プロリーグ(鳳凰戦)決勝観戦記

第37期鳳凰位決定戦三日目観戦記 HIRO柴田

佐々木+48.3P 勝又39.8P 藤崎▲28.6P 沢崎▲60.5P

上記のポイントで迎えた3日目。
2日目の内容としては佐々木の独走を止めるべく3者が意識した結果、佐々木のポイントを少し削る事に成功し、そしてそのすぐ背後に勝又が付けて終えたといった所か。
折り返しの残り8半荘、マイナスしている沢崎・藤崎としてはあと8半荘しかない、荒れ模様が予想される3日目の始まりである。

 

100

 

9回戦 (起家から、沢崎・勝又・藤崎・佐々木)

東1局、先制のパンチは南家の勝又。

勝又
一索二索三索四索四索五索六索七索九索南南  ポン発発発  ドラ三万

南は生牌、八索は1枚切れ、勝又は迷わずカン八索を選択。

 

100

 

勝又はやはり間違えないと思わせるように八索のツモアガリとなる。
そして、始まったばかりではあるが、このアガリでトータルポイントは首位となった。

東4局

沢崎
五万六万四索五索六索七索七索七索三筒四筒六筒西西西

南家の沢崎の牌姿。速度だけなら六筒切りだがそんなアガリには価値はないと言わんばかりの打三筒
三色狙いだけでなく、ドラ三索を引いてからのホンイツなど、様々な沢崎の構想を視聴者は感じたのではないだろうか。
そして、その期待に応えるかの様に四万を引き入れると、カン五筒のリーチだ。

 

100

 

沢崎渾身のリーチは、河に二筒三筒そしてリーチ後の七筒が4枚切れと、五筒が絶好の景色となる。
そしてメンゼンホンイツテンパイの藤崎の押しをみても佐々木1人ノーテンは推測しやすい。
そんな場況、状況共にマッチして、テンパイを入れた勝又が打ち出す牌は五筒となり沢崎が5,200のアガリ。
沢崎にとってこのアガリは感触が良かったはずだ。

南1局
先ほどのアガリで迎えた親の沢崎が動き出す。

沢崎
六万七万二索五索八索八索九索九索八筒西発  ポン中中中  ドラ九万

ここから打八筒とし高打点への渡りも見ながら、次に九索をポンとすると一気にホンイツへ。

沢崎
四索五索八索八索八索発発  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ポン中中中

勝又
五万六万七万五索六索五筒五筒五筒六筒七筒  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き

藤崎
一万一万一万三万三万三万五万六万七万三索三索六索七索  リーチ

沢崎狙いどおりホンイツになると、勝又もドラをポンして三色の片アガリテンパイ。すると藤崎も残り2巡でリーチを打つ。結果は3人テンパイだが、藤崎の麻雀をよく見ているが故に、このリーチは勝負に対する強い気迫を感じた。

南1局1本場

勝又
五万六万七万一索一索二索三索四索三筒四筒五筒五筒七筒  リーチ  ドラ一索

勝又ドラを2枚雀頭にしてリーチとすると、

沢崎
一万二万三万五万六万七万七万二索三索三索四索四索五索  リーチ  ロン四万

前巡にテンパイを入れていた沢崎が、ツモ切りリーチをしてアガリきる。沢崎はもう一歩も譲る気はないのだろう。

南4局

沢崎
七万南南白  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン発発発  チー四索 左向き三索 上向き五索 上向き  ドラ五万

オーラスを迎えた沢崎、狙うわ1人浮きだ。しかしなかなか手が追いついてこない。

勝又
一万二万三万五万五万五万六索七索四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ロン五索

そこへ勝又がドラを暗刻にしてリーチ。勝又も佐々木もひとアガリで浮きに回る好位置。
一歩も退かない構えで佐々木が打ち出した五索で勝又の手が開かれた。
勝又にとって絶好であり、佐々木にしては最悪の結果となってしまった。

9回戦成績
沢崎+17.3P 勝又10.0P 藤崎▲9.1P 佐々木▲18.2P

9回戦終了時成績
勝又+49.8P 佐々木+30.1P 藤崎▲37.7P 沢崎▲43.2P

 

10回戦 (起家から、勝又・藤崎・佐々木・沢崎)

東2局3本場

沢崎
八万八万一索四索五索三筒三筒南西西  チー三万 左向き四万 上向き五万 上向き  ドラ三筒

流局が続いて迎えた今局、西家沢崎がドラ2枚を武器に仕掛けを入れる。

藤崎
一万二万二万三万三万四万六万七万八万九万三筒四筒五筒

沢崎の手牌がなかなか進行しない中、親の藤崎は既に役なしのテンパイを入れていて手替わり待ちだ。
狙うはイーペーコーとなる一万四万や一気通貫となる五万、もしくは三筒といったところだが持ってきたのは六筒

藤崎
一万二万二万三万三万四万六万七万八万三筒四筒五筒六筒  リーチ  ツモ六筒

これ以上相手の好きにさせるのも不本意と、藤崎最初の手替わりでリーチを打ち見事に2,000オールのツモアガリ。

南2局

藤崎
二万三万四万二索二索五索六索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ七索  ドラ西

南場の親番でもこの2,600オールをツモアガリり、一気に5万点に近づくがこの半荘の主役はこの人。

南3局

佐々木
一万一万四万五万七万八万九万二索三索四索六筒七筒八筒  リーチ  ドラ八万

南3局1本場

佐々木
一万一万四万五万六万七万九万三索三索三索四索五索六索  リーチ  ツモ八万  ドラ二筒

南3局2本場

佐々木
四万五万六万六万三索四索五索  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ツモ三万  ドラ六万

 

100

 

100

 

9回戦の鬱憤を晴らすかのような佐々木の連続攻撃。
特に3本場は勝又も勝負をかけていただけに、直撃された12,000の放銃は痛恨となってしまった。

10回戦は降りかかる火の粉を払うかの如く、佐々木が大きなトップで終えた。

10回戦成績
佐々木+42.7P 藤崎+9.6P 沢崎▲17.2P 勝又▲35.1P

10回戦終了時成績
佐々木+72.8P 勝又+14.7P 藤崎▲28.1P 沢崎▲60.4P

 

11回戦 (起家から、佐々木・藤崎・沢崎・勝又)

残り6半荘・・1位を走る佐々木と勝又の差は60P、藤崎は100P、沢崎は130Pと縦長になって来た。
残り回数を考えると順位の入れ替わりは起きにくいので、3者共に佐々木へのマークはせざるを得ないはずだ。

東1局

沢崎
四万五万六万七万七万二索三索四索五索六索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ七索  ドラ二万

トータルトップ者の親だからヤミテンで流す、それともツモの時に少しでも多く払わせる為にリーチを打つ。
色々な方法があるが沢崎の選択はリーチ。自らのポイントを増やさないと優勝はありえないからだ。

東4局

藤崎
一万二万三万三万四万五万七万七万一筒二筒三筒七筒九筒  リーチ  ドラ七万

佐々木
二万三万二索三索四索四索四索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ

藤崎がリーチを打てば、佐々木もいつでも決めに行きますよとばかりに、追っかけリーチとくるが、ここは藤崎の2,000・3,900のアガリとなる。

南1局

勝又
三万三万七万八万九万一筒一筒一筒六筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ五筒

佐々木
六索六索八索八索九索九索三筒三筒五筒五筒北北白  リーチ

次局も勝又先制リーチに、親の佐々木リーチとくるが八筒を掴み勝又に軍配。

南3局

佐々木
二万四万三索三索三索五索六索七索七索八索九索七筒七筒  リーチ  ドラ七筒

佐々木これでもかとリーチを打つも、

沢崎
九万九万三索四索五索七筒八筒  ポン七万 上向き七万 上向き七万 上向き  ポン白白白  ツモ九筒

沢崎が1,000オールと佐々木の攻撃を当てさせずにアガリきる。
佐々木はなにもやらせて貰えずこの半荘4着となり、沢崎にとっては、残りの半荘を全て浮きたいくらいのポイント差なので、このトップはまずはといった所だろうか。

11回戦成績
沢崎+17.4P 藤崎+5.8P 勝又▲5.7P 佐々木▲17.5P

11回戦終了時成績
佐々木+55.3P 勝又+9.0P 藤崎▲22.3P 沢崎▲43.0P

 

12回戦 (起家から、佐々木・藤崎・沢崎・勝又)

いくつリードしたら足りるのだろう?観戦している私達側と打ち手側とではかなりの違いがあると思う。
あと一歩でほぼ決まりか?と何度も思ってしまう私達と、いくらあっても足りないと思うのが打ち手の本心であろう。
そして11回戦4着となった佐々木のポイントは+55.3P、この数字は勝又・藤崎・沢崎にとって難しい課題ではあるが無理な課題ではないだろう。

 

100

 

東1局、起家の佐々木が先制リーチとくる。

藤崎
二万三万四万四万五万六万二索二索二索四索四索三筒四筒  ドラ一筒

沢崎
四索五索五索六索六索七索八索四筒五筒六筒発発発

勝又
一万一万三索四索五索七索八索九索七筒八筒  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き

なんと4者テンパイで、佐々木への放銃は避けたいが、アガリ逃しもできない場面。
皆がアガリに向かっている分、佐々木の現物である五筒九筒は山になければ抜き打たれる事が無さそうで1牌1牌ツモる毎に緊張が走る。

 

100

 

いち早くテンパイを入れていた勝又がここはアガリとなり佐々木の親を落とす。

東3局
佐々木
一万二万三万五万五万五万一索二索三索一筒三筒南南  リーチ  ドラ六索

佐々木、少しも手を緩める事無く先制リーチを打つ。

沢崎
一万一万五索六索一筒二筒三筒四筒五筒六筒発発発  リーチ

藤崎
一索一索三索三索六索七索七索二筒二筒四筒四筒西西  リーチ

それならばと佐々木を捕らえるべく親の沢崎、そして藤崎もリーチと来る。

 

100

 

アガったのは沢崎。これで縦長であったポイント差が一段と詰まってきた。

東4局2本場

沢崎
四万五万六万六万七万二索三索四索八索八索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ西

45,700点持ちの沢崎はさらなる加点を目指しリーチと来る。

 

100

 

こちら8巡目の佐々木の牌姿、七万八万を切ればテンパイである。
沢崎は子なので現状無理しない手もあるし、八万を切る手もあると思われたが、佐々木の選択はシンプルに自らのアガリやすさを求めた七万切りのリーチだ。

佐々木
三万三万三万七万八万七索八索九索五筒五筒東東東  ロン九万  ドラ西

一目シンプルなアガリに見えるが、この鳳凰戦という舞台でトータル首位に立ってこのアガリができる事に佐々木の強さをさらに見せつけられた気がした。

南1局

佐々木
一万一万六万七万八万七索八索九索三筒四筒六筒七筒八筒  ロン五筒  ドラ南

南1局1本場

佐々木
三万四万五万六万七万二索二索三索四索五索六筒七筒八筒  リーチ  ドラ白

南1局2本場

佐々木
六万七万八万三索四索五索五索六索七索六筒七筒八筒南  リーチ  ロン南  ドラ南

南1局3本場

佐々木
五索五索四筒五筒七筒七筒七筒  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き  ツモ六筒  ドラ発

東4局のアガリで迎えた南場の親で、またしても佐々木が麻雀を線で描くかのような連荘が始まり、持ち点が4万点を越えトップ目となる。

南1局4本場

佐々木
三筒三筒五筒五筒七筒七筒七筒  ポン東東東  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ドラ五筒

続く4本場、これをアガったらいよいよかという局面にストップをかけたのは藤崎。

藤崎
四万五万五万六万六万七万七万四筒五筒六筒六筒七筒八筒  ツモ四万

佐々木の仕掛けや、まだ手替わりがあるのでリーチとまでは行けないが、藤崎が価値ある2,000・4,000のツモアガリで佐々木の大物手をかわす。

南2局2本場

藤崎
六万七万七万七万三索四索五索六索六索六索三筒四筒五筒  リーチ  ツモ八万  ドラ一万

さらに藤崎はこの2,000オールのアガリでトップ目に立つと

南2局3本場

沢崎
三索四索白白  チー三索 左向き二索 上向き四索 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン発発発  ツモ二索  ドラ五万

ここでマイナスするわけにはいかない沢崎も懸命にアガリ返す。

 

100

 

南4局2本場

沢崎
五万五万五万六万七万八万六索七索四筒五筒六筒七筒七筒  リーチ  ロン五索  ドラ九万

このアガリで沢崎11回戦に続いて12回戦もトップの2連勝。
勝又・藤崎・沢崎はトータルで僅かなマイナスで終えた。
そして佐々木は、+50ポイントのリードで最終日を迎える事となった。

12回戦成績
沢崎+14.3P 藤崎+9.6P 佐々木▲4.6P 勝又▲19.3P

12回戦終了時成績
佐々木+50.7P 勝又▲10.3P 藤崎▲12.7P 沢崎▲28.7P