JPML WRCリーグ レポート

第9期 JPML WRC決勝レポート

【第9期 JPML WRCリーグ決勝 は小林正和が2度目の優勝】

 

 

本日の対局者
小林正和
辻本一樹
中寿文
森下剛任

1回戦は東場からリーチ棒が飛び交う。
リーチピンフツモドラ1,300・2,600
リーチピンフ一発ツモ2,600オール
とまずは中が連続アガリ。

 

 

南1局には辻本が追っかけリーチ一発ツモで2,000・4,000(+1,000)

 

 

南3局には親番小林がリーチ表裏の7,700。

 

 

オーラスは森下がリーチピンフ裏2の8,000(+2,000)

 

 

4者とも一発裏のあるWRCルールを最大限に活かそうと積極的にリーチを打ち、激しい打撃戦に。
1回戦は小林、中、森下、辻本の並びで終了。

2回戦はラススタートの辻本が、裏2のアガリを2度決めて大きくリード。

 

 

マイナスを返して一気に突き抜けたい、逸る気持ちがあったか。初戦トップの小林の先制リーチを受けた辻本はカン二索で追っかけリーチに出る。

 

 

結果は辻本が高めのダブ南を掴んでしまい、裏ドラは南。小林に12,600(+2,000)の手痛い放銃となる。

小林はオーラスにも白ドラ3を決めて2連勝。早くもトータル+70Pの1人浮き。

3回戦。
東1局は辻本が満貫ツモ。
東2局は小林が満貫ツモ。
東3局は森下が満貫ツモ。

 

 

順番に高打点をツモる一歩も引かない激戦が続くが、一進一退では小林が勝利に近づいて行く。とにかく小林にマイナスの順位点を押し付けなければならないが、それぞれ素点も欲しいので上手く連携が取れない。

3回戦オーラス。親番森下が西を暗カンして新ドラ4枚。その森下が切った元ドラ発を中がポン。

 

 

他家のドラが7枚見えているこの局が小林の優勝を脅かす最後のチャンスだったかも知れない。
しかし中だって近い将来必ず来るはずの親番森下のドラ4確定リーチには打てない。苦渋の決断で辻本から出た二索にロンをかけ、中が3回戦トップ。トータル2番手につけて最終回に望みを託した。「二索を他家からアガるべきかは迷いましたが、ギリギリの選択でした(中)」自身の2着順アップ、しかもトップが確定するのでアガリの選択もやむなしかとも思う。しかし、小林にマイナスの順位点を押し付ける事は出来ないまま最終戦となった。

 

 

最終戦。上記の事実を痛いほど受け入れている中は起家から大勝負に出た。

 

 

フリテンリーチ一筒四筒待ち。高め四筒をツモれば7飜スタートの大物手だが、無念の1人テンパイで流局。

東3局。4巡目に国士無双1シャンテンとなったのは森下。

 

 

南北がすぐ引ければ、小林からの直撃も期待出来る早さだったが、ここから伸びず先に小林にアガられてしまう。

東4局3本場。今度は辻本が意地を見せる。

 

 

どちらも1枚切れの西北のシャンポン待ち。森下から出た北を見逃すと残り1枚の西に全てを賭けたツモ切りリーチ。しかし、これも残念ながら実らなかった。

 

 

「誰よりも攻め、誰よりもリーチを打ち、誰よりも掴んだ(辻本)」とにかく戦わずして負けるのは嫌だったのだろう。辻本は自分らしく攻めると決めて今決勝に挑んだ。

「正和君(小林)は強かった。だけど、決勝戦の対局者としてはもう少し苦しめたかった(森下)」

森下は対局後に悔しそうに言った。ベストは尽くしたつもりだ。でも圧勝された。あの局さえ間違わなければという紙一重の敗戦も悔しいが、圧勝されるのも悔しいものだ。

中も「自分の位置が一番(小林君を苦しめる事が出来る)チャンスがあったのかも知れない。でも今の僕の実力では出来なかった」と悔しさを押し殺して振り返った。

「僕は過去にある対局で大きな失敗をしてしまい、対局者や競技部の方々に迷惑をかけてしまった事があります。そんな自分に麻雀を打つ資格があるのか?と思い悩んでいました。(小林)」
「小林君がやるべき事はミスを受け入れて、対局に出て後輩に示していくのが重要なんだ(瀬戸熊)」という言葉が有難かった。もう一度頑張ろうと思えた。
「強くなったと証明出来たのは嬉しかった」と小林は今日の勝利を噛み締めた。

第9期 JPML WRCリーグ決勝

優勝 小林正和
2位 中寿文
3位 森下剛任
4位 辻本一樹

 

 

(文:編集部)