プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第38期鳳凰戦A1リーグ最終節A卓レポート

【吉田直が+119.5Pをマークし奇跡の残留】

今期鳳凰戦A1リーグも遂に最終節。対局者と開始前のポイント差は以下の通り。

 

10位 西川淳
11位 紺野真太郎
12位 瀬戸熊直樹
13位 吉田直

 

 

A1残留を目指して11位以上を目指す戦い。現状の残留ラインは紺野の▲93.4P。瀬戸熊はおよそ126p、吉田はおよそ137Pを詰められるか、そして西川、紺野は下位に2人以上置いたまま今期を終える戦いである。

長い1日が始まった。

最初にアガリを決めたのは親番瀬戸熊。ツモ白ドラ3の4,000オール。

 

 

今度は吉田が発ホンイツ、5,200は5,500を西川から。

 

 

西川が積極的に仕掛け局を消化してオーラスを迎えるが、親番吉田が南五筒のシャンポンを選んでリーチ。高めの南をツモって4,000オール。吉田がトップスタートとなった。

 

 

 

1回戦は下克上成功という結果に。しかし西川と紺野が「一緒に残留しよう」という麻雀は成立するが、瀬戸熊と吉田が「一緒に逆転しよう」はポイント的に難しい。奇跡を呼び込めたとしてもそれはきっと1人だけ。どちらがその権利を手にするのか?

2回戦東1局。紺野のリーチ宣言牌はドラの白。これを瀬戸熊がポンして吉田から7,700。

 

 

痛い放銃となった吉田だが、東3局親番で三色ドラの六索九索待ち。3,900オールは4,200オール(+1,000)のツモアガリで復活。

 

 

4本場には紺野が二筒五筒のヤミテン。

 

 

ドラ暗刻の瀬戸熊、テンパイ打牌が五筒となり、紺野7,700は8,900のアガリ。

トップ目となった吉田。南2局にドラ雀頭の五筒八筒待ち。瀬戸熊からの八筒を見逃し、西川か紺野からの直撃を狙う。

 

 

結果はすぐ2,000・3,900は2,100・4,000のツモ。「現物ですら安全ではない。」西川と紺野に絶大なプレッシャーを与えた。

だが、こういった戦いになるのは守る2名も承知の事。一度山越しを狙われたくらいで引き下がりはしない。南3局、紺野がタンヤオドラ3。8,000は8,900(+1,000)のアガリ。

 

 

オーラスは西川がメンピンドラドラ、11,600は12,200(+2,000)を決める。

 

 

西川が加点して4本場までもつれたオーラス。吉田が五万八万リーチで終わらせに来る。

 

 

紺野アガれば浮きの七対子テンパイ。八万を勝負して吉田のアガリ。2連勝を決めた。

 

 

2回戦は何度もリーチ負け。3回戦も細かい放銃が続き、かなり厳しいポジションの瀬戸熊。
三暗刻確定の手牌、浮き牌の縦重なりを期待して七筒切りとするが

 

 

西川のリーチを受けて七筒引き戻しのフリテンツモ。1,300・2,600(+1,000)のアガリとなる。

これをきっかけに瀬戸熊のクマクマタイムが発動。
東3局はリーチツモドラドラの白単騎、2,000・3,900。
東4局1本場は一万四万フリテンリーチ。高め四万ツモでリーチタンヤオツモ三色の4,000オールは4,100オール。

 

 

南3局には中メンホンのカン八万が紺野から出て8,000。

オーラス親番の瀬戸熊はここぞとばかりにリーチを畳み掛けるが、4本場で吉田がアガってようやく連荘ストップ。

 

 

瀬戸熊が大トップ、吉田浮き2着で3回戦が終了。

最終節A卓の最終戦開始前の成績。現状は西川と紺野が残留だが、誰が降級してもおかしくない差となった。

 

 

大まかな条件を記しておくと

西川は2着以上なら残留、3着以下だとポイント勝負

紺野と吉田はほぼ着順勝負だが、西川次第では2人とも残留の可能性あり

瀬戸熊は3人中2人を捲るのが残留条件。およそ70ポイント差を詰める戦い。

東1局。親番瀬戸熊の先制リーチを受けた吉田は八索切りで追っかけリーチ。しかしそれが瀬戸熊のリーチ三色7,700は8,000に放銃となる。

 

 

東2局には西川がドラ暗刻のイーペーコー、ペン七万待ち。これに飛び込んだのも吉田。

 

 

絶体絶命の吉田は東3局で14,000点。北のみのカン六万からトイトイに変化させて1,300・2,600をツモアガると

 

 

ここから吉田、8局連続のアガリ。
最終節オーラス。
現状は吉田、西川が残留。
親番紺野はどちらかをかわすまで連荘。
瀬戸熊は吉田か西川からダブル役満、ダブル役満ツモ条件。

 

 

オーラスは吉田が白チャンタの2,000をアガって決着。

 

 

 

この結果により
吉田直
西川淳
のA1残留が確定した。

 

瀬戸熊「落ちるには理由があるので、ダメな所を修正して戻れるように頑張りたい。凄い熱い応援をいただいて、何とか期待に応えたいと思っていましたが、気合いが空回りしてしまい、申し訳ない。今は感謝の気持ちでいっぱいです。ご声援ありがとうございました。」

 

紺野「まずは細い条件をクリアして来た吉田を褒めたい。70沈んでしまったので、この結果は仕方ない。4年間A1に居ましたが、力が劣っていたと感じている所です。戻ってこられる事があれば、互角に戦える力を付けて来たいです。」

 

西川「今期は開幕から6節連続マイナスして苦しかったのですが、応援してくれている方が「淳さんは絶対逆転するから大丈夫。」と言ってくれた事を支えに頑張れました。残留は出来ましたが数値はマイナスなので、春までに立て直して頑張りたいと思います。」

 

吉田「(率直な気持ちを訊かれて)嬉しいです。それ以外にないです。」
「最終節はツキましたが、それまでの麻雀に反省点も多く、降級は覚悟していました。来年は始めからしっかり打ってやっぱりA1だなと思ってもらえるように頑張りたいです。」

 

次回A1リーグ最終節B卓は
2021/12/15(水) 17:00

藤崎智
沢崎誠
杉浦勘介
近藤久春

解説 森山茂和を予定しています。
こちらも是非ご覧ください。

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