グランプリ レポート/第5期麻雀グランプリ MAXベスト16 D卓レポート 紺野 真太郎
2015年03月27日
山井弘、清原継光、佐々木寿人、近藤久春
激闘の続いたベスト16戦もいよいよ最後のD卓を迎えた。
ここからの登場は世界チャンプ山井と王位清原。どういった戦いを見せてくれるのだろうか。
1回戦、東4局山井の12巡目
ツモ ドラ
このテンパイが入る。打牌候補は、、辺りか。だが、オフェンスマスター山井ならばどれもリーチか。
山井は少孝の後、捨て牌状況も考慮した上で切りリーチを選択。15巡目佐々木が追いつく。
ツモ ドラ
佐々木は山井とは対照的に決めていたかのようにをノータイムで河に横向きに置いた。が、ここは山井に軍配。先制に成功する。
この後佐々木は近藤に9,600、清原に7,700と連続放銃で苦しい位置に置かれてしまう。
オーラス1本場を迎えて、清原47,700、近藤41,500、山井34,700の争い。
ここを制したのは親でもあった清原だった。13巡目テンパイ。
ドラ
ドラ切りや、仕掛けが入っていることもありリーチで被せに行く手もあるが、清原はヤミテンを選択。そして、この選択が最高の結果を生む。
ツモ ドラ
を引き込みをツモり3,900オール。初戦を制することに成功した。
1回戦終了
清原+37.7P 近藤15.0P 山井+1.7P 佐々木▲54.4P
2回戦
南3局14巡目、場は煮詰まっていた。
親近藤
ポン ドラ
佐々木
そして山井
ツモ
ここでも山井は少孝し読みを入れる。そして切りリーチ。
こうなると結果は見えたようなもので、を一発ツモ。
山井の攻撃性を支えているのはこの正確な読みである証明であろう。
しかし、この2回戦を制したのも清原。オーラス近藤より8,000を打ち取り、山井を逆転した。
2回戦終了
清原+19.8P 山井+11.6P 近藤▲7.8P 佐々木▲23.6P
トータル
清原+57.5P 山井+13.3P 近藤+7.2P 佐々木▲78.0P
3回戦
清原は連続2,000オール、3連勝にむけ好発進。追う立場の山井と近藤。東2局10巡目、山井テンパイ。
ドラ
四暗刻まで・・と思わせる手牌と寄りであったが、1シャンテンであった近藤がを掴み8,000。
近藤にとっては痛い放銃。結果、清原3連勝。山井2着。近藤は痛恨のラスで、残り2回となり、はっきりした並びが出来た。
3回戦終了
清原+20.5P 山井+10.7P 佐々木▲9.4P 近藤▲21.8P
トータル
清原+78.0P 山井+24.0P 近藤▲14.6P 佐々木▲87.4P
4回戦
東1局5巡目、清原が動く。
ドラ
ここからをポン。特に何もない普通の仕掛けだが、清原のスタイルでは無い気がする。
3連勝でポイントは十分で場を進める為だろうが、雨が降りそうなのに傘を持たずに出掛ける様とでも言えばいいのだろうか。
この局は無難に300・500としたが、東2局、早速雨が降ってきた。
東2局5巡目、北家・山井がをポン。山井が1枚目から仕掛けてきた。
打点かスピードかまたはその両方か。さらに11巡目にもポン。
??????? ポン ポン
ポンでの手出しは。このは安全牌なのでほぼテンパイであることは明白。
2シャンテンであった清原、2巡後に1シャンテンとなり打としたが、このを山井が捕えた。
ポン ポン
もちろん、この–待ちに照準を合わせた山井も褒められるが、を放ってしまった清原に違和感を感じた。
しかし、ここで崩れなかったのは評価に値するであろう。
東4局の親番、4、5巡目に続けて切られたダブをスピードが足りないとスルーし、先手を取られるや躊躇なく引いた。
落着きを取り戻したか。清原はこの半荘3着に踏みとどまる。
南4局、山井を追う西家・近藤14巡目テンパイ。
ポン ドラ
この手、二番手を競る山井から打ち取り8,000。最終戦を前にグッと差が縮まった。
4回戦終了
近藤+25.7P 山井+4.2P 清原▲10.9P 佐々木▲19.0P
トータル
清原+67.1P 山井+28.2P 近藤+11.1P 佐々木▲106.4P
最終5回戦
山井と近藤のポイント差は17.1P。
山井が原点をキープ出来るかがまずはポイントだが、大物手が決まるようであると、案外あっさり決着する場合もある。
東2局1本場、親・近藤9巡目リーチ。
リーチ ドラ
後スジとなったを打ち取り7,700は8,000。この時点で山井を逆転する。
続く2本場、近藤はを一鳴きし、パワープレーに出る。対する山井12巡目テンパイ。
ツモ ドラ
切りか切りか・・もも2枚切れ。ここも少孝を入れる・・山井は⑨切りリーチとする。
近藤も既にテンパイ。待ちは–、枚数では近藤有利。だが、先に引かされたのは近藤。を引き撤退。残るは1枚のみ。流局かそれとも・・
「2,000・4,000は2,200・4,200」最後のを引き寄せた山井。ベスト8への切符を近藤から奪い返した。
奪われたものを奪われたまま黙ってるわけにはいかない近藤。
南2局1本場、テンパイしていた山井から3,900は4,200を続く2本場、5巡目先制リーチ。
リーチ ドラ
後にを暗カン、山井も七対子で粘っていたが撤退し、ツモの成り行きに任せた。
それでも近藤、をツモって4,000は4,200オール。50,000点を超え、山井は原点を割るという形になった。
再々逆転で近藤の方が20ポイントほど上になった。
南3局、山井最後の親、まずは2,000オールで反撃体制。2本場、ポイント差は山井が原点を上回った為、1.5差にまで接近していた。8巡目山井テンパイ。
ドラ
山井はリーチを打った。この時点でアガリ牌は4枚とも山に眠っていた。
ヤミテンにしたからといってアガれていたとも限らないし、そうではないかもしれない。
1巡、1巡終わりに近づく。4枚あったアガリ牌は徐々にサイドに吸収されていく。
最後のツモ・・山井は確認するかのようにツモ牌を手牌に乗せた。そして手前に引き寄せた。
ツモ ドラ
5回戦終了
山井31.8P 近藤+19.6P 清原▲16.0P 佐々木▲36.4P
トータル
山井+60.0P 清原+51.1P 近藤+30.7P 佐々木▲142.8P
ベスト16戦が終了した。どの卓も屈指の好勝負であった。
それでもベスト8には今実力と勢いがある選手が揃ったと思う。
どんな戦いになるであろうか非常に楽しみである。
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