プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第37期鳳凰戦A2リーグ第10節A卓レポート

12月8日に行われたA2リーグ第10節A卓は山田・魚谷が大きなプラスを手にし、残留の可能性を大きく上げることに成功した。

 

 

この日の対局者は古橋崇志(7位・+19.9P)、麓征生(8位・▲1.0)、魚谷侑未(11位・▲64.8)、前原雄大(12位・▲100.2)、山田浩之(14位・▲111.1)。開始前の全体成績は画像の通り。

 

 

通年の長いリーグ戦も、今回を入れて残すところ2節となり、完全な条件戦となる。解説の猿川は「今回の見どころが下位3人の残留争い。魚谷さんは+20くらいできれば安泰…ではないけど、良いですね」とコメント。この日勝負を分けたように思われたのは3回戦の山田の親番。東1局に気持ち良い3,900オールをアガると…

 

 

続く1本場でチートイツのみのテンパイ。

 

 

少々見えにくいが、ツモってきたのは八万。マンズを多く持っているためチンイツに行きたいところだが、九万が2枚切れ。打点や連荘率を上げる為にもリーチはしておきたいところだが、1枚切れの東と生牌の六万どちらを待ちにするか。山田が選んだのは…

 

 

六万単騎!七対子は1枚切れの字牌で待つというのがセオリーではあるが、なぜこの選択に至ったのか。一つ考えられるのは、字牌待ちとはいえダブ東は他家からの出アガリが厳しいこと。また、六万を切ってしまうと非常に中張牌の多い河になってしまう点も注意したい。合わせ打ちで「ワンチャンス」や「ノーチャンス」ができてしまうようであれば、3人の子のうち1人ぐらいは安全牌を切りながらテンパイができてしまうかもしれない。当初の目的の一つであった連荘率の上昇のためには、字牌を切ってのリーチが有効なのである。そんなことを思ってか思わずかリーチに踏み切った山田。すると…

 

 

なんと2巡後に望外のツモアガリ!このアガリには解説の猿川も「芸術点で5,000点あげたいですね」と絶賛!このリードを生かしてこの回トップをとった山田は続く4回戦もトップを手にし、+68.9Pの嬉しすぎる勝利。一日終了時点の全体成績は、画像の通り。

 

 

 

魚谷が山田に次ぐプラスで11位から8位に浮上。Twitterでは「今期のリーグ戦で最大に手が入りました。残留目指して頑張ります!」と謙虚ながら嬉しそうなコメント。
麓は「熱くなりすぎました\(_ _)あまり集中できてませんでした。」と後悔を滲ませた。古橋も「最終戦下手すぎました」と反省。
前原は、なかなか効果的なアガリを決めることができず、▲26.7Pで耐えたといった印象。次節大きなプラスが必要に。

次回の放送は12月15日(火)。対局者はダンプ大橋(2位 +120.3)、内川幸太郎(4位 +94.4)、客野直(7位 ▲11.6)、安村浩司(13位 ▲100.6)、二階堂亜樹(15位 ▲273.1)。昇級・降級を争う2名ずつに、どちらも見える客野。それぞれの思惑が交錯する試合をぜひご視聴ください。

(文・浜野太陽)