JPML WRCリーグ レポート

第5期JPML WRCリーグ ベスト8B卓レポート

第5期JPML WRCリーグ、ベスト8最終戦。
予選から参加してきた選手となると、予選・一次トーナメント・二次トーナメント・ベスト16、長い長い道のりを戦い抜いてきた。
そしてついにベスト8、この戦いに勝てばいよいよ決勝戦。
A卓からはHIRO柴田・仲田加南が既に勝ち上がりを決めている。
ここでもまた、各選手負けられない戦いが待っている。

WRCルールは一発裏ドラカンドラあり、30,000点持ち30,000点返し。
順位点はトップから+15、+5、▲5、▲15。
トータル4回戦を行いポイント上位2名が決勝進出となる。

 

100

 

 

1回戦(起家から沢崎誠→木本大介→原佑典→前原雄大)※文中全て敬称略

現役A1リーガーVS若手プロの対決となったベスト8B卓。
前評判どおりのベテラン勝ち上がりとなるか、それともルーキーによる下克上なるか。
戦いの火蓋は切って落とされた。

東1局
7巡目、親の沢崎が先行リーチ。

七万七万二索三索四索四筒五筒六筒八筒八筒東東東  ドラ五万

ここに15巡目、追いついたのは西家・原。

三万三万四万四万四万五万五万五万三索三索六索七索八索

ドラを暗刻にしたテンパイで三万六万三索の3メンチャンのテンパイ。
前巡に木本が三索を切っている。この大物手をヤミテンとするが、すぐに七万を掴み放銃。
沢崎が裏ドラをめくるとそこには原が欲しかった六万。裏ドラ3枚で18,000。
原自身も勝負手であったが、手痛いスタートとなってしまう。

東1局1本場
3巡目、今度は原が先行リーチ。

八万八万七索八索九索一筒二筒三筒四筒五筒六筒西西  ドラ四索

打点はいまひとつだが何よりも巡目が早い。
しかし、前局跳満をアガった親の沢崎もドラ暗刻で追い掛けてくる。

三万三万四万五万六万四索四索四索七索八索九索一筒三筒  リーチ

待ちの枚数に大きな差はない。
これは原ピンチか・・・という展開もツモったのは原。1,000・2,000の1本場。
前局の大きな失点を少し取り返す。

東3局
3巡目、北家木本の手。

三万五万九万九万四索五索七索六筒八筒東東北北  ドラ六索

役牌がふたつトイツだが、ここで沢崎が、そしてそれに合わせて原が切った東を2枚ともスルー。
その次巡に切られた北も仕掛けず。
ここまで仕掛けも多用して勝ち上がってきた木本だが、ここは鳴く手かたちではないという判断か。

そこに前原が西を暗カン。それを見た沢崎はカン七索をチー。

二索三索四索四筒四筒六筒六筒六筒発発  チー七索 左向き六索 上向き八索 上向き  ドラ六索四万

そして8巡目、メンゼンでテンパイを入れた木本が満を持してのリーチ。

三万四万五万九万九万九万四索五索五筒六筒七筒北北

2巡後、ドラの六索をツモって2,000・4,000のアガリ。
仕掛けずに手を育て、嬉しい加点となった。

南4局
ここまでの各者の持ち点は
沢崎56,300 木本33,700 原700 前原23,000
親番で大きなアガリを決めた沢崎がダントツのトップ目。

7巡目、親の前原がリーチ。

三万四万五万九万九万三筒三筒三筒六筒七筒八筒西西  ドラ九万

ここに、トップ目の沢崎が西で飛び込み、裏が乗って12,000のアガリ。
2着目に立つが、1本場は木本がそれをかわし、1回戦が終了。
放銃スタートとなってしまった原は、苦しい立ち上がりとなった。

1回戦結果
沢崎+29.3P 木本+10.3P 前原▲1.6P 原▲38.0P

 

 

2回戦(起家から前原→木本→原→沢崎)

南1局1本場
南家・木本が8巡目にテンパイ。

五万六万七万二索三索五索六索七索五筒六筒七筒九筒九筒  ドラ七万

ピンフ・三色・ドラの確定満貫を、積極的にリーチとゆく。
現状34,700点持ちの2着目であり、トップ目の原が1回戦4着であったことからヤミテンの選択を取る打ち手も多いかもしれない。
そこに親の前原、西家の沢崎が仕掛けて押し返す。そして沢崎から打たれた一索で8,000は8,300のアガリ。
裏ドラは乗らなかったものの、果敢な攻めで加点に成功。

南2局
9巡目、南家原に選択の局面。

 

100

 

456の三色が見える形だが、ここで選んだのは打四万
自身から九万が3枚、八万が4枚見えておりカン七万の待ちは景色がいい。
トップ目の親ということもあり、アガリ易さを考慮しての選択か。
しかし自身の次のツモは五万。マンズを外してゆく。

そこに4着目となった西家の沢崎のリーチ。

一万二万三万五索六索七索一筒二筒三筒七筒八筒西西  ドラ中

そして14巡目、そのリーチに追いついたのは北家・前原。

五万六万七万五索五索六索六索七索三筒四筒五筒六筒中  ツモ七索

三筒六筒中もリーチには通っていない牌だが、ここでアガリに向かうならとドラの中を切って追いかけリーチ。
一発で六筒をツモアガリ2,000・4,000、トップ目に肉薄する。
六筒は沢崎のアタリ牌でもあり、会心の1局となったか。

南4局1本場
オーラス、木本と100点差となった前原が積極的に仕掛けを入れ、300・500のツモアガリでトップに。
しっかりと着順をまとめて、後半戦に向かう。
一方大きなラスを引いてしまった沢崎はここでポイントリセット。
3回戦以降どのような立ち回りを見せてゆくのか。

2回戦結果
前原+24.3P 木本+12.6P 原±0.0P 沢崎▲36.9P

トータル
木本+22.9P 前原+22.7P 沢崎▲7.6P 原▲38.0P

 

 

3回戦(起家から沢崎→前原→原→木本)

東1局
西家の原が、リーチ。

三索四索五索二筒二筒五筒六筒七筒九筒九筒東東東  ドラ二筒

ドラをツモり裏が乗って3,000・6,000。
1回戦の18,000放銃以来苦しい展開が続いていた原、ここで反撃の狼煙となるか。

南3局
親の原がドラの中をポンしてチャンス手。8巡目、引いてきたのは四万

 

100

 

さまざまな選択がある手だが、原が選んだのは六索
五万八万が2枚切られていること、2人が九索を切っていることが理由か。

ここから八万をチー、三筒を引き入れテンパイをいれ沢崎から12,000点大きなアガリ。

南4局
5万点を超えるトップ目となった原、ここでもリーチ。手は緩めない。
今度は前原からアガリ、8,000点。
大きな大きなトップで、トータル2位までポイントを伸ばす。
一方この半荘、アガリのチャンスに恵まれなかった木本はトータルトップ目から手痛いラスとなってしまう。

3回戦結果
原+44.7P 前原▲1.3P 沢崎▲15.2P 木本▲28.2P

トータル
前原+21.4P 原+6.7P 木本▲5.3P 沢崎▲22.8P

 

 

最終戦(木本→原→沢崎→前原)

ついに最終戦。まだまだどの選手にも勝ち上がりの可能性がある。

東1局

 

100

 

こちらは、西家・沢崎の3巡目の手(北家の前原が北をポンしている)。

ここから沢崎はトイツの九万の1枚外し。
この選択がうまくいき、9巡目に以下の形でテンパイ。

八万九万七索八索九索一筒一筒二筒二筒三筒三筒南南  ドラ八筒

この手をリーチとゆく。
それを受けた木本も同巡にテンパイ。

六万六万六万二索三索四索六索八索四筒五筒六筒八筒八筒

タンヤオ・ドラ2の勝負手をこちらも強気にリーチ。
このペン七万とカン七索、山には2枚づつ残っており枚数は互角。
ここは沢崎がツモって2,000・4,000のアガリ。

2軒リーチを受け一歩後退した前原の手のうちにはソーズが五索五索五索七索とあり、リーチが一軒のみの場合、手の進行度によっては打ち出されている展開もあったか。
それによっては今後の各選手の戦い方もまた、変わっていたかもしれない。

南1局
4着目の木本の最後の親番

五万六万七万三索三索五索六索五筒六筒七筒  ポン白白白  ドラ六索

ここで高めの七索を原からアガリ、トータル2着目の沢崎にせまる。
しかし次局は沢崎に2,600は2,900の放銃で親落ち、一気に厳しい戦いとなる。

南4局
連荘もなく局が進みオーラス。トータルトップ目の前原が親のため、ここ1局で終局となる見込みが高い。

木本は1,300・2,600もしくは前原からの3,900か原からの7,700直撃条件。
そして原は3,000・6,000のツモアガリが現実的な条件。

しかしここでテンパイをしたのは現在トータル2位の沢崎。

七万八万九万五索六索七索九索九索九索四筒四筒七筒八筒  ドラ八万

相手の直撃条件を緩和してしまう可能性はあるものの、ここが最後の勝負どころと見てリーチと踏み切る。
このしっかりとした状況判断こそが、トッププロの強さであろう。
予選から勝ち上がった若手プロたちにとっては1日通して、大きな大きな壁となったことだろう。

このリーチを一発でツモり2,000・4,000。自身のアガリでしっかりと決勝戦進出を決めた。

最終戦結果
沢崎+32.1P 前原+5.7P 木本▲9.3P 原▲28.5P

勝ち上がり 前原雄大 沢崎誠

こうして、A1リーガー2名が決勝戦へと勝ち上がりとなった。

敗れたものの、この戦いは若手の2選手にとってもきっと、かけがえのない財産となったことは間違いない。
いつかこの大きな壁を越えて見る景色を夢見て、明日からまた研鑽を積んでいくことだろう。