プロリーグ(鳳凰戦)レポート

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A2リーグ第8節レポート 佐々木 寿人

第7節でようやく初日が出た。
振り返ってみれば、それまではどこか難しく考えすぎていたように思う。
やはりそれは、昨期の負け方を引き摺っていたせいだろう。
「折角いい麻雀になってきたのに、ムダになっちゃうじゃない。」
荒正義さんからのアドバイスである。
(そうだよなぁ。なんだかんだ言っても、去年は戦えていたんだから。)
今期は結果を求めすぎて自滅、それが積み重なってここまできてしまったというわけである。
昨年との最大の違いは、大きな放銃が増えたことだ。それもこちらにアガリ目がないような局が極めて多い。
つまりは、細かい点棒を欲しがって、攻めすぎているということである。
例えばこの日の2回戦。
東1局1本場の終盤などが大きな例だ。
三万三万六万八万八万四索五索六索七索八索四筒五筒六筒  ツモ二万  ドラ三筒
局面は15巡目で、私は既に一万九索も河に切っているような状況だ。
全員に対する安全牌は、七索八索がある。当然ながらここからテンパイに向かうには、場面に相当高いマンズを2枚処理しなくてはならない。
普通なら完全にヤメである。
ところが私は、1回戦で44Pのプラスを叩いたことにかなり気を良くしていた。
(一気に借金返済まで!)
とは言え、ここでのマンズ切りはあまりに無謀である。
なぜなら、親の藤原の河にはマンズが1枚も切られておらず、南家の櫻井だって直前に切った九万が自身初のマンズなのである。
メンチンということはないにしたって、その色は間違いなく危険だ。
ほとほと学習能力のない男である。
二万二万五万六万七万三索四索五索三筒三筒六筒七筒八筒  ロン二万
結果は藤原へ7,700は8,000の放銃。
(確か第1節もこういう放銃から崩れ出したよなぁ。)
わかってはいるのである。だから、この後一度は踏みとどまった。しかし、二度目はなかった。
今度は南1局、再び親は藤原という場面だ。2枚目の東を仕掛け、藤原の捨て牌はこうなっていた。
一筒 上向き四万 上向き四筒 上向き九筒 上向き七万 上向き二万 上向き
一万 上向き二万 上向き九筒 上向き白白
ソーズの一色手が濃厚といった切り出しになっている。
そして私の手牌は以下。
五万六万七万二索四索四索五索五索六索八索五筒六筒中  ツモ八筒  ドラ八筒
道中から半分受けに回らせられている状況だったが、ここでの打五筒が櫻井に捕まった。
五万六万七万一筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒南南南  ロン五筒
ダブ南ドラ1の5,200である。本当に中途半端な打牌だった。
タイムシフトで見ると、藤原の手はこうである。
九万九万二索三索七索七索八索九索九索八筒  ポン東東東
直前に掴んだ八筒が手牌に浮いているのがわかる。
ここで五筒を打つということは、ほぼアガリを諦めたということである。
ソーズを打っていけないがために五筒を切るのなら、もう少し他家へのケアもしなくてはならないところだ。
23,100で踏みとどまっていた点棒は、この後雪崩式になくなってしまった。
そして2回戦終了時にはわずかにプラスが6ポイント。これではあまりに意味がない。
まだ2節あるとは言え、ここまではとにかく点棒をばら撒きすぎた。
残り半荘8回でどこまで戻せるかはわからない。
だが思考をもう一度柔軟にして、なんとか上位陣に食らいつきたいものである。