グランプリ レポート

第5期麻雀グランプリ MAXベスト8 A卓レポート 柴田 弘幸

100

1回戦(起家から藤崎・清原・伊藤・瀬戸熊)

開局は親の藤崎の9種9牌からスタートし1本場では、

二万二万五万五万六万六万二索二索七索二筒二筒北北  ロン七索  ドラ北

藤崎が伊藤の二索六索四索の切り出しから、場に字牌が高くなると見て七索単騎を瀬戸熊から9,600は9,900のアガリ。
続く2本場で、藤崎はさらなる加点を目指し積極的に仕掛けるも、発の加カンでリンシャン牌から前巡に切った東を持ってきて清原へ8,600の放銃となる。

藤崎
三万五万六万七万八万八万南南北北  カン発発発発  ドラ四索

清原
一索一索一索五索五索五索七索七索七索東  チー三索 左向き二索 上向き四索 上向き  ロン東

ここまで勝ち上がって来た選手たちだけあって皆すごい出来のよさであり、そして今後のどういった展開になるのか?と思わせる2局であった。
この後抜け出したのは清原。続く東2局の親番では伊藤から7,700。

七万八万九万四索五索六索七索八索九索八筒九筒中中  ロン七筒  ドラ七万

南場も清原は親で、

清原
一万二万三万四万五万一索二索三索六索六索一筒二筒三筒  ツモ六万  ドラ南

この2,600オールをアガリ南4局も、

清原
五万五万三索六索六索二筒二筒四筒四筒西西北北  ロン三索  ドラ四筒

これを伊藤からアガリ5万点越えの大トップとなる

1回戦成績
清原+33.9P 藤崎+10.6P 瀬戸熊▲19.9P 伊藤▲24.6P

 

2回戦(起家から清原・藤崎・伊藤・瀬戸熊)

東1局
伊藤の先制リーチを受けて?いや清原はリーチの発生は聞こえたけどそれを無視するかのように真っ直ぐに手を進める。
そこへ瀬戸熊リーチときて、清原ドラの一筒は瀬戸熊へきついと見て後退。
結果は、伊藤が瀬戸熊へ一筒で5,200の放銃となる。

伊藤
五万六万二索三索三索三索四索四索五索六索二筒三筒四筒

瀬戸熊
三万四万五万三索四索五索七索八索九索一筒四筒五筒六筒  リーチ  ロン一筒  ドラ一筒

清原
二万三万三万四万四万五万七万七万七万八万九万一筒中

牌姿と結果だけはいたって普通の局だが、瀬戸熊の心境からすると、清原と伊藤の対決であれば伊藤のほうが分が悪いとみて結果をおそれずに割って入ったと見る。
もちろんこのアガリに関して、瀬戸熊は感触が良いとは思ってないであろう。
ただ・・清原のワンサイドゲームにはさせないという意思を感じさせられた。

東2局
瀬戸熊にしては珍しい仕掛け

六万七万八万二索二索三索五索六筒七筒八筒  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き  ドラ五索

ここからドラの五索を引き込んで藤崎から四索で7,700をアガる。
点数が増えるのは良いことである、ただ今までの瀬戸熊の麻雀を見るに、これは好調ではないのだなと思う局であった。

東3局

瀬戸熊
四万四万四索四索四索八索八索八索五筒五筒  ポン白白白  ドラ四索

藤崎
三万四万五万八万八万四索五索三筒四筒五筒  ポン六万 上向き六万 上向き六万 上向き

清原
一索一索二索三索三索六索六索七筒七筒八筒八筒九筒九筒  リーチ  ツモ二索

Aリーガー3人を相手に、王位清原堂々と力強くツモアガる。
1回戦から見るに本当に清原の打点力は素晴らしい。

東4局
清原にしては珍しく

清原
四万五万八万八万八万一索二索二索三索四索四索四筒五筒六筒  ドラ六筒

ここから打二索としてリーチを打つ。良いか悪いかではなく、清原の型ではないなと思った。
ただ、瀬戸熊の親を自分が落とさなくてはという責任感などから打たされたリーチであろう。
それだけ瀬戸熊の親というのは、プレッシャーがかかるということなのだ。

一索としてたらなどはわからないが、この局の結果は瀬戸熊の4,000オール。

瀬戸熊
二万三万四万六万六万一筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  ツモ六筒

これが大きいアガリとなり瀬戸熊がトップとなる。

2回戦成績
瀬戸熊+35.2P 清原+4.3P 伊藤▲12.2P 藤崎▲27.3P

2回戦終了時
清原+38.2P 瀬戸熊+15.3P 藤崎▲16.7P 伊藤▲36.8P

 

3回戦(起家から藤崎・伊藤・瀬戸熊・清原)

東1局
藤崎が1回戦と同じく親で9,600をアガる。

四万四万七万七万一索一索二索二索五索五索二筒二筒中  ロン中  ドラ七万

やはり、やや不調という感じでその後に続かず3者の猛攻を受ける形となる。

南2局
東1局の放銃から我慢が続いた伊藤、26,300持ちから5巡目でこのヤミテンを清原から5,800は6,700のアガリ。

伊藤
三万四万五万一索二索三索六索七索六筒六筒七筒八筒九筒  ロン八索  ドラ六筒

リーチしていたらどうかなどはわからないが、これができるから伊藤は強いのだ
そしてこれを放縦した清原は対局終了後に「これを放縦してフラフラになった」と語っていた。
清原がこの後揺れていたかは全くわからなかったが相当なダメージであったのは間違いない。

南4局
伊藤の絵に描いた展開ではあったが100点差トップを最後は瀬戸熊に1,300をアガられ逆転される
瀬戸熊
二万二万七万八万九万四索五索六索一筒一筒二筒二筒三筒  ロン三筒

3回戦成績
瀬戸熊+18.2P 伊藤+13.0P 藤崎▲6.3P 清原▲25.9P

3回戦終了時
瀬戸熊+34.8P 清原+12.0P 藤崎▲23.0P 伊藤▲23.8P

 

4回戦(起家から伊藤・清原・藤崎・瀬戸熊)

東3局
この半荘、浮きに回ればこのトーナメントという戦いの性質上、マークから外される瀬戸熊が大きな2,000・4,000のアガリ。

瀬戸熊
三万三万四万五万六万三筒四筒六筒六筒六筒西西西  ツモ五筒  ドラ六筒

南2局
親の清原、後続を許さないリーチを打ち、伊藤から4,800と価値あるアガリ。

清原
二万二万三万三万五万五万九万九万六筒六筒八筒八筒東  ロン東  ドラ西

南3局
後が無いと言ったら失礼だが、親の藤崎のこの4,000オールツモアガリでなんとか清原を沈め、最終戦勝負に追いくことに成功する。

藤崎
四万五万六万一索一索二索二索三索三索六索七索一筒一筒  ツモ五索  ドラ五万

対局後に藤崎が語っていた。

四万五万六万一索一索一索二索二索三索七索一筒一筒二筒六筒

「この牌姿、打二筒が手順で結果は打六筒も一緒だが、三筒などを取りこぼせないくらいと思わされるくらい緊急であった」と。

4回戦成績
藤崎+16.7P 瀬戸熊+9.2P 清原▲6.2P 伊藤▲20.7P

4回戦終了時
瀬戸熊+44.0P 清原+5.8P 藤崎▲6.3P 伊藤▲44.5P

 

最終戦(起家から藤崎・伊藤・清原・瀬戸熊)

東1局
藤崎この1シャンテンから

三万四万四万五万六万六万六万七万八万東  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き

あまり嬉しくない東を引き九万のツモアガリで1,300オール。

東4局
伊藤のピンズホンイツに対して藤崎16巡目にここからドラ中打ち。

藤崎
三万四万五万一索二索三索四索五索六索五筒六筒中中中

暗刻であるとはいえ、強烈な一打である。伊藤の仕掛けホンイツである以上、テンパイしていれば中単騎は大本命。
逆転して勝つ為、リスクを伴った一打。だからこそ価値のある一打。

南3局
この時の持ち点は、清原22,400藤崎43,100この清原の親を落とせばオーラスは瀬戸熊親なのでほぼ1局勝負。
西家・藤崎ドラの中を打ってリーチ。

藤崎
二万三万六万七万八万四索五索六索一筒二筒三筒西西

この時点で藤崎の待つ一万は山に無く四万が3枚残り。山越しで清原が追いつく中は2枚残り。

清原
三索三索四索四索六索六索七索七索八索八索三筒三筒中

清原無念にも四万を掴み勝負あり。
藤崎はインタビューで、この局の時点で清原との体勢に差があったと語った。
この南3局を制す為の準備がそれまでの過程にあったのであろう。
見た目は1巡の差だが、それが全てではなく完敗であると清原自身もそれを語っていた。

最終戦成績
藤崎+26.4P 伊藤▲2.9P 瀬戸熊▲6.6P 清原▲16.9P

最終戦終了時
瀬戸熊+37.4P 藤崎+20.1P 清原10.1P 伊藤▲47.4P

勝ち上がり 瀬戸熊・藤崎