プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第38期鳳凰戦A1リーグ第1節A卓レポート

【ついに開幕!第38期鳳凰戦A1リーグ】

2021年4月に入り、先日のB1リーグSelect、女流桜花Aリーグ、A2リーグと各リーグの放送が始まった。4/7(水)には最高峰A1リーグがスタート、今回は開幕戦の模様をお伝えしたい。

 

 

対局者は
沢崎誠
勝又健志
近藤久春
西川淳

個性溢れる4名が繰り出す一手がどんな化学反応をみせるのか、とても楽しみである。

起家は勝又。この配牌で第一打六索はドラ八万2枚を使うメンツ手が主体だが、八索から切らないのは、七対子の芽も残したいから。
2巡目にツモ七筒でピンズの4連続系を活かすため八索トイツ落とし。七対子ドラドラ単騎待ちよりも白ドラドラの方がアガリ期待値が高いという計算だろう。

 

 

瞬く間にテンパイを入れ、西川から西ロンで5,800のアガリ。

南1局に再び親番の勝又が六索九索で先制リーチ。

 

 

ここに切り込んで攻め返したのは西川。リャンメンに受けずにダブ南三索のシャンポンで追っかけリーチ。勝又から高めが出て満貫直撃で勢いを阻止し、仕切り直しとなる。

均衡を破ったのは南3局に親番の近藤。きっかけとなったツモアガリがこれだ。

三万四万五万五万五万六万七万七筒九筒二索三索四索四索四索 ドラ七筒

まずは6巡目にカン八筒待ちテンパイを取らずの打九筒
7巡目八万引きでドラ切り、フリテン待ちでヤミテン。
8巡目に西ツモ切りリーチ。
9巡目に二万ツモで2,100オールのアガリ。

 

 

一索四索二万五万の1巡の間で豊富なリャンメン手がわり牌を待つのと、フリテンリーチでツモりに行くのとどちらがいいか天秤にかけ、最速のアガリをものにした。
「細い糸を通すようなアガリ手順を踏めた時。それが自分の目から確認出来た時かな。」
かつてのインタビューで自分のツキパターンをそう分析していた近藤は、この親番で3者を突き放して1回戦トップ。

2着争いの決着はオーラスの6本場。勝又が一万中とポン。ドラ色ホンイツ模様で場が沸騰。

 

 

唯一戦える牌姿は西川。二万六筒待ちのタンヤオイーペーコードラ。勝又は二万を切っているのでその後のマンズ引きにも対応出来る。
しかし勝又は道中にアガリ逃すも、最後は出アガリ期待を捨てるフリテン3メンチャンに受けてツモで2,000・3,900(+2,800)。4着から浮きの2着になる嬉しいアガリで長かった1回戦が終了。

2回戦東4局2本場。西川の手牌はわずか5巡目で雀頭なしの国士無双2シャンテン。

 

 

6巡目は一索、7巡目は北を引き、九万待ちテンパイが入る「はず」だった。

 

 

ここで敏感に反応したのは沢崎。この牌姿から二索ポン。前巡ドラを重ねたとはいえ、アガリに近づいているのか判断しかねる仕掛けだ。だが、これで西川の手番を飛ばしている間に勝又と自分の九万を4枚処理して西川の勝負手を灰塵と化してしまった。仮に沢崎がポンしなくても2人の九万に間に合わない可能性は高いが、48,000が現実的に見えた西川にとっては痛い局だ。

 

 
仕掛けは大成功で、終盤に1,000・2,000(+1,600)ツモ。沢崎はどこまで場が見えているのだろうか、底が知れない。
しかし、この日の沢崎には苦難が続く。

3回戦、西川のリーチを捌きに行き8,000放銃。親番ではホンイツテンパイでツモ切った南が勝又の跳満に放銃となってしまう。

 

 

南2局に西川の先制リーチを受けた勝又は。ツモり四暗刻テンパイだがリャンメンに受け、ツモ三暗刻ドラ3の跳満。3回戦もトップを取ると、難しい選択をほぼノータイムで正解し続けて2着からの3連勝。IQ220の頭脳は今期も最初からフル稼働である。

 

 

卓内2位は1、2、2、2とこちらもオールプラスの近藤。立ち上がりは慎重。勝ちパターンにハマれば叩き、次の半荘はまた慎重に。オンオフの切り替えを徹底していた。

西川、沢崎にとっては厳しい幕開けとなってしまったが、次節以降どのように巻き返しに来るか注目したい。

次回A1リーグは4/14(水)17:00を予定。
瀬戸熊直樹
前田直哉
HIRO柴田
杉浦勘介

来週はA2から昇級を決めた杉浦が登場。この対局も是非ご期待ください。

(文:編集部)