。
小林もドラ3の1シャンテンではあったが、ここは我慢する手もあったか。
東4局
4巡目に親番のケネスがダブ東を暗カンする、そして6巡目に小林にテンパイが入る。
三万三万三万五万五万七万七万七万八万五索七索二筒三筒  ツモ一筒  リーチ八万 左向き  ドラ二筒
親番のケネスが現状ラスで暗カンもしているので、まっすぐむかってくるであろう局面で思い切ったリーチをうった。タイトル戦の決勝ではこういった思い切りも必要である。
一発で六索をツモり2,000・4,000。
南1局
ここまで苦しい展開が続いていたケネスがみせる。
六万七万八万九万七索八索九索九索六筒七筒八筒北北  ツモ五万  ドラ二万
ここでテンパイとらずで五万ツモ切り、その後北を引き入れ九万でリーチ、清原から高めの六索でアガリ8,000。
ここから立て直すかと思われたが、次局親の小林に5,800を放銃してしまう。
南3局
親の中川が2,600オールをアガリオーラスをむかえる。
南4局 ドラ七索
点棒状況は小林45,200 中川43,600 清原24,500。
中川が先にしかける、清原のリーチをうけ小林は放銃してしまうと着順が落ちてしまうためオリを選択。
中川も一度まわったが終盤にテンパイを入れる。しかし最後のツモで危険牌をひいてオリてしまう。
本人も後悔していたがここは清原に8,000を放銃しても2着だっただけに勝負したほうが得なように思える。
2回戦
小林+29.2P 中川+17.6P 清原▲8.5P ケネス▲39.3P
トータル
中川+61.8P 小林+20.0P 清原+6.1P ケネス▲88.9P
 
3回戦(小林・中川・清原・ケネス)
 
小林、清原は最低限中川より上の着順でおえ、できればトップをとりたい。
ケネスは大きなトップをとりつつ、並びもつくらなければならないので苦しいか。
中川はできればこの半荘で決めたい。
全員それぞれの思惑がある中勝負の3回戦がはじまる。
東1局
親の小林が3巡目に変化をまたずリーチにいく。
一万一索二索三索七索九索三筒三筒四筒五筒六筒七筒九筒  ツモ八索  打一万 左向き  ドラ一万
中川がおいつく。
二万三万三万三万四万四万五万四索五索六索七索八索八索  ツモ一万  打七索 左向き
打点は中川のほうがあるが、待ち4枚対4枚で5分。ここは小林がツモり1,000オール。
1本場では、ケネスから5,800は6,100をアガリ2本場をむかえる。
東1局 2本場
6巡目に親番の小林にテンパイがはいる。
四万五万六万七万八万九万二索三索四索五索二筒四筒四筒  ツモ五索  ドラ八万
二筒でヤミテン、この1巡前に中川に
二万三万三万三万三万四万六索七索八索三筒三筒四筒四筒
このテンパイが入っていた。すれすれで放銃を回避した小林は、ツモ七索二索切りでリーチにいく。
中川がツモ五筒二筒五筒待ちでおいかけるが、小林がツモり2,000は2,200オール。ここでついにトータルでも中川をかわす。
3本場でも中川から1,500は2,400をアガリ差をひろげる。これ以上はまずいと清原がしかけてアガリ親番をおとす。
東4局
ついに決め手がでる、小林が10巡目にこのテンパイ
一万九万九索一筒九筒九筒南西北白発発中  ツモ一索  打九筒  ドラ一索
次巡、ラス牌の東をツモり8,000・16,000。
南3局
まだまだ諦めていない中川は5巡目にリーチにいく
一万二万三万一筒二筒三筒八筒九筒南北北中中  ツモ中  打南  ドラ二万
これが1回戦ならヤミであろうが、現状小林との差は約60Pあり8,000をアガっても現実的な差にはならないが、もし跳満をツモり、さらに現状22,400点差の清原をオーラスにまくり、2着になれば30Pぐらい差になり逆転も見えてくる。
しかしここは清原にアガられしまい中川の執念は実らず。
南4局
清原が9巡目に国士の1シャンテンにこぎつげるが、小林に8,000を放銃してしまい差をひろげられてしまう。
四万五万六万二索三索三索四索四索七索七索三筒四筒五筒  ロン五索  ドラ七索
3回戦
小林+82.2P 清原+1.0P 中川▲31.2P ケネス▲52.0P
トータル
小林+102.2P 中川30.6P 清原+7.1P ケネス▲140.9P
 
4回戦(中川・清原・ケネス・小林)
 
中川、清原、ケネス、諦めずに小林を追いかけるが小林がすきをつくらず逃げきる。
4回戦
清原+33.5P 小林+15.1P ケネス▲10.7P 中川▲37.9P
トータル
小林+117.3P 清原+40.6P 中川▲7.3P ケネス▲151.6P
第3回WRCリーグ覇者は小林正和に決まった。
冒頭のコメントでいっていたように、攻めるところは攻め守るところは守る、それがしっかりできたからこそ優勝だと思う。
打ち上げの席で小林は
「これからがスタートだと思うので、より一層がんばります」
確かに、知名度が低い若手がタイトルを1つとっただけでは、活躍の場は大きくは広がらない。とはいえタイトルをとった直後になかなかでてこない言葉である。
この言葉を聞いて今後も活躍するだろうと思わせてくれた。
小林さん優勝おめでとう。
 
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