JPML WRCリーグ レポート

第12期JPMLWRCリーグベスト8B卓レポート

<これが麻雀の恐さ!1牌がもたらした勝負の行方>
第12期 JMPL WRCリーグ ベスト8B卓は
伊藤俊介・浦野修平・奈良圭純・仲田浩二(1回戦席順)の4選手による対戦。

 

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2022年世界チャンピオンの奈良に対し、キャリア浅い3選手がどう挑むかが注目された対局は
終わってみると、麻雀の恐ろしさを改めて知る一戦となった。

試合の大きな転換点は3回戦南3局2本場に訪れる。
この時点でのスコアは、浦野+43.8 仲田+6.1 伊藤▲12.6 奈良▲38.3。
浦野が通過へ足場を固め、2ラススタートと苦しんだ奈良が巻き返しを図っていた場面。
ここまで大きなアガリがなかった親番の伊藤が、好配牌からツモも効いて、5巡目に一気通貫・ドラ2の12,000テンパイ。カン七筒待ちをヤミテンに構える。

 

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この七筒。浦野と仲田に孤立し、いつ切られてもおかしくない状況だった。

 

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結果は6巡目に浦野が放銃。

 

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回避は難しかったが、この1回の放銃でこれまで築いてきたリードが吹き飛んでしまう。

仲田は対局後、浦田からソウズを鳴けるようにするため、端の九筒から切ったと語り、七筒は単に後回しになっただけであった。しかし、1巡のこの選択が、試合の行方を大きく変えることになる。
本当に麻雀は難しく、恐ろしいものである。

さて12,000(+600)をアガった伊藤は続く3本場でチートイツをリーチツモ。
裏ドラも2枚載せて6,000オール(+900)。

 

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その後も8本場まで連荘を続け、この親番で決勝進出を安泰のものにした。

もう1つの決勝進出枠を巡る争いのヤマは、4回戦東1局1本場に訪れた。
前局4,000オールで追い上げる奈良が先にテンパイし、トータル2位の仲田は一気通貫ペン三万でヤミテンに構える。
そこへトータル3位の浦野がリーチをかけて襲いかかるが、一発目にドラ東が通ってしまう。

 

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浦野へドラでの放銃がなくなった仲田は、次順にツモ切りリーチ。ライバル浦野からの5,200(+1,300)直撃に成功する。

 

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これが決め手となり、決勝進出は伊藤と仲田に決まった。

浦野は伊藤への12,000放銃までは安定した試合運びだっただけに非常に悔しい敗戦。
1回戦東1局で四暗刻単騎テンパイも待ち牌白2枚が王牌でアガれなかったこともあり、悲運が重なったゲームだった。

 

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一方の奈良は最終戦に、出アガリでも倍満スタートとなるツモり四暗刻をテンパイし、
アガリ牌が脇に流れなければと思わせる大きな見せ場を作った。

 

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終始離された苦しい試合展開だったが、あと一歩というところまで迫り、存在感は示した。

決勝戦は直近2期の優勝者に、公式戦決勝は初の37期前期入会の2人が挑む構図になった。

 

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注目の対戦は2/10(金)14時に幕が開く。

解説:藤島健二郎・齋藤豪
実況:優月みか

(文:梅中悠介)