グランプリ レポート

グランプリMAX一次予選B卓レポート

【グランプリMAX一次予選B卓、藤島・紺野の勝ち上がり】

最終5回戦、3番手の前原は東場で失点してしまい、この南1局の親で挽回できなければ敗退、という状況であった。
平場は、後筋となった九索でリーチ七対子の出アガリ。
前原の親番を終わらせたい藤島も仕掛けてテンパイしていたが、紺野がオリ打ちの形で放銃となった。

 

 

迎えた1本場、やや選択の残る入り目であったが、小考して二万切りリーチ。

 

 

4回戦が終わった時点の藤島と前原の差が、22.8ポイント。
紺野が浮いているので、前原のターゲットは藤島になるが、現在の差は順位点込みで、43.3ポイントとなっている。
まだ何局か連荘が必要だろう。

リーチを受けた藤島の手牌がこうなった。

 

 

お気づきになっただろうか?
藤島のファンは、このシーンに見覚えがあったと思われる。
そして、藤島本人にも忘れることの出来ない、あの日の記憶が蘇る。

 

 

第2期JPML WRCリーグ決勝(2017年)

https://www.ma-jan.or.jp/title-fight/champions-league/final-champions-league/51365.html

ご存知ない方は、瀬戸熊直樹の書いたこの観戦記を読んでから、戻ってきていただきたい。

 

 

ルールは違うものの、前原との差に若干の余裕があるのも、まるであの日のようだ。

あの敗戦を何度も思い出すのだろうか。

「通しやすい牌を押せなかったということは事実です」

この重い言葉を、何度も反芻しただろうか。
今年のグランプリMAXを戴冠することとなったら、インタビューで聞いてみたいものである。

藤島は、自身の読みを確認したのか、それとも放銃になったときの覚悟を決めたのか、ほんの5秒の小考で決断した。
画面を見ていた藤島ファンの期待をのせて、その一打は放たれた。

 

 

もうひとりの勝ち上がりは紺野。
戻ること4回戦東1局。(※ 画面テロップは3回戦となっていますが、4回戦の間違いです。)
親、前原がドラ2の先制リーチ。

 

 

同巡、後のないダンプが振りかぶって追っかけリーチ。

 

 

その状況下で紺野、太い腕をしならせて3軒目。
役あり、愚形にも関わらずリーチには驚いた。
ここを1つ目の勝負処とふんだのだろう。

 

 

本局を制した紺野、これ以降すいすい手が入り、7万点弱の1人浮きトップ。
この半荘で大きくリードし、勝ち上がりとなった。

 

 

(文:福光聖雄)