プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第37期鳳凰戦A2リーグ第9節A卓レポート

【A2リーグ第9節A卓 近藤久春のスペシャル大三元!】

11月17日に行われたA2リーグ第9節A卓は開始早々に大三元が炸裂し、波乱の幕開けとなった。
開始前のトータルポイントは以下の通り。

 

 

2位のダンプ・5位の近藤・7位の麓までは昇級ボーダーを、10位の客野・12位の魚谷は降級ボーダーを見た戦いとなる展開が予想される。

 

 

実際に対局が始まると、解説の和久津が「すごいのから切りましたね」とコメントしたのが東1局の近藤の手牌。

 

 

綺麗に理牌すると…

四万六万六万八万五筒七筒八筒九筒三索七索白発発中

こちらの牌姿。なんとここから近藤が切ったのは、いきなりカン七万受けを拒否する八万

発は必ず3枚以上で使いたい
白中を引いて三元役やホンイツを狙いたい
③最悪発のみになったとしても、好形テンパイを作りたい

といった意図が感じられる。「近藤スペシャル」と呼ばれる、牌効率を多少無視しても高打点を成就させる雀風がよく表れた一打だった。

この局は結果的に③のルートで1,500のアガリとなったが、同じような手牌が東2局に近藤の元を訪れた。

 

 

ここでも当然字牌は切らずに、第一打は浮いている二万

 

 

巡目が進んでも、やはり字牌は温存して打五筒

そして、誰が配牌からこの最終形を思い浮かべただろうか?

 

 

拮抗した昇級争いを頭一つ抜け出す、大三元のアガリ!一半荘目にして+47.9Pの嬉しい大トップとなった。
この後、結果的には1日トータルがマイナスになるほど辛い展開になってしまったが、このスペシャルな爆発力を見れば近藤が昇級候補の筆頭であることは疑う余地がないだろう。

1日を終えたトータルポイントは以下の通り。

 

 

卓内トップは客野。いつも通り堅い打ち回しで14.2Pを加点し、降級ボーダーをかなり遠ざけることに成功した。

次回の放送は11月24日(火)。
対局者は内川(3位)・藤島(4位)・和久津(7位)・古橋(9位)・前原(12位)です。
僅差の昇級争いや、そこに食い込むべくバットを長く持つ古橋・和久津。
降級ボーダーが目の前で負けられない前原。
それぞれテーマを持った熱い戦いにぜひご注目ください。

文中敬称略
(文・浜野太陽)