グランプリ レポート

第12期グランプリMAXベスト16D卓レポート

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【麻雀グランプリMAXベスト16D卓、渡辺、黒沢の勝ち上がり】
全5回戦の4回戦オーラスから。
僅差で迎えた4回戦だったが、渡辺が5万点の一人浮きトップ目とリード。
二階堂がこの半荘の2着目とはいえ、黒沢、瀬戸熊と争っている状況だった。
(詳しいスコアは次のキャプチャを参照)

フーロ率の低い黒沢が2フーロ。(もう一つはカン二万をチー)
黒沢の仕掛けというのもあるが、このスコア状況、そして、三筒が全部切られていて三色同順がない。
チャンタ、ドラ2以上の仕掛けと誰もが思うところだろう。

 

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ここで黒沢に2着を奪われるのは、二階堂、瀬戸熊にとっては厳しい。
親の渡辺も無理に連荘する必要はなく、丁寧に受けて手はバラバラだ。
そして、二階堂の手牌は以下。
この半荘、黒沢より下の着順は許されず…許されないのだが、この形では絶望的である。

 

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おそらく黒沢の一人テンパイで終局だろう。
瀬戸熊、二階堂とは相応の差で最終戦になるなと思っていた。
※ 仮に一人テンパイで終局した場合、渡辺+29.9、黒沢+11.7、瀬戸熊▲18.7、二階堂▲23.9
しかし――

 

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この結末が待っているとは全く想像できなかった。
瀬戸熊、意地の黒沢から3,200直撃。
黒沢をラスにするという最高の結果を得る。

 

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渡辺は2人に抜かれなければよいので、ほぼ安泰。
3人でもう1席を争う最終戦になったのだが、これぞ黒沢というアガリで突き放す。

 

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黒沢からは三筒六筒の場況がよく見えるので長考したと思うのだが、どういう心境だったのだろう。
三筒六筒を残した方がアガリやすいけど、私セレブだし、そんな小さなことできないな。』なんて思っていたら面白い。
そして、牌もしっかり応えるのだから、その凄さに開いた口が塞がらなかった。
決まり手となる4,000オール!

大事には至らなかったので笑い話で済むのだが、このあとセレブらしい放銃も見せてくれる。
追う瀬戸熊のリーチを受けて、以下の手牌。
黒沢からは四索七索も4枚見えていて、六索の方が明らかに安全なのは百も承知。
しかし、トイツ形の手が大好きな黒沢、三索四索四索五索五索六索という不格好は受けつけていないのだ。

 

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黒沢「頑張ってたのに、1つのとんでもない放銃で、その事以外すべて頭から抜けちゃいました。いやー、間違えました。どっちも通るかなと。また今日も面白くしてしまいました。」
黒沢「ベスト8も皆さんがワクワクする麻雀で勝ち上がりたいと思います。」
終局後はこの大反省の表情。
でも僕も――フォローではなく素直に――あの場面で三索を切る黒沢が大好きである。
次回ベスト8も、ハラハラして、ワクワクする対局を見せてくれるに違いない。

もう一人勝ち上がりの渡辺。
渡辺「攻撃的に行こうと思って臨んだけど、前半は何もできなかった。ジリジリする展開だったけど、5回戦のどこかで勝負処を作っていこうと焦りはなかった。」
渡辺「対戦相手が決まってから、このお三方とやるのは凄い楽しみでした。どこまで通用するのかというのと、純粋にこの3人と対局するのが。」

 

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解説のともたけのこのアガリは嬉しかったよね?にこの笑顔。
Mリーガー3人を相手に見事な快勝でした。

 

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(文:福光聖雄)